成分名 |
トリヘキシフェニジル塩酸塩 |
適応症状 |
特発性パーキンソニズム/脳炎後パーキンソニズム、パーキンソニズム/向精神薬投与によるパーキンソニズム・ジスキネジア(遅発性を除く)・アカシジア |
簡易説明 |
パーキンソン病とは、①振戦(ふるえ) ②固縮 ③動作緩慢 ④姿勢反射障害の4つの症状を特徴とする病気です。
大脳の下にある中脳というところの神経細胞(ドパミン)が減少して起こります。
現在の医学では、根本的な治療法はなく、様々な症状をやわらげ、日常生活を問題なく送ることができるようにすることが主な治療となります。
一度発症すると、自然によくなったり完治することはありません。
トリヘキシフェニジル塩酸塩は、減少してしまった物質を補うことで、脳の中のバランスを整えることができるよう処方されます。
第一選択薬ではなく、補助的な治療として使われることが多いです。 |
処方可能な診療科目 |
脳神経内科/内科 |
健康保険の適応 |
健康保険適応 |
病院で処方してもらう時の費用目安 |
診察料などの目安 :指定難病制度があり、自己負担額の詳細はそれぞれにことなります。
薬代1錠あたりの目安:先発品アーテン錠8.8円/錠、アーテン散1%15.5円/g、
薬代後発薬1錠の目安:トリヘキシフェニジル塩酸塩散錠8.7~8.8円/錠(メーカーによる)、トリヘキシフェニジル塩酸塩散1%16.2円/g
以前はセドリーナという製品もありましたが、現在は販売中止となっています。
指定難病であり、自己負担分の治療費の一部または全部が国または自治体により賄われることがあります。
パーキンソン病は指定難病であり、自己負担分の治療費の一部または全部が国または自治体により賄われることがあります。
それぞれの病院によっても差が有り、薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になります。
また、それぞれ加入の健康保険の負担額の割合によっても異なります。 |
厚生労働省による認可、または発売年月日 |
1971年3月月販売開始 |
国内のジェネリック認可 |
トリヘキシフェニジル塩酸塩錠2mg(武田製薬より「タイヨー」、長生堂製薬より「CH」、共和薬品工業より「アメル」、高田製薬より「タカタ」、キョーリンメディオより「杏林」、ニプロより「ニプロ」と表記あり)
パーキネス(東和薬品)
トリヘキシフェニジル塩酸塩散1%「CH」 |
関連製品(先発薬) |
アーテン(ファイザー) |
関連製品(ジェネリック) |
トリヘキシフェニジル塩酸塩、トリヘキシフェニジル塩酸塩散、パーキネス,べクソル(インタス・ファーマ) |
効果・作用 |
パーキンソン病は進行性の病気であり、国の指定難病にも登録されています。
(指定難病とは、まだ治療方法がみつかっておらず、長い期間にわたって療養する必要がある難病患者さんが、法律に定められる基準に基づき医療費の助成制度の対象としている病気のことを言います。)
先に述べた4大症状(①振戦:安静にしている時に、そんなつもりはないのに手足が小さく震える ②固縮:からの筋肉がこわばってしまい、スムーズに体を動かせなくなる ③動作緩慢:1つ1つの動作がゆっくりで、速い動きができなくなる ④姿勢反射障害:バランスを崩すともとに戻りづらくなり、転んでしまう)のほかに、2つ以上の動作を同時に行うことができない、体で自由にリズムをとることができない、歩き出しの1歩目がでづらい、歩いているとどんどんスピードが上がってしまう、表情が乏しくなる、食べ物を飲み込みにくくなるなど、様々な症状があります。
治療には薬による薬物療法と、手術による外科療法がありますが、基本は薬物療法です。
様々な症状に合わせて、薬の種類や量を調節していきます。
パーキンソン病そのものに対しての薬はたくさんの種類があり、その作用から9種類ほどに分類されています。
このトリヘキシフェニジル塩酸塩は、抗コリン薬です。
私たちの体は、それぞれの臓器が交感神経と副交感神経によってバランスよく活動できるようにコントロールされています。
コリン作用とは、副交感神経から出されたアセチルコリンがそれぞれの臓器に働きかけ、効果を及ぼす作用のことです。
抗コリン薬は、この作用を遮ります。
パーキンソン病の患者さんでは、ドパミンの不足とは相対的に、アセチルコリンが過剰な状態となっているので、アセチルコリンの量を減らし、ドパミンとのバランスを整えることで、症状を改善させることができるのです。
特に手の震えや体のこわばりなど。パーキンソン病の初期に起こりやすい症状によく効果があります。
その為、医師の判断によって「体が勝手に動いてしまう不随意運動」などの治療にも応用されることがあります。
日常生活での注意点では、飲み合わせのよくない薬がありますので、他の薬の処方を受ける時には、この薬を服用していることを伝えてください。
飲酒は薬の副作用を強めるおそれがあります。副作用により眠気やめまい、目の症状が出ることがあるので、車の運転や危険な作業には十分注意してください。 |
使用方法 |
トリヘキシフェニジル塩酸塩は、少しの量から服用をはじめ、観察をしっかりと行いながら維持量まで増やしていきます。
他の薬からトリヘキシフェニジル塩酸塩に切り替える場合には、もとの薬を徐々に減らしながら、この薬を増やしていくのが基本です。
①向精神薬が原因の症状に対する処方では、成人では1日あたりトリヘキシフェニジル塩酸塩として2~10mgを、3~4回に分けて服用します。
②その他の場合には、成人では1日あたりトリヘキシフェニジル塩酸塩として、順に増量しながら服用する。第一日目1mg、第二日目2mg、それ以後1日に2mgずつ増量し、1日量が6~10mgを維持量として、3~4回に分けて服用します。
どちらの場合も、年齢や症状に合わせて、適宜量を調節します。 |
副作用 |
重大な副作用
悪性症候群、精神症状(錯乱・幻覚・せん妄)、長期服用による閉塞隅角緑内障
その他の副作用
興奮状態、眠気、めまい、頭痛、体がだるい、吐き気、動悸、湿疹、目がみにくい
上記のような症状があった場合は、医師に相談しましょう。
※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。 |
使用に注意が必要な方 使用出来ない方 |
使用が出来ない方 ■トリヘキシフェニジル塩酸塩を配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方、アーテン錠(アーテン散)はアレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。
▼アーテン錠(アーテン散)の有効成分
トリヘキシフェニジル塩酸塩
▼代表薬の添加物
錠剤:乳糖水和物、トウモロコシデンプン、部分アルファー化デンプン、ステアリン酸マグネシウム
散剤:乳糖水和物、トウモロコシデンプン、軽質無水ケイ酸
・閉塞隅角緑内障の患者
・重症筋無力症の患者
どちらも抗コリン作用により症状を悪化させることがある為、注意が必要です。
使用に注意が必要な方 抗コリン作用により、症状を悪化させる可能性のある病気として、開放隅角緑内障・前立腺肥大症・不整脈・高血圧・胃腸の病気などがあります。
それ以外に、高温環境では汗による体温調節が難しい、肝・腎機能低下がある方では副作用が強く現れやすいなどがあげられます。
妊婦さん(その可能性がある方)には投与しないことが望ましいとされています。
また、授乳中の方については、授乳継続についてよく検討することとされています。
上記にあてはまる方は、トリヘキシフェニジル塩酸塩を使用する事が出来ない可能性があります。 トリヘキシフェニジル塩酸塩を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。 |
併用禁忌薬 |
併用注意薬 ①フェノチアジン系薬剤、三環系抗うつ剤など→相互に抗コリン作用が増強され、腸管麻痺を引き起こす可能性があります。
②中枢神経抑制剤→相互に中枢神経抑制作用が増強され、副作用のうち錯乱・興奮・幻覚などの症状が強く出ることがあります。
③他の抗パーキンソン病薬→原因ははっきり分かっていませんが、副作用が強くでることがあります。
上記を使用している方は、トリヘキシフェニジル塩酸塩を使用する事が出来ない可能性があります。 トリヘキシフェニジル塩酸塩を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。
併用禁忌薬 なし
併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です 現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。 |
よくある質問 |
|
サイト利用に関する注意事項 | 医薬品を使用する場合、必ず医師や薬剤師の指示に従って下さい。 医薬品を使用し、体調不良が現れた場合、我慢せずに直ちに医師の診察を受け、指示に従って下さい。 |