精子量の増量・減少による影響
精子の量は個人差がありますが、加齢や生活習慣によって増加する場合、減少する場合があります。
精子の量が増加した場合と、減量した場合の影響についてご紹介します。
増量した場合
精子の量が増加すると、パートナーが妊娠できる可能性が高まります。つまり、妊娠を望むケースでは、精子は多ければ多い方がよいということになります。
また、精子の量が増加すると、射精した時の快楽度合いも上昇するとされていますので、性生活の満足度向上にもつながると考えられています。
減少した場合
一方、男性の精子が少ないと、パートナーの不妊の原因になることがあります。妊娠するために必要なのは、精子の中でも運動している精子になります。
そのため、全体的に精子の数や量が少ないと運動している精子の割合が少なくなり、妊娠しにくくなってしまうのです。
精子量減少の様々な要因
全世界で見ると、38年前と比較し総精子数が60％ほどにまで低下した*1というデータがあります。精子の量が減少する要因としては様々なものが考えられますが、大きくは加齢と生活習慣です。
加齢は改善することが難しいですが、生活習慣に至っては改善することが可能ですので、不安な方は生活習慣を改善することがおすすめです。
食生活
ジャンクフードや加工品など栄養バランスが偏った食事は精子の量を減らす可能性があります。*1平均19歳のデンマーク人男性2935人を対象に行われた実験では、普段摂取している食事の種類から4つのパターン（健康食パターン、サンドイッチパターン、ベジタリアンパターン、ジャンクフードパターン）に分けて、精子数を調査しました。
結果、健康食パターンに属する人は、ジャンクフードパターンに属する人たちよりも4300万匹精子が多く、運動率や正常形態率も良かったということでした。
そのため、ピザやハンバーガー、ジュースなどの不健康なジャンクフードは、精子数増加という観点では避ける必要があります。
代わりに、ビタミンやミネラルを多く摂取するとよいとされています。ビタミンやミネラルは野菜や果物、海藻に多く含まれています。
特にミネラルの中の「亜鉛」は、精子の運動率や量を増やし、ビタミンは精子の数を増やします。
運動不足
運動不足も精子に悪影響を与えます。運動を定期的に行わないと基礎体力が低下し、筋肉量が減少し、新陳代謝が悪化します。
新陳代謝がよいことは、健康的な精子を作るために必要不可欠です。無理のない程度で、定期的にウォーキングやランニングなどの運動を取り入れてみると良いでしょう。
睡眠不足
睡眠不足も、精子の数や質に悪い影響をもたらすことがしられています。精子を作るには
「テストステロン」というホルモンの量が維持されていることが重要ですが、1日6.5時間以下の睡眠時間だと、テストステロンの量が減少する可能性があります。
*2中国の重慶で行われた実験では、796名を対象に睡眠時間と精子の数や質との関連性を調査しました。
結果、1日当たり7～7.5時間の睡眠時間をとっている群が、最も精子の質・量ともによい傾向がありました。
睡眠時間が6.5時間以下の場合、総精子数が25.7％減少していたため、睡眠は7時間を目安にしっかりととることが大切です。
精巣への負担
精巣への負担をかけることも精子の質・量の悪化を招きます。
例えば最近増えているデスクワークについて、長時間座位姿勢を続けていると、陰部への圧迫が強くなり、性機能に悪影響をもたらすとされています。
陰部の負担を増加させないよう、長時間の座位姿勢を続ける場合、たまにはストレッチをしてみたり、終わった後にウォーキングを取り入れてみると良いでしょう。
また、最近流行っている「サウナ」や「長時間のお風呂」も陰部の温度を上昇させ、負担を増加させます。
精子の温度は33℃が適温とされますが、陰部の温度が上昇すると、精子の数が減少し、男性不妊につながることもあります。
リフレッシュを目的とした「サウナ」はよいですが、過度に体の負担となるような頻度で行くのは避けましょう。
精子量を増やすメリット
精子の量を増やすことは様々なメリットをもたらします。射精時の快楽度合い増加させたり、妊娠の可能性の上昇、睡眠の質が向上することも期待できます。
快楽度の増強
精子の量が多ければ多いほど、射精するときの快楽度合いは上昇するとされています。
これは、精子の量が多いと、射精するときに精液を押し出す力が強まることが影響しています。
男性の妊活
精子の量が増えることは、着床する可能性が高くなるとも言えます。
自然に妊娠するためには、運動している精子の数が重要となってきます。
同じ濃度のまま精子の数が2倍になれば、運動している精子の数も2倍に増えるため、パートナーと妊活を行っている場合、妊娠できる可能性が高くなります。
精子量増量の様々なサプリメント
精子の量を増やすサポートをしてくれるサプリメントも発売されています。
サプリメントは健康な方が服用するもので、病気にかかった時に服用する医薬品とは異なります。
体に必要な成分を補給することで、精子の形成を促進することができます。
<代表的なサプリメント①>
●スぺマン
スぺマンは、インドのヒマラヤというメーカーが発売したサプリメントで、アシュワガンダ、ゴクシュラ、コキラクシャなどの成分が「テストステロン」を活発にさせ、精子量を増加させます。
| 商品名 | スぺマン |
|---|---|
| 画像 |  |
| 有効成分 | ハッショウマメ・ゴクシュラなど |
| 効果 | 精子の形成 |
| 用法用量 | 1回1錠を1日2回経口投与してください。 |
| 価格 | 1錠あたり27円～ |
| メーカー・ブランド | ヒマラヤハーバルズ |
| URL | スぺマンの購入はこちら |
<代表的なサプリメント②>
●ジンク
ジンクは、亜鉛が豊富に含まれたサプリメントで、ED薬の効果を伸ばしたり、発毛促進に効果が有ります。
女性の亜鉛不足も改善できるため、パートナーと一緒に服用するのもおすすめです。
| 商品名 | ジンク |
|---|---|
| 画像 |  |
| 有効成分 | 亜鉛50mg カルシウム27mg |
| 効果 | EDの改善 |
| 用法用量 | 1日1回1錠を経口投与してください。 |
| 価格 | 1錠あたり16円～ |
| メーカー・ブランド | Source Naturals |
| URL | ジンクの購入はこちら |
ED治療薬との併用
精子が増加しない原因として、ED（勃起障害）があります。EDが疑われる場合には、ED治療薬を併用することもおすすめです。
「バイアグラ」や「レビトラ」などすでに世界中での使用経験が豊富な薬剤は、安心して服用することができます。
また、子供への悪い影響も報告されていません。購入可能なED治療薬一覧は以下のページからご覧いただけます。
精子量増量に関するよくある質問
- Q食生活や運動不足の改善を行った場合、すぐに精子の量は増えるのでしょか？
- A
精子はすぐにできるものではなく、徐々に形成され、成熟された精子へと変化します。一般的に、成熟するまでに74日ほどかかるとされております。
そのため、運動不足や生活習慣の改善を行ったとしてもすぐに目に見える形で精子の量が増えることは少なく、精子形成までの時間（74日）＋3カ月程度は、確認までに必要な期間だと考えられています。
- Qタバコは精子の数に影響を与えますか？
- A
喫煙は精子の数や質に悪影響を与えます。2016年の報告 *3では、喫煙者は精子の数や動き、形状が悪くなるという調査結果が出ており、特に1日10本以上タバコを吸う人では顕著にみられやすいとされていました。
喫煙は勃起障害を引き起こしやすいことも知られており、陰部の血流が通常の方よりも悪化します。精子の数を増やしたい方は、喫煙は避けるとよいでしょう。
- Q精子の数が減るのが怖いので、射精はできるだけ控えた方がよいでしょうか？
- A
射精をせずに1週間以上我慢していると、死滅精子や不良精子の割合が増加するため、定期的に可能であれば射精することが大切です。
精子は出したとしても、すぐに作られ枯渇することはありませんので、むしろ運動不足や食生活に問題がないか確認し、改善する方が精子の数を維持・増加させるには効果的です。
- Q精液の量に、目指すべき基準などはありますか？
- A
*4 WHOが発表した数値を参考にすると、自然妊娠するための最低限の精液量は1.4mlとされています。
一方で1年以内にパートナーが妊娠した男性の精液量の中央値は3.0mlとされているため、目指す場合は3.0ml以上を目標とすると良いと考えます。
最後に
精子の量が少ないと、妊娠や射精時の快楽度合いに影響を与えてしまいます。
特に妊娠は、自分だけではなく、パートナーとの問題になります。関係性の悪化を引き起こさないためにも改善が必要です。
食生活や睡眠、運動不足などの改善がまずは優先されますが、なかなか改善が見込めない場合や、時間がかかってしまう場合はED治療薬の併用やサプリメントの服用もおすすめです。
出典
*1 Association of Dietary Patterns With Testicular Function in Young Danish Men
*2 Inverse U-shaped Association between Sleep Duration and Semen Quality: Longitudinal Observational Study (MARHCS) in Chongqing, China
*3 Cigarette Smoking and Semen Quality: A New Meta-analysis Examining the Effect of the 2010 World Health Organization Laboratory Methods for the Examination of Human Semen
*4 WHO laboratory manual for the examination and processing of human semen
TENGAHEALTHCARE 精液量の重要性
