成分名 |
マザチコール塩酸塩水和物 |
適応症状 |
向精神薬投与によるパーキンソン症候群など |
簡易説明 |
マザチコール塩酸塩水和物は、抗コリン作用があることから、脳内のドパミン作用を強めるはたらきがあります。
パーキンソン病における手足の震えなどの症状や抗精神病薬によるパーキンソン症候群などを改善する薬として用いられます。
ある種の安定剤を飲んでいる状況では、手のふるえや体のつっぱり感などパーキンソン病のような症状があらわれることがありますが、この薬は、そのような「薬剤性パーキンソニズム」の症状を改善したり予防するはたらきがあります。 |
処方可能な診療科目 |
内科/神経内科/脳神経内科など |
健康保険の適応 |
健康保険適応 |
病院で処方してもらう時の費用目安 |
診察料などの目安 :約1000円~5000円程度
薬代1錠あたりの目安:4mg約17円
薬代1gあたりの目安:1%約40円
※病院によって差が有ります。初診料・診察料・検査料などが必要です。 |
厚生労働省による認可、または発売年月日 |
【ペントナ錠4mg】
薬価基準収載年月 : 2006年12月
販売開始年月 : 1978年5月
【ペントナ散1%】
薬価基準収載年月 : 2002年7月
販売開始年月 : 1978年5月 |
国内のジェネリック認可 |
現在ジェネリック医薬品の製造はありません。 |
関連製品(先発薬) |
ペントナ錠4mg【製薬メーカー:田辺三菱製薬】
ペントナ散1%【製薬メーカー:田辺三菱製薬】 |
関連製品(ジェネリック) |
現在ジェネリック医薬品の製造はありません。 |
効果・作用 |
マザチコール塩酸塩水和物は、抗コリン作用があり、脳内のドパミン作用を強めるはたらきにより、パーキンソン病における手足の震えなどの症状や抗精神病薬によるパーキンソン症候群などを改善する薬として用いられます。
多くの統合失調症などの治療に使われる薬(抗精神病薬)や一部の胃腸薬などの薬剤は神経伝達物質ドパミンの働きを抑えることでその薬効をあらわすことがありますが、そのような「薬剤性パーキンソニズム」の症状を改善したり予防するはたらきがあります。
パーキンソン病では脳内のドパミンが不足することで手足の震えや筋肉のこわばりなどがおこります。
脳内の神経伝達物質の一つアセチルコリンはドパミンと互いに拮抗し合う物質で、一般に脳内のドパミン作用が弱くなっている状態ではアセチルコリンの作用が強くなります。
アセチルコリンの働きを抑える作用を抗コリン作用と呼び、この作用によってドパミンの作用を強めることができます。
本薬は抗コリン作用をあらわすことで脳内のドパミンの作用を強めて、パーキンソン病における手足の震えなどの症状を改善します。
飲み合わせや食べ合わせに注意が必要で、ある種の安定剤や抗うつ薬と併用すると、両方の薬の副作用が強まるおそれがあることから、他の薬を服用している場合は、必ず医師に報告してください。 |
使用方法 |
▼用法用量
[ペントナ錠4mg]
・成人には、1回1錠(マザチコール塩酸塩水和物として4mg)を1日3回経口投与します。なお、年齢や症状により適宜増減すします。
[ペントナ散1%]
・成人には、1回0.4g(マザチコール塩酸塩水和物として4mg)を1日3回経口投与します。なお、年齢や症状により適宜増減すします。 |
副作用 |
重大な副作用
▼Syndrome malin(悪性症候群)
他の抗パーキンソン剤(ビペリデン等)で、抗精神病薬、抗うつ剤及びドパミン作動系抗パーキンソン剤との併用では、他の抗パーキンソン剤(ビペリデン等)及び併用薬の減量又は中止によって、発熱・無動緘黙・意識障害・強度の筋強剛・不随意運動・嚥下困難・頻脈・血圧の変動・発汗等があらわれることがあります。このような症状があらわれた場合には、体冷却・水分補給などの全身管理等の適切な処置を行ってください。本症発症時には、白血球の増加や血清CK(CPK)の上昇があらわれることが多いことや、ミオグロビン尿を伴う腎機能の低下があらわれることがあります。患者の状態を十分に観察して異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行ってください。
妄想/倦怠感/頭重/頭痛/不眠/眠気/知覚異常/便秘/食欲不振/排尿困難/霧視/AST上昇/ALT上昇/胸部狭扼感/うつ状態/尿閉/過敏症/発疹/不整脈/眼調節障害/鼻閉など
※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。 |
使用に注意が必要な方 使用出来ない方 |
使用が出来ない方 ■マザチコール塩酸塩水和物を配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方は、ペントナにアレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。
▼ペントナの有効成分
マザチコール塩酸塩水和物
▼代表薬の添加物
[ペントナ錠4mg]
・ケイ酸アルミニウム、酢酸ビニル樹脂、カルメロース、ステアリン酸カルシウム、タルク、乳糖水和物、ポビドン
[ペントナ散1%]
・エチルセルロース、二酸化ケイ素、乳糖水和物
■閉塞隅角緑内障の患者
閉塞隅角緑内障の患者は、抗コリン作用により眼圧が上昇し、症状を悪化させることがあることから使用できません。投与しないでください。
■重症筋無力症の患者
重症筋無力症の患者は、抗コリン作用による筋緊張低下のため、重症筋無力症の症状を悪化させるおそれがあることから使用できません。投与しないでください。
■前立腺肥大等尿路に閉塞性疾患のある患者
前立腺肥大等尿路に閉塞性疾患のある患者は、抗コリン作用による膀胱平滑筋の弛緩、膀胱括約筋の緊張により排尿困難を悪化させるおそれがあることから使用できません。投与しないでください。
使用に注意が必要な方 ■不整脈又は頻脈傾向にある患者
不整脈又は頻脈傾向にある患者は、抗コリン作用により交感神経が優位になり不整脈、頻脈が悪化するおそれがあります。観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には、投与を中止することが望ましいですが、やむを得ず投与を続ける必要がある場合には、慎重に投与してください。
■肝障害又は腎障害のある患者
肝障害又は腎障害のある患者は、代謝・排泄遅延により作用が増強するおそれがあります。観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には、投与を中止することが望ましいですが、やむを得ず投与を続ける必要がある場合には、慎重に投与してください。
■高温環境にある患者
高温環境にある患者は、抗コリン作用により発汗抑制が起こり、体温調節が困難になるおそれがあります。観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には、投与を中止することが望ましいですが、やむを得ず投与を続ける必要がある場合には、慎重に投与してください。
■脱水・栄養不良状態等を伴う身体的疲弊のある患者
脱水・栄養不良状態等を伴う身体的疲弊のある患者は、Syndrome malin(悪性症候群)が起こりやすいです。観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には、投与を中止することが望ましいですが、やむを得ず投与を続ける必要がある場合には、慎重に投与してください。
■開放隅角緑内障の患者
開放隅角緑内障の患者は、抗コリン作用により眼圧が上昇し、症状を悪化させることがあります。観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には、投与を中止することが望ましいですが、やむを得ず投与を続ける必要がある場合には、慎重に投与してください。
■高齢者
高齢者ではせん妄、不安等の精神症状及び抗コリン作用によるめまい、立ちくらみ、口渇等があらわれやすいことから、減量するなど慎重に投与してください。
■妊婦、産婦、授乳婦等
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上まわると判断される場合にのみ投与してください。動物実験(マウス、ラット)で母体への影響(体重増加抑制傾向)及び胎児異常(発育抑制)が認められています。
■小児等
乳児、小児に対しては、治療上の有益性が危険性を上まわると判断される場合にのみ投与してください。乳児、小児への投与に関する安全性は確立していません。
上記にあてはまる方は、マザチコール塩酸塩水和物を使用する事が出来ない可能性があります。 マザチコール塩酸塩水和物を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。 |
併用禁忌薬 |
併用注意薬 ・抗コリン作用を有する薬剤(フェノチアジン系化合物、三環系抗うつ剤、アトロピン硫酸塩水和物、ブチルスコポラミン臭化物、チメピジウム臭化物水和物)
・中枢神経抑制剤(フェノチアジン系化合物、三環系抗うつ剤、MAO阻害剤)
上記を使用している方は、マザチコール塩酸塩水和物を使用する事が出来ない可能性があります。 マザチコール塩酸塩水和物を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。
併用禁忌薬 現在併用禁忌薬は報告されていません
併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です 現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。 |
よくある質問 |
|
サイト利用に関する注意事項 | 医薬品を使用する場合、必ず医師や薬剤師の指示に従って下さい。 医薬品を使用し、体調不良が現れた場合、我慢せずに直ちに医師の診察を受け、指示に従って下さい。 |