成分名 |
ファビピラビル |
適応症状 |
新型又は再興型インフルエンザウイルス感染症(世界的規模で流行したインフルエンザであって、その後流行することなく長期間が経過しているものを示す。また、他の抗インフエンザウイルス薬が無効又は効果不十分なものに限る)。小児等に対する治験投与経験はなく、小児等に対する安全性および有効性は認められていません。 |
簡易説明 |
新型又は再興型インフルエンザウイルス感染症の抗インフルエンザウイルス薬として厚生労働省が認可した成分です。
最近ではCOVID-19への有用性が認められ、厚生労働省が新型コロナウイルスに有効であると「特例承認」された有効成分です。
しかし、特例であるためいくつもの条件をクリアした場合のみ処方が可能とされています。 |
処方可能な診療科目 |
厚生労働省は、医療機関が研究班による観察研究に参加し、患者本人の同意があり、医師の判断によって使用が必要となった場合に限り使用を可能とするとしています。その為、特定の診療科目での処方は出来ません。 |
健康保険の適応 |
健康保険適応外 ただし、販売名:アビガン錠200mgについては、緊急かつ特例的に保険診療との併用を認める |
病院で処方してもらう時の費用目安 |
費用としてはまだ認可されていないので未定、また条件付き特例処方となる場合での費用は不明 |
厚生労働省による認可、または発売年月日 |
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国内のジェネリック認可 |
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関連製品(先発薬) |
アビガン(一般名:ファビピラビル) 【製薬メーカー:富士化学工業株式会社】 |
関連製品(ジェネリック) |
ファビフル/アビガン・ジェネリック |
効果・作用 |
ファビピラビルは、ウイルス由来の「RNAポリメラーゼ」の働きを阻害する効果があり、元々インフルエンザウイルス感染症の治療薬として富士化学工業株式会社が開発した抗インフルエンザ薬となります。
有効成分:ファビピラビルの構造は、DNAやRNA(リボヌクレオチドが多数重合したもので,細胞の核や細胞質中に存在。DNAとともに遺伝やタンパク質合成を支配する)を構成する核酸アナログ(類似体)として、細胞内に取り込まれたファビピラビル成分が細胞内の酵素によりリボース(糖)やリン酸基と結合することで、代謝・変換されファビピラビル・リボフラノシル三リン酸体となり、酵素が正常な核酸と間違えてファビピラビルを取り込み、複製や転写を繰り返す酵素反応そのものが阻害されると考えられています。
また、ファビピラビルはとても広範囲にRNAウイルス(ゲノムとしてリボ核酸 をもつウイルスのこと)に試験管内や動物モデルで効果を示すが,RdRp の触媒領域が RNA ウイルス間で広く保存されることがこの現象を支持している。
ファビピラビルは,既存薬耐性株を含むすべての型のインフルエンザウイルスに対して活性を示すだけでなく,出血熱の原因となるアレナウイルス、ブニヤウイルス,およびフィロウイルスなどの広範囲な RNA ウイルスに対しても効果を示すことから,治療法の確立されていない RNA ウイルス感染症の薬剤として期待されている。
今回問題となっている新型コロナウイルス(COVID-19)も、インフルエンザウイルスと同様のRNA型のウイルスとされており、同様にRNAポリメラーゼ(リボヌクレオチドを重合させてRNAを合成する酵素)を産生します。
そのため、ウイルスのRNAポリメラーゼの働きを阻害するファビピラビルが、新型コロナウイルスの細胞内での増殖を抑える薬として期待されているのです。
インフルエンザウイルスと新型コロナウイルス(COVID-19)のRNAポリメラーゼは、詳細な構造は異なりますが、基本となる酵素作用が両ウイルス共、類似しているため、新型コロナウイルス(COVID-19)の阻害効果を現す可能性が十分にあると言われています。 |
使用方法 |
富士化学工業株式会社の発表によると、通常であれば成人には、ファビピラビル成分を1日目/1回1600mgを1日2回、2日目~5日目は1回600mgを1日2回経口投与すること5日間の総投与期間で、大きな効果があると臨床研究結果の報告があります。
この5日間というのは、確実な抗ウイルス作用を得るために、初回服用直後から十分な血中濃度を維持するため必要とされています。
▼飲み忘れてしまった場合
気がついた時に 1 回分をできる限り早く投与する。
ただし、次の服用時間が近い場合は 1 回とばして、次の服用時間に 1 回分を投与します。
決して2 回分をまとめて服用しない |
副作用 |
主な副作用は、血中尿酸増加。下痢、好中球数減少、AST(GOT)、ALT(GPT)増加が見られたり、少数例で血中ビリルビン増加、悪心、嘔吐、腹痛 、腹部不快感、十二指腸潰瘍、血便排泄、胃炎、白血球数減少、白血球数増加、網状赤血球数減少、単球数増加、代謝異常、血中トリグリセリド増加、尿中ブドウ糖陽性、血中カリウム減少、喘息、口腔咽頭痛、鼻炎、鼻咽頭炎、血中CK増加、血中CPK増加、尿中血陽性、扁桃腺ポリープ、色素沈着、味覚異常、挫傷、霧視、眼痛、回転性眩暈、上室性期外収縮の報告もされていることも確認されています。
そのほかに、ショック、アナフィラキシーや肺炎、劇症肝炎、肝機能障害、黄疸、中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、急性腎障害、白血球減少、好中球減少、血小板減少、精神神経症状(意識障害、譫妄、幻覚、妄想、痙攣等)出血性大腸炎などの重度な副作用も確認されています。
重篤な副作用の発生率は低いですが、用法や用量を間違えると命に危険を及ぼすような、重篤な副作用が発生する恐れもあります。
異変を感じた場合は、直ぐに医師の診察を受け指示に従いましょう。
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使用に注意が必要な方 使用出来ない方 |
使用が出来ない方
▼妊婦、妊娠している可能性のある女性は投与が出来ません。
病院で処方・投与にあたっては、妊娠していないこと、または妊娠している可能性がないことを必ず確認してください。
妊娠する(している)可能性のある女性は、服用する前にの妊娠検査が陰性であることを示していることが絶対条件となります。
なお、妊娠初期の妊婦では、妊娠検査で陰性を示す場合があることにご留意いただき、初期胚及び胎児に好ましくない影響を及ぼす可能性があることを投与者(本人)またはその家族等に十分に説明の上理解の上で、服用に関して文書による同意を取得してからアビガンを処方・服用となります。
投与開始から投与終了後7日間以内に妊娠したと考えられる場合には、すぐに医師または薬剤師に相談する必要があります。
▼妊娠する可能性のある女性へは避妊を指導するよう喚起されています。
妊娠する可能性のある女性が服用する場合、初期胚(分割胚、分割期の卵とも言われています)及び胎児に好ましくない影響を及ぼす可能性があることを文書にて投与者(本人)またはその家族等に十分な説明の上で、服用に関して文書による同意を取得してから処方されます。
投与開始から投与終了後7日以内に性交渉を行う場合は、パートナーと共に極めて有効な避妊法(コンドームを含む複数の方法)の実施を徹底するよう指導されます。
▼授乳中の女性には授乳の中止をするよう促されます。
ヒト母乳中への移行が認められていることを文書にて投与者(本人)またはその家族等に十分に説明の上で、本剤の服用に関して文書による同意を取得してから処方・服用となります。
授乳中の女性が服用する際には、授乳を中止するよう指導されます。
使用に注意が必要な方
痛風又は痛風の既往歴のある患者及び高尿酸血症のある患者
肝機能障害、細菌感染症
小児等への投与…小児等に対する投与経験はない。
高齢者への投与…一般に高齢者では生理機能が低下していることが多いので、患者の状態を観察しながら投与することとされています。
上記にあてはまる方は、ファビピラビルを使用する事が出来ない可能性があります。
ファビピラビルを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。
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併用禁忌薬 |
ピラジナミド→血中尿酸値が上昇
スリンダク→効果を減弱
ファムシクロビル→効果を減弱
テオフィリン→本剤の血中濃度が上昇し本剤の副作用が発現
レパグリニド→血中濃度が上昇しレパグリニドの副作用が発現
ピラジナミド→血中尿酸値はピラジナミド単独及び本剤併用時で11.6・13.9mg/dL
上記の併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。
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ファビピラビルに関する よくある質問 |
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