ヒルドイドの保湿・血行促進・抗炎症効果と注意事項を解説

ヒルドイドの保湿・血行促進・抗炎症効果と注意事項を解説 スキンケア・アンチエイジング

ヒルドイドとは

ヒルドイドは、マルホ株式会社が製造した保湿剤です。保湿剤は、皮膚から水分が逃げないように守ってくれたり、皮膚に水分を与えてくれたり、皮膚を乾燥から守ってくれたりする効果があります。ヒルドイドの有効成分「ヘパリン類似物質」は、水分を保持する作用がありましたが、その後肝臓で生成されるヘパリンという物質に似ていることが分かり、保湿以外の炎症改善効果や血行促進効果なども期待されるようになってきました。
50年以上も前からアトピー治療や保湿のために病院で処方されてきた、歴史の長い薬剤です。

ヒルドイドの効果と特徴

ヒルドイドは「ヘパリン類似物質」という有効成分が含まれています。
ヘパリン類似物質は、肝臓で作られるヘパリンに似ているため、保湿効果、血行促進効果、抗炎症効果、線維芽細胞増殖抑制効果などさまざまな作用を持っています。

保湿効果

ヘパリン類似物質は、水分を保つ力があるため、皮膚に塗ることで浸透し、保湿効果があらわれます。加えて、持続的な効果があるため、さまざまな保湿剤に含まれています。動物で行われた実験では、乾燥した皮膚の角質に対して水分を保持する作用が強まったということが認められています。

血行促進効果

ヘパリン類似物質は、血液凝固過程の最終段階を媒介するトロンビンの作用を阻害し、血液がかたまることを防ぎます。結果、血流を促進する働きがもたらされ、痛みが緩和するとされています。血行が不良であるために起こる痛みや炎症、しもやけ、血腫、血栓による静脈炎などにヒルドイドは効果があります。

抗炎症効果

ヘパリン類似物質は、炎症の時に活性化するヒアルロニダーゼを抑制し、血行やリンパの流れを部分的によくするため、炎症作用改善効果を示すとされています。腫れや筋肉痛、関節炎などにもヒルドイドは効果が期待されています。

線維芽細胞増殖抑制効果

線維芽細胞はコラーゲンを作る元となる細胞ですが、線維芽細胞の過剰増殖を抑制する効果がヘパリン類似物質にはあります。コラーゲンが過剰に生成されると、皮膚が盛り上がるケロイドや肥厚性瘢痕になります。そのため、ケロイドや肥厚性瘢痕などの治療や予防にヒルドイドが使用される場合があります。

ニキビへの効果

ニキビに対する改善効果は直接的なものではなく、間接的なものですが、ヘパリン類似物質の保湿効果の影響で肌質が改善すると、結果的にニキビが改善することがあります。

こんな時にヒルドイドがおすすめ

ヒルドイドが持つ「血行促進作用」「保湿効果」「抗炎症効果」から、以下のタイミングではヒルドイドの使用を検討してみてください。

ヒルドイドが推奨されるタイミング

  • 乾燥によって手指が荒れている
  • 乾燥によってひじやかかと、ひざにヒビが入って固くなってしまった(角化症)
  • しもやけを改善したい
  • 手足の日々・あかぎれ・小児の乾燥性皮膚に困っている
  • 筋肉痛や関節痛の痛みがひどい
  • ケロイド(傷あとが大きく盛り上がったもの)を改善したい

タイプ別ヒルドイド

ヒルドイドには「軟膏」「クリーム」「ジェル」「ローション」「フォーム」などのタイプがあります。有効成分が含まれている量は同じですが。塗り心地や展延性(塗り広げやすさ)、被覆性(皮膚を覆う性質)が異なっています。クリームは比較的しっとりしており、広い範囲には伸ばしにくい性質を持っていますが、フォームやローションはさっぱりとしていて、肌の広い範囲にのばしやすい特徴を持っています。それぞれのタイプの特徴や製品について紹介していきます。

図 ソフト軟膏・クリーム・ローション・フォームの塗り心地/展延性/被覆性【参考元:maruho ヒルドイド 製品タイプ別の使い分け例】

クリーム

クリームタイプは、季節を問わず使いやすい剤形です。塗り心地もよいので、しっかりと保湿をしたいという方には、クリームタイプがおすすめです。また、顔にも使用ができるので、顔を主に保湿したい方はクリームタイプがよいです。入浴後に時間をかけて塗るなどが効果的です。

●ヒルドイドクリーム
ヒルドイドフォルテクリーム(hirudoid forte creame)は、クリームタイプのヒルドイドで、皮脂欠乏症、指掌角皮症、凍瘡、瘢痕・ケロイドなどの治療に使用されます。クリームタイプのため塗り心地がよく、しっとりとしています。体のみだけではなく、顔にも使用可能です。塗った時のべたつきが少ない特徴があります。

商品名 ヒルドイドクリーム
画像 ヒルドイドクリーム画像
有効成分 ムコ多糖体多硫酸エステル (ヘパリン類似物質)0.445%
価格 1本あたり1966円~
メーカー Pharmavision San
購入ページ

ジェル

乾燥している部分への保湿効果が高いジェルは、乾燥しやすい冬の時期などにおすすめのタイプです。伸びやすいので、普段お仕事をされている方や、学生さんなどはべたつきにくく、保湿効果が高いジェルがおすすめです。

●ヒルドイドフォルテジェル
ヒルドイドフォルテジェルは、ヒルドイドのジェルタイプの医薬品です。乾燥している部分への保湿効果が期待されるため、化粧水や乳液代わりの美容薬としても使用されることがあります。1日2~3回ほど患部に塗ります。副作用としては、皮膚の刺激感や発疹、かゆみなどがありますので異常があらわれた際にはお近くの医療機関を受診してください。

商品名 ヒルドイドフォルテジェル
画像 ヒルドイドフォルテジェル画像
有効成分 ムコ多糖体多硫酸エステル (ヘパリン類似物質)0.445%
価格 1本あたり1983円~
メーカー Pharmavision San
購入ページ

ローション

普段、お仕事をされていたり、学業にいそしんでいる方などは、長い時間をかけて塗ることが難しい場合があります。その時には、短い時間でさっと塗れるローションタイプがおすすめです。また、べたつきにくいため汗をかきやすい夏の時期に人気です。

●ヒルドイドローション
ヒルドイドローションは、ローションタイプのヒルドイドです。乳液のような使い心地で、広い範囲に塗ることができるので、頭などにも使用ができます。

商品名 ヒルドイドローション
画像 ヒルドイドローション画像
有効成分 1g中 ヘパリン類似物質 3.0mg
用法用量 1日数回適量を患部に塗ります。

フォーム

フォームは、頭皮にも使用ができるので、頭の部分の保湿を高めたいときにおすすめのタイプです。また、ふきかけたものを伸ばすことで広い範囲での塗布が可能となるため、体全体に保湿作用をもたらしたい際にもフォームタイプはおすすめです。しかし、乾燥が強い人は、何回も塗る必要があり、少し捨てるときに大変であるというデメリットがあります。使用前にはよく振って、火気の近くでは使用しないようにしてください。

●ヒルドイドフォーム
ヒルドイドフォームは、缶に入っているタイプのヒルドイドです。缶からふきかけるときめの細かい泡の状態ですが、広げると液状に変わります。さっぱりとした使い心地です。

商品名 ヒルドイドフォーム
画像 ヒルドイドフォーム画像
有効成分 1g中 ヘパリン類似物質 3.0mg
用法用量 1日数回適量を患部に塗ります。

ヒルドイドのジェネリック(市販のものも含む)

ヒルドイドを含むジェネリック医薬品

ヒルドイドは、発売されてから年月が経過している薬剤となりますので、ジェネリック医薬品が出ています。ジェネリック医薬品は有効成分である「ヘパリン類似物質」という名前が付けられています。クリームやローション、フォームなどに対してそれぞれジェネリック医薬品が作られています。クリーム、軟膏、フォームは先発品と後発品ほとんど違いはありませんが、ローションに関しては先発品が乳液タイプであるのに対して、後発品は化粧水のようなタイプとなっています。
また、後発品にはスプレータイプが出ており、ミスト状になります。

先発品 後発品 先発品と後発品の違い有無 主な違い
ヒルドイドソフト軟膏 ヘパリン類似物質油性クリーム ×
ヒルドイドクリーム ヘパリン類似物質クリーム
(旧名称:ビーソフテンクリーム)
×
ヒルドイドローション ヘパリン類似物質ローション
(旧名称:ビーソフテンローション)
先発品は乳液タイプですが、後発品は化粧水に近い使い心地です。
ヒルドイドフォーム ヘパリン類似物質外用泡状スプレー ×
なし ヘパリン類似物質外用スプレー ×

ヒルドイドを含む市販薬

処方箋が必要なヒルドイドは有効成分が0.3%と高い濃度含まれています。処方箋医薬品ほどではありませんが、有効成分ヘパリン類似物質が含まれているものは市販薬として販売されています。

●ヒルマイルド
ヒルマイルドは、赤ちゃんからお年寄りの方まで幅広くお使いいただけます。クリームタイプとローションタイプの2種類があります。

商品名 ヒルマイルド
画像 ヒルマイルド画像
有効成分 100g中ヘパリン類似物質0.3g含有
効果 手指の荒れ、ひじ・ひざ・かかと・くるぶしの角化症、手足のひび・あかぎれ、乾皮症、小児の乾燥性皮ふ、しもやけ(ただれを除く)、きず・やけどのあとの皮ふのしこり・つっぱり(顔面を除く)、打身・ねんざ後のはれ・筋肉痛・関節痛。
用法用量 1日1回~数回肌に塗りこむか、ガーゼにのばして貼ります。
メーカー 健栄製薬

●HPクリーム/ローション
HPクリーム/ローションは、入浴後に塗ると効果的とされており、乾燥は治ったと見えても塗るのを中止するとすぐに乾燥が再燃してしまうケースもありますので、塗り続けることが大切です。

商品名 HPクリーム/ローション
画像 HPクリーム/ローション画像
有効成分 ヘパリン類似物質0.3g
効果 手指の荒れ、ひじ・ひざ・かかと・くるぶしの角化症、手足のひび・あかぎれ、乾皮症、小児の乾燥性皮ふ、しもやけ(ただれを除く)、きず・やけどのあとの皮ふのしこり・つっぱり(顔面を除く)、打身・ねんざ後のはれ・筋肉痛・関節痛
用法用量 1日1回~数回肌に塗りこむか、ガーゼにのばして貼ります。
メーカー グラクソ・スミスクライン・コンシューマー・ヘルスケア・ジャパン株式会社

ヒルドイドの注意事項

皮膚炎やかゆみには注意

ヒルドイドの副作用は全体的には少ない傾向がありますが、人によっては皮膚炎やかゆみ、皮膚の刺激感などの副作用が出てしまう場合があります。皮膚刺激感に関しては、頻度は不明で、皮膚炎や発赤、発疹などは0.1~5%未満の発言割合であることが報告されています。

使用できない人

ヒルドイドが使用できない人として「血小板減少症の方」、「紫斑病の方」、「出血性血液疾患の方」があげられています。理由としては、ヒルドイドには血液をかたまりにくくする作用があり、出血傾向のある人はヒルドイドを使用することで出血を悪化させてしまう恐れがあるためです。わずかな出血でもある方はヒルドイドを使用するのは避けましょう。

赤ちゃんへの使用

ヒルドイドは赤ちゃんの保湿に使用することは可能です。赤ちゃんに塗るタイミングとしては、清潔な状態である入浴後やおむつ交換後がよいとされています。しかし、ヘパリン類似物質には、血液を固まりにくくする作用があり、赤ちゃんは非常にデリケートですので、かぶれや出血している部位への塗布は避けましょう。

最後に

ヒルドイドは、歴史の長い保湿剤で、今も多くの方の肌を乾燥から守ってくれています。長い間塗り続ける医薬品のため、価格などが気になる場合はジェネリック医薬品も販売しておりますので安心してください。肌の乾燥や腫れが気になる場合は、我慢しすぎず保湿剤を塗ってみることをお勧めしています。その際に、ヒルドイドはローションタイプやクリームタイプ、ジェルタイプ、フォームタイプなど多くの種類がありますので、使用する状況に合わせて選んでみるとよいでしょう。ヒルドイドを塗り、皮膚のバリア機能を回復させていきましょう。

ヒルドイドに関するよくある質問

出典

【参考元:HPローション 添付文書】【参考元:maruho ヒルドイド】
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