白髪が生える原因
白髪って意外と気づかないうちに生えていませんか?なぜか1本だけピンと自己主張している姿はかなり目立つんですよね。1本気になりだすと次々と気になりだす白髪はなぜ生えてくるのでしょうか。
その原因について詳しく解説していきます。
まずその前に「白髪のできる仕組み」からお話していきます。
髪の毛は頭皮にある毛母細胞からつくられています。正常な黒い髪や茶色い髪の色は、メラニンと呼ばれる色素によるものです。このメラニンは体の中のメラノサイトと呼ばれる細胞で作られます。
メラノサイトはメラニンを生成して髪の毛に供給し続けることで、髪の毛を黒や茶色に着色しています。
ところが、加齢に伴ってメラノサイトの働きが衰えてくると、新しく生えてくる髪の毛にメラニンの供給が不十分になります。
するとその部分の髪の毛はメラニンが不足した白い色になって生えてきます。これが白髪です。
つまり白髪とは、メラノサイトの老化によって髪の毛へのメラニンの供給が低下した結果、色が抜けた状態の髪のことなのです。ストレスなどがメラノサイトの早期衰えを招くこともあるでしょう。
このように、白髪の主な原因はメラノサイトの働きの低下にあるということになり、メラニンの生成機能が低下することで髪の毛が白くなっていきます。
それでは原因と考えられる6項目について詳しく解説していきます。
①栄養不足
栄養不足が白髪の原因になることがあります。特にタンパク質、ミネラル、ビタミンの3つの栄養素が関係しています。
タンパク質不足では、髪の毛を作るケラチンが足りなくなります。肉や卵、大豆などのタンパク質を食べることが大切です。
ミネラルのアルギン酸は海藻に多く含まれ、髪の保護に必要です。亜鉛は肉や魚に含まれ、タンパク質の吸収を助けます。
ビタミンCはビタミンの中でもとくに重要で、肌や髪に潤いを与えます。柑橘系果物や野菜に多く含まれています。
こうした栄養素が足りないと、髪の毛が健康でいられなくなり、白髪になりやすくなります。食事のバランスを意識することが白髪予防につながります。
②遺伝
ご両親が若い頃から白髪が多い場合、遺伝の影響があるとされています。
ただし遺伝するのは、白髪そのものというより、白髪になりやすい体質です。
例えば、メラニン色素がうまく作れない体質や、成長ホルモンが少ない体質などが子どもに受け継がれることがあります。
しかし両親が白髪だから自分も白髪になるのは遺伝だから仕方がないと諦める必要はありません。
適切なケアを心がければ、ある程度白髪の進行を遅らせることができるのです。
③精神的ストレス
ストレスが白髪の原因になるメカニズムは以下の通り2点あります。
1つ目はストレスで血管が収縮し、栄養素が髪の毛に行き渡りにくくなることです。その結果白髪の抑制に必要とされている栄養素が届きにくくなるため白髪が増えてきます。対策として、頭皮のマッサージをすることにより改善できます。
2つ目はストレスホルモンの影響で皮脂の分泌が活発になります。その皮脂が酸化して「過酸化脂質」となり、メラニン色素を作る働きを抑制することで白髪が生える原因になります。この過酸化脂質を除去するには、炭酸入りのシャンプーを使って洗うのがおすすめです。
ストレスが直接的、間接的に白髪を増やすことが分かりますね。リラックスする時間をつくるなどストレス対策が大切だと言えます。
④加齢
髪の毛の色を決めるのは「メラニン」と呼ばれる色素で、これを作り出すのが「メラノサイト」という細胞です。
ところが、年を重ねるにつれてこのメラノサイトの働きが鈍ってしまい、十分なメラニンが作られなくなります。
その結果、新しく生えてくる髪の毛にメラニンが不足し、白髪が目立つようになるのです。
髪の毛は数年間で抜け落ちるサイクルがありますが、年をとるにつれて新しい髪の毛と一緒にメラノサイトも再生しなくなっていきます。
以上のように、加齢によってメラノサイトの機能低下が白髪の主な原因と考えられています。
⑤紫外線
紫外線が白髪の原因になる理由は次のように考えられています。
頭皮に当たる紫外線により活性酸素が発生します。この活性酸素が多いと体の細胞が酸化し機能が低下します。
特に毛母細胞の機能が低下すると、メラニンの生成が行われず白髪が増える原因になります。
つまり日常的に強い日差しを浴びていると白髪が進行しやすくなるので、帽子をかぶるなどして紫外線対策を心がけることが大切です。
⑥睡眠不足
睡眠中に分泌されるホルモンのメラトニンには、体内の有害な活性酸素を除去する働きがあります。
睡眠不足だと、このメラトニンが十分に分泌されないため、活性酸素が体内に残存したままになります。
すると、髪の毛を作り出す毛母細胞などの細胞の働きが低下し、白髪が増える原因となります。
よって、きちんと睡眠をとることは、メラトニンの分泌を促し、活性酸素の除去を促進することにつながります。これが白髪の抑制にも有効だと考えられているのです。
白髪の種類
白髪になる原因には2種類あるって知っていますか?
そもそも私たちの髪の毛は成長期(新しい髪の毛が作られる活発な期間。この期間は2~7年ほど続きます。)、退行期(成長期が終わると次第に毛乳頭の働きが低下し、髪の毛が薄くなっていきます。
この期間は2~3週間程度です。)、休止期(古い髪の毛が抜け、新しい髪の毛が生えてくるまでの期間です。この期間は3~4か月ほど続きます。)からなるサイクルがあります。
このサイクルに従って、我々の頭皮の毛包は常に新陳代謝を繰り返しています。 成長期から休止期の変化には個人差もあり、サイクルの長さは必ずしも一定ではありませんが、このようなメカニズムで髪の毛は生え続けています。
最も長い成長期において、白髪になってしまうパターンは休止型白髪と欠失型白髪の2種類があります。
休止型白髪
休止型白髪は、本来メラニン色素を作る能力はあるものの、何らかの原因でその機能が一時的に止まってしまうタイプの白髪です。原因として病気、栄養不足、ストレスなどがあり、これらがメラニンを作る細胞の働きを抑制してしまいます。
ただしこれらの原因がなくなれば、また正常にメラニンの生成をする可能性があるため、再び髪の毛が黒色に戻る場合があります。
特に若い方の場合は休止型が多い為あきらめずに原因を突き止めることが大切です。
欠失型白髪
欠失型白髪は、髪の毛を作る細胞である毛母細胞が本来持っている「メラニンを作る機能」を失っているタイプの白髪です。
若白髪の場合は生まれつきその機能が十分でないためにおこる場合があります。
一方で加齢に伴ってその機能が弱まっていき、ある時期からメラニンの生成ができなくなることでも欠失型白髪は生じます。
このタイプの白髪は抜いても、新しい毛髪は元からメラニンを作れないため、また白髪が生えてくることが多いのです。
以上のように、欠失型白髪は名前の通りメラニン生成機能を欠失した状態を指します。
若白髪が増加している理由
一般的に白髪は30代から増え始めてくると言われています。若白髪とは一体何歳からを言うのでしょうか。
これには明確な定義はありませんがおおむね10~20代にできる白髪を若白髪と呼んでいます。
ではなぜ若白髪が近年増加しているのでしょうか。その原因について解説していきます。
若白髪が増加している原因
- ストレスが多い10代20代では自律神経のバランスが崩れ、血行不良を起こしやすい
- ダイエットなどで栄養バランスが悪くなると髪の毛に必要な栄養が不足しがち
- 睡眠不足では血管収縮や成長ホルモンの分泌減少で髪に栄養が行き渡らない
- スマホやPCを長時間見ることで眼精疲労により頭皮の血行不良を招く
つまり、ストレス・栄養不足・睡眠不足・目の酷使が原因で、髪を作る細胞に栄養が届かなくなり、白髪が増えるのです。 若い世代ではこの傾向が強まっており、白髪の処置が必要なケースが多くなっています。
しかし若白髪の場合は、その多くが休止型白髪に該当するため原因改善により再び黒髪が生えてくる可能性はあるため、しっかりと原因と対策を理解し、諦めずに改善していくようにすると良いでしょう。
白髪予防方法
白髪の原因である「メラニン色素が作られない」状態を改善するには、ストレス解消と栄養バランスが大切です。睡眠や目のリフレッシュも意識しつつ、根本から体の健康を保つことが白髪予防に有効です。
また、「白髪を抜くことで逆に白髪が増える」という噂があります。
目立つ白髪は抜きたくなるものですが、白髪を抜くことにより頭皮に炎症が起こる可能性があります。
その結果、炎症で頭皮の組織がダメージを受けると、色素細胞が炎症で機能低下する可能性があります。すると色素の生成がさらに低下し、白髪が増えるとされます。
つまり、抜くこと自体が直接白髪を増やすわけではありませんが、抜くことで起こる頭皮の炎症が白髪増加につながることがあるのです。
白髪予防の一つとして頭皮へのダメージを避ける意味でも、無理に抜こうとするのは避けた方が良さそうです。
食生活
白髪予防の第一歩として食生活から改善をしていきましょう。
まず髪の毛を構成する主要成分はタンパク質です。牛乳、ヨーグルト、チーズ等の乳製品や卵、肉、魚に含まれる動物性タンパク質を積極的に取ることが大切です。大豆や豆腐等の植物性タンパク質も併せてとり入れましょう。
次に毛母細胞の働きを活発化させ、髪の成長を助けるミネラルとして亜鉛があります。牡蠣や小魚の内臓、くるみ類等に多く含まれています。ビタミンB2、B6、B12等のビタミンも髪の成長に必要不可欠な栄養素です。
一方で髪に色合いを与えるメラニンという色素の生成を助ける栄養素として、カルシウムや銅が知られています。カルシウムは乳製品や緑黄色野菜、銅は貝類や豆類に多く含まれます。こうした栄養をしっかり摂取することで髪の健康と色の維持が期待できます。
サプリメント
食生活の改善だけではなかなか髪の毛に必要な成分全てを摂取することは難しいですよね。そんな時に手軽に使えるのがサプリメントです。白髪に効く成分にはケラチン、ビオチン、葉酸、チロシン、ヨード、L-リジン、パントテン酸などがあります。では具体的にどんなサプリメントを摂ればいいの、と言う方のためにお勧めのサプリメントを紹介いたします。
【市販で買えるサプリメント】
商品名 | ブラックサプリEX | クローネ | 艶黒美人 | ディアナチュラ 黒セサミン | 漆黒美人 |
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メーカー | ECH株式会社 | 株式会社ダンボ | Rocher | アサヒグループ食品 | LINK株式会社 |
【個人輸入で購入できるサプリメント】
商品名 | グレイアウェイフォーミュラー | L-チロシン | ビオチンマキシマムストレングス10000mcg | ジンク |
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画像 | ||||
有効成分 | ビタミンB6(ピリドキシンHCl) 10mg、葉酸塩(葉酸 400mcg) 670mcg DFE、ビオチン 300mcgなど | チロシン500mg | ビオチン 10,000mcg |
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メーカー | VITALABS.inc. | Sapphire Healthcare(サファイアヘルスケア) | NATROL | Source Naturals |
購入ページ | グレイアウェイフォーミュラーの購入ページはこちら | L-チロシンの購入ページはこちら | ビオチンマキシマムストレングス10000mcgの購入ページはこちら | ジンクの購入ページはこちら |
運動
白髪改善に欠かせないのは成長ホルモンを分泌させることです。成長ホルモンは睡眠時と運動時に分泌されます。
そのための運動として、ジョギングやウォーキングで心肺機能を高め血行を促進すること、ストレッチやヨガで筋肉をほぐし血の巡りを改善すること、下半身の筋トレで血液の流れを活発化させることが大切です。ちょっときついと感じる程度の運動をすることが重要です。
特にジョギング・ウォーキング・ヨガは気軽に取り入れやすい運動です。 無理のないペースで習慣づけ、効果的な白髪対策を行いましょう。
運動後の水分補給や、日焼け対策も大切です。 楽しみながら続けられるよう工夫してみてください。
生活習慣
生活習慣の改善で一番大切なことはストレスの改善です。毎日こまめにストレス解消できるかどうかが大切になります。
忙しいという方が多いかもしれませんが、忙しいなりに取り入れやすいストレス解消法を行うと良いですね。
例えば、就寝前の瞑想やヨガで1日のストレスを発散する、また、目の疲れには指圧やアロマでリフレッシュ、そして、スマホやSNSから距離を置く「デジタルデトックス」の時間をつくるなどがあります。また、ストレス解消以外では、禁煙をすること、十分な睡眠時間をとることなども必要です。
無理して行うことは長続きしません。まずは簡単に出来ることから始めてみると良いでしょう。
頭皮セルフケア
自分でできる頭皮ケアと言えば頭皮マッサージがおすすめです。
まずは耳の上から頭頂へ円を描くよう指圧し、生え際からこめかみへ頭皮を上下撫でる、その後頭頂から後頭部へ円を描くようマッサージを行いましょう。
このように頭のツボを刺激することで頭皮の血行を改善し、髪の毛を作る細胞の活性化が期待できます。
シャンプー中やテレビ視聴中などにこまめにマッサージを取り入れることをおすすめします。指の腹で傷つけないように注意しながら、自分に合った強さで楽しみましょう。
白髪に関するよくある質問
- Q白髪の一番の原因は何ですか?
- A
白髪の一番の原因はメラノサイトの消滅です。
メラノサイトの休止やチロシンの不足が原因であれば、その原因を取り除くことで次に生えてくる新しい髪の毛には再びメラニン色素が入り込み、黒い髪の毛が生えてくる可能性があります。
ただし年齢による老化現象の場合は難しいとされていますが、髪の毛は3~4年周期で置き換わるため、根本的なケア次第では黒髪回復の望みはあるといえます。
白髪が増えたからとあきらめず、栄養改善やストレス対策などを試してみる価値は大いにあるでしょう。
- Q白髪を予防することはできますか?
- A
白髪は年齢とともに現れる自然な現象ですが、適切なケアや生活習慣の改善によって予防することができます。まず、体を冷やさないようにすることが重要です。
体を冷やすことで血行が悪くなり、栄養素が毛髪に届きにくくなります。
また、腎臓系を強化する黒い食べ物やタンパク質を豊富に含む食品を摂取することも白髪予防に役立ちます。さらに、ストレスも白髪の原因となります。健康な食生活やライフスタイルの改善は、白髪予防にもつながります。
白髪は完全に予防することは難しいかもしれませんが、適切なケアや生活習慣の改善によってその進行を遅らせることができます。
- Q白髪の原因になりやすい食べ物はありますか?
- A
白髪の原因になりやすい食べ物として、糖分を多く含むもの(糖分を多く含む菓子類や炭水化物が多い食事は、頭皮の皮脂分泌を過剰に刺激します。この過剰な皮脂分泌は、脂漏性皮膚炎を引き起こす可能性があります。脂漏性皮膚炎は、頭皮の健康を損ない、白髪や抜け毛の原因になることがあります。)、刺激物(香辛料などの刺激物を摂りすぎると、頭皮が刺激され、白髪を含む髪のトラブルのリスクが高まります。これらの成分は血流を促進する効果があるため、摂りすぎると頭皮の状態が不安定になります。)、身体を冷やす食べ物(身体を冷やす食べ物は、血流を低下させることで頭皮の健康状態に影響を与える可能性があります。特にキャベツやきゅうり、レタス、メロン、スイカなどは、身体を冷やす効果があるため、摂りすぎには注意が必要です。)などがあります。
まとめ
白髪が生える原因や種類、そして若白髪が増加している理由について、この記事で詳しく説明しました。白髪は年齢や遺伝などさまざまな要因によって引き起こされますが、適切なケアや生活習慣の改善によって予防することが可能です。
食生活の改善や適切な栄養摂取、運動、ストレス管理などが白髪予防に効果的です。また、頭皮のセルフケアも大切です。
定期的なマッサージや適切なシャンプー、コンディショナーの選択などで、頭皮の健康を保つことができます。さらに、サプリメントの利用も白髪予防に役立ちます。ビタミンやミネラル、アミノ酸などが含まれたサプリメントを適切に摂取することで、髪の健康をサポートすることができます。
白髪は一度生じてしまった場合、完全に黒髪に戻すことは難しいかもしれませんが、適切なケアや予防策を取ることで進行を遅らせることができます。健康な髪を保つために、日々のケアと生活習慣の見直しを心がけましょう。
出典
一般社団法人茨城県メディカルセンター
ロート製薬