肥満症治療薬ゼニカルの目に見える効果とサプリとの違いを解説

肥満症治療薬ゼニカルの目に見える効果とサプリとの違いを解説 ダイエット

肥満症とは

肥満症のイメージ画像

肥満症とはBMIが25以上で引き起こされる11種類の合併症(高血圧や脂肪肝、睡眠時無呼吸症候群など)が1つ以上あるか、健康被害が起こりやすい内臓脂肪蓄積がある状態を言います。身長に対して体重が重い「肥満」とは別の状態です。食べすぎや運動不足によって引き起こされる疾患で、治療法としては減量することが第一となります。

肥満症治療薬ゼニカルとは?

ゼニカルのイメージ画像

ゼニカルは、肥満症に用いられる医薬品で、スイスのロシュ社で開発されました。肥満ではない普通体系の方でも体重コントロールのために使用されることもあります。

ゼニカルの目に見える効果

ゼニカルの効果は個人差があるといわれていますが、早い方で数日、一般的には2~3週間ほどで効果を実感できるといわれています。そのため、数日服用して効果が実感できなくても最低2~3週間は服用して効果判定する必要があります。
海外の試験では、ゼニカル120mg(1カプセル)を1年間服用し続けたところ、6.1kg体重が減少したというデータが報告されています。この結果が出た時、食事制限や運動療法などはなかったとのことでしたので、これまでの生活をつづけながら体重を減少させる効果が期待できます。
また、ゼニカルは服用してから1~2時間ほど効果が持続します。効果が続いている時間では、食事で摂取した脂の吸収をおよそ30%抑制するとされています。吸収が抑制された脂は、1~2日で便として排出されます。

作用機序

ゼニカルの有効成分は「オルリスタット」というもので、肝臓に含まれる消化酵素の働きを弱める効果があります。この消化酵素をリパーゼといっていますが、このリパーゼは脂肪を分解する働きを持っており、脂肪の吸収を促進してしまいます。オルリスタットは、リパーゼの活性を阻害することで、脂の吸収を抑制し、そのまま便として排出させます。脂の吸収を抑制する薬剤であるため、糖質(炭水化物)中心の食生活を送っていると、ゼニカルの効果は出にくくなる傾向があります。

飲み方

ゼニカルは1回1錠を1日3回まで服用できます。服用から1~2日程度で、体の中にある脂が便として排出されますが、その割合は30%ほどといわれています。服用する時間は、食事中もしくは食後1時間以内が効果的です。食事が長い時間になることがあらかじめわかっている場合には、脂っこいものを先に食べて、すぐゼニカルを飲むと効果を発揮しやすいとされています
1日3回までとなっているので、自分の目指す体型に合わせて服用錠数を調節することができます。

副作用・使用上の注意

ゼニカルの副作用のイメージ画像

ゼニカルの副作用は、重大な副作用として肝障害が報告されています。一般的に出やすい副作用としては、脂漏れやオナラ、排便回数の増加、ビタミン不足などの副作用が報告されています。代表的な症状についてご紹介します。

①脂漏れ・オナラ

脂漏れとは、気が付かないうちに吸収されなかった脂が肛門から排出されることを指します。
オナラと一緒に脂がでることもあり、下着や洋服を汚してしまうことがあります。
対処法としては、女性であれば生理用ナプキン、男性であれば尿取りパットなどを着用しておくと良いでしょう。気になる方は、食事を脂質の少ないものに変えると良いとされています。

②ビタミン不足

脂に溶けやすい脂溶性ビタミンも一緒に吸収を抑制してしまうため、体からビタミンが失われやすくなります
特にビタミンの中でもビタミンA・D・E・Kが不足されやすいため、皮膚の乾燥や貧血、脱毛を引き起こすリスクもあります。ビタミン不足にならないよう、サプリメントやビタミン補給をしながら服用を続けると良いでしょう。マルチビタミンの摂取がおすすめされていますが、ゼニカルと同じタイミングで服用するとせっかくのんだビタミンが吸収されないこともありますので、2時間以上服用間隔をあけると良いです。

商品名マルチビタミン
画像マルチビタミン
有効成分ビタミンA・C・D・E・B6・B12・マグネシウム・ミネラル・鉄分・イノシトール等
メーカーバイタルミー
販売サイトマルチビタミンの購入はこちら

③肌の乾燥

人によっては肌がウロコのようにかさかさとしてしまう、肌表面の潤いが失われる、といったことが起こります。保湿クリームやサプリで肌のかさつき対策していきましょう。

商品名ヒルドイドクリーム
画像ヒルドイドクリーム
有効成分ムコ多糖体多硫酸エステル (ヘパリン類似物質)0.445%
メーカーPharmavision San
販売サイトヒルドイドクリームの購入はこちら

④併用注意薬をチェック

ゼニカルに併用禁忌薬はありませんが、併用する際に注意が必要な薬剤はいくつかあります。例えば、抗てんかん薬などは一緒に服用するとけいれんを起こしてしまう可能性があります。また、血液をサラサラにするお薬、「ワーファリン」と一緒に服用すると、ビタミンK不足が起こり出血しやすくなる可能性があるとされています。

ゼニカルで瘦せる?

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食生活を変えずにダイエット

ゼニカルは高い有効性が世界中で認められている肥満症治療薬です。1番の特徴は、これまで通りの食事をしながら、体重コントロールができる点です。ついつい食べ過ぎてしまっていた人や、食事量を減らさずに体重を落としたい人、食制限でのダイエットが続かなかった人におすすめの医薬品です。しかし、ゼニカルの効果をより高めるには、食事の見直しや軽めの運動を一緒に行うとよいとされています。食事の見直しについては、炭水化物をとりすぎていたら、減らしてみることが重要です。軽めの運動については、ウォーキングやジョギングなどがおすすめです。軽めの運動することで基礎代謝があがり、瘦せやすくなります。加えて、リバウンドもしにくくなるため、ゼニカルの服用と合わせて実施してみてください。

ゼニカルはこんな人におすすめ

  • 脂質の多い食事が好きな人
  • 体重を落としたいと思っているが、食事量は減らしたくない人
  • いつもうっかり食べ過ぎてしまう人
  • これまでつらい食事制限のダイエットが続かなかった人
  • 体重を落としたいが、食生活を変えられない環境にある人(飲食関係のお仕事をされている方や会食が多い方)

<関連商品①>

商品名ゼニカル
画像ゼニカル
有効成分オルリスタット(Orlistat)120mg
メーカーDelpharm Milano S.r.l.
販売サイトゼニカルの購入はこちら

ゼニカルは市販やamazonなどの通販では買えない?

ゼニカルの購入方法のイメージ画像

ゼニカルはアメリカでは承認されていますが、日本では承認されていない薬剤となります。そのため、amazonや楽天などの通販では基本的に購入ができません。ゼニカルを入手する方法としては、医療機関で処方してもらうか、個人輸入を通じてインターネットで購入する方法に限られています。
市販薬として発売されているのか、という疑問を持たれる方もいるかと思いますが、ゼニカルは現在発売されていません。
しかし、オルリスタットを成分として含んだ「アライ」という薬剤が2023年2月に市販薬として承認を得ています。(※追記:2024年4月8日に大正製薬から発売されましたアライについて詳しく知りたい方は以下のページをご覧ください。

ゼニカルの最安値ジェネリック薬

ゼニカルのジェネリックのイメージ画像

ゼニカルは発売してから年月が経過している医薬品となりますので、ジェネリック医薬品が複数出ております。ジェネリック医薬品は、先発医薬品と効果や成分量は同じですが、価格が安くなった医薬品です。類似品にはご注意ください。

<関連商品①>
●オルリガル
オルリガルは、世界17ヶ国で愛用されている経口内服型の肥満治療薬ゼニカルのジェネリック医薬品です。
ゼニカルと同じく、食事に含む脂質の吸収を大幅に阻害する働きがあり脂分の30%を身体の外へ排出します。
そして、重度の肥満患者を対象とした治験結果では、体重管理薬としての『効果の高さ』『安全性』ともに実証されています。

商品名オルリガル
画像ゼニカル
有効成分オルリスタット(Orlistat)120mg
メーカーハブファーマシューティカルズ&リサーチ 『Hab Pharmaceuticals & Research』
販売サイトオルリガルの購入はこちら

<関連商品②>
●オルリファスト
オルリファストも、同じくゼニカルのジェネリック医薬品です。
食事に含む脂質の吸収を大幅に阻害する働きがあり脂分の「60mg 25%」「120mg 30%」を身体の外へ排出します。

商品名オルリファスト
画像オルリファスト
有効成分オルリスタット(Orlistat)60mg,120mg
メーカーロイドラボラトリーズ
販売サイトオルリファストの購入はこちら

<関連商品③>
●アライ・リフィールパック
もともとアライは、イギリスの製薬株式会社であるGSK(グラクソ・スミスクライン社)が開発した薬になります。
2024年4月に日本でも薬局での発売が開始されました。
アライ・リフィールパックは国内販売のアライと同成分の医薬品になります。

商品名アライ・リフィールパック
画像アライ・リフィールパック
有効成分オルリスタット(Orlistat)60mg
メーカーGlaxo Smith Kline(グラクソ・スミスクライン)
販売サイトアライ・リフィールパックの購入はこちら

ゼニカルに関するよくある質問

よくある質問
Q
ゼニカルには依存性があるのでしょうか?
A

ゼニカルの依存性(常習性)はみられていません。そのため、長期的に安心して服用できます。

Q
マルチビタミンが一緒に摂取推奨となっている理由を教えてください。
A

ゼニカルは、脂を体の外に排出する作用を持っています。そのため、脂に溶けやすい脂溶性ビタミンも一緒に排出されやすくなります。脂溶性ビタミンは、ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンKなどを指していて、これらのビタミン摂取不足を防ぐために、マルチビタミンの摂取を行うように推奨しています。

Q
ゼニカルを飲み忘れてしまった場合はどのようにしたらよいでしょうか?
A

ゼニカルを飲み忘れてしまった場合、食後1時間以内であれば気づいた時点で服用してください。食後1時間以上経過している場合は、次の食事タイミングからスタートしてください。2回分を一気に飲むことはやめてください

Q
ゼニカルを飲み忘れてしまった場合はどのようにしたらよいでしょうか?
A

ゼニカルを飲み忘れてしまった場合、食後1時間以内であれば気づいた時点で服用してください。食後1時間以上経過している場合は、次の食事タイミングからスタートしてください。2回分を一気に飲むことはやめてください

Q
ゼニカルでは脂っぽいものの抑制ができるので、脂っぽい食事を増やしてもよいでしょうか?
A

ゼニカルでは確かに脂質の吸収を抑制しますが、食事で摂取したうちの30%ほどといわれています。脂質の摂取量が増えると吸収してしまう脂質が増えてしまいますので、効果を実感しにくくなる恐れがあります。

Q
普段の食事内容が偏っているのですが、ゼニカルの効果は出るのでしょうか?
A

ゼニカルを服用して食事量が少なかったとしても内容が悪いと効果が発揮されない可能性があります。揚げ物やスイーツ、ジャンクフードなどを中心に食べている方は減らし、甘い飲料なども避けてください。また、食事量を減らす際に「野菜を中心に減らす」などの偏りがある人は、効果を発揮しづらくなります。食事内容にも気を付けて、バランスの良い食生活を意識すると、体重が減りやすくなります

最後に

肥満症は、現代において一般的な疾患です。なかなか自分で運動してみても瘦せなかった方、続かなかった方は一度ゼニカルでダイエットを検討してみてもよいかもしれません。個人差はありますが、効果が実感できる可能性があります。
また、肥満症以外の方でも体重管理に使用されることの多いゼニカルですので、副作用などには注意をしながらダイエットを検討してみてください。

【参考元: 一般社団法人 日本肥満学会】

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