成分名 |
モルヌピラビル |
適応症状 |
新型コロナウイルス感染症 (COVID-19) /抗ウイルス作用など |
簡易説明 |
モルヌピラビルは新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の治療薬として開発された、RNAポリメラーゼ阻害薬と呼ばれる経口抗ウイルス薬になります。
新型コロナウイルスはヒトの細胞に侵入するとRNAを複製する事で増殖して、症状や重症化を引き起こしますが、モルヌピラビルはそのウイルスの複製を阻害する事で新型コロナウイルスの症状・重症化を抑制します。
アメリカのメルク社(MSD)が開発し、2021年12月24日には日本国内でも特例承認されました。
新型コロナ軽症者~中等症Ⅰの方の重症化予防に用いられます。
新型コロナウイルスに感染した際、早期の治療の飲み薬として用いられる世界で初めての認可薬になります。
アルファ株、ベータ株、ガンマ株、デルタ株、オミクロン株などの抗ウイルス作用が確認されています。
一般名モルヌピラビル、先発薬の販売名はラゲブリオカプセル200mgです。 |
処方可能な診療科目 |
内科/感染症内科/耳鼻咽喉科など |
健康保険の適応 |
健康保険適応
※時限的、特例的な対応として保険診療上の取り扱い |
病院で処方してもらう時の費用目安 |
新型コロナウイルスに係る医療費の公費負担については、お住いの都道府県によって異なります。
2022年9月16日から一般流通を開始する運びとなりました。薬価基準には2022年8月18日に収載されています。なお、厚生労働省所有のラゲブリオ®の今後の取扱いに関しては、厚生労働省から発出される事務連絡をご覧ください。 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)経口治療薬「ラゲブリオ®カプセル200mg」一般流通開始日のお知らせ 【上記引用元:MSD製薬】
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厚生労働省による認可、または発売年月日 |
2021年12月24日(特例承認) |
国内のジェネリック認可 |
なし |
関連製品(先発薬) |
ラゲブリオカプセル200mg【製薬メーカー:メルク社】 |
関連製品(ジェネリック) |
モルキシビル【製薬メーカー:サンファーマ社】/モルライフ【製薬メーカー:マンカインドファーマ社】/シプモルヌ200mg【製薬メーカー:シプラ社】/モルヌナット【製薬メーカー:ナトコ社】/モルナトリス【製薬メーカー:マイラン社】/モルヌビッド【製薬メーカー:ヒーリングファーマ社】 |
海外での使用実績 | ・イギリス
英医薬品、ヘルスケア製品規制庁は、2021年11月4日、MSD(医薬品の世界大手の米メルク社)と米リッジバック・バイオセラピューティクス社が開発した新型コロナウイルス感染症の初めての経口治療薬である、モルヌピラビルを世界に先駆けて初めて承認しました。商品名はラゲブリオ【Lagevrio】です。
軽度~中等度の新型コロナ治療薬として、重症化の危険性がある危険因子を1つ以上持つ成人を対象に使用されました。
・アメリカ
FDA(米食品医薬品局)は、2021年12月23日、モルヌピラビルを重症化リスクが高い成人を対象にした緊急使用を承認しました。既に英国では承認されていて、米国では22日に承認されたファイザー製【パキロビッド】に続く2つ目の新型コロナウイルス飲み薬の承認となりました。
・フランス
フランスのベラン保健相は、2021年12月22日、モルヌピラビルに関して、『発注を取り消した』と明言しました。その理由としてべラン保健相は、『最新の治験結果が良くなかった』と臨床試験での効果が予想よりも低かった為、と仏テレビで語っています。 |
効果・作用 |
モルヌピラビルは新型コロナウイルス感染症(「SARS-CoV-2 による感染症)に使用する初めての国内認可の飲み薬で、RNAポリメラーゼ阻害薬と呼ばれる薬です。
感染細胞内に侵入した新型コロナウイルスにおいてのRNA依存性RNAポリメラーゼに作用する事によって、ウイルスRNA配列を変異させ、複製を阻害する事でウイルス増殖を抑制させます。
アビガン(ファビピラビル)やレムデシビルなどと同様な作用機序の薬です。
メルク社の発表では、モルヌピラビルの臨床試験で、発症してから5日以内で重症化のリスクがある患者に対して投与したところ、入院した人・死亡した人のリスクを30%低下させる事ができたという効果が確認されています。
その臨床試験では、発症してから5日以内の患者で重症化リスクのある約1400人をモルヌピラビルを投与するグループと、プラセボと呼ばれる偽薬を投与するグループに分け、経過を比較する実験をしたところ、プラセボ投与のグループでは入院した人・死亡した人の割合が9.7%になったが、モルヌピラビル投与のグループでは6.8%で、入院した人・死亡した人のリスクが約30%低下したという結果を発表しています。
また、臨床試験にて副作用が、薬を服用した後で有害な副作用が出たという割合は、モルヌピラビル投与のグループと、プラセボ投与のグループとで、変わらなかったと発表しています。
モルヌピラビルは新型コロナウイルス感染者の中でも軽症者~中等症患者の重症化抑制に用いられる薬であり、重症度の高い患者に対しての有効性は確立されていないようです。
市場に出回った後に流行した変異株であるオミクロン株にも抗ウイルス作用が確認されたと発表しています。 |
新型コロナウイルス感染症予防・治療に関して | ▼新型コロナウイルス感染症予防・治療効果
メルク社は2021年11月に「モルヌピラビル」の臨床試験で、新型コロナウイルス感染症 (COVID-19) の発症から5日以内で重症化リスクがある患者に対し、入院した人・死亡した人のリスクを30%低下させる効果を確認したと発表しました。
また、同年10月の発表では、発症から5日以内の患者で、重症化リスクのある760人に対して、薬を投与するグループと偽薬(プラセボ)を投与するグループに分けて経過観察した結果、偽薬(プラセボ)を投与したグループでは入院した人・死亡した人の割合が14.1%に対して、「モルヌピラビル」を投与したグループでは7.3%となり、入院した人・死亡した人のリスクがおよそ50%低下しました。
「モルヌピラビル」は、新型コロナウイルス感染症 (COVID-19) のデルタ株、ガンマ株、ミュー株などのSARS-CoV-2変異に対しても同様の効果が報告されています。
▼モルヌピラビルの新型コロナウイルス感染症に対して有効なのは、軽症者~中等症Ⅰまで患者に対して、とされています。
▼新型コロナウイルス感染症の度合い
【モルヌピラビル適応】
・軽症・・呼吸器症状無し、または咳のみで呼吸困難無し。肺炎所見無し。 酸素飽和度SpO2 ≧ 96%
・中等症Ⅰ・・呼吸困難、肺炎所見。酸素飽和度93% < SpO2 < 96%
【適応外】
・中等症Ⅱ・・呼吸不全で酸素投与が必要。酸素飽和度 SpO2 ≦ 93%
・重症・・ICUに入室、または人工呼吸器が必要
厚生労働省の【新型コロナウイルス感染症診療の手引き】によると、呼吸の状態や症状により、次の表のように重症度が定義されています。
モルヌピラビルが適応する新型コロナウイルス感染症の【軽症】とは、症状が咳くらいのもので呼吸困難ではない状態の事を指します。パルスオキシメーターで測れる酸素飽和度として96%以上に相当します。
一般的な新型コロナウイルスの経過について、新型コロナウイルス感染症には2種類の時期があります。
【新型コロナウイルスが増殖する時期】・・発症日をピークとし、3週間かけて感染が治まっていきます。この時期は【ウイルス増殖による症状】、というのが主体となります。
【免疫による過剰な炎症反応が主体の時期】・・発症日7日間前後くらいからウイルスによって私たちの【免疫による過剰な炎症が主体の時期】になります。後遺症や肺炎のほとんどの重症化はこの【過剰な炎症】が原因だとされています。
このように新型コロナの経過には2つの時期があり、その時期によって有効な治療薬も異なります。
一般的に軽症の方・発症早期の方はモルヌピラビルのような【ウイルスの増殖を抑える薬】が有効となります。
発症後期の中等度IIや重症の方にはレムデシビルなどの【炎症を抑える薬】が有効になってくるということになります。
そして、【重症化しやすい方】というのがアメリカのCDC【米国疾病予防管理センター】の研究によると、下記の方は、感染した早期にモルヌピラビルのような【ウイルスの増殖を抑える薬】を用いる事で、重症化の予防の可能性が高まります。
・65歳以上の方。
・癌の方。
・長期間の喫煙者で息切れがある方。
・腎臓が悪い方。
・糖尿病の方。
・高血圧の方。
・悪玉コレステロールが高い方、中性脂肪の高い方。
・肥満の方。
・喫煙されている方。
・移植後で免疫不全の方。
・妊娠後期の方。
以上などの方は重症化しやすいとされていますので、モルヌピラビルを使用する事で重症化、入院や死亡率が30%減少するため有効です。
なお、メルク社のin vitro(試験管内)での実験において、アルファ株、ベータ株、ガンマ株、デルタ株、ラムダ株、ミュー株、オミクロン株に対して、野生株と同程度の抗ウイルス活性が認められた事が確認されています。 |
使用方法 |
18歳以上の患者に、モルヌピラビルとして1回800mgを1日2回、5日間、水またはぬるま湯で経口投与します。
食事の影響はないとされています。
感染後は5日以内できるだけ早く服用する事が推奨されています。
飲み忘れてしまった場合は、まとめて服用せず医師に相談するようにしましょう。 |
副作用 |
下痢、悪心、浮動性めまい、頭痛、嘔吐、発疹、蕁麻疹、中毒性皮疹などがあげられます。
発生頻度は以下の通りです。
・胃腸障害・・下痢(3.1%)、悪心(2.3%)、 嘔吐(1%未満)
・神経系障害・・浮動性めまい(1.3%)、頭痛(1.0%)
・皮膚及び皮下組織障害・・発疹・蕁麻疹(1%未満)、中毒性皮疹(頻度不明)
最も多い副作用でも発生頻度は1%~5%になり、下痢、悪心、浮動性めまい、頭痛で風邪薬よりも低い頻度になります。
頻度不明では、中毒性皮疹で全身に原因不明の皮疹が出る症状になり、薬剤やウイルス感染症の影響等で原因が特定しづらい症状です。
※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。 |
使用に注意が必要な方 使用出来ない方 |
使用が出来ない方 ■モルヌピラビルを配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方、ラゲブリオはアレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。
▼モルヌピラビルの有効成分
ラゲブリオ
▼代表薬の添加物
ヒドロキシプロピルセルロース、結晶セルロース、クロスカルメロースナトリウム、ステ
アリン酸マグネシウムカプセル:ヒプロメロース、三二酸化鉄、酸化チタン
・妊婦の方、または妊娠している可能性のある女性には使用してはいけません。
・胎児に影響が出る可能性があるため、服用中~服用後一定期間は避妊をしてください。
・授乳中の方は、服用中には授乳を中止してください。
・18歳未満の方は使用できません。
・有効成分モルヌピラビルに対して、過敏症の既往歴がある方は使用できません。 |
併用禁忌薬 |
臨床薬物相互作用試験は実施していません。
持病、服用中の薬がある方、通院中、治療中の方は必ずかかりつけの医師に相談してから服用するようにして下さい。 |
よくある質問 |
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