糖尿病がED(勃起不全)になりやすい原因と理由・改善方法とは

糖尿病がED(勃起不全)になりやすい原因と理由・改善方法とは ED治療薬(勃起不全)

糖尿病の男性はEDになりやすい

糖尿病の男性はEDになりやすい

健康診断で血糖値が高く糖尿病の可能性あり再検査が必要と引っかかった経験はありませんか?糖尿病って聞いたことはあるけれども今のところ自覚症状もないし仕事が忙しくて休めないなんて理由で再検査の為病院を受診しないでいませんか?糖尿病は高血圧同様サイレントキラーと呼ぶにふさわしい疾患です。

まずは糖尿病とはどんな病気なのか簡単に解説します。

糖尿病とは

糖尿病とは

糖尿病とは、血液中の糖の代謝に異常が生じ、血糖値が高くなる慢性疾患です。基準値として空腹時血糖126mg/dL以上または随時血糖200mg/dL以上、HbA1c6.5%以上とされています。
主な原因は膵臓から分泌されるインスリンというホルモンの働きが低下し、血糖値を下げる機能が障害されることです。
大きく分けてインスリンを全く出せない1型と、インスリン分泌量が不十分な2型があります。
合併症を防ぐには血糖値を正常範囲に保つことが大切で、食事療法、運動療法、薬物療法などの治療が必要です。
自己注射によるインスリン補充も1型をはじめ必要な場合があります。生活習慣病の一つで国内患者数は増加傾向にある重要な疾患といえます。
糖尿病になると気を付けなければならない三大合併症と言うものがあります。それは「糖尿病網膜症」・「糖尿病神経症」・「糖尿病腎症」です。将来的に目が見えなくなったり手足を切断しなければならなくなったり、一生透析生活なんてことになりかねません。そうならない為にも早期発見したのであれば早期に治療を開始するようにしましょう。
以上が糖尿病という病態ですが、実は糖尿病になると男性はEDになりやすいと言われています。正確にはED発症率は2~3倍に上昇するそうです。

なぜ糖尿病患者EDになりやすいのでしょうか?その原因について解説する前に簡単にEDについて解説しておきます。

ED(勃起不全)とは

ED(勃起不全)とは

ED(勃起不全)とは、「性行為時に十分な勃起が得られない、あるいは維持できない状態のこと」を指します。つまり、永久に勃起自体が起こらないというわけではなく、むしろ性行為をする時期に、本人が満足できるほどの強さや持続時間の勃起が得られないという状態です。
原因としては加齢ストレスなどが関与しているほか、病気などによって血流が悪化することで勃起力が低下する場合もあります。時に精神的な不安から勃起障害が起きることもあり、身体の症状だけでなく心理的な要因も含めた対応が必要です。

糖尿病の男性がEDになりやすくなる原因

糖尿病の男性がEDになりやすくなる原因

糖尿病EDを引き起こす原因には3つの理由があります。
勃起を正常に保つメカニズムを知ることが、糖尿病性EDの理解につながります。勃起が起きるためには大きく分けて、性的興奮を伝達する神経系血液循環系の2つの働きが重要です。
しかし糖尿病では、下記の3つの要因が重なることで、勃起の仕組みが損なわれてしまいます。

説明
神経伝達の障害高血糖による自律神経や血管神経の障害で、性的刺激が脳から陰茎に正しく伝わらなくなります。
血管内皮機能の低下動脈硬化の進行と血管内皮細胞の機能不全が血流量の低下を招きます。平滑筋の弛緩作用も阻害されます。
テストステロン値の低下性欲の低下と性行為機会の減少を通じて、さらにEDの進行に拍車をかける側面があります。

こうした神経・血管・ホルモンの3方面への影響が複合的に絡み合い、糖尿病患者でEDが発症しやすい原因とされています。

糖尿病が原因でEDとなっているか調べる方法

糖尿病が原因でEDとなっているか調べる方法

糖尿病性EDを診断するには、主に血糖値を表すHbA1c糖尿病と診断されてからの期間などから動脈硬化の進行度を推定します。
HbA1cが高いほど、また糖尿病の期間が長いほど、血管が傷つきやすくなりEDを発症しやすくなります。具体的には次のような点から総合的に判断します。

説明
HbA1cの数値8%を超えてくるとEDのリスクが高まる
糖尿病の期間発症後10年以上で血管障害のリスクが高くなる
自覚症状中折れ、以前よりも十分な硬さがないなどの症状が出ているか

これらから糖尿病性EDの可能性を考え、必要に応じて超音波や血流検査などで血管の硬さや血の流れを詳しく調べ、EDの主因が糖尿病か判断します。
糖尿病EDの間には合併する割合が非常に高いため、こうした症状がある場合は併発している可能性が高いです。セルフチェックと並行して専門医の診断を受けることをおすすめします。

糖尿病性EDの改善方法

糖尿病性EDの改善方法

糖尿病が原因であるEDの改善方法は大きく分けると2つ上げられます。一つは原因となっている糖尿病の治療を行い血糖コントロールを図ること。もう一つはED治療薬を使用することが対処法として挙げられます。

糖尿病の治療

糖尿病の治療は基本的には食事・運動療法を行うことがまず大前提としてあります。その上で血糖が改善しない場合に薬物療法を行います。
判断基準とされるヘモグロビンですが正常値は5.9%以下ですがまずは7.0%以下を目指すことが最初の目標となります。

糖尿病の治療薬一覧

成分薬品名
第一選択薬ビグアナイド系メトホルミン塩酸塩グリコラン錠250mg
メトグルコ錠250mg/500mg
第二選択薬DPP-4阻害薬テネリグリプチン臭化水素酸塩水和物テネリア錠20mg/40mg
ビルダグリプチンエクア錠50mg
シタグリプチンリン酸塩水和物ジャヌビア錠12.5mg/25mg/50mg/
100mg
グラクティブ12.5mg/25mg/50mg/
100mg
アナグリプチンスイニー錠100mg
サキサグリプチン水和物オングリザ錠2.5mg/5mg
リナグリプチントラゼンタ錠5mg
トレラグリプチンコハク酸塩ザファテック錠25mg/50mg/100mg
オマリグリプチンマリゼブ錠12.5mg/25mg
SGLT-2阻害薬ダパグリフロジンプロピレングリコール水和物フォシーガ錠5mg/10mg
カナグリフロジン水和物カナグル錠100mg
エンパグリフロジンジャディアンス錠10mg/25mg
イプラグリフロジンL-プロリンスーグラ錠25mg/50mg
ルセオグリフロジン水和物ルセフィ錠2.5mg/5mg
トホグリフロジン水和物デベルザ錠20mg
※飲み薬での改善が見込めない場合にインスリン注射などの検討が行われます。

ED治療薬の使用

糖尿病性EDの治療において根治は難しいもののED治療薬によって機能改善を図ることは可能です。

ED治療薬一覧
シルデナフィルクエン酸塩バイアグラ錠25mg/50mg
タダラフィルシアリス錠5mg/10mg/20mg
バルデナフィル塩酸塩水和物バルデナフィル錠5mg/10mg/20mg

現時点において日本で処方できるED治療薬は上記3成分のみとなっております。海外に目を向けるともっとたくさんのED治療薬が販売されています。インターネットなどを使用して個人輸入することで使用することができます。

商品名ズデナ【ザイデナジェネリック】ステンドラ【スペドラ】バリフ
画像ズデナ【ザイデナジェネリック】ステンドラ【スペドラ】バリフ
有効成分ウデナフィル100mgアバナフィル100mg・200mgテストステロンバルデナフィル塩酸塩水和物20mg
価格4錠あたり2,980円~4錠あたり5,580円~10錠あたり2,340
円~
メーカー・ブランドサンライズレメディーズ社ヴィーヴァス(VIVUS)社アジャンタファーマ社
URLズデナ【ザイデナジェネリック】の購入はこちらステンドラ【スペドラ】の購入はこちらバリフの購入はこちら

その他たくさんのED治療薬が上記一例以外にも以下サイトにて購入することができますので参考にして下さい。

よくある質問

Q
糖尿病性EDが疑われる場合は何科を受診したらよいですか?
A

糖尿病を診ている内科またはEDをよく診る泌尿器科を受診するようにしましょう。基本的には糖尿病を治療することが必要となります。症状の進行を防止する為にも血糖コントロールをすることが大切になります。
その上で勃起障害を改善する目的でED治療薬を使用します。日本ではED治療薬3種類のみの販売となっています。主治医とよく相談して処方してもらうと良いでしょう。
またED治療薬はインターネットでも購入することができます。必ずしも病院受診を必要とはしませんので個人輸入と言った形で入手するのも一つの手段としてあげられます。

Q
糖尿病性EDは治りますか?
A

糖尿病性EDの根治は残念ながら困難ですが、適切な治療によりED症状を改善し、性生活の質を向上させることができます。
糖尿病による血管障害が原因のEDでは、陰茎の血管や神経が損傷を受けています。こうした変化は一度起こると完全には元に戻らないのが実状です。
しかし、ED治療薬を使用することで、血流を改善し陰茎を勃起可能な状態にすることができます。代表的なED治療薬としてPDE5阻害薬があり、効果が高いとされています。
加えて生活習慣の改善がとても大切です。血糖値と血圧を適切にコントロールすることで、EDの進行を遅らせたり、症状の進行を防ぐことができるのです。
糖尿病性EDの根治は難しいですが、治療と生活習慣の改善でED症状を改善し、生活の質を高めることは可能です。専門医のアドバイスを受けつつ、コツコツと対処することが大切です。

Q
糖尿病性EDは自力で治すことはできますか?
A

糖尿病性EDを自力で完全に治すことは難しいですが、生活習慣の改善により症状の進行を遅らせ、改善することは可能です。具体的には禁煙・禁酒・ストレスの解消・睡眠の質の向上・有酸素運動を行うことが挙げられます。
ただし生活習慣の改善だけでEDを治すには限界があり、医療機関での治療を受けることが重要不可欠です。
生活習慣の改善でED症状が改善するメカニズムとしては、血糖値や血圧などをコントロールし、血管へのダメージの進行を抑えることがあげられます。しかしながら、すでに起きている血管や神経の障害を完治することはできません
よって、カウンセリングやED治療薬などの医療治療を基本としつつ、食事療法や運動などの生活習慣の改善を併用することで、最も ED 症状の改善効果を高められると考えられています。
生活習慣の改善には3~6か月程度の継続が必要で、効果に個人差もあることを知っておく必要があります。

Q
なぜ糖尿病になるとEDになるのですか?
A

糖尿病でEDになりやすい最大の理由は、血管障害による血流低下です。
高血糖状態が続くと、血管の壁が次第に硬くなっていきます。これを動脈硬化といいます。動脈硬化が進むと血管が細くなり、血流が悪くなります。
勃起には陰茎への血流が必要不可欠です。しかし糖尿病により生じた動脈硬化により、この血流が滞って勃起が阻害されるのです。
加えて、血糖値が高い状態が続くと神経障害も起こりやすくなります。これによって陰茎付近の神経の連絡が悪くなり、勃起メカニズムに障害が出てEDを発症します。
ストレスも血管を収縮させ血流を低下させるので、EDが生じる原因となります。
ですので、糖尿病性EDは血管障害と神経障害の合併で起こることが多いのです。血糖値とストレスをコントロールすることが予防として非常に大切です。

Q
糖尿病性EDになりやすい人の特徴はありますか?
A

糖尿病性EDになりやすい人の特徴は以下の点があげられます。

高齢者:血管の老化が進んでいるほどEDを発症しやすい
血糖値コントロール不良の人:高血糖が血管障害を加速させる
糖尿病罹病期間が長い人:血糖のコントロール不良が長引くほど血管へのダメージが大きい
合併症がある人:特に神経障害や動脈硬化がEDの危険因子

生活習慣の問題がある人:食事、アルコール、喫煙がEDリスクを高める

以上のように、血糖コントロールが悪いことに加え、動脈硬化など血管の老化が進んでいたり、生活習慣の問題が重なるほど、糖尿病性EDを発症しやすくなります。 これらの要素を改善することが予防には大切です。

まとめ

まとめ

糖尿病には糖尿病網膜症、糖尿病腎症、糖尿病神経障害と呼ばれる三大合併症が有名です。そのため糖尿病によりEDが生じるなんてほとんどの人は夢にも思いません。
糖尿病になると動脈硬化であったり血管障害であったりと様々なところに支障をきたします。それは陰茎であっても同様であり、EDになる可能性はゼロではありません。むしろ糖尿病になることでEDになる可能性はグンと跳ね上がります。高齢によりEDなのか糖尿病だからEDなのか非常にあいまいな所ではあります。
しかし治療法はどちらであれ同じ方法になるため、まずは食事・運動療法をしっかりと行うことから始めましょう。その上で薬物療法を行い機能改善を図ることが大切になります。糖尿病を治療する事がEDを改善する第一歩となります。

出典

糖尿病(e-ヘルスネット:厚生労働省)

EDと糖尿病

糖尿病標準診療マニュアル2023

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