カモスタット

カモスタット

慢性膵炎における急性症状の緩解/術後逆流性食道炎/など

「カモスタット」は求核攻撃を行うセリン残基をもつタンパク質分解酵素の働きを妨げる作用を持ち、肝臓や腎臓の病気や膵炎の線維化を抑制します。
また、いくつかの形態の癌治療に使用されており、一部のウイルス感染に対しても有効性が確認されています。

内科/消化器科/胃腸科/など

健康保険適応

診察料などの目安 ：約2,000円～10,000円
フオイパン錠100mg 20.2円/／錠(薬価）
＊病院によって差が有り。初診料・診察料・検査料などが必要になる。

1985年 8月発売開始【フオイパン錠100mg】

ジェネリックあり

フオイパン錠

カモスタットメシル酸塩錠１００ｍｇ【製薬メーカー：武田テバファーマ】/カモスタットメシル酸塩錠１００ｍｇ【製薬メーカー：日医工】

「カモスタット」はタンパク質分解酵素の働きを妨げる作用を持ち、慢性膵炎における急性症状の緩解や術後逆流性食道炎の治療に用いられており、肝臓や腎臓の病気や膵臓が炎症を起こして細胞外基質と呼ばれる物質が増加して内臓が硬くなる現象を抑制します。
その他、「カモスタット」は前立腺癌特異的融合遺伝子の阻害剤であり、一部の癌の治療にも使用されています。
また、ウイルス感染に対しても部分的にブロックすることが分かっています。

「カモスタット」は前立腺癌特異的融合遺伝子の阻害剤であることから、ヒト由来の最初の細胞株であるHeLa細胞における新型コロナウイルス感染症 (COVID-19)による感染を部分的にブロックして、肺細胞への感染を減少させることが分かっています。
ドイツ霊長類センターが2020年3月に行った研究では、「カモスタット」が新型コロナウイルス感染症 (COVID-19)の感染を妨げるとの研究結果をライフサイエンスの学術誌「Cell」に論文投稿しました。
ただ、新型コロナウイルス感染症 (COVID-19)の治療では慢性膵炎における急性症状の緩解や、術後逆流性食道炎の治療よりも多くの量を投与しなければ感染を防ぐ効果は得られないと報告しています。
一方で小野薬品工業株式会社は2021年6月に、無症状から中等症の新型コロナウイルス感染症 (COVID-19)患者を対象に行った評価試験では、「カモスタット」の有効性が認められなかったと発表しました。

【慢性膵炎における急性症状の緩解】
・通常1日量カモスタットメシル酸塩として600mgを3回に分けて経口投与します。症状により適宜増減します。
【術後逆流性食道炎】
・通常1日量カモスタットメシル酸塩として300mgを3回に分けて食後に経口投与します。

・重大な副作用：ショック、アナフィラキシー、血小板減少、肝機能障害、黄疸、高カリウム血症
・その他副作用：白血球減少、赤血球減少、好酸球増多、発疹、そう痒等、嘔気、腹部不快感、腹部膨満感、下痢、食欲不振、嘔吐、口渇、胸やけ、腹痛、便秘、AST・ALTの上昇等、BUN、クレアチニンの上昇、浮腫、低血糖

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

・合併症や既往歴等のある患者には副作用が発現しやすくなります。
・過敏症を有する患者には副作用が発現しやすくなります。
・妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与してください。
・小児等を対象とした臨床試験は実施していません。

上記にあてはまる方は、カモスタットを使用する事が出来ない可能性があります。
カモスタットを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

調査中

他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

「カモスタット」と同じ成分の薬はありますか？

「カモスタット」は小野薬品工業が1985年に発売し、現在は特許が切れているため、多くの国内メーカーが同じ成分の薬を販売しています。

「カモスタット」の服用で気をつける事はありますか？

他に薬などを使っている場合は、互いの作用を強めたり弱めたりする可能性があるので、医師に相談してください。

医薬品を使用する場合、必ず医師や薬剤師の指示に従って下さい。
医薬品を使用し、体調不良が現れた場合、我慢せずに直ちに医師の診察を受け、指示に従って下さい。