ドキシラミン(ソミナー)の睡眠改善効果とは?副作用や日本で処方されない理由を解説

ドキシラミン(ソミナー)の睡眠改善効果とは?副作用や日本で処方されない理由を解説 睡眠

ドキシラミン(ソミナー)とは

ドキシラミン(ソミナー)とはのイメージ画像

ドキシラミン(商品名:ソミナー)は、タイの製薬会社・Charoen Bhaesaj Lab社が開発した、抗ヒスタミン作用と軽度の鎮静作用を併せ持つ薬剤です。
主に睡眠改善作用アレルギー症状の緩和に効果があります。

睡眠改善作用への効果

ドキシラミンは脳の興奮状態を抑え、自然な眠気を誘発します。
効果発現は医療用医薬品の睡眠薬と比較すると、超短時間型睡眠薬相当であり、その効果は短時間型睡眠薬相当といえます。

アレルギー症状への効果

ドキシラミンは花粉症による鼻炎症状、皮膚のかゆみ、じんましん等の緩和に効果があります。

また、ソミナーは日本国内では未承認の薬剤ですので、医師に相談の上、適切な使用が求められます。
ドキシラミン(ソミナー)は、不眠症とアレルギー症状の双方に効果があり、自然な入眠と症状緩和が期待できる薬剤です。
自然な眠りアレルギー対策を同時に叶えられる汎用薬として、海外では広く処方・販売されている睡眠導入剤です。
日本では未承認薬に該当するため、服用の際は医師に相談することが重要です。

【日本で発売されている医療用医薬品の睡眠薬】

超短時間型短時間型中間型長時間型
商品名マイスリー・アモバン・ルネスタ・ハルシオンレンドルミン・エバミール・リスミー・デパスユーロジン・ベンザリン・サイレースドラール・ダルメート・ソメリン
効果発現服用後1時間未満服用後1~3時間服用後1~3時間服用後3~5時間
作用時間服用後2~4時間服用後6~10時間服用後20~24時間服用後24時間以上

医療用医薬品は入眠障害なのか、中途覚醒なのか、早期覚醒又は熟睡障害なのか症状に応じて医師が判断し、患者に合った睡眠薬を選択し処方します。
全て処方箋医薬品になるため病院を受診しなくては購入することはできません。
またここで紹介した医薬品以外にもメラトニン受容体作動薬」であるロゼレム/メラトベルや、オレキシン受容体拮抗薬」であるベルソムラ/デエビゴなど新しいタイプの医薬品も使用されています。
どちらも睡眠と覚醒に関与する成分であり上記医薬品とは作用機序が全く異なることが特徴です。

【市販薬として購入可能な睡眠改善薬】

商品名ドリエルリポスミンユクリズム漢方ナイトミン柴胡加竜骨牡蛎湯エキス錠クラシエ
製造販売元エスエス製薬(株)皇漢堂製薬(株)大峰堂薬品工業(株)明治薬品(株)クラシエ(株)
有効成分ジフェンヒドラミン塩酸塩ジフェンヒドラミン塩酸塩加味帰脾湯エキス酸棗仁湯エキス柴胡加竜骨牡蛎湯エキス

一般的に市販薬として睡眠改善薬を購入する場合、漢方薬以外を選択した場合、主成分は全て抗ヒスタミン薬である「ジフェンヒドラミン塩酸塩になります。
いずれの場合も寝つきが悪い、眠りが浅いなどの一時的な不眠症状の緩和が適応症となります。
自然に近い眠りをサポートしますが不眠症と診断された方には使用することはできません。
ジフェンヒドラミン塩酸塩は個人差はありますが、目安として30分から1時間で効果が現れます。持続時間については7時間前後と考えられています。

【個人輸入により購入できる医薬品】

商品名ソミナー
画像ソミナー
有効成分ドキシラミン25mg
製造販売元Charoen Bhaesaj Lab
購入ページソミナーの購入はこちら

ドキシラミン(ソミナー)は日本では処方されていない

ソミナーは日本では処方不可のイメージ画像

ドキシラミンは抗ヒスタミン作用と睡眠導入作用を併せ持つ薬剤ですが、日本国内では医療用、一般用を問わず販売されていません。
海外、特に米国やカナダ、英国などでは様々な用途で活用されている実績があります。

海外でのドキシラミン(ソミナー)の実績

  • 米国では風邪薬の成分やOTC(一般用医薬品)の睡眠改善薬として市販
  • カナダでは妊婦の症状改善薬の成分
  • 英国などでは鎮痛剤の一成分

しかし、その効き目の強さから一部専門家は「処方薬レベルの作用がある」と指摘しています。
実際、ドキシラミンの鎮静(睡眠誘発)作用は、バルビツール酸系の強力な睡眠薬フェノバルビタールよりも優れているとされています。
また、抗アレルギー作用についてはドキシラミンは、エタノールアミンクラスの抗ヒスタミン薬のメンバーであり、ジフェンヒドラミン(ベナドリル)を除く、市販されているほぼすべての抗ヒスタミン薬よりもはるかに優れた抗アレルギー力を持っています。
ドキシラミン(ソミナー)は米国で入手可能な市販鎮静剤の中で最も強力であり、多くの処方催眠薬よりも鎮静作用が強いです。
このようにドキシラミンの作用の強さと副作用リスクから、日本国内では未承認、未販売の状態であり医療用医薬品としても処方されていない状況です。
必要な場合は個人輸入で購入する方法がありますが、適切な医療機関での診察を経て、医師とよく相談の上判断していくと良いでしょう。

ドキシラミン(ソミナー)の効果・効能

ドキシラミン(ソミナー)の効果・効能のイメージ画像

ドキシラミンは、抗ヒスタミン作用と睡眠導入作用を併せ持つ薬剤です。主な効果・効能としては、以下の2点が挙げられます。

不眠症状の改善

ドキシラミンは短時間作用型の睡眠導入剤に分類されます。医療用医薬品であればレンドルミン(ブロチゾラム)がそれに該当します。
その作用は脳内のヒスタミンを抑制することで、自然な眠気を誘発する作用があります。
服用から30分ほどで作用が出始め、2時間前後で最高血中濃度に達します。
その後6~12時間程度効果が持続するとされています。

アレルギー症状の緩和

ドキシラミンはヒスタミン受容体と結合する抗ヒスタミン作用を持っています。
花粉症による鼻づまりや目のかゆみ、皮膚のじんましんやかゆみなど、様々なアレルギー症状を改善する効果が期待できます。

このように、ドキシラミンは不眠とアレルギーの両方の症状に作用する、汎用性の高い薬剤です。
日本国内では未承認ですが、海外では風邪薬や鎮痛剤への配合剤としても使われています。
ドキシラミンの睡眠導入作用は、市販の睡眠改善薬ドリエル(ジフェンヒドラミン)に近い働きがあるといわれています。
しかし、強制的に眠らせるのではなく、脳の興奮を穏やかに鎮めることで、自然な眠りへと誘導してくれるのが特徴です。
その作用機序は中枢神経系や特に視床下部に作用して、脳が覚醒することを継続するヒスタミンの活動を抑制し、眠気を引き起こします。
また、血圧降下や血管透過性亢進、血管拡張、腺分泌促進などの薬理作用を持ち、アレルギーの炎症や反応のあらわれに介在物質として活動するヒスタミンを抑えることで、花粉症やアレルギー性鼻炎などのアレルギー症状を緩和することが可能です。

一方で、耐性が出来やすいことが欠点です。2~4回程度の服用で効果が低下する方が多いようです。
そのため、一時的な不眠への対処には適していますが、慢性的な不眠症状の改善は期待できません。
また、安全性が非常に高い睡眠薬とされており、副作用も比較的少ないことから、海外では長年にわたり広く処方・販売されてきました。
しかし最近では、長期連用による健康被害の報告もあり、使用には一定の注意が必要とされています。
ドキシラミンは作用が穏やかで自然な眠りを誘発する一方、耐性が付きやすいという特徴があります。効果を期待する用途に合わせて、適切な使用が求められる薬剤だといえるでしょう。

ドキシラミン(ソミナー)はつわりの症状にも効果的!?

つわりの症状にも効果的!?のイメージ画像

【主な症状】
〇吐き気、嘔吐、食べ物の匂いに過敏になる、倦怠感、眠気、イライラ、頭痛

つわりは一時的な症状ですが、過度の吐き気体重減少が続く場合は、脱水症栄養失調になる恐れがあります。そのような場合は、必ず産婦人科医に相談することが重要です。
つわりの治療に対するガイドラインについては下記の通りです。

海外におけるガイドライン等

米国産科婦人科学会のガイドラインにおけるつわり症状に対する薬物療法の概要を以下に示す。
①良好で一貫した科学的証拠に基づいていた推奨(レベル A)
受胎前の3ヶ月間、マルチビタミン製剤(ビタミンB6を含む)の経口投与は、つわり症状の発生率と重症度を低下させる可能性がある。ビタミンB6又はビタミンB6+ドキシラミンを用いたつわり症状の改善において安全で効果的であり、ファーストラインの薬物療法と考えるべきである。

日本におけるガイドライン等

産婦人科診療ガイドライン2017産科編では、妊娠悪阻の治療について以下が記載されている。
①少量頻回の食事摂取と水分補給を促す。(推奨レベルA)
②脱水に対して充分に輸液する。(推奨レベル A)
③ウェルニッケ脳症を予防するために、輸液にはビタミンB1(チアミン)を添加する。(推奨レベル A)
④悪心の緩和には、ビタミンB6(ピリドキシン)を投与する。(推奨レベルC)
⑤悪心嘔吐のために妊婦の日常生活が著しく制限される場合、あるいは①~④の治療によっても症状が改善されない場合には、有効性と安全性を勘案して制吐薬を選択し使用する。(推奨レベルC)
⑥深部静脈血栓の発症に注意する。(推奨レベルC)

日本では悪心の予防にビタミンB6単剤を推奨していますが、海外においては単剤よりもドキシラミンを併用した方がつわりの改善に効果的であるとしています。
米国では妊婦の嘔吐・悪心(つわり)治療薬Diclegis(コハク酸ドキシラミン・ピリドキシン塩酸塩)が販売されており第一選択薬として使用されています。
つわりは病気ではありませんが吐き気が酷い場合は日常生活に支障をきたす為注意が必要です。

ドキシラミン(ソミナー)の副作用と注意点

ドキシラミン(ソミナー)の副作用と注意点のイメージ画像

ドキシラミンには強い抗コリン作用があるため以下の副作用について注意が必要です。

中枢性記憶障害、せん妄、幻覚、失見当識、眠気、頭痛など
循環器頻脈、動悸、不整脈、心悸亢進、発作、めまいなど
泌尿器排尿障害、尿閉など
眼科眼圧上昇、眼の乾燥、眼のチラつきなど
消化器口渇、唾液・消化液分泌抑制、便秘、胃痛、吐き気・嘔吐、食欲不振など
その他発汗抑制・倦怠感など

特に、注意力の低下、寝ぼけ様症状、判断力の低下、言動の異常など一時的な意識障害には注意が必要です。

日本未承認薬になるため投与禁忌又は注意とは言えませんが抗コリン作用があるため以下の症状をお持ちの方は服用は控えた方が良いとされています。

服用を控えた方が良い症状

  • 重症筋無力症の方
  • 尿閉、排尿困難など前立腺肥大症をお持ちの方
  • 高眼圧症又は緑内障をお持ちの方
  • 重い心臓病を患っている方
  • 胃腸に持病のある方     など

服用しない方が望ましい方

  • 妊婦又は妊娠していると思われる人
  • 15歳未満の小児
  • 不眠症の診断を受けた人
  • 授乳中の人

特に眠気等の副作用があることから服用後は乗り物または機械類の運転操作はしてはいけません。
その他同じ抗ヒスタミン作用のある医薬品との併用にも注意が必要です。
他の催眠鎮静薬、風邪薬、解熱鎮痛薬、鎮咳去痰薬、鼻炎用内服薬、乗り物酔い薬、アレルギー要約などと一緒に服用する場合には医師、薬剤師又は登録販売者に確認するようにしましょう。

ドキシラミン(ソミナー)はAmazonや楽天では買えません

Amazonや楽天では買えないイメージ画像

ドキシラミンは処方箋が必要な医療用医薬品です。安全性の確保と適正使用のため、一般の個人が販売できないよう規制されているのが主な理由です。
具体的には、以下のような点が挙げられます。

【処方箋が必要】
医療用医薬品は医師の処方箋なしには入手できません。オンラインで直接購入することはできないためです。

【適切な服用のための診察が必須】
ドキシラミンはアレルギー症状や不眠症などさまざまな適応症に使われます。自己判断は難しいです。

【副作用や合併症のリスク管理】
ドキシラミンは抗ヒスタミン剤で眠気などの副作用があります。医療従事者の監督なく使用すると危険です。

【他の薬剤との相互作用】
ドキシラミンは他の薬と併用すると作用が変わる可能性があり、医師の判断が不可欠です。

【製造・販売の管理】
偽造品流通を防ぐため、製造・販売は厳格に管理されています。

このように、医薬品の安全使用と有効性を確保するため、インターネット販売は原則禁止されているのが実情です。医師の処方箋が必要不可欠とされているのはそのためです。

睡眠改善薬に関するよくある質問

Q
医師から処方された睡眠薬を飲んでいるのですが、代わりに睡眠改善薬を飲んでもよいですか?
A

医師から処方された睡眠薬から、勝手に別の睡眠改善薬に変更するのは避けた方がよいでしょう。その理由は以下の通りです。
①有効性の違い
医師が処方した睡眠薬は、あなたの症状に最適と判断された薬剤です。一方、市販の睡眠改善薬の有効性は個人差が大きく、効果が期待できない可能性があります。
②副作用のリスク
処方薬と市販薬では、含有成分や剤形が異なるため、副作用のリスクも変わってきます。医師の監督なしに変更すると、予期せぬ副作用が出る恐れがあります。
③相互作用
他に服用している薬剤があれば、市販薬を組み合わせることで予期せぬ相互作用が起こる可能性があります。
④適正使用の観点
医薬品は用法・用量を守って適正に使用する必要があります。自己判断で使い方を変えると、期待した効果が得られないどころか健康被害につながるリスクがあります。

睡眠障害には様々な原因がありますので、医師への相談が不可欠です。症状の改善が見られない場合は、医師に相談して別の治療法を検討するのが賢明でしょう。自己判断で薬を変更するのはお勧めできません。

Q
お酒と一緒に服用したり、飲酒後すぐに服用できますか?
A

ドキシラミンとアルコールを併用することは避けた方が良いでしょう。その理由は以下の通りです。
①過剰な眠気やめまいの危険性
ドキシラミン自体が眠気や注意力低下などの副作用を引き起こす可能性がありますが、アルコールとの併用ではこれらの中枢抑制作用が相加的に強まる恐れがあります。過剰な眠気は事故の原因になり危険です。
②肝臓への負担増大
ドキシラミンとアルコールはいずれも主に肝臓で代謝されます。併用すると肝臓への負担が大きくなり、肝機能障害を引き起こすリスクが高まります。
③相互作用による薬効の変化
ドキシラミンとアルコールが相互に影響を与え合い、薬効が増強または減弱する可能性があります。期待した効果が得られない恐れがあります。

このように、ドキシラミンとアルコールの併用は健康被害のリスクが高くなります。医師の許可なく併用するべきではありません。必ず医師に相談し、安全な服用方法を確認してください。

Q
睡眠改善薬は、一時的な不眠症状に悩んでいる方が使用するものです。とありますが、一時的な不眠症状とはどのようなことを指しますか?
A

一時的な不眠症状とは、長期に渡るものではなく、一過性または短期間の睡眠障害を指します。具体的には以下のようなケースが考えられます。
①環境の変化による一時的な不眠
●新生活環境への移行(就職、転勤、入学など)
●時差ボケ
●騒音や照明の変化など外的要因
②心理的ストレスによる一時的な不眠
●試験前の不安
●仕事のデッドラインなどの心理的プレッシャー
●家族行事や冠婚葬祭などの重大イベント
③身体的要因による一時的な不眠
●軽度の痛みや不快感
●PMS(月経前症候群)
●軽度の気分障害
④その他の一時的な原因
●カフェインの過剰摂取
●たまたま悪い睡眠習慣が重なった
通常、このような一過性の要因が解消されれば、睡眠状態は改善します。しかし、長期化すれば慢性的な不眠症になる可能性があります。睡眠改善薬は、そうした一時的な対処を目的として使用されるものです。長期服用には適しません。

まとめ

ドキシラミン(ソミナー)は、海外では抗ヒスタミン剤として幅広く使用されている医薬品です。主な効能は以下の通りです。

ドキシラミン(ソミナー)の主な効果

  • 不眠症の改善
  • アレルギー症状の緩和(かゆみ、くしゃみ、鼻水など)
  • 吐き気、嘔吐の抑制(つわりなどの症状改善)

その効果の一方で、眠気浮腫便秘口渇などの副作用にも注意が必要です。
特に高齢者や肝障害のある方は影響を受けやすいため、減量や別の治療薬を検討する必要があります。
ドキシラミンは日本では未承認薬であり、Amazonや楽天などインターネットでは購入することができません。医師の診断が必須となります。自己判断による服用は避け、必ず医師に相談して適正使用を心がける必要があります。
また、アルコールや他の薬剤との併用は避けるべきで、併用する場合は必ず医師に確認してください。相互作用により期待した効果が得られなかったり、重大な副作用が起こる可能性があるためです。
適切な使用方法と医師の監督の下で服用すれば、ドキシラミンは有効で安全な治療薬となりますが、自己判断による服用は健康被害にもつながりかねません。医療従事者の指示に従うことが何より大切です。

出典

DRUGBANKオンライン(ドキシルアミン)
ドキシラミンに関連する事項(厚生労働省)
WebMD
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