テストステロンとは
テストステロンは男性ホルモンの一種であり、精子の形成や性的特徴の発現、筋肉量の増加、骨密度の維持などさまざまな生理学的機能に関与しています。
男性ホルモンはアンドロゲンと総称されるステロイドホルモンですが、そのメインとなっているのが「テストステロン」であり、その他の男性ホルモン(アンドロゲン)としては、デヒドロエピアンドロステロン、アンドロステンジオンなどが知られています。
成分 | 作用 |
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テストステロン | 男性ホルモンの中で最大の分泌量、影響力を持つ。骨格・筋肉を形成し、生殖機能を向上させ、ドーパミン産生を促進して幸福感をもたらし、集中力や記憶力を向上させ、血管の若さを維持し生活習慣病リスクを低減する等の重要な役割を果たす。 |
デヒドロエピアンドロステロン | 男性ホルモン以外にも様々なホルモンへ変換される前駆体。免疫向上や酸化防止のサポートに関与していることから、エイジングケア全般に関わるホルモンでもある。 |
アンドロステンジオン | 男性ホルモンや女性ホルモンに変換される前の前駆体。筋肉の増強作用を持つ反面、女性ホルモンとの相互作用によって女性化現象を引き起こすこともある。 |
本コラムでは、男性ホルモンの中でも最も重要である「テストステロン」について解説します。
テストステロンの効果・はたらき
テストステロンは男性ホルモンの中で最も分泌量が多く、最も影響力があるため「男らしい体の源となる」というイメージを持たれる方が少なくありません。
もちろん男らしい体の源となりますが、それ以外にもさまざまな効果をもたらすため女性にとっても一定量は必要なホルモンです。ここではテストステロンの有名な効果を5つ紹介します。
男らしい体をつくる
テストステロンは筋肉や骨格が大きくなる過程において非常に大きな役割を持ちます。具体的には、思春期直前のテストステロン濃度が20ng/dL未満なのに対し、成人期以降は300~1200ng/dLと急増しており、筋肉と骨格の成長にいかに影響を及ぼすかが分かります。なお筋肉と骨格の肥大には成長ホルモンも関与しているためこれらがバランスよく分泌されることも重要です。また、テストステロンは筋肉を大きくする信号を出しますが、そもそも筋肉の材料となるタンパク質がしっかり体内に確保されていることが前提条件なので注意が必要です。
性欲をコントロールする
テストステロンが分泌されると、それに伴って神経伝達物質のひとつであるドーパミンの分泌も促進されます。ドーパミンは性的興奮を高める作用を持つため、テストステロンの分泌が増えれば性欲の向上につながると考えられます。またテストステロンは精子の生成にも関係していると言われています。
記憶や集中力を高める
テストステロンが分泌されると、脳の海馬における神経ネットワーク増加・強化され、記憶力や集中力、判断力、決断力等が高まると言われています。
バイタリティを高める
テストステロンが分泌されるとミトコンドリアが活性されると言われています。ミトコンドリアは全身においてエネルギーを生産する重要な役割を担っているため、テストステロンによって活性化されることでよりパワフルかつ活動的になると考えられます。
生活習慣病のリスクを下げる
テストステロンは糖分の代謝コントロールに関係していると言われています。Ⅱ型用尿病(性機能低下症)の患者において、テストステロンの投与によって血糖値、総コレステロール値、内臓脂肪が減少したという研究結果もあります。
テストステロンが減少したときの症状
テストステロンのはたらきについてご紹介しましたが、テストステロンの分泌が減少するとどうなるのでしょうか。肉体的な症状、精神的な症状の大きく2つに分けてご紹介します。
肉体的な症状
テストステロンの低下によって、筋肉量が低下することが考えられます。それによって太りやすくなったり、疲れやすくなったりといったいわゆる老化現象に繋がってしまいます。そして筋力低下が進行するとフレイル状態(虚弱状態)を招き、認知機能にまで影響する可能性もあるので注意が必要です。
また、性に関する肉体的な症状も引き起こされます。勃起の強さ・硬さが弱くなったり、中折れしてしまったり、朝立ちが起こらなくなったりすることもテストステロンの低下が関与している可能性があります。
テストステロンの低下による直接的な症状でないですが、ホルモンバランス全体が崩れると自律神経が乱れ、めまい、発汗、のぼせ、手足の震え、動悸、息切れなどの身体的な症状が継続的に起こることも珍しくありません。
精神的な症状
テストステロンの低下によって、海馬における神経ネットワークへの影響が起こり、集中力や記憶力の低下、それに伴うやる気の低下や気分の落ち込みなどが引き起こされます。
また、性に関する精神的な症状も引き起こされます。若い時と比べ性欲が減退したり、セックスの際の幸福度が減退したりします。心因性EDや射精障害の原因となることがあるので注意が必要です。
テストステロンが減少する理由
テストステロンのはたらきや、減少した時の症状について理解すると、テストステロンを減少させたくないという気持ちになりますよね。ここではテストステロンが減少する原因について紹介します。
加齢
テストステロンの分泌のピークは20~30代でありそれ以降は徐々に減少していき、この生理現象には抗うことができません。ピークをすぎると、男性更年期障害、ED、射精障害等に悩まされることもあります。
ストレス
テストステロンはデヒドロエピアンドロステロンから生成されますが、身体が過剰のストレスを感じるとコルチゾールと呼ばれる抗ストレスホルモンの分泌が引き起こされ、それにより副腎が疲弊してしまうとデヒドロエピアンドロステロンの生成が減少し、結果としてテストステロンも減少します。
食生活の乱れ
テストステロンを生成するための栄養素(コレステロール等)や、テストステロンの分泌を促すための栄養素(ビタミン・ミネラル等)が不足していたり偏ったりしていると、テストステロンが減少します。
テストステロンが少ない男性の特徴
テストステロンが少ない男性では、筋肉や骨格の生成が減少するのでがっちりとした体型にはならず、やや体脂肪が多めの丸みを帯びた体型に近づく可能性があります。
また、集中力や意欲低下、気分の落ち込みが持続する場合には活気が抑えめで落ち着いた印象の性格である可能性があります。
テストステロンを増やす方法
加齢とともにテストステロンは減少傾向にありますが、減少を抑えたり、生成を促したり、補充したりすることは可能です。ここではテストステロンを増やす方法について紹介します。
テストステロンを増やす食事
テストステロンはコレステロールを原料として生成されますが、現代の食生活においてコレステロールは過剰になることが多く敢えて意識して摂取する必要はありません。
意識して摂取したい栄養素としてはタンパク質とビタミンが挙げられます。タンパク質であれば動物性タンパク質、ビタミンであれば脂溶性ビタミンであるビタミンA、D、E、Kのバランスを意識するとよりよいでしょう。
分類 | 代表的な食べ物 |
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動物性タンパク質 | 鶏肉、豚肉、牛肉、魚、卵、乳製品など |
ビタミンA | レバー、にんじん、かぼちゃ、ほうれん草、卵、バターナッツスクワッシュ、パセリ、マンゴー、アメリカンスイートポテト、ブロッコリー |
ビタミンD | 脂肪魚、魚の肝油、干しシイタケ、キクラゲ、イクラ |
ビタミンE | ひまわりの種、アーモンド、ピーナッツバター、ウナギ、オリーブオイル |
ビタミンK | ケール、納豆、わかめ、ほうれん草、ブロッコリー |
テストステロンを増やすサプリ
食事から必要な栄養素を摂取することが理想ですが、バランスよく摂取することが難しい場合はサプリメントの摂取に置き換えても問題ありません。ここでは、とくに食事からピンポイントで摂取しにくい成分でテストステロンの生成と関与している栄養素を紹介します。
成分 | 期待される作用 |
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亜鉛 | タンパク質の合成に影響を与えるとともに、テストステロンが関与する各種症状(精子生成・ EDなど)に対しても作用が期待される |
マカ | ホルモンバランスを調整するとともに、テストステロンが関与する各種症状(心因性 ED・身体的 ED など)に対しても作用が期待される |
アルギニン | テストステロンの分泌だけでなく成長ホルモンの分泌にも関与する。シトルリンという成分と作用しながらはたらくので同時に摂取するとより効果的 |
なお、マルチビタミンに関しては弊社メデマートにおいて取り揃えがございます。
商品名 | マルチビタミン |
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有効成分 | ビタミンA・C・D・E・B6・B12・マグネシウム・ミネラル・鉄分・イノシトール等 |
分類 | サプリメント |
価格 | 1錠あたり69円~ |
メーカー・ブランド | バイタルミー |
URL | マルチビタミンの購入はこちら |
テストステロンを増やす運動
無酸素運動(筋トレ)と有酸素運動(ウォーキング等)をバランスよく継続することが重要です。
筋トレでは大きな筋肉を中心としたトレトレーニングがテストステロンや成長ホルモンの分泌を促します。まずは自重のみで問題ないのでスクワットや腕立て伏せから始めてみると良いでしょう。
有酸素運動に関しては直接的にテストステロンを増やすわけではありませんが、テストステロンを減少させる肥満に対する対策となるため、筋トレと併せて実施すると効果的です。
テストステロンを増やす医薬品
食事や運動によってテストステロンを増やす方法もありますが、医薬品によって「補充する」という選択肢もあります。
様々なタイプがありそれぞれにメリット・デメリットがあるので、もし使用する場合にはご自身にあったタイプを選択する必要があります。
メリット | デメリット | |
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塗り薬 | ・飲み合わせの問題がない ・肝臓への負担が少ない | ・即効性が乏しい ・塗る手間が発生する |
飲み薬 | ・服用が容易 | ・肝臓への負担がある ・肝臓で分解されてしまうので効率が良くない |
注射薬 | ・血中に直接投与するので即効性もあり効果的 | ・通院が必要 ・注射の痛みがある |
貼付薬 | ・血中濃度が一定に維持されやすい | ・皮膚トラブル(かぶれ・刺激)が起こる可能性がある |
弊社メデマートにおいては、塗り薬と飲み薬のタイプを取り揃えています。
<テストステロン補充関連商品>
商品名 | セルノスジェル【アンドリオールジェネリック】 | テストステロン補充ジェル | セルノスカプセル【アンドリオールジェネリック】 |
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有効成分 | ウンデカン酸テストステロン1% | テストステロン | ウンデカン酸テストステロン40mg |
分類 | 塗り薬 | 塗り薬 | 飲み薬 |
価格 | 1包あたり384円~ | 30袋あたり13,300円~ | 1カプセルあたり142円~ |
メーカー・ブランド | サンファーマ社 | Bayer(バイエル) | サンファーマ社 |
URL | セルノスジェル【アンドリオールジェネリック】の購入はこちら | テストステロン補充ジェルの購入はこちら | セルノスカプセル【アンドリオールジェネリック】の購入はこちら |
よくある質問
- Qテストステロンが多い男性の特徴はありますか?
- A
テストステロンが多い男性では、筋肉や骨格の生成が活発になり、がっちりとした体型となり、髭や体毛が濃い傾向にあります。また、集中力や意欲がみなぎり活発でエネルギッシュである傾向にあります。
- Qテストステロンの数値に基準値はありますか?
- A
「LOH症候群診療ガイドライン」検討ワーキング委員会によると、健常な日本人男性における遊離テストステロン正常値の下限値は「8.5pg/mL」、健常な日本人男性における遊離テストステロン正常値のボーダーラインは「11.8pg/mL」とされています。
- Qテストステロンは女性にも必要ですか?
- A
テストステロンは肉体的な作用だけでなく、精神的な作用も持っています。したがって、意欲や集中力の向上等、前向きに活発に日常生活を送るためには、女性にとっても必要なホルモンと言えます。
まとめ
- テストステロンは、男らしい肉体や骨格をつくる「肉体的な作用」をもつ
- テストステロンは、集中力や記憶力の向上を促す「精神的な作用」ももつ
- テストステロンは、加齢やストレスで減少し、筋肉の低下(肉体的症状)や気力の低下(精神的症状)が引き起こされる
- テストステロンは、食事やサプリ、運動によって生成を促すことが可能である
- テストステロンそのものを補充することも可能であり、塗り薬や飲み薬が主流である