シテロンとは

シテロンは、酢酸シプロテロンを有効成分とする抗男性ホルモン薬です。
体内の男性ホルモン(アンドロゲン)の働きを抑える作用があり男性的な特徴(ヒゲ・体毛・性欲・皮脂分泌・筋肉の発達)が抑えられます。
シテロンは主にどんな目的で使用されるの?
- 前立腺がんの治療:男性ホルモンが関与するがんの進行を抑える
- MTF(男性⇒女性)のホルモン療法:女性ホルモンと併用し男性的特徴を抑える
- 性欲の抑制:過剰な性衝動を抑える為に使用されることがある
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商品名 | シテロン |
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有効成分 | 酢酸シプロテロン50mg |
メーカー | Rex Medical Ltd(レックスメディカル) |
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シテロンの抗男性ホルモン作用のメカニズム

シテロンは、男性ホルモン(主にテストステロン)の働きを抑制します。
男性ホルモンが過剰に分泌されると、女性においてもさまざまな健康問題が引き起こされます。
テストステロンの抑制
シテロンは、男性ホルモンであるテストステロンの作用を抑えることができます。
テストステロンは、「体毛の増加」「皮脂の分泌促進」「筋肉量の増加」「声の低さ」など、男性的な特徴を作り出すホルモンです。
テストステロンが過剰に分泌されると、さまざまな症状(多毛症、にきび、皮膚の油分過剰など)が現れることがあります。
シテロンは、テストステロンの受容体に結びついてその作用を抑えることができるためさまざまな症状(多毛症、にきび、皮膚の油分過剰など)を改善するのに有効です。
男性ホルモンの生産量自体を減らす
男性の身体は「もっと男性ホルモンを作れ!」という命令を脳から出しています。
この命令を受けて、精巣(睾丸)から男性ホルモンが作られますが、シテロンを服用するとこの命令が弱まり、男性ホルモン自体の生産が減ります。
こうした作用から体内の男性ホルモンの量が減り、男性的な特徴が抑えられます。
女性ホルモン(エストロゲン)と使用するとより効果的
MTF(男性⇒女性)のホルモン治療ではシテロンと女性ホルモン(エストロゲン)と一緒に使うことが多いです。
シテロン(男性効果を弱める)+エストロゲン(女性的な体つきを促す)ことでより女性らしい体へ変化しやすくなります。
シテロンの抗男性ホルモン作用が役立つ症状
シテロンの男性ホルモンを働きを抑える作用から役立つ症状や疾患について説明します。
前立腺がんの治療(男性ホルモンを影響に受けるがん)
シテロンで男性性ホルモンを抑えるとがん細胞の成長を抑制できる
- 男性ホルモンが前立腺がんの成長を促すため、男性ホルモンを抑えることで進行を遅らせる
- 手術や放射線治療と組み合わせることもある
MTF(男性⇒女性)のホルモン療法
性別移行を希望する人にとって、男性ホルモンをえらすのに有効
- 男性ホルモンを抑えより女性らしい体つきにする
- エストロゲンと併用することにより、乳房の発達や肌の柔らかさが促進される
- ひげや体毛の成長を抑え、男性的な特徴を弱める
性欲の抑制
特定のケースでは、衝動的なコントロールが必要な治療の一環として使用される
- シテロンは脳に作用して性欲を低下させる
- 服用開始後1~2週間程で性欲の減少を感じる
シテロンの効果的な使用方法

服用のタイミング
シテロンの服用のタイミング
- 基本的には1日1回の服用です。
- 食事の影響は受けないので、食事の有無にかかわらず服用できますが、できるだけ毎日同じ時間に服用すると、飲み忘れを防ぐことができます。
服用量
服用量は治療の目的によって異なりますが、一般的な指示として下記の服用量があります。
前立腺やホルモン治療(抗アンドロゲン療法)
一般的には、1日5~10mgの服用から始め、必要に応じて調節します。
性欲抑制(過剰な性衝動の抑制)
1日1~2mgから服用を開始し、徐々に調節します。
服用方法
シテロンの服用のタイミング
- 水または白湯で服用します。
- 錠剤は噛んだり砕いたりせず、そのまま飲みこみます。
- 飲み忘れに気付いた場合はなるべく早く服用してください。ただし、次の服用時間が近い場合は2回分を1度に服用することは辞めて次回の服用時間に1回分だけ服用してください。
シテロンの副作用・注意点

シテロンの副作用
よくある副作用
倦怠感・疲労感
抗アンドロゲン作用によりエネルギーが低下することがあります。
体重増加
ホルモンバランスの変化による影響です。
肝機能異常
まれに肝臓に負担がかかることがあり、定期的な検査が推奨されます。
吐き気・食欲不振
消化器系に影響を及ぼすことがあります。
抑うつ気分
気分が落ち込む、やる気が出ないといった症状が出ることがあります。
男性特有の副作用
性欲減退・勃起障害(ED)
男性ホルモンを抑えるため、性機能に影響を与えます。
乳房の発達(女性化乳房)
乳腺の発達や乳房の張りを感じることがあります。
筋力低下
テストステロン低下により筋肉量が減少することがあります。
女性特有の副作用
月経不順・無月経
黄体ホルモン作用の影響で、生理のリズムが乱れることがあります。
乳房の張りや痛み
ホルモン変化により乳房の違和感を感じることがあります。
重大な副作用
血栓症(エコノミークラス症候群など)
血栓ができやすくなり、足の腫れや息苦しさが出ることがあります。
重度の肝障害
黄疸(皮膚や白目が黄色くなる)、強い倦怠感がある場合はすぐに受診が必要です。
重度の抑うつ症状や精神症状
うつが悪化したり、自殺念慮が出ることもあるため注意が必要です。
シテロンの使用時の注意点

定期的な健康チェックが必要
- 肝機能検査(肝障害のリスクがあるため)
- 血液検査(血栓症のリスクを確認)
- ホルモンバランスのチェック(副作用の管理)
禁忌(使用してはいけない人)
- 肝疾患がある人(肝機能に負担がかかるため)
- 重度の糖尿病の人(血栓症リスクがあるため)
- 妊娠中・授乳中の女性(胎児や赤ちゃんに影響を及ぼす可能性)
- 重度のうつ病の人(精神的な副作用が強く出る可能性)
他の薬との相互作用に注意
- 肝臓に負担をかける薬(アセトアミノフェン、抗てんかん薬など)
- 血栓リスクを高める薬(経口避妊薬、エストロゲン製剤など)
- 抗うつ薬(精神症状が悪化する可能性)
アルコール・喫煙を控える
- アルコールは肝臓に負担をかけるため、できるだけ避ける
- 喫煙は血栓症のリスクを高めるため、禁煙を推奨
長期使用のリスク
- 長期間使用すると、骨密度低下や代謝異常が起こる可能性あり
- 定期的に医師と相談しながら使用を続けることが重要
まとめ
シテロンは男性ホルモンを抑える効果があり、前立腺がん治療やMTFホルモン療法、性欲抑制などに役立ちます。
服用の際は適切な量を守り、副作用や健康状態の変化に注意しながら、医師と相談しつつ継続的に使用することが重要です。
出典
抗男性ホルモン薬(抗アンドロゲン薬)の解説