フケの正体とは?頭のフケ・かゆみの原因や改善方法を解説

フケの正体とは?頭のフケ・かゆみの原因や改善方法を解説 AGA治療薬

フケとは何?

フケとは何?画像

頭皮からのフケは誰にでもある程度出ますが、量が多いと頭皮の健康状態を心配してしまいます。フケは決して気持ちのいいものではありません。むしろ肩にフケが落ちている状態は他人に汚いイメージを持たれてしまいます。そもそもこのフケの正体とは何なのでしょうか?
実はこのフケとは正常な頭皮の新陳代謝の結果として生じるものです。皮膚細胞は常に更新されており、古い皮膚細胞が新しい細胞に置き換わっていきます。
この状態を皮膚のターンオーバーと呼びます。頭皮も同様です。頭皮のターンオーバーとは、頭皮が常に新陳代謝を繰り返し皮膚細胞が更新されていくプロセスのことを指します。頭皮の角質層の細胞は、下の真皮から新しい細胞が供給されることで、上の方へ押し上げられていきます。そのため角質細胞は次第に古くなっていき、最終的には頭皮の表面で剥がれ落ちることになります。これがフケです
頭皮のターンオーバーのスピードは個人差がありますが、だいたい4~6週間のサイクルで皮膚細胞の更新が行われています。つまりその期間で、最下層から産生された新しい細胞が最上層に到達し、古い細胞と置き換わるということです。このターンオーバーのプロセスがうまくいかなくなると、古い角質が残留して皮膚トラブルの原因となったり、逆に剥がれすぎてフケが増えたりすることがあります。正常なターンオーバーが保たれることが健康な頭皮を維持する上で大切です。
頭皮の健康状態が崩れてくることで、フケの量が多くなったり大きくなったりする症状を医学的には「フケ症」と呼びます。この場合、肩にのるフケの量が多くなったり、髪に付着したフケがはっきり見えるようになることがあります。まずは何が原因で頭皮環境が崩れてくるのかを見極める必要があります。

フケ・かゆみの原因

フケや頭皮のかゆみには様々な原因が考えられます。主な原因を以下に示します。

フケ・かゆみの原因

フケや頭皮のかゆみの主な原因

  • 男性ホルモンの一種であるアンドロゲンの影響
  • 皮膚に常在する菌の増殖
  • 自分の肌や頭皮に合わない石けんやシャンプーを使用している
  • シャンプーの洗い流しが不十分
  • 頭皮の乾燥
  • 食生活の乱れ、不規則な生活習慣、ストレス等によるホルモンバランスの乱れ
  • 「フケ原因菌」と呼ばれる皮脂を食べるカビの増殖

このように、フケやかゆみの原因には性ホルモンや皮膚のバランスの乱れ生活習慣の問題等、様々な要因が複雑に関与しています。しかし適切なケアをすることで、多くの場合このような症状は改善するものです。頭皮環境を整えることが大切です。

フケの種類

フケにはどのような種類が存在するのか細かく見ていきましょう。

フケの種類

この他にも、皮脂の酸性化やカビの繁殖によるもの薬の副作用によるものなど、様々な種類が知られています。この様にフケには様々な種類のフケが存在します。その中でも代表的なフケについて解説していきます。

脂性ふけ(ベトベト)

脂性フケとは、頭皮の皮脂分泌が過剰になることで発生するフケです。脂性フケを生じやすくする要因として、マラセチア菌という皮膚に常在するカビの一種が知られています。この菌は皮脂を食べて増殖する性質があり、過剰に増えることで皮膚の新陳代謝を乱し、フケの発生を促します。
ほかにも、洗髪の残りや石けん・シャンプーのすすぎ不足、ヘアケア製品の残留、多汗、頭部の蒸れなどが脂性フケの原因としてあげられます。これらの要因で皮脂や汗、ゴミ、古い角質が皮膚表面に残存・蓄積することで、皮膚のバランスが崩れフケが増えるのです。
したがって脂性フケ対策としては、皮膚を清潔に保つことが大切です。汚れを残さない洗顔や洗髪、適度な皮膚ケアが効果的といえます。

乾性ふけ(カサカサ)

乾性フケは、頭皮が乾燥することで発生しやすくなるフケです。主な原因として、洗髪のしすぎや洗浄力の強いシャンプー使用による皮脂の過剰な除去、乾燥しがちな季節、紫外線による頭皮ダメージ、加齢に伴う皮膚のうるおい不足などがあげられます。これらの要因で頭皮セラミドをはじめとした皮膚の保湿因子が奪われ、バリア機能が低下することで水分が蒸発しやすくなります。すると角質形成に異常をきたし、乾燥と剥離が進行して薄く小さなフケが頻繁に発生するようになるのです。もともと乾燥肌の人は頭皮も乾燥しやすく、乾性ふけになりやすいと言えます。
したがって乾性フケの予防には、過剰な洗浄を避けて保湿を心がけることが大切です。シャンプー選びや保湿ケアを見直すことで、頭皮の乾燥を改善できます。

脂漏性皮膚炎

脂漏性皮膚炎は、頭皮や顔の皮脂の出る部分に長期的に炎症とフケが生じる疾患です。原因ははっきりしませんが、皮脂の過剰分泌、皮膚常在菌の異常増殖、生活習慣の乱れなどが関与していると考えられています。好発部位は鼻周囲、眉間、耳の裏などの皮脂の出やすい、いわゆる脂漏部位です。頭皮からのフケが多いほか、赤みやはがれを伴うことがあります。軽症ではただのフケ症と区別がつきにくいですが、放置すると頭皮全体がフケで覆われたり、顔や胸背に症状が広がることもあります。一旦発症すると慢性的に推移し自然には治りにくいため、皮膚科での治療が必要です。適切な治療でコントロールが可能な疾患です。

フケの改善方法

フケの改善方法

フケの改善方法は自分の頭皮の状態によって変わってきます。まずは自分の頭皮の状態が乾性なのか脂性なのかを理解しましょう。その上で原因を特定していく必要があります。もし仮に脂性が原因の場合、カビの一種であるマラセチア菌の治療も考慮しなければなりません。
一般的には抗白癬菌治療薬による治療が必要です。早期であれば市販薬での対応が可能です。
ドラッグストアなどではフケ防止のシャンプーなど多数販売しているため気になる場合は試してみると良いかもしれません。
しかし場合によっては一向に症状の改善が見られない場合があります。尋常性乾癬(じんじょうせいかんせん)アトピー性皮膚炎頭部白癬(しらくも)などの他の皮膚疾患が原因とされる場合もあります。その場合には医療機関を受診する必要があります。特に頭皮に炎症が起きているような場合には直ちに皮膚科を受診するようにしましょう。ここでは一般的に使用される治療薬及びセルフケアについて紹介いたします。

治療薬

治療薬としては炎症を抑えるタイプを重視するのか、痒みを抑えることを重視するのか、保湿を重視するのかで使用する医薬品が変わってきます。

医療機関を受診した場合に処方される医薬品
一般名ケトコナゾールベタメタゾン吉草酸エステルデキサメタゾン
販売名ニゾラールローション2%リンデロン−Vローションデキサメタゾンローション0.1%「イワキ」
製造販売元岩城製薬株式会社シオノギファーマ株式会社岩城製薬株式会社
医療機関を受診した場合に処方される医薬品
ステロイド含有商品
販売名メディクイックHGOLDムヒHDmマエックHDプラス
製造販売元ロート製薬(株)株式会社池田模範堂ジャパンメディック株式会社
かゆみ止め成分含有商品
販売名メソッド CLローションユースキン
トーヒル
メンソレータムADスプレー
製造販売元ライオン株式会社ユースキン製薬株式会社ロート製薬(株)
抗真菌成分入りシャンプー
ミコナゾール硝酸塩、ピロクトンオラミン含有
販売名コラージュフルフルスカルプシャンプーフルフルネクストシャンプーなめらか
製造販売元持田製薬
ミコナゾール硝酸塩、グリチルリチン酸ジカリウム含有
販売名メディクイックH頭皮のメディカルシャンプー
製造販売元ロート製薬(株)

個人輸入で購入のできる医薬品もご紹介します。

商品名セルサンシャンプー
画像セルサンシャンプー
有効成分抗細菌成分・硫化セレン2.5%
価格1本あたり2,800円~
メーカー・ブランドメンソレータム社
URLセルサンシャンプーの購入はこちら
商品名ニゾラルシャンプー
画像ニゾラルシャンプー
有効成分抗細菌成分・ケトコナゾール2%
価格1本あたり2,980円~
メーカー・ブランドOLIC (Thailand) Limited
URLニゾラルシャンプーの購入はこちら
商品名ベトネベートスキンクリーム
画像ベトネベートスキンクリーム
有効成分抗炎症成分・ベタメタゾン吉草酸エステル(Betamethasone Valerate)1.0mg
価格1本あたり3,000円~
メーカー・ブランドGlaxoSmithKline(グラクソ スミスクライン)
URLベトネベートスキンクリームの購入はこちら

セルフ頭皮ケア

フケ症を改善するセルフケアとして次のようなことが挙げられます。

自分に合った商品を選ぶ

毎日の手入れが大切で、皮膚の環境に合うシャンプー・リンス・ローションを選ぶと良いでしょう。

十分にすすぐこと

洗浄成分を残さないようしっかりとすすぎましょう。残留がかゆみやフケの原因に。

ストレス解消・生活リズムを整える

ストレスがフケの誘因になるため、ストレスマネジメントが必要です。

頭皮マッサージ

洗髪の前後に行うマッサージで、頭皮の血行を良くする効果が期待できます。

洗髪方法の見直し

乾性・脂性に合わせた洗浄回数や方法を選ぶことで改善が見込めます。

できるだけ頭皮環境を整え、根本的な改善を図りましょう。そうすることで外観だけでなく頭皮本来の機能も向上します。

フケ予防方法

フケ予防方法

フケはセルフケアのみで改善できるパターンが多いです。以下に見直すべきポイントを絞ってご紹介いたします。

①シャンプーの見直し

フケ予防のためにはシャンプーの選び方が重要です。シャンプーには洗浄力の強いものと弱いものがあり、自分の頭皮・髪質に合ったものを使うことが大切です。強い洗浄力のアルコール系や石鹸系シャンプーは皮脂を過剰に取り除く可能性があるので、乾性フケや敏感肌の人にはおすすめできません
一方でアミノ酸系シャンプーは、洗浄成分が皮膚に優しい低刺激なものです。敏感肌や乾燥しがちな頭皮の人に適しています
さらに炎症や抗菌作用を抑える成分を含む医薬品系のシャンプーもあります。フケに有効な成分を確認し、自分の頭皮環境に合った商品を選ぶことをおすすめします。

②洗髪方法の見直し

フケを予防するには洗髪のしかたを見直すことも大切です。洗髪時に頭皮を強くこするのは皮膚を傷つける恐れがあるので避けたいですね。
おすすめの洗髪方法は、適量のシャンプーで優しくマッサージをしながら洗い、ぬるま湯でていねいにすすぐこと38度前後の湯温が皮膚にも髪にも優しいです。
1日に1回あるいは2日に1回のペースで洗うのが良いでしょう。洗髪そのものが皮膚を刺激する要因にもなりうることを認識し、頭皮へのダメージが少ない洗い方を心がけることが大切です。

③ヘアドライの見直し

フケ予防にはヘアドライの方法を見直すことも重要です。正しいヘアドライのポイントは、タオルで十分に水分を拭き取った後、ドライヤーを髪から10cm程度離して使用すること。根元から水分を飛ばしていき、全体を濡れた状態のまま放置しないことが大切です。
ドライヤーの熱で皮膚を刺激するのを避けるために距離を空けること。温風を根元に当てすぎないよう注意し、毛先だけ乾かした状態で放置しないこともポイントです。
自然乾燥は長時間皮膚を濡らした状態にしてしまうためおすすめできません。菌の繁殖が進みやすくなるからです。
このようにドライヤーの使い方一つを見直すだけで、頭皮環境は大きく変わります。正しい使用方法を心がけましょう。

④頭皮マッサージ方法

フケ予防には頭皮マッサージがおすすめです。頭皮の血行をよくして新陳代謝を高める効果が期待できます。マッサージのポイントは、指の腹で優しく押すこと。爪を立てないことが大切です。 また、痛みや違和感がない範囲で圧をかけるのがコツです。
順序としては、まず指で頭皮全体を軽く押さえ、次に生え際から頭頂部へ指圧しながらなぞっていきます。頭全体を回りながらリズミカルにはじき、最後は両手のひらで側頭部を優しく押す、という流れが基本的なパターンです。
乾燥肌の人は洗髪前に保湿ローションをつけておくと効果的です。
このようなマッサージを重ねることで、頭皮環境は確実に改善していきます。

⑤食生活の改善

フケ予防のためには食生活も重要なポイントです。特に意識したいのがビタミンB2ビタミンB6の摂取です。この2つのビタミンは皮膚の新陳代謝に深く関わっており、不足すると皮膚の更新サイクルが乱れてフケが発生しやすくなります。
ビタミンB2豚レバー、鶏レバー、牛レバー、うなぎ、牛乳などに多く含まれています。熱に強いため料理方法は特に気にしなくて良いでしょう。
一方のビタミンB6魚介類やバナナなどに多く、熱に弱い性質があるので生や火を通さない調理がおすすめです。
これらの食材を普段の食事に取り入れ、ビタミンB2B6を積極的に補給する習慣が大切です。

⑥ストレスケア

フケ予防にはストレス管理も欠かせません。ストレスが頭皮の環境を乱し、フケを引き起こす原因となるからです。ストレスを軽減する有効な方法の一つが、質の高い睡眠をとること。睡眠とストレスは深い関係にあり、十分な睡眠がストレス緩和につながります
生活リズムを整えて適切な就寝時間を心がけること。熟睡できるよう起床・就寝時刻を規則正しくすることが大切です。皮膚のバリア機能を高めるホルモンも睡眠中に分泌されることから、睡眠はフケ予防に不可欠な要素といえます。
こまめなストレスチェックと睡眠習慣の見直しを心がけてください。

よくある質問

よくある質問
Q
大きいフケがよくできるのですが何が原因ですか?
A

大きなフケができやすい主な原因は、皮脂の分泌過多とシャンプーの残留です。
皮脂が多く分泌されるとそれが古い角質と混ざり合い大きなフケとなって付着します。またシャンプーをよくすすぎ切らないことでその成分が皮膚を刺激し、過剰な角質の剥がれとフケを招くことがあります。
このため汚れをしっかり落とす洗浄と、成分の残留を防ぐすすぎが大切です。石鹸やシャンプーをていねいに洗い流す習慣を心がけましょう。
それでも改善されない場合は、脂漏性皮膚炎など皮膚疾患の可能性も。専門医の診断を受けることをおすすめします。

Q
フケが出るのを放置しても問題ありませんか?
A

フケは誰にでもある程度出ますが、放置することで皮膚疾患につながるケースがあります。気にならないほどの少量のフケであれば深刻な問題はありませんが、量の増加やかゆみ・赤みなどの異変がある場合は要注意です。
これらは脂漏性皮膚炎やアトピー性皮膚炎といった病気の前兆とされ、放置することで重症化する可能性があります。
フケの量的・質的な変化には注目し、セルフケアで改善が見られない場合は早めに皮膚科を受診することをおすすめします。
専門医の診断で病気かどうか確認し、必要な治療を受けることが大切です。初期対応が予後を左右することが多い疾患群です。

Q
フケはどうやって取り除けば良いですか?
A

フケを取り除くにあたって大切なことは、頭皮を傷つけたり刺激したりしないよう優しい方法で行うことです。具体的には、フケを強く引っ張ったり押さえつけたりせず、そっと持ち上げるようにして取り除きます。
根元についた大きめのフケは、髪の毛をつかんで先までそっと運び取るのがおすすめ。小さなフケが気になる時には、保湿成分のあるローションで頭皮を保護しながら取り除けるようにします。
ブラシで強くこすったり、爪で掻いたりするのはかえって頭皮を傷つけるだけなので避けたいですね。優しいケアが健やかな頭皮を保つコツです。

まとめ

まとめ

いかがだったでしょうか。一言でフケと言っても様々な症状があることが分かります。フケは誰にでもある程度出ますが、量的な増加や痒みなどの症状がある場合は要注意です。まずは自分の頭皮の状態を把握することが大切です。その上でフケが気になるようであれば市販で販売されている商品で対応するようにしましょう。フケはセルフケアで十分対応が可能です。しかし、症状が重い場合は皮膚科での専門的治療が必要不可欠です。まずは予防方法として適切なシャンプーや食事、生活習慣の改善といったセルフケアを行うことから始めてみてはいかがでしょうか。

出典

メディクイックH GOLD 添付文書 公式HP

ムヒHDm 添付文書 公式HP

メソッドCLローション 添付文書 公式HP

マエックHDプラス 添付文書 公式HP

ユースキン トーヒル 添付文書 公式HP

メンソレータムADスプレー 添付文書 公式HP

埼玉県皮膚科医会(フケ症)

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