オピカポン

成分名

オピカポン

適応症状

パーキンソン病

簡易説明

本剤は末梢におけるレボドパの代謝酵素であるCOMTという物質を阻害することによって、レボドパの生物学的利用率を増大させ、血漿中レボドパの脳内移行をより効率的にする働きがあります。
作用時間が長いため、ウェアリングオフ現象を抑えることができ、身体症状としてあらわれる手足のふるえやこわばり、体が動かしにくいと感じる時間を少なくすることができます。

処方可能な診療科目

内科/神経内科/脳神経外科など

健康保険の適応

健康保険適用

病院で処方してもらう時の費用目安

診療代の目安:1,000~2,000円
薬代の目安:オンジェンティス錠25mg/957.4円(小野薬品工業)
病院によって差があり、薬代の他に初診料・診察料・検査料などが必要になります。
指定難病であり、自己負担分の治療費の一部または全部が国または自治体により賄われることがあります。

厚生労働省による認可、または発売年月日

2020年8月発売

国内のジェネリック認可

あり

関連製品(先発薬)

オンジェンティス錠25mg(小野薬品工業)

関連製品(ジェネリック)

オンジェンティス50mg(Bial)

海外での使用実績

欧州で開発が開始され、25及び50のカプセルを用いて「レボドパ/ドパ脱炭素酵素阻害薬併用療法で症状が安定しない、運動症状の日内変動が認められる成人パーキンソン病患者における補助療法」として適応され、2016年6月に欧州で販売承認を取得しました。
欧州での市販製剤は1号サイズのカプセルですが、日本では患者にとって負担になると考えらえ、楕円形錠剤での開発が進められました。

効果・作用

パーキンソン病は手足のふるえやこわばり、体が動かしにくいなどの症状を呈する、進行性の指定難病です。
こういった症状が出てくる原因として、ドーパミンの減少があげられます。
体内でドーパミンを作り放出することが困難であるため、外的要因でドーパミンを供給してあげる必要があります。
そのため、中心となる薬剤はレボドパなどのドーパミンの放出を促進するための薬です。
パーキンソン病の初期では、ドーパミンが蓄積されているため、薬の効果も長時間持続します。
しかし病状の進行などによって、薬の持続時間が短くなり、薬の効果が切れたときに症状が出てきてしまうというリズムが徐々にできてしまいます。
この現象をウェアリングオフ現象といいます。ウェアリングオフ現象によって生活に支障が出たりQOL(生活の質)の低下が起きてしまうのです。
これを解消するために作られたのが本剤です。
末梢におけるレボドパの代謝酵素であるCOMTという物質を阻害することによって、レボドパの生物学的利用率を増大させ、血漿中レボドパの脳内移行をより効率的にする働きがあります。
また既存の薬剤では作用時間が短いため1日複数回の投与が必要でしたが、本剤は作用時間が長いため1日1回の内服で効果時間が長く続くようになっています。
作用時間が長いためにウェアリングオフ現象を抑えることができ、症状を抑えることができます。
単剤使用では効果が得られず、レボドパ等のドーパミンを促進する薬剤と併用し、一定の時間に服用することが推奨されています。

使用方法

前提として、本剤はレボドパ・カルビドパ又はレボドパ・ベンセラジド塩酸塩と併用します。
通常、成人にはオピカポンとして25mgを1日1回、レボドパ・カルビドパ又はレボドパ・ベンセラジド塩酸塩の投与前後及び食事の前後1時間以上あけて経口投与します。
生活習慣、レボドパ含有製剤の投与時間帯等を考慮して適切な投与時間(就寝前等)を定め、毎日一定の時間帯に投与することが重要です。

副作用

主な副作用
便秘・浮動性めまい・睡眠障害・不眠症・体位性めまい・ジストニア・頭痛・間隔鈍麻・うつ病・落ち着きのなさ・失神などがみられます。

重大な副作用
ジスキネジア・幻覚・幻視・幻聴・せん妄・傾眠・突発的睡眠がみられることがあります。

その他の副作用
味覚異常・悪夢・不安・悪心・口渇・腹部不快感・腹部膨満・腹痛・嘔吐・胃炎・大腸ポリープ・消化不良・動悸・頻脈・食欲減退・脱水・血中トリグリセリド増加・高アルカリホスファターゼ血症・発熱・異常感・浮腫・関節痛・筋肉痛・四肢痛・筋痙縮・変形性脊椎症・筋骨格硬直・貧血・白血球減少・肝機能障害・ALT増加・腎機能障害・着色尿・排尿困難・頻尿・血尿・膀胱炎・発疹・湿疹・接触皮膚炎・起立性低血圧・低血圧・高血圧・血圧変動・体重減少・CK増加・転倒・挫傷・裂傷・呼吸困難・咽頭炎・肺炎・回転性めまい・創傷・足部白癬・異常な夢・運動過多・筋攣縮・耳閉・ドライアイなどがみられることがあります。

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
■オピタカポンを配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方、オンジェンティス錠25mgはアレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。
▼オンジェンティス錠25mgの有効成分
オピカポン25mg
▼オンジェンティス錠25mgの添加物
乳糖水和物、部分アルファー化デンプン、デンプングリコール酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、ヒプロメロース、酸化チタン、マクロゴール6000、三二酸化鉄

■他に使用できない方
・本剤の成分に対して過敏症の既往歴のある方
・褐色細胞腫、傍神経筋腫またはその他のカテコールアミン分泌腫瘍のある方
・悪性症候群または非外傷性横紋筋融解症の既往歴のある方
・重度肝機能障害のある方

使用に注意が必要な方
・肝機能障害のある方(重度を除く)
・妊婦、授乳婦
・小児等
・高齢者

上記にあてはまる方は、オピカポンを使用する事が出来ない可能性があります。
オピカポンを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用注意薬
・COMTにより代謝される薬物(アドレナリン、ノルアドレナリン、dl-イソプレナリン塩酸塩、ドーパミン塩酸塩等)
・MAO-B阻害剤(セレギリン塩酸塩、ラサギリンメシル酸塩等)
・鉄剤
・三環系、四環系抗うつ剤、ノルアドレナリン再取り込み阻害剤、ノルアドレナリン・セロトニン作動性抗うつ剤(アミトリプチリン塩酸塩、マプロチリン塩酸塩、ベンラファキシン塩酸塩、デュロキセチン塩酸塩、ミルタザピン等)
・キニジン

上記を使用している方は、オピカポンを使用する事が出来ない可能性があります。
オピカポンを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬
現在併用禁忌薬は報告されていません。

併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

よくある質問
レボドパ等と時間を空けて服用するのはなぜですか?

海外臨床試験成績から定められています。同時投与と時間を空けた投与の有効性を比較し、同時投与では101.2%~116.3%だったのに対し、時間を空けた投与では139.9%~178.1%と、時間を空けた投与のほうが有効性がより高いことが示されました。このことから、時間を空けた投与をするようにと定められています。

作用までの時間と半減期を教えてください。

空腹時に単会投与した場合、血中濃度が最高値に達するのは服用後から約2時間後、半減期は25mgでは0.729時間、50mgでは1.42時間であるとされています。また服用は食後にするという理由としては、空腹時と比較したときに有効性が0.53および0.57倍になるからです。有効性等を考慮した結果のもとで定められていますので、医師の処方に従って服用してください。

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