ハイドロキノン・トレチノイン併用治療とは
「トレチノイン」と「ハイドロキノン」という2つの塗り薬を組み合わせることで、シミを抑制する治療方法です。2つの併用することで、シミのもととなるメラノサイトを抑制します。
ハイドロキノン・トレチノイン併用治療は、以前からある治療法ですが、近年テレビなどで取り上げられたことで、非常に人気となった治療法となっています。
ハイドロキノンについて
ハイドロキノンとは?
ハイドロキノンとは、1,4-ベンゼンジオールと呼ばれる結晶で、水やアルコールに溶ける性質を持っています。皮膚に用いることで、酸化酵素の抑制とメラニン細胞からの代謝抑制を行います。市販の美白化粧品の数十~数百倍ほどの効果があるとされている、最も強力な美白剤です。
ハイドロキノンの作用

・できてしまったシミを薄くし、同時にシミを予防する作用
・シミの原因であるメラニンを抑制する作用
ハイドロキノンの効果
シミの改善
チロシンキナーゼがメラニンとなり、シミの原因となりますが、根本の原因であるチロシンキナーゼの活性化を抑制します。
ハイドロキノンの副作用
肌の赤みや炎症
ハイドロキノンは強い刺激性があります。そのため、炎症を引き起こす場合があります。
赤みや痛みがある場合は、氷や保冷剤を用いて患部を冷やしましょう。
白斑
ハイドロキノンの使用期間が長い場合、肌が白く色ぬけする白斑という症状を起こす可能性があります。
ハイドロキノンの作用でメラノサイト(色素細胞)が刺激を受けた結果、細胞自体が失われてしまうことが要因とされていますが、濃度5%程度までのハイドロキノンで白斑が発症したとの報告はされていません。
トレチノインについて
トレチノインとは?
「トレチノイン(トレチノイン酸)」とは通常のビタミンAの50~100倍効果があるといわれているビタミンAの誘導体です。
アメリカではおよそ30年ほど前からニキビ治療薬としてFDA(食品医薬品局)の認可を受けている薬品となっています。
トレチノインの作用
- 角質をはがす作用(ピーリング作用)
- 代謝を上げ、シミがある部位である表皮の細胞分裂スピードを2~3倍にさせる
- 毛穴の中にある皮脂腺の働きである皮脂を分泌する機能を抑える
- 皮膚の深い部分である真皮のコラーゲンを増やし、皮膚のハリや小ジワを改善する
- ヒアルロン酸などの粘液性物質を表皮で増加させ、艶を保つ
トレチノインの効果
しわ
トレチノインは、コラーゲンを増やす珍しい薬であり、年齢を重ねると気になってくる「しわ」にも効果が期待されます。
3カ月以上は使用を継続する必要がありますが、目じりなどの深いしわに対して効果をもたらします。
ニキビ
ニキビは、皮脂腺の機能が強まるとともに、毛穴の入り口に存在する角質がとても厚くなり、蓋となることによって起こります。
トレチノインは、角質をはがすピーリングの作用があるため、ニキビ治療に効果的です。
にきびが改善する際に、赤みが出ることがありますが、治療を継続することによって、ニキビが改善した後の発赤も消えていきます。
トレチノインの副作用
皮膚がはがれる
トレチノインは肌のターンオーバーが早くさせる作用を持っています。そのため、肌の古い角質をはがす作用を持っています。
発赤
肌の古い角質が剥がれ落ちることで肌が刺激を感じやすくなり、痒みや赤み、乾燥症状が起こる場合があります。
レチノイド反応と呼ばれており、トレチノインを塗ってから1日~3日ほどで症状が出てくるとされています。
ですが、レチノイド反応はトレチノインの効果がしっかりと出ている証拠でもありますので、症状が悪化した場合は用量の調節などを検討ください。
ハイドロキノン・トレチノイン併用療法で効果的なしみ
ハイドロキノン・トレチノインそれぞれ非常に強力な美容作用があるため、しみの改善効果的であることが分かりました。
ですが、多くのしみの中でも、ハイドロキノン・トレチノイン併用療法で効果が期待されるしみと、改善が難しいしみがあります。
効果的なしみ
老人性色素斑
30歳代以降出やすくなるしみで、濃い茶色をしています。形がはっきりしており、最も一般的といわれているしみです。
炎症性色素沈着
傷やヤケドなどのあとにできるしみです。
肝斑
左右対称に出る形があまりはっきりしないしみです。同じ大きさで出るとされ、ほほや顎によく見られます。
効果的ではあるが、時間がかかるしみ
そばかす、茶色いほくろ
扁平母斑
「茶あざ」と呼ばれており、思春期に発生するしみです。生まれつきの場合もありますが、皮膚の盛り上がりはありません。
効果がないしみ
黒いほくろ、生まれつき存在する黒色のあざ
老人性ゆうぜい
年齢に伴い出現するいぼです。皮膚が盛り上がっていることが特徴です。
手のしみ
※治療は行えるものの、家事などの手仕事などで薬の成分を維持し続けることが難しいため、時間がかかります。また、顔などのほかの部位と比較し、皮膚の入れ
替わりが遅くいことも効果が出にくい原因とされています。
ハイドロキノン・トレチノイン併用治療の治療の流れ
大きく分けて、トレチノイン・ハイドロキノンを併用する期間(1~1カ月半程度)と、その後、ハイドロキノン単体治療を行う期間(1カ月半~3カ月目まで)があります。
以下の順序で治療を行っていきます。

ハイドロキノン・トレチノイン併用治療の使い方
【それぞれの成分のクリームを順番に塗るタイプ】
トレチノインとハイドロキノンを順番に塗ります。
使い方としては以下の通りです。

使い方
①クレンジングや洗顔をおこない、肌を清潔な状態にし、化粧水などで整えます。
②「トレチノイン」を塗ります。
※塗るときはきれいな綿棒を使ってください
③数分~数十分待ち、「トレチノイン」が乾いたら、その上から「ハイドロキノン」を広めに塗ります。
※この時、ムラになることを避けるため、ハイドロキノンをたっぷりと塗るのではなく、薄く塗りましょう。
※トレチノインを拡げないように、トレチノインを塗った部分の周りから内側に向けてハイドロキノンを塗り始めてください。
④その後乳液やクリームで保湿します。
※最初は赤みが出ますが、続けていくと軽減されていきます。
⑤日中は、日焼け止めクリームやUVカット効果のある化粧下地を使用してください。
トレチノインの関連商品
●トレチノインクリーム【BIHAKUEN】
トレチノインを有効成分として含んだクリームであり、美肌効果や皮膚の再生効果が期待される薬剤となっています。
本剤は、1日2回、朝と夜に使用します。最初は、成分量が少ない0.025%から始めて、肌が慣れたら0.05%・0.1%と段階を踏んで使用して下さい。
商品名 | トレチノインクリーム【BIHAKUEN】 |
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一般名 | トレチノイン |
メーカー | Ca Botana International Inc(CAボタナ・インターナショナル) |
購入ページ | トレチノインクリーム【BIHAKUEN】の購入ページはこちら |
●エーレットジェル【トレチノイン】
トレチノインを有効成分として含んだクリームであり、肌の新陳代謝を促す事でシミ・シワ・ニキビ跡を再生する強い作用を持ちます。1日2回朝と夜に使用します。
商品名 | エーレットジェル |
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一般名 | トレチノイン |
メーカー | Menarini Group(メナリーニグループ) |
購入ページ | エーレットジェル【トレチノイン】の購入ページはこちら |
ハイドロキノンの関連商品
●メラライトフォートクリーム
ハイドロキノンを有効成分として含んだクリームです。
皮膚におけるメラニン色素の生成を阻害する効果があり、使用後約1ヶ月程度で美白効果が実感できるとされています。
1日1回、夜に使用します。
商品名 | メラライトフォートクリーム |
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一般名 | ハイドロキノン |
メーカー |
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購入ページ | メラライトフォートクリームの購入ページはこちら |
●ハイドロキノンクリーム【BIHAKUEN】
ハイドロキノンを有効成分として含んだ美白クリームで、強い漂白作用を持ちます。色素沈着、メラニン色素、黒皮症、しみ、ソバカス、斑点を薄くする効果が期待されます。
商品名 | BIHAKUEN ハイドロキノンクリーム |
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一般名 | ハイドロキノン |
メーカー |
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購入ページ | BIHAKUEN ハイドロキノンクリームの購入ページはこちら |
●ハイドロキノンソープ【BIHAKUEN】
ハイドロキノンを有効成分として含んだ石鹸で、低刺激でかつ高い保湿力のハイドロキノン配合美白石鹸と言われています。
メラニン色素の生成を抑える効果やシミやくすみ、肌荒れの予防に効果があります。
使い方としては、本石鹸をよく泡立てていただき、お使いいただきます。顔だけではなく、体全体への使用が可能です。大きな副作用の報告はありません。
商品名 | BIHAKUEN ハイドロキノンソープ |
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一般名 | 石ケン素地・炭・ハイドロキノン・デカペプチド-12・ニオイテンジクアオイ油・アスコルビン酸Na(ビタミンC誘導体)・パール粉末・ヒアルロン酸ナトリウム・スクワラン・カモミラエキス他 |
メーカー | Doctors pharmacy(ドクターズファーマシー) |
購入ページ | BIHAKUEN ハイドロキノンソープの購入ページはこちら |
【2つの成分が配合されたタイプ】
ハイドロキノン・トレチノインの両方が有効成分として含まれているため、順番に塗り分ける必要がありません。1日1回~2回ほど、お肌の気になる部分に塗ります。
●ユークロマプラス
ハイドロキノン・トレチノインの両方を有効成分として含んだクリームです。
海外でも人気の高い美白クリームとなっております。
本剤は、1日2回、朝と夜に使用します。約1ヶ月~3ヶ月ほどで効果があらわれるとされております。
商品名 | ユークロマプラス |
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一般名 |
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メーカー |
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購入ページ | ユークロマプラスの購入ページはこちら |
●メラケアフォルテクリーム
シミやシワ、ニキビ跡、肝斑などを改善する美容クリームです。
ピーリング作用があるトレチノインと漂白作用があるハイドロキノン、炎症をおさえるフランカルボン酸モメタゾンを同時に配合されてるので、肌のピーリングと美白効果がこの1本で得られます。
商品名 | メラケアフォルテクリーム |
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一般名 |
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メーカー |
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購入ページ | メラケアフォルテクリームの購入ページはこちら |
ハイドロキノン・トレチノイン併用治療の注意点
開始直後の肌の赤みには注意
ハイドロキノン・トレチノイン併用治療をした場合、最初数週間は肌に赤みが生じる可能性があります。しかし、初期数週間は、赤みが出るものの、徐々に赤みは減ってきます。
赤さが気になる方は、個人にあった用量で治療を続けるという選択肢もありますが、赤みはむしろ血行がよく、健康に見えるため海外ではrosy pink (薔薇のようなピンク)色として好まれています。
使用中は日焼け対策を!
シミ治療でハイドロキノンを使用している間は、日焼け止めで紫外線対策をしましょう。
ハイドロキノンの治療により皮膚のメラニン色素が少なくなると、肌が刺激に対して弱くなりやすくなります。
夏に外出やレジャーなどで強い紫外線を浴びるときは、日中にハイドロキノンを使用するのを避けた方がよいでしょう。
薬剤は冷蔵庫保管を
ハイドロキノンとトレチノインは、熱や光や湿気に弱い性質があります。
薬剤の変化や薬剤の効果低下を防ぐために、使用していないときは冷蔵庫で保管するようにしましょう。詳しい保管方法はそれぞれの薬剤の説明書に従ってください。
ハイドロキノン・トレチノイン併用治療の費用
※医療機関の費用は目安の金額となっております。
商品名 | トレチノイン | ハイドロキノン | 診察料・処方料 | 合計 |
---|---|---|---|---|
一般名 |
| 2,750円~ | 約3,500円~ | 11,250円~ |
メーカー |
| 2,140円~ | 3,993円~ |
ハイドロキノン・トレチノイン併用治療がおすすめな方
こんなお悩みを抱えている方におすすめ
- 肝斑(かんぱん)を治療したい
- レーザーの少しの痛みもイヤ
- 顔以外の体のシミも消したい
- シミ・小じわ・くすみ・毛穴など、お顔トラブルが複合的にある
ハイドロキノン・トレチノインに関するよくある質問
- Q妊娠中や授乳中でも安全に使用できますか?
- A
動物実験において、大量に薬剤を使用した結果、奇形を生じたというデータがあります。
動物実験の結果ですが、万が一のために妊娠中や授乳中の方は使用を避けていただくようお願いします。
- Q濃度が濃いほど高い効果が期待できるのでしょうか?
- A
濃度が濃いほうが高い効果を期待できますが、濃ければ濃いほどよいというわけではありません。
一人ひとりの肌の状態に適した濃度で、負担がないように使用を継続していくことが大切です。
- Q顔以外の場所にも使用できますか?
- A
顔以外の部位に塗っていただいて問題ありません。
乳輪の黒ずみや、ケガ、火傷の跡の色素沈着にも効果があります。
- Qどんなシミでも薄くできるのでしょうか?
- A
丸くて平らなシミ(老人性色素斑)、ソバカス(雀卵斑)、両頬のべたっとしたシミ(肝斑)、ケガやヤケドの後の炎症後色素沈着、生まれた時からある平らなシミ(扁平母斑)が治療の対象になります。
シミではありませんが、乳首・乳輪の色を薄くすることが出来るとされています。
また、ニキビに対して使用しても効果的です。
最後に
ハイドロキノン・トレチノイン併用のまとめ
効果的なしみ
- 老人性色素斑
- 炎症性色素沈着
- 肝斑
ハイドロキノン・トレチノイン併用治療の注意点
- 開始直後の肌の赤みには注意
- 使用中は日焼け対策
ハイドロキノン・トレチノイン併用治療は、お肌にハリを与える「トレチノイン」と効果が高い「ハイドロキノン」を一緒に使うことで、シミや肌のくすみの改善が期待できます。「年齢を重ねてシミが目立ってきた・・」「肌のトーンがいまいちあがらない」といったことでお悩みの方は、ぜひ試してみてはいかがでしょうか。
出典
日本皮膚科学会ケミカルピーリングガイドライン