HIV感染予防法PrEP(プレップ)の効果・服用方法や費用を詳しく解説

PrEP（プレップ）とは、暴露前予防内服とも呼ばれてることがあるHIVの予防方法です。特にエイズ（HIV）に感染するリスクが高い人に推奨される予防方法です。性行為する前からHIVの薬剤を服用し、HIV感染のリスクを減らします。英語ではPre-exposure prophylaxisと表現されるため、頭文字をとってPrEPと呼ばれています。HIVは日本でも1日3人のペースで新たに感染している疾患であり、HIVウイルスの感染については事前に備える重要性が広まってきています。

PrEPの効果は非常に高く、きちんと服用していれば性行為によって感染するHIVは99％予防できるとされています。HIVは薬物の注射からも感染する可能性がありますが、薬物静注によるHIV感染は74％ほどの予防効果とされています。
日本ではまだPrEPは広く浸透していませんが、世界的にはHIV予防法の1つとして地位を確立しています。WHOが出しているガイドラインでは、PrEPについて、「すべてのHIV感染ハイリスク群にPrEPの選択肢が提供されるべき」と記載されています。

PrEPと似ている言葉の1つにPEPというものがあります。しかし、PrEPとPEPには違いがあります。PrEPは性行為前からHIV薬を服用しますが、PEPは性行為後に薬を服用します。

PrEPは、性感染症にかかるリスクが高い人に勧められています。
例えば以下のような人たちです。

ツルバダは1日1回1錠を服用するHIV治療薬です。最初に開発された薬です。オンデマンド法で服用することも可能ですが、副作用としては短期的な服用で発現しやすい嘔気や下痢と長期的な服用で発現しやすい腎障害や骨塩減少などがあります。そのため、PrEPを始める前に自身の腎機能の状態を知っておくことが大切であり、もしわからない場合は検査をお勧めしています。

テンビルEM【ツルバダ・ジェネリック】

テンビルEM【ツルバダ・ジェネリック】は、HIVウイルスやB型肝炎ウイルスの増殖を抑制する効果が期待されている薬です。PrEPにはデイリー服用法とオンデマンド服用法の2種類、服用方法がありますがオンデマンド法の際によく使用されています。

商品名	テンビルEM【ツルバダ・ジェネリック】
画像
一般名	エムトリシタビン・テノホビルジソプロキシルフマル酸塩
価格	1錠あたり360円
メーカー	Cipla(シプラ)
購入ページ	テンビルEM【ツルバダ・ジェネリック】の購入ページはこちら

ツルバダよりも新しい薬剤で、2017年に発売された比較的新しめの薬剤です。ツルバダと比較し、腎機能の低下や骨密度の低下が少ない特徴があります。1日1回1錠を毎日服用します。副作用としては嘔気や下痢が報告されていますので注意してください。
多くの方は1週間くらい経つと慣れてきて、何も感じなくなる方がほとんどです。

タフェロEM【デシコビ・ジェネリック】

タフェロEM【デシコビ・ジェネリック】は、デシコビのジェネリック医薬品です。有効成分テノホビルジソプロキシルフマル、エムトリシタビンは、核酸系逆転写酵素阻害剤と呼ばれており、HIVウイルスが体内で増殖するために必要なHIV逆転写酵素注の働きを抑制することで、HIVウイルスの増殖を防ぎます。

商品名	タフェロEM【デシコビ・ジェネリック】
画像
一般名	テノホビルアラフェナミドフマル酸塩・エムトリシタビン
価格	1錠あたり315円
メーカー	Hetero Labs Limited
購入ページ	タフェロEM【デシコビ・ジェネリック】の購入ページはこちら

PrEPの治療には、2種類の服用方法があります。どちらの方法も有効性としては同じ程度といわれていますが、対象の広さが異なっています。

1日1回毎日治療薬を服用する方法で、男性同士の性行為をされる方や、トランスジェンダーの方、薬物静注によるHIV感染リスクが高い方など、基本的にすべての方での有効性が確認されています。性行為によるリスクがあってもなくても服用することが大切です。もし、PrEPを終了したい時は、最後の性行為から2日後までお薬を飲みます。

HIV感染のリスクとなる性行為の前後で薬剤を服用する方法で、性行為の2時間～24時間前に2錠、最初の内服から24時間後に1錠、更に最初の内服から48時間後に1錠を服用します。オンデマンド法でHIV感染を予防する場合は、「ツルバダ」という薬剤を使用します。「デシコビ」という薬剤では、オンデマンド法での有効性は確認されていません。性行為が週に1回以下の方や、腎機能が低下している方は毎日服用よりもオンデマンド法の方が適しています。オンデマンド法でPrEPの服用が認められているのは、シスジェンダー男性、もしくはホルモン療法を行っていないトランスジェンダー女性に限られていますので注意してください。慢性B型肝炎にかかっているはオンデマンド法を選択することはできません。

PrEPを入手する方法は、医療機関で処方箋を発行してもらい購入するか、個人輸入で購入するかの2つに分けられます。医療機関で購入する場合は、定期的な通院が発生する、診察料や処方料が薬剤費用とは別でかかってくるという特徴があります。