レボドパ

成分名

レボドパ

適応症状

パーキンソン病

簡易説明

レボドパは、動物や植物の体内で生成される化学物質で、レボドパ脱炭酸酵素によりドーパミンとなる物質です。
すなわちレボドパは、総称的にカテコールアミン(カテコラミン)として知られる神経伝達物質のドーパミン、ノルアドレナリン、アドレナリンの前駆体ということができます。
パーキンソン病は、ドーパミンの減少によって脳内の情報伝達がうまくいかなくなり体が動かしにくい等の症状を呈しますが、それらを改善する薬です。

処方可能な診療科目

内科/脳神経外科など

健康保険の適応

健康保険適用

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料の目安:1,000~2,000円
薬代1錠あたりの目安:
 イーシー・ドパール配合錠/21.7円(協和キリン)
 スタレボ配合錠L50/126円(ノバルティスファーマ)
 スタレボ配合錠L100/126円(ノバルティスファーマ)
 トレリーフOD錠25mg/966.1円(住友ファーマ)
 トレリーフOD錠50mg/1449.1円(住友ファーマ)
 ドパストン静注25mg/141円(大原薬品工業)
 ドパストン静注50mg/247円(大原薬品工業)
 ドパストンカプセル250mg/18.3円(大原薬品工業)
 ドパストン散98.5%/54.5円(大原薬品工業)
 ドパゾール錠200mg/14.6円(アルフレッサファーマ)
 ネオドパストン配合錠L100/19.5円(大原薬品工業)
 ネオドパストン配合錠L250/48.3円(大原薬品工業)
 ネオドパゾール配合錠/26.5円(アルフレッサファーマ)
 マドパー配合錠/22.2円(太陽ファルマ)
 メネシット配合錠100/17.5円(オルガノン)
 メネシット配合錠250/42.7円(オルガノン)
 カルコーパ配合錠L100/9.4円(共和薬品工業)
 カルコーパ配合錠L250/23円(共和薬品工業)
 ドパコール配合錠L50/5.9円 (ダイト)
 ドパコール配合錠L100/9.4円(ダイト)
 ドパコール配合錠L250/23円(ダイト)
 パーキストン配合錠L100/9.4円(小林化工)
 パーキストン配合錠L250/23円(小林化工)
 レプリントン配合錠L100/9.4円(辰巳化学)
 レプリントン配合錠L250/23円(辰巳化学)
 デュオドーパ配合経腸用液/15282.2円(アッヴィ)〈100ml1カセット〉
病院によって差があり、薬代の他に初診料・診察料・検査料などが必要になります。
指定難病であり、自己負担分の治療費の一部または全部が国または自治体により賄われることがあります。

厚生労働省による認可、または発売年月日

1980年2月発売(イーシー・ドパール錠)

国内のジェネリック認可

あり

関連製品(先発薬)

ドパストン散98.5%(大原薬品工業)
ドパゾール錠200mg(アルフレッサファーマ)
イーシー・ドパール配合錠(協和キリン)
ネオドパゾール配合錠(アルフレッサファーマ)
マドパー配合錠(太陽ファルマ)
ネオドパストン配合錠L100(大原薬品工業)
ネオドパストン配合錠L250(大原薬品工業)
メネシット配合錠100(オルガノン)
メネシット配合錠250(オルガノン)
スタレボ配合錠L50(ノバルティスファーマ)
スタレボ配合錠L100(ノバルティスファーマ)
ドパストンカプセル250mg(大原薬品工業)
ドパストン静注25mg(大原薬品工業)
ドパストン静注50mg(大原薬品工業)
デュオドーパ配合経腸用液(アッヴィ)

関連製品(ジェネリック)

パーキストン配合錠L100(小林化工)
パーキストン配合錠L250(小林化工)
カルコーパ配合錠L100(共和薬品工業)
カルコーパ配合錠L250(共和薬品工業)
レプリントン配合錠L100(辰巳化学)
レプリントン配合錠L250(辰巳化学)
ドパコール配合錠L100(辰巳化学)
ドパコール配合錠L250(辰巳化学)

効果・作用

パーキンソン病では、振戦・筋固縮・無動・姿勢反射障害という4つを主とした症状を呈します。
これらはなぜ起こるのかというと、加齢によって脳内で放出されるドーパミン量の減少が起き、情報処理がうまくできなくなって体をうまく動かすことができないなどの症状があらわれるといわれています。
パーキンソン病は進行性の難病です。その進行を遅らせるには、少しでも外的要因を使ってドーパミンを補ってあげる必要があります。
レボドパはドーパミンの放出を促進させる働きがあります。
作用機序の前提として、ドーパミンは血液脳関門と呼ばれるチェックポイントを通過することができません。
ですが、レボドパであればその関門を通過することができ、その後レボドパは脳に移行し、ドパ脱炭素酵素によってドーパミンに変換されるという仕組みです。
しかし、ドパ脱炭素酵素は脳以外の体中の末梢(胃など)にも存在し、レボドパを投与しても9割近くが急速にドーパミンへ変換されてしまうため、血液脳関門を通過することができません。
そのため、末梢でのドパ脱炭素酵素の働きを阻害するために、ドパ脱炭素酵素阻害薬の配合剤が使用されることが多いです。
ドパ脱炭素酵素阻害薬の配合剤を使用することによって、レボドパそのものの使用量を1/4~1/5ほど減量することが可能とされています。

使用方法

カプセル・散剤に関しては、通常成人レボドパとして1日量250〜750mgを1〜3回に分けて食後直ちに経口投与します。その後2〜3日毎に1日量として250mg宛増量し、症例毎に最適投与量を定め維持量とします。標準維持量は1日1.5〜3.5gです。

静注に関しては、通常成人1日量レボドパとして25〜50mgを1〜2回に分けて、そのままゆっくり静注又は生理食塩液もしくはブドウ糖注射液などに希釈して点滴静注します。

経腸用液は、本剤投与前の経口レボドパ量に応じて初回投与量を決定し、朝の投与及び持続投与に分けて胃瘻を通じて空腸に直接投与します。その後は患者の症状により、以下の用量範囲で投与量を調整していきます。なお、必要に応じて持続投与中に追加投与を行うことができます。
通常、成人には、朝の投与として5〜10mL(レボドパ/カルビドパ水和物として100/25〜200/50mg)を10〜30分かけて投与した後、2〜6mL/時間(レボドパ/カルビドパ水和物として40/10〜120/30mg/時間)で持続投与します。なお、1日の最大投与時間は16時間とされています。1回あたりの追加投与は0.5〜2.0mL(レボドパ/カルビドパ水和物として10/2.5〜40/10mg)とします。
本剤の投与量は症状により適宜増減しますが、朝の投与は15mL(レボドパ/カルビドパ水和物として300/75mg)、持続投与は10mL/時間(レボドパ/カルビドパ水和物として200/50mg/時間)を超えないこととします。また、1日総投与量は100mL(レボドパ/カルビドパ水和物として2000/500mg)を超えないこととされています。

錠剤に関しては、配合錠などによって服用方法や1日の最大量などが違います。医師や薬剤師の指示に従って服用するようにしてください。

副作用

主な副作用
突発的傾眠・吐き気・食欲不振・口渇・便秘・不眠・不安・脱力感・抑うつ・幻覚・付随運動・ウェアリングオフ現象(レボドパ製剤の効果が出ている時間が次第に短くなり、一旦レボドパ製剤を服用しても次の服用予定時間の前に症状が出てしまう)・オンオフ現象(レボドパ製剤を服用した時間に関わらず、スイッチを入れたり切ったりするように急激に症状が変動する)がみられることがあります。

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
■レボドパを配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方、以下の代表薬品はアレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。
▼ドパストンカプセル250mgの有効成分
日局レボドパ250mg
▼ドパストンカプセルの添加物
硬化油、ヒドロキシプロピルセルロース、バレイショデンプン、酸化チタン、黄色五号、ラウリル硫酸ナトリウム

▼ドパストン散98.5%の有効成分
日局レボドパ985mg
▼ドパストン散98.5%の添加物
ヒドロキシプロピルセルロース

▼ドパストン静注25mg/50mgの有効成分
日局レボドパ2.5mg
▼ドパストン静注25mg/50mgの添加物
亜硫酸水素ナトリウム0.1mg等張化剤、塩酸、pH調節剤

▼デュオドーパ配合経腸用液の有効成分
日局レボドパ2000mg、日局カルビドパ水和物500mg(カルビドパとして 463mg)
▼デュオドーパ配合経腸用液の添加物
カルメロースナトリウム

錠剤に関しては、配合されている成分によって添加物等が異なります。詳しくは医師や薬剤師へお尋ねください。

■他に使用できない方
・閉塞隅角緑内障の方
・過敏症の既往歴のある方

使用に注意が必要な方
・肝・腎障害のある方
・胃潰瘍、十二指腸潰瘍のある方、または既往歴のある方
・糖尿病の方
・重篤な心・肺疾患、気管支喘息又は内分泌系疾患のある方
・慢性開放隅角緑内障の方
・自殺傾向など精神症状のある方

上記にあてはまる方は、レボドパを使用する事が出来ない可能性があります。
レボドパを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用注意薬
・レセルピン製剤(テトラベナジン)
・血圧降下剤(メチルドパ水和物、レセルピン)
・節遮断剤等
・抗精神病薬のフェノチアジン系薬剤(クロルプロマジン等)
・ブチロフェノン系薬剤(ハロペリドール等)
・他の抗パーキンソン剤(抗コリン剤、アマンタジン塩酸塩、ブロモクリプチンメシル酸塩)
・NMDA受容体拮抗剤(メマンチン塩酸塩等)
・パパベリン塩酸塩
・鉄剤
・イソニアジド
・スピラマイシン
・その他(ペロスピロン等)

上記を使用している方は、レボドパを使用する事が出来ない可能性があります。
レボドパを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬
現在併用禁忌薬は報告されていません

上記の併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

よくある質問
投与を中止すべき副作用はありますか?

胃潰瘍や十二指腸潰瘍の悪化、溶結性貧血・血小板減少、突発的睡眠、閉塞隅角緑内障という症状があらわれた場合は、投与を中止して適切な処置を行う必要があります。またその他の副作用に関しても、気になる症状があれば医師へ相談し、指示を仰ぐようにしてください。

パーキンソン病は治りますか?

現代医学では、パーキンソン病の完治はありません。そのため薬の投与は、あくまでも症状の進行を遅らせる対症療法であることを覚えておく必要があります。ですが、症状に応じてさまざまな配合薬もありますので、医師とよく相談して服用する薬を決めてください。服用する薬も不変的ではなく、進行に伴って量が増えたり変更していく場合があります。

サイト利用に関する注意事項

医薬品を使用する場合、必ず医師や薬剤師の指示に従って下さい。
医薬品を使用し、体調不良が現れた場合、我慢せずに直ちに医師の診察を受け、指示に従って下さい。