レバミピド(ムコスタ錠)の胃炎・胃潰瘍への効果や副作用を解説

レバミピド(ムコスタ錠)の胃炎・胃潰瘍への効果や副作用を解説 胃痛

レバミピド(ムコスタ錠)とは

レバミピドは、胃粘膜を保護する医薬品で、胃の粘液などの防御因子を強める作用を持っています。1990年に大塚製薬から発売された、歴史の長い薬剤です。商品の名前は「ムコスタ」で、胃粘膜という意味を持つ「Gastric Mucosal」と プロスタグランジン誘導物質の英語である「Prostaglandin Inducer」を組み合わせて名づけられました。

レバミピドが必要になる症状

レバミピドは、胃潰瘍や胃炎だけではなく、ドライアイなどの症状に使用されます。それぞれの症状について詳しく説明します。

胃潰瘍

胃潰瘍とは、胃の壁に欠損ができてしまう疾患です。ヘリコバクターピロリの感染や、NSAIDsなどの痛み止めの使用によって発症し、50代の方がなりやすいとされています。正常の人の胃は、胃を侵食する攻撃因子である「胃酸」と胃酸の攻撃から胃を守る防御因子「粘液」がバランスよく保たれています。防御因子である粘液が少なくなると、胃潰瘍を発症し、症状としてはおなかの痛みなどが出てきます。胃潰瘍の状態になると、粘液の産生や分泌が減ってしまっているため、レバミピドの投与によって粘液を増加させることで、痛みやつらさなどの症状が軽減していきます。

胃炎

胃炎は、胃潰瘍とは反対に攻撃因子が強まってしまうために発症する疾患です。食べすぎや飲みすぎ、過度なストレスによって発症します。レバミピドは防御因子を増加させるため、胃酸と胃粘液のバランスを正常な人と同じくらいに整え、胃炎の症状を改善します。

ドライアイ

レバミピドは2012年から目薬タイプが発売しています。目薬タイプだと、ドライアイの症状改善薬としても使用される場合があります。目が乾く症状であるドライアイは、角膜や結膜上皮などに障害が起こることで引き起こされます。レバミピドは、胃粘液を増加させる作用がありますが、同時に結膜と角膜を覆っているムチンという物質を増加させる働きも持っています。ムチンが増加することで、涙液が安定して出るようになり、ドライアイの症状が改善されます。

レバミピドの飲み方

レバミピドは、使用する用途によって飲み方が異なります。もし、飲み忘れてしまった場合は気が付いたタイミングで1回分を飲みます。次の服用タイミングが近いときは、1回飛ばして次飲むタイミングと合わせることができます。

胃潰瘍の場合

1日1回100mg錠を、1日3回服用します。服用タイミングは、朝、夕方、就寝前となっています。

胃粘膜病変(びらん、出血、発赤、浮腫)の改善、急性胃炎、慢性胃炎の急性増悪期の場合

1日1回100mgを1日3回経口投与します。

レバゲン【ムコスタジェネリック】

レバゲン【ムコスタジェネリック】は、ムコスタ錠のジェネリック医薬品です。胃の粘膜を保護する作用、胃の欠損した部分を修復する作用を持っています。痛み止めと一緒に服用されることが多いです。

商品名 レバゲン【ムコスタジェネリック】
画像 レバゲン【ムコスタジェネリック】
一般名 レバミピド
価格 1錠あたり59円
メーカー Macleods(マクレオーズ)
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レバミピドの副作用

レバミピドの副作用は基本的に少ないといわれています。臨床試験で、最も確認されている副作用「発疹」や「便秘、下痢」などでも0.1~0.5%ほどとされています。
一方で、重大な副作用としては、アナフィラキシーや肝機能障害などが報告されています。頻度は少ないとされていますが、個人の体質によっては副作用が出る可能性があります。
例えばアナフィラキシーは、突然体にアレルギー症状があらわれる疾患ですが、過去レバミピドの成分で過敏症状を起こしたことのある方は、アナフィラキシーを起こす可能性がありますので、注意してください。異常があらわれた場合には、医療機関を受診してください。

レバミピドの注意点と飲み合わせ

処方薬

レバミピドはNSAIDsなどの痛み止めと一緒に処方されることが多いとされています。ロキソニンなどの痛み止めは、服用すると腹痛や吐き気などの胃腸障害が起きやすいため、これらの症状を予防する目的でレバミピドが処方されます。同じく、プレドニンなどのステロイドも胃腸障害が出やすいため、一緒にレバミピドが処方されるケースもあります。レバミピドに併用禁忌薬はないため、どんな薬剤とも併用できます。服用している薬剤が多い高齢者なども安心して服用できます。

市販薬

レバミピドは、成分としてロキソニンが含まれる市販の解熱鎮痛薬や風邪薬などと一緒に服用しても問題ありません。ただし、効果が重なってしまう胃腸薬とは一緒に服用しないよう注意しましょう。

一緒に飲んでも問題ない市販薬

解熱鎮痛薬
市販薬でよく使用される解熱鎮痛薬を中心にレバミピドと一緒に服用しても問題ないものを紹介します。

●ロキソニンSクイック 12錠
ロキソニンSクイックは、「ロキソプロフェンナトリウム水和物」が痛みや熱の原因を抑制することで鎮痛・解熱効果を発揮します。服用後錠剤が速やかに溶けます。錠剤の中に、胃の粘膜を保護する成分も含まれていますが、それでも胃の気持ち悪さなどの症状が出る場合、レバミピドを併用しても問題ありません。

商品名 ロキソニンSクイック 12錠
有効成分 ロキソプロフェンナトリウム水和物68.1mg(無水物として60mg)
メタケイ酸アルミン酸マグネシウム100mg
メーカー 第一三共ヘルスケア

風邪薬
市販薬でよく使用される風邪薬を中心に、レバミピドと一緒に服用しても問題ないものを紹介します。

●パブロンエースPro錠 36錠
パブロンエースPro錠は、イブプロフェンを高用量600mg(1日量として)含むことで、熱やのどの痛みの原因を抑制する医薬品です。つらいのどの痛みやせき、鼻水などの症状に効果があります。レバミピドと一緒に服用しても問題ありません。

商品名 パブロンエースPro錠 36錠
有効成分 イブプロフェン200mg、L-カルボシステイン250mg、アンブロキソール塩酸塩15mg、ジヒドロコデインリン酸塩8mg、dl-メチルエフェドリン塩酸塩20mg、クロルフェニラミンマレイン酸塩2.5mgなど
メーカー 大正製薬

胃薬
胃薬の中でも、胃粘膜を保護する作用に関わる成分が含まれていないものであれば、レバミピドとの併用は可能です。

●ガスター10<錠> 6錠
ガスター10<錠> は、胃もたれや胃の痛みに使用する胃腸薬で胃酸の分泌をコントロールする作用を持っています。

商品名 ガスター10<錠> 6錠
有効成分 ファモチジン10㎎
メーカー 第一三共ヘルスケア

一緒に服用を避けるべき市販薬

胃薬
胃薬の中でも、胃粘膜を保護する作用に関わる成分「テプレノン」や「スクラルファート」が含まれている以下の医薬品は、レバミピドと作用が重なり強く効果が出てしまう恐れがあるので併用は避けましょう。

●セルベール整胃錠
セルベール整胃錠は、弱ってしまった胃を胃粘液で整える医薬品です。食欲不振や胃もたれ、胸やけなどの症状に効果があります。

商品名 セルベール整胃錠
有効成分 テプレノン112.5mg、ソウジュツ乾燥エキス(原生薬としてソウジュツ)150mg、コウボク乾燥エキス(原生薬としてコウボク)83.4mg
メーカー エーザイ

●スクラートG
スクラートGは、胃酸の逆流などで胸が焼けるなどの症状でお悩みの際に服用する薬剤です。胃酸の過剰な文筆で粘膜が荒れてしまっているため、胃粘液をコントロールすることでバランスを保ち、症状を改善します。レバミピドと同じ働きをする成分が入っているため併用は避けましょう。

商品名 スクラートG
有効成分 スクラルファート水和物1500mg、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム1500mg、合成ヒドロタルサイト750mg、コウボク流エキス0.6mL(原生薬換算量0.6g)、ソウジュツ流エキス0.6mL(原生薬換算量0.6g)
メーカー ライオン

食品

レバミピドと飲み合わせが悪い食品はありませんので、食事制限をする必要はありません。しかし、食べ物で以前かゆみや発疹などのアレルギー症状が出たことのある方は、アレルギーを起こしやすい可能性がありますので、念のため、医療機関に確認すると良いでしょう。
また、アルコール類は一般的に薬の作用を増強させたり、減弱させたりしてしまうとされています。胃炎などはお酒の飲みすぎや食べすぎによって引き起こされる場合がありますので、薬での治療と同時に、飲みすぎない、食べ過ぎないといったように生活習慣も改善していくことが大切です。

よくある質問

最後に

レバミピドまとめ

レバミピドの用途

  • 胃潰瘍
  • 胃炎
  • ドライアイ
  • 併用すべき医薬品

    • NSAIDsなどの痛み止め
    • 併用を避けるべき市販薬

      • セルベール整胃錠
      • スクラートG
      • レバミピドは、30年以上発売されている歴史の長い薬剤です。日常生活において、おなかが痛くなったり、胃の調子が悪くなることはありますが、その際にはレバミピドでの治療をおこなっていきましょう。また、NSAIDsなどの痛み止めを長期的に服用する方は、薬剤の服用によって胃に負担がかかる可能性がありますので、レバミピドを一緒に服用することは、胃を守ることにつながります。「痛み止めを飲むと吐き気がする」や「胃の調子が悪い」などといった症状が気になる方は、レバミピドでの治療を検討してみてください。

参考にした文献およびサイト

【参考元:レバミピド錠100mg「NS」 くすりのしおり】【参考元:kegg.jp】
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