アフターピルの副作用とは?主な症状と対処法を解説

アフターピルの副作用とは?主な症状と対処法を解説 アフターピル

アフターピルの主な副作用

アフターピルの主な副作用

アフターピルにも副作用があることをご存じですか?薬なのだから副作用があるのは当たり前なのですが問題はその中身ですよね。一体どんな副作用があるのでしょうか。現在日本において認可されている緊急避妊薬は、先発医薬品である「ノルレボ錠」及びそのジェネリック医薬品である「レボノルゲストレル錠」の2種類が存在します。

アフターピルについてもっと詳しく知りたい方は下記サイトを参照してみると良いでしょう。

それでは今回は「ノルレボ錠1.5mg」に着目しながら、副作用を詳しく解説していきます。

副作用①吐き気

【副作用発生率】9.2%
吐き気は、高用量の女性ホルモンが原因で起こる一時的な副作用の一つです。
症状は個人差が大きく、まったく感じない人もいれば、強く感じて実際に嘔吐してしまう人もいます。
嘔吐してしまった場合、アフターピルの成分を体外に排出してしまう恐れがあり、避妊に失敗するリスクがあります。
そのため、クリニックによっては、アフターピルの処方時に一緒に吐き気止め薬を処方してくれるところもあります。
ただし、吐き気止め薬の処方がない場合でも、ドラッグストアなどで市販の吐き気止めを購入して服用することは可能です。
通常は数時間から1日以内に症状は治まります。
強い吐き気を感じたら無理せず休息を取り、吐き気止め薬を飲むなどして対処しましょう。

副作用②下痢

【副作用発生率】1.5%
下痢は、避妊薬に含まれるホルモン成分によってお腹の調子が乱れるためです。
アフターピルには、女性ホルモンが高用量で含まれています。これによりホルモンバランスが乱れ、腸の働きに影響を及ぼすことで下痢が起こると考えられています。
下痢の症状は個人差がありますが、多くの場合は一過性のものです。服用から1~2日くらいでお腹の調子が落ち着き、数日のうちに下痢も治まることが一般的です。

対策

  • 市販薬で下痢止め薬を服薬する
  • 脱水症状を避けるためOS-1やアクアソリタなどで水分補給を行う
  • 体力の消耗を防ぐため体を休める

副作用③出血

【副作用発生率】53.8%
アフターピルを服用すると、出血が起こることがあります。これには主に2種類の出血があります

消退出血(46.2%)

子宮内膜が成長せず、子宮の壁から剥がれ落ちることで起こる出血です。
量は少なく、期間も短い傾向にあります。

不正出血(13.8%)

生理とは別の、性器からの出血を指します。
ごく短期間で終わることもありますが、だらだらと長引く場合もあります。

どちらの出血も、緊急避妊薬の作用によって起こる一時的な副作用です。出血量が多すぎたり、長く続く場合は医師に相談しましょう。
基本的には、次の生理が来れば出血は止まります。しかし、気になる症状があれば早めに産婦人科を受診し、安全を確認することをおすすめします。
出血は心配な症状かもしれませんが、緊急避妊薬ならではの副作用です。

副作用④眠気

【副作用発生率】6.2%
眠気は、アフターピルに含まれる大量の女性ホルモンが原因で引き起こされる一時的な副作用です。生理中や常用ピルでも同様の眠気を感じる場合がありますが、アフターピルではその量が多いため、より強い眠気を催すことがあります。
しかし、この眠気はあくまで一過性のものです。基本的には服用から24時間以内に回復し、通常通りの活動ができるようになります。決して「体質に合わないから」というわけではありません。
もし仕事や運転などで強い眠気が危険だと感じた場合は、休憩を取るなど無理をせず対処することが賢明でしょう。対策としてコーヒーなどカフェインを摂取することも効果的です。

副作用⑤頭痛

【副作用発生率】12.3%
頭痛は、服用数時間後から数日の間に発症することが一般的です。
頭痛の原因は、アフターピルに含まれる「プロゲスティン」という女性ホルモンによるものです。
プロゲスティンには血管を収縮させる作用があり、この影響で頭痛が引き起こされます。
頭痛の症状は個人差がありますが、典型的には以下のようなものがあります。

典型的な頭痛の症状

  • 偏頭痛のような強い痛み
  • 全体的な鈍い頭痛
  • 徐々に頭痛が強くなる

頭痛の持続時間も人によって異なりますが、多くの場合は数日以内に症状は治まっていきます。
対処法としては、市販の一般的な鎮痛剤を服用するのが一般的です。

副作用⑥乳房の張り

【副作用発生率】8%
乳房の張りは、大量の女性ホルモンを一時的に摂取することによる影響です。
月経前にも感じる症状ですが、アフターピルではその作用がより強く出る傾向にあります。ホルモンバランスの急激な変化が乳腺に影響を与えるためです。
特に月経前症候群に悩まされやすい方は、乳房の張りを強く自覚することが多いようです。
この症状は一過性のものであり、通常は服用から24時間以内に治まります。
乳房の張りが気になる場合は、無理のない範囲でブラの着用を控えめにしたり、痛み止めを服用したりと、自分に合った対処法を見つけるとよいでしょう。
他にも倦怠感や胃腸障害など、ホルモン変動による一時的な副作用はありますが、それらも概ね24時間以内に回復するのが一般的です。

副作用⑦肌荒れ

【副作用発生率】0.17%
アフターピルは大量の女性ホルモン剤を一時的に摂取するため、ホルモンバランスが大きく変化します。
ホルモンは皮膚の状態に影響を与えるので、この急激な変化が原因で肌荒れを招くのです。

肌荒れの主な症状

  • 吹き出物(にきび)の増加
  • 皮膚の乾燥
  • 余分な皮脂の分泌
  • むくみ

女性ホルモンの変動に敏感な人ほど、影響を受けやすい傾向にあります。
しかし、これらの症状は一時的なものです。アフターピルの服用から数週間以内に、ホルモンバランスは通常に戻り、症状も改善するはずです。

対策

  • 市販薬で吹き出物用塗り薬を購入し使用する
  • 肌の保湿を維持するためヘパリン類似物質含有製剤を使用する
  • 皮脂対策の洗顔フォームを使用する
  • 十分な睡眠時間を確保し疲労を残さない

それでももし2~3ヶ月経っても肌荒れが改善しない場合は、別の可能性があるためで医師に相談することをおすすめします。

副作用はいつからいつまで続く?

副作用はいつからいつまで続く?

アフターピルを服用すると、副作用がでる人とでない人がいます。副作用の症状は個人差が大きいのが特徴です。
しかし、副作用がでる場合はおおむね以下のような時期に現れ、継続します。

副作用が現れる時期

  • 早い人では服用数時間後から
  • 遅い人では服用数日後

副作用の継続期間

  • ほとんどの場合は24時間(1日)以内におさまる
  • まれに数日続く場合もある

代表的な副作用には、頭痛、吐き気、乳房の張りなどがあげられます。これらはいずれも一過性のものです。
服用直後から副作用に見舞われる人もいれば、数日後になってから現れる人もいます。時期はバラバラですが、概ね24時間以内におさまるのが一般的です。
もし数日経っても副作用が収まらない場合は、医師に相談するなど対処を検討する必要があるかもしれません。
ただし、副作用の有無や強さに個人差があることは確かです。中には全くなにも感じない人もいます。不安に思う前に、自分の体の反応を見守ることが大切です。
一時的な副作用はアフターピル服用にともない避けることはできません。しかし、おおむね1日以内に回復するのが通常です。

副作用がひどすぎる場合

副作用がひどすぎる場合

アフターピルを服用すると、吐き気やめまい、頭痛など一時的な副作用が出る可能性があります。ほとんどの場合は24時間程度で治まりますが、中には症状が強すぎて日常生活に支障をきたすほどつらい思いをする人もいます。
そんな時は「副作用だからしかたがない」と思い込まず、早めに病院を受診し、医師に相談することが必要です。なぜなら、強い副作用は単なる一時的な症状ではなく、何か別の疾患を示唆している可能性があるからです。

例えば、異様なほどの眠気や吐き気、めまいが止まらない場合は、単に副作用が強いというだけでなく、薬の副作用以外の原因が考えられます。また、激しい腹痛や異常出血がある場合も注意が必要です。
このような異常な症状に見舞われたら、できるだけ早く医師に「アフターピルを飲んだ」と正直に伝え、診てもらいましょう。産婦人科や内科など、状況に応じた適切な診療科を受診することをおすすめします。
時に副作用は強くつらいものですが、我慢せずに専門家に相談することが大切です。気になる症状があれば無理に我慢せず、早めの受診を心がけましょう。予期せぬ重大な疾患を見逃さないために、小さな異常も見逃さないようにしたいものです。

副作用が少ないアフターピル

アフターピルには必ず一定の副作用リスクがあり、完全に副作用がないものは存在しません。
しかし、種類によって副作用の現れ方や程度が異なるため、自分に合ったものを選ぶことが大切です。
日本で認可されているアフターピルは、「ノルレボ」「レボノルゲストレル(ノルレボのジェネリック薬)」の2種類です。いずれも「副作用はほとんどない」とされていますが、実際には眠気や吐き気などの副作用が出る人もいます。
一方、世界で広く使われている「エラワン」は、日本ではまだ認可されていません。この薬剤は、ノルレボよりも副作用が少ないと期待されています。
また、伝統的な「ヤッペ法(高用量の経口避妊薬服用)」では、ホルモン量が多いため副作用が強く出る可能性が高くなります。
つまり、現状の日本では「ノルレボ」か「レボノルゲストレル」を選ぶ以外にないのが実情です。ただし、すべての人に副作用が出るわけではありません。
副作用が心配な方は、まずは添付文書をよく読んで認識を深めることが大切です。さらに産婦人科医に相談し、自分の体質に合ったアフターピルを選ぶことをおすすめします。適切な選択により、副作用のリスクを最小限に抑えられます。

種類特徴
ノルレボ・日本で2011年に承認された緊急避妊薬
・副作用はほとんどない
・1回1錠だけ服用
・24時間以内の服用で98%の避妊率
・48時間以内の服用で91.5%の避妊率
・72時間以内の服用で85%の避妊率
レボノルゲストレル
(ノルレボのジェネリック)
新薬と比べて安価
・副作用はほとんどない
・1回1錠だけ服用
・24時間以内の服用で98%の避妊率
・48時間以内の服用で91.5%の避妊率
・72時間以内の服用で85%の避妊率
エラワン最新のアフターピル
・1回1錠だけ服用
・日本ではまだ認可されていない次世代の緊急避妊薬
・服用可能な時間が長く、5日以内でも使える(120時間以内に服用すれば避妊効果が高い)
ヤッペ法中用量ピルを使った避妊法
・比較的安価
・72時間以内に2錠服用後、12時間後に2錠服用
・約半数の人に吐き気が現れる
・避妊率は最新のアフターピルよりも低い
・24時間以内の服用で77%の避妊率
・48時間以内の服用で36%の避妊率
・72時間以内の服用で31%の避妊率
商品名ナイピルアイピルエラマドンナノルレボ
画像ナイピルアイピルエラマドンナノルレボ
有効成分レボノルゲストレル1.5mgレボノルゲストレル1.5㎎ウリプリスタール酢酸エステル 30mgレボノルゲストレ0.75mgレボノルゲストレル1.5mg
メーカーエプシロン社Cipla(シプラ)Abdi ibrahimBiopharm ChemicalsLaboratoire HRA Pharma社
購入ページナイピルの購入はこちらアイピルの購入はこちらエラの購入はこちらマドンナの購入はこちらノルレボの購入はこちら

アフターピルに関するよくある質問

アフターピルに関するよくある質問
Q
アフターピルは排卵後に服用しても効果はありますか?
A

はい、アフターピルは排卵後に服用しても一定の効果があります。
アフターピルの主な機序は、排卵後に服用された場合、以下のようなものがあげられています。
①子宮内膜への着床阻害
排卵後に服用すると、受精卵が子宮内膜へ着床しにくくすることで妊娠を防ぎます。

②受精阻害
アフターピルが卵子と精子の受精自体を阻害する可能性が示唆されています。

③精子の運動性低下
子宮頸管粘液が変化し、精子の運動性が低下する可能性があります。

④卵細胞の輸送阻害
卵管での卵細胞の輸送を遅らせる効果があるとされています。
このように、アフターピルには排卵後に服用しても、受精や着床を阻害する為の複数の機序があり、一定の避妊効果が期待できます。ただし100%確実ではありません。
できるだけ早く服用することが重要とされており、排卵のタイミングを気にする必要はなく、早めに相談するようにしましょう。

Q
アフターピルを服用した後の生理は大丈夫ですか?
A

アフターピルを服用した後の生理については、以下のようなことに注意が必要です。
・服用後早ければ3~4日で消退出血(少量の出血)が起こる場合があります。しかし、月経予定日まで出血がない場合もあります。
・予定通りの生理が来たとしても、それが妊娠初期の出血(不正出血)である可能性を完全に否定できません。
・次の生理が来るまでは、避妊措置(コンドームの使用など)を取り続ける必要があります。
・予定された生理から1週間以上遅れる場合は、妊娠の可能性があるため、産婦人科を受診することが賢明です。

つまり、アフターピル服用後すぐに生理が来たとしても安心できるわけではありません。次の生理までは避妊を続け、異常な出血の有無に注意を払う必要があります。
生理が予定より遅れる場合は特に注意が必要で、遅れが1週間を超えそうならば産婦人科受診をおすすめします。アフターピルは確実な避妊方法ではないため、その後の経過観察が大切となります。

Q
避妊に成功したかどうかはどうやって分かるの?
A

①妊娠検査薬を使用する
アフターピルを服用後、3週間程度経過したら、妊娠検査薬で検査を行います。これが最も確実な方法です。

②次の生理が来るのを待つ
アフターピル服用後、次の生理が予定通りに来れば、おそらく避妊に成功したと考えられます。ただし、不正出血との判別は難しい場合があります。

消退出血の量やタイミングは個人差が大きく、出血の有無だけでは避妊成功を判断できません。
また、不正出血(妊娠初期の出血)と消退出血を見た目で区別するのは困難です。
そのため、確実に判断するには妊娠検査薬での検査が不可欠となります。
出血の有無に関わらず、服用から3週間後に検査を受けることが推奨されています。
検査で陰性が確認できれば避妊成功、陽性であれば産婦人科を受診し、次の対応を相談するのが賢明です。出血の状況のみでは確実な判断ができないため、検査が重要視されています。

Q
アフターピルを服薬したが妊娠してしまった場合、赤ちゃんに影響はありますか?
A

アフターピルを服用した後に妊娠が成立してしまった場合、赤ちゃんへの影響については以下のようにお答えできます。
アフターピルは最終生理から27日以内に服用すれば、赤ちゃんに影響を与えることはありません。
しかし、妊娠初期や中期にアフターピルの成分であるホルモン剤を服用すると、まれに胎児への影響が指摘されています。
そのため、アフターピル服用後に妊娠が分かった場合は、速やかに産婦人科を受診し、専門家からの適切な助言を受けることが大切です。医師の判断の下、慎重な経過観察が必要となる可能性があります。
アフターピルは緊急避妊薬ですが、確実な避妊法ではありません。服用後に生理が遅れる等、妊娠の兆候があれば、早めに医療機関を受診することをおすすめします。

まとめ

アフターピルの服用には様々な副作用が伴う可能性があります。主な副作用には吐き気、下痢、出血、眠気、頭痛、乳房の張り、肌荒れなどがあげられます。
これらの副作用のほとんどは一時的なものですが、個人差が大きく、症状が強く出る人もいれば、ほとんど自覚しない人もいます。通常は服用から24時間以内に症状は収まるものの、場合によっては数日継続することもあります。
副作用の対処法としては、市販の薬剤を上手に組み合わせることで多くの症状を緩和できます。しかし、強い症状が長く続く際には自己判断せず、早めに医療機関を受診することが賢明です。
一方で、世界的に使用が広がっている薬剤の中には、副作用がより少ないとされるものもあります。しかし日本国内では未承認であり、選択肢は限られています。
避妊に失敗するリスクを考えれば、一時的な副作用は避けられません。自分に合ったアフターピルを選び、副作用が強く出た際は適切に対処し、異常が継続する場合は遠慮なく医師に相談しましょう。望まない妊娠を防ぐためにも、賢明な対応が求められます。

出典

緊急避妊法の適正使用に関する指針
ノルレボ錠1.5mg添付文書
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