漢方薬の基礎知識・種類と処方薬との違いやメリット・デメリットを解説

漢方薬の基礎知識・種類と処方薬との違いやメリット・デメリットを解説 薬・漢方薬・市販薬

漢方薬とは

漢方薬とは、草や木など自然にあるものを原料として作られる薬剤です。
このような自然の物質の中で薬効がある部分を加工したものを「生薬」と呼んでいます。漢方は通常、「生薬」が2種類以上組み合わされてできています。
漢方を服用すると、身体に足りていないものが補われ、不要なものは取り除かれることで、身体のバランスを整えてくれるのです。

代表的な生薬画像

漢方は5~6世紀ごろ中国から日本に導入されました。その後、日本の風土や歴史に合わせながら発展し、17世紀ごろ体系化され、現在に至っています。
漢方は現在150種類近く存在しており、体質や症状に合わせて処方を変えていくことで、その人にあった方法で治療を進めていくことができます。そのため、同じ症状を訴える人同士でも処方される漢方が異なったり、別の症状で悩んでいても同じ漢方がおすすめされたりします。
*1日本漢方生薬製剤協会の調査によると、医師の8割は漢方薬を処方しており、実際の治療でも高い満足度を患者から得ていることが分かりました。

医師の漢方薬使用実態調査画像

<代表商品①>
●加味逍遙散(かみしょうようさん)

加味逍遙散(かみしょうようさん)は、体力が減った更年期の女性に使用しやすい薬剤です。のぼせ感、肩こり、疲れやすいなどの症状改善が期待されます。

商品名加味逍遙散(かみしょうようさん)
有効成分加味逍遙散エキス2.0g
効果体力中等度以下で、のぼせ感があり、肩がこり、疲れやすく、精神不安やいらだちなどの精神神経症状、ときに便秘の傾向のあるものの次の症状:
冷え症、虚弱体質、月経不順、月経困難、更年期障害、血の道症、不眠症
用法用量15歳以上は1回1包を1日2回服用します。
メーカーツムラ、クラシエなど

<代表商品②>
●当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)

当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)は、体力が衰えた方の冷え性や貧血、更年期障害におけるむくみなどの症状改善に使用されます。

商品名当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)
有効成分当帰芍薬散エキス2.0g
効果体力虚弱で、冷え症で貧血の傾向があり疲労しやすく、下腹部痛、頭重、めまい、肩こり、耳鳴り、動悸などを訴える人の次の症状:月経不順、月経異常、月経痛、更年期障害、産前産後あるいは流産による障害(貧血、疲労倦怠、めまい、むくみ)、めまい・立ちくらみ、頭重、肩こり、腰痛、足腰の冷え症、しもやけ、むくみ、しみ、耳鳴り
用法用量15歳以上は1回1包を1日2回服用します。
メーカーツムラ、クラシエなど

漢方薬と病院などでもらう医薬品の違い

漢方薬と病院などでもらう医薬品の違い

漢方薬は病院で処方される機会が多いですが、西洋薬と呼ばれる医薬品とは異なっています。西洋薬は、人工的に化学合成された成分が有効成分として含まれており、さらに有効成分とされるものも1つのみです。そのため、特定の疾患や1つの症状に強い効果を示します。
一方で漢方薬は、自然の生薬が何種類も含まれているため、多くの有効成分が含まれています。そのため、1つの薬剤で多くの症状に効果を示します。
※漢方薬と西洋薬(医薬品)の違い

漢方薬西洋薬
成分自然由来人工
効果複数の症状に有効
効き方がマイルド
1つの疾患や症状に有効
効果の切れ味がよい
向いている疾患・検査異常はないが、自覚症状が強い疾患
・体質が関係する疾患
・検査や画像診断をして、異常がみられるような疾患
・緊急を要する疾患

漢方薬の種類と飲み方

漢方薬の種類と飲み方

漢方薬の種類として、いくつかの剤形があります。

煎剤・湯剤

「煎剤」は生薬とお湯を一緒に入れて煮出すことで成分を抽出するものです。
飲み方としては、煮出してスープ状になったものを服用します。

散剤・丸剤

昔の漢方薬のイメージは「煎剤」が主でしたが、現在では「散剤」や「丸剤」などもあります。
「散剤」は、生薬を砕いて粉状にしたものです。
「丸剤」は「散剤」に水分や蜜などを加えて丸くしたものです。
飲み方としては、コップ1杯ほどの水もしくは白湯と一緒に飲みます。水以外のジュースや牛乳、お茶などは薬の吸収に影響してしまうため、避けてください。
服用時間は漢方薬によって異なりますが、一般的に食前が多いとされています。食前であれば食事の30分前~1時間前ほどが適切と考えられています。

顆粒・錠剤(漢方エキス製剤)

散剤や丸剤として服用されていたものからエキスを抽出し、乾燥させたものを「漢方エキス製剤」といいます。
西洋薬と同じように錠剤やカプセル剤として加工ができるため、最近では処方される機会も増えています。
飲み方としては、散剤や丸剤と同じく、コップ1杯ほどの水もしくは白湯と一緒に飲みます。
水以外のジュースや牛乳、お茶などは薬の吸収に影響してしまうため、避けてください。

<関連商品①>
●清熱【位元堂】

清熱は、位元堂(ワイユエントン)が製薬する解熱、鎮痛、疲労回復、食欲不振に効果がある漢方薬です。
体内の余分な熱と水分を追い出すため、解熱効果が期待されます。体内の「気」を高め、不足した水分の分泌を促進します。
仕事やトレーニングなどで疲れた手足の疲労回復、ストレスによる食欲不振、熱、口の乾きなどに効果があると言われています。

商品名清熱
画像清熱
有効成分党参、野菊花、キバナオウギ、ツルニンジン、黄芪、コウバイコン(崗梅根)、植物ヨモギ属、その他の漢方薬
価格5g10袋:1箱あたり3200円~
メーカーWaiYuen Tong Medicine Co.、 Ltd(ワイユエントン)
購入ページ清熱の購入ページはこちら

漢方薬のメリットとデメリット

漢方薬のメリットデメリットをご紹介します。

メリット

漢方薬のメリットは、西洋薬では改善しにくい症状にも効果が期待できる点です。
例えば、更年期障害で出やすいほてりや発汗、体質が関連する冷え性などは検査をしても異常が出ませんが、ご本人にとってはとてもつらい症状です。
このような症状に対して早めから治療を行うことができ、改善が期待できます。

漢方薬は1剤で複数の症状に効果が期待できる画像

デメリット

漢方薬のデメリットとしては、効果に個人差がある点です。
西洋薬では、服用前と服用後で目に見えるような検査値の低下が確認できますが、漢方薬では数値での評価は難しい現状があります。
そのため、ご自身で効果を実感した場合はしっかりと服用を続けることが大切です。
また、漢方薬のわずかな組み合わせによって効果が強くなったり、弱くなったりします。

漢方薬に関するよくある質問

漢方薬に関するよくある質問
Q
漢方薬とハーブの違いは何でしょうか?
A

漢方薬は、自然のものであれば骨や貝殻、動物など植物以外も使用します。一方でハーブは植物のみを使用します。
また、漢方薬は原則2種類以上の生薬を組み合わせて作られますが、ハーブは基本的に1種類のみ含まれます。
漢方薬は日本で医薬品として認められていますが、ハーブは認められていません。
ただし、一部海外では、「エキナセア」「セントジョーンズワート」など、医薬品として認められているハーブも存在します。

Q
漢方薬と西洋薬を一緒に服用しても大丈夫でしょうか?
A

漢方薬と西洋薬の成分が同じもの、もしくは似たようなものの場合は効果が強く出過ぎてしまうことがあります。
特に、「カンゾウ」「マオウ」「ダイオウ」「ブシ」が含まれている漢方薬は注意が必要であるため、気になる場合はお近くの医療機関に相談すると良いでしょう。

Q
漢方薬の使用期限はいつでしょうか?
A

未開封の場合は3~5年の期限で設定されています。しかし、漢方薬は当時の体質や症状に鑑みて処方されています。
そのため、数年経過してしまうと、処方当時の状態と異なってしまうため、そのまま服用してよいかどうかは精査が必要です。
また、漢方薬を湿気の多い場所や極端に寒い場所・暑い場所で保管しておくと薬の成分に影響を与えてしまいます
そのため、風通しがよく、湿気の少ない涼しい場所に保管しておくとよいでしょう。このような心掛けは使用期限を短くしないために大切です。

Q
漢方薬を飲み忘れた時はどのようにしたらよいでしょうか?
A

漢方薬を飲み忘れてしまった場合でも、2回分を1回で飲むことはやめてください
1日2回服用の場合は、次の服用までの間を6時間以上あけてください。
1日3回服用の場合は、次の服用までの間を4時間以上あけるよう調整してください。

Q
漢方薬には副作用がないのでしょうか?
A

漢方薬も医薬品のため、副作用のリスクはあります。漢方薬ごとに異なりますが、発熱や息切れ、咳やだるさ、むくみなどがあげられます。
複数の漢方薬を服用して、同じような成分が重なると副作用の発現率も上昇してしまいますので、心配な場合は医療機関に相談することをおすすめします。

最後に

漢方薬は、「生薬」と呼ばれる自然の成分が2種類以上含まれている薬剤です。
通常の医薬品と異なり、慢性的かつなかなか異常が見つからない症状に対して効果を発揮します。
個人の体質や症状に合わせて処方されるため、その人にあった治療が可能な点も特徴です。
もし、なかなか改善しないほてりや発汗、風邪のような症状でお悩みの場合は、漢方薬を服用することで軽減するかもしれません。

出典

Kracie 漢方について知る 漢方薬とは?
日本臨床漢方医会
tsumura 漢方Q&A
ツムラ 漢方の歴史
*1 医師の漢方薬使用実態調査
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