レムデシビル

成分名

レムデシビル

適応症状

新型コロナウイルス感染症 (COVID-19)/エボラ出血熱感染症/マールブルグウイルス感染症/抗ウイルス作用/など

簡易説明

「レムデシビル」はギリアド・サイエンシズが開発した抗ウイルス薬として使える新規ヌクレオチドアナログのプロドラッグである。
もともとエボラ出血熱の治療薬として開発され、エボラ出血熱及びマールブルグウイルス感染症の治療薬としてだけでなく、一本鎖RNAウイルスに対して抗ウイルス活性が確認された。
また、新型コロナウイルス感染症 (COVID-19)を含む複数のコロナウイルスおよびニパウイルスとヘンドラウイルス感染症での抗ウイルス活性が確認された。

処方可能な診療科目

内科/耳鼻咽喉科/など

健康保険の適応

健康保険適応
*保険診療上、評価療養に該当するものとして取り扱われ、保険診療との併用を認めている。

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安 :約2,000円~10,000円

厚生労働省による認可、または発売年月日

2020年5月7日(特例承認)

国内のジェネリック認可

ジェネリックあり

関連製品(先発薬)

調査中

関連製品(ジェネリック)

ベムシビル

効果・作用

「レムデシビル」は、ギリアド・サイエンシズがエボラ出血熱の治療のために開発を進めていた薬剤で、2013年から2016年の西アフリカエボラウイルスの流行治療するために推進された。安全であることは判明したが、エボラウイルス属に対してはあまり効果的ではなかった。
新型コロナウイルス感染症 (COVID-19)について2020年5月1日アメリカでコンパッショネート使用を認めた新薬で、日本では2020年5月7日に「特例承認制度」を用いて、新型コロナウイルス感染症 (COVID-19) への治療薬として承認された。
新型コロナウイルス感染症 (COVID-19)のアメリカの患者に対して2020年1月に未承認薬のコンパッショネート使用として投与した結果、肺炎に進行した後での投与だったものの、患者の状態は翌日劇的に改善して最終的に退院するに至った。
ただし、この急速な回復が「レムデシビル」の効果によるものであるかどうかを明確に証明するには至っていない。
また、中国では、新型コロナウイルス感染症 (COVID-19) への治療薬として行った探索的研究にて、レムデシビルに対し抑制効果があることを報道機関に対し発表した。
中国科学院武漢ウイルス研究所が発表した論文によると、試験管内の環境下でアフリカミドリザル起源の標準細胞 Vero E6細胞を用いて、「レムデシビル」を含む7種類の物質の新型コロナウイルス感染症 (COVID-19) に対する抗ウイルス効果の試験をおこなったところ、「レムデシビル」は試された7つの物質のうちでは、最も高い効果を示した。

新型コロナウイルス感染症予防・治療に関して

▼新型コロナウイルス感染症予防・治療効果
「レムデシビル」は2020年5月1日アメリカで新型コロナウイルス感染症 (COVID-19)について認められており、日本でも2020年5月7日に「特例承認制度」を用いて、新型コロナウイルス感染症 (COVID-19) への治療薬として承認されている。
中国科学院武漢ウイルス研究所でも、試験管内の環境下でアフリカミドリザル起源の標準細胞 Vero E6細胞を用いて、「レムデシビル」を含む7種類の物質の新型コロナウイルス感染症 (COVID-19) に対する抗ウイルス効果の試験をおこなった結果、「レムデシビル」は試された7つの物質のうちでは、最も高い効果を示したことを発表した。
アメリカの複数の研究者で構成する横断的な研究チームである”The COVID-19 Investigation Team”によると、アメリカ疾病予防管理センター (CDC) により新型コロナウイルス感染症 (COVID-19) が最初に確定した12人の患者のうち3人に対して「レムデシビル」が投与されていた。
ただ、研究チームによると「レムデシビル」の投与はコントロールされたランダム対照試験のもとで行われたものではない為、その治療効果については評価できないとしている。
「レムデシビル」の副作用については、これを投与された3人の患者を含む、治療を受けた7人の患者全てで、肝臓の損傷を示すアミノ基転移酵素(アミノトランスファーゼ、ASTおよびALT)の血中濃度の上昇が見られた。
しかし、これとレムデシビルの因果関係については結論が出ていない。
肝臓の酵素の血中濃度の上昇が「レムデシビル」の副作用とするのであれば重大な問題ではあるが、臨床試験においては、レムデシビル投与群とそれ以外の患者群は完全にランダムに配分された訳ではないことから、「レムデシビル」の副作用と判断するのは時期尚早であるとも述べている。
医学雑誌ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン (NEJM) が発表した「レムデシビル」の臨床研究では、新型コロナウイルス感染症 (COVID-19) に感染した53人の患者の内、64%にあたる36人の患者で呼吸機能に改善が見られたとしている。
重症患者53人のうち、体外式膜型人工肺 (ECMO) または陰圧式人工呼吸器使用者が34人で、それ以外が19人であった。
用法・用例の標準としては、初日は点滴静脈注射により200mgを投与して、それ以降1日100mgを10日間投与した。
ただし、改善についての所見は呼吸機能のみに着目したものであり、胸部X線影像の改善、PCR陰転化などについては触れられていない。

使用方法

成人及び体重40kg以上の小児に対しては、投与初日に200mgを、投与2日目以降は100mgを1日1回点滴静注する。
体重3.5kg以上40kg未満の小児には、投与初日に5mg/kgを、投与2日目以降は2.5mg/kgを1日1回点滴静注する。
総投与期間は10日までとする。

副作用

肝機能障害/過敏症(InfusionReaction、アナフィラキシーを含む)/など
レムデシビルには、副作用が起こる可能性があります。
その為、投与前及び投与中は定期的に肝機能検査を行い、患者の状態を十分に観察し、過敏症(InfusionReaction、アナフィラキシーを含む)があらわれることを考慮し、患者の状態を十分に観察するとともに、異常が認められた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用に注意が必要な方
・妊婦の方、または妊娠している可能性のある女性は、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
・胎児に影響が出る可能性があるため、治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
・18歳未満の方は治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
・高齢者は患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。

上記にあてはまる方は、レムデシビルを使用する事が出来ない可能性があります。
レムデシビルを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用注意薬
臨床薬物相互作用試験は実施していません。
持病、服用中の薬がある方、通院中、治療中の方は必ずかかりつけの医師に相談してから服用するようにして下さい。
*ヒドロキシクロロキン硫酸塩/クロロキン(国内未承認)について、「レムデシビル」の抗ウイルス活性が低下する可能性があるので併用に注意すること。

上記の併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

よくある質問
レムデシビルはどのように投与すれば良いですか?

生理食塩液に添加し、30分から120分かけて点滴静注で投与してください。

肝機能障害がある場合は投与しない方が良いですか?

ALTが基準範囲上限の5倍以上の患者については、肝機能障害が悪化するおそれがあることから投与しないことが望ましいです。

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