トラネキサム酸のシミ・肝斑・美白効果や処方薬と市販薬の違いを解説

トラネキサム酸のシミ・肝斑・美白効果や処方薬と市販薬の違いを解説 スキンケア・アンチエイジング

トラネキサム酸とは

トラネキサム酸は、タンパク質を構成する成分である必須アミノ酸リシンを元に人工的に作られたアミノ酸の1つです。血液を溶かす・炎症を引き起こす物質の1つに「プラスミン」と呼ばれるものがありますが、この「プラスミン」の作用を抑制する働きがあります。そのため、腫れを抑える薬や、血液を止める薬として使用されています。
また、1979年にシミの1つである肝斑への改善が報告されたことで肝斑、シミ、そばかすの治療としても使用されるようになりました。

トラネキサム酸の効果

炎症を抑える効果

ウイルス感染が起こり、細胞が破壊されるとプラスミンが発生します。プラスミンが炎症や痛みの要因となる物質を活性化させ、赤み、咳などの症状が出てきます。トラネキサム酸は、根本の要因となるプラスミンを抑制するため、炎症を改善します。

シミ、肝斑など美白効果

肝斑は左右対称にあらわれるシミで、顔のほほのあたりにできやすいという特徴があります。プラスミンは、肝斑の原因となるメラニンを活性化させてしまう作用がありますが、トラネキサム酸がプラスミンを抑制することで肝斑やシミを減少させます。2週間ほどから効果が実感でき、8週間継続すると効果が高まるというデータもあります。

止血効果

出血すると、血管の破れた部分をふさぐために血小板が集まります。血栓ができて出血が止まり、その後、血管内に血栓が残ります。しかし、プラスミンは血管内の血流を妨げないよう、血栓を溶かすため、出血作用が再燃します。トラネキサム酸は、プラスミンを抑えることで血栓を溶かさないようにし、止血効果を発揮します。

トラネキサム酸が含まれる処方薬

  • トランサミン錠500mg 【第一三共】
  • トラネキサム酸錠500mg「YD」【陽進堂】
  • トラネキサム酸カプセル250mg「トーワ」【東和薬品】
  • トランサミンシロップ5%【ニプロファーマ】
  • トランサミン散50%【第一三共】

など

トラネキサム酸が含まれる市販薬

炎症に対して

ペラック

ぺラックはのどの炎症を抑えるトラネキサム酸に、カンゾウ乾燥エキスと3種類のビタミンを混ぜ合わせた医薬品です。のどの痛み、はれをおさえる薬です。7歳以上の子供でも使用できる特徴があり、抗ヒスタミン薬を配合していないので眠くなりにくいとされています。季節に変わり目でかぜやのどの痛みが気になるときに服用します。

商品名 ペラックT錠 18錠
有効成分 トラネキサム酸・カンゾウ乾燥エキス・ピリドキシン塩酸塩(ビタミンB6・リボフラビン(ビタミンB2)・L-アスコルビン酸ナトリウム(ビタミンCナトリウム)
メーカー 第一三共ヘルスケア

ハレナース

ハレナースは、トラネキサム酸とカンゾウエキスの2つの抗炎症成分が含まれており、扁桃腺の腫れを鎮めます。水がなくても飲めるため、持ち歩きに便利です。飲むと患部に気持ちの良い冷感が届きます。

商品名 ハレナース
有効成分 トラネキサム酸・カンゾウ乾燥エキス・ピリドキシン塩酸塩(ビタミンB6)・リボフラビン(ビタミンB2)・L-アスコルビン酸ナトリウム(ビタミンCナトリウム)
メーカー 小林製薬株式会社

のどぬーる鎮痛カプセルa

のどぬーる鎮痛カプセルaは、痛みや熱に効果が認められている医薬品で、鎮痛製剤のイブプロフェンが配合されています。ソフトカプセルのため、飲みやすいです。鎮痛カプセル以外にも、スプレーや綿棒で塗るタイプもあります。

商品名 のどぬーる鎮痛カプセルa
有効成分 イブプロフェン・トラネキサム酸・乾燥水酸化アルミニウムゲル
メーカー 小林製薬株式会社

肝斑に対して

トランシーノⅡ

トランシーノⅡは、トラネキサム酸にL-システイン、ビタミンCを混ぜて配合したOTC医薬品です。メラノサイトがしみの原因となるメラニンを作り出しますが、メラニンをブロックすることで肝斑を改善します。L-システインは、メラニンの生成を手伝ってしまう酵素の1つであるチロシナーゼを阻害する役割を持ちます。また、皮膚の新陳代謝を促進するので、ターンオーバーを活発にします。

商品名 トランシーノⅡ
有効成分 トラネキサム酸・L-システイン・アスコルビン酸(ビタミンC)・ピリドキシン塩酸塩(ビタミンB6)・パントテン酸カルシウム
メーカー 第一三共ヘルスケア

メデマートで取り扱いのあるトラネキサム酸が含まれる商品

トランサミン

第一三共が開発した薬剤で、肝斑やシミに使用可能な美白改善薬です。医療機関で処方されるのは、トランサミンで、すでにジェネリック医薬品も出ています。作用機序としては、シミの原因となるメラニンを発生させるプラスミンの作用を抑制することでシミやそばかすを改善します。1日500~2000mgを3~4回にわけて、服用します。
副作用として食欲不振が報告されていますので、症状が出た場合には注意してください。
また、トロンビンを投与中の方は使用することができません。

<関連商品>

商品名 トランサミン トラネミック
画像 トランサミン トラネミック
一般名 トラネキサム酸 トラネキサム酸
価格 1錠あたり39円 1錠あたり28円
メーカー 第一三共株式会社 ロイドラボラトリーズ
購入ページ

市販薬と処方薬の違い

市販薬と処方薬の違いは主に成分量の違いです。市販薬はドラックストアでも購入できるため、副作用が出にくいよう成分量が調節されています。
市販薬では、トラネキサム酸の成分量は最大でも750mgとなっていますが、処方薬は、もっと多く、通常成人1日750~2,000mgとなっています。

市販薬 処方薬
トラネキサム酸の成分量 750mg 750~2000mg

トラネキサム酸保険適応の条件

トラネキサム酸を処方薬として使用する場合、肝斑に対しては保険適応がききません。
以下に代表的な適応と保険範囲内かどうかを示していますが、皮膚炎や蕁麻疹、喉の痛みに対しては保険適応内となります。

肝斑 炎症 止血
保険適応 ×

トラネキサム酸は入手しにくくなっている!?

2022年8月以降、製薬会社から、トラネキサム酸の限定出荷の案内が相次いでいます。理由は、トラネキサム酸の需要が増加しているためです。限定出荷というのは、メーカー側が医療機関への供給量を調節するため、多くの病院やクリニックではトラネキサム酸が手に入りにくい状況となっております。いつまで続くのかも不明です。
一方、個人輸入では通常と同じように購入できますので、もし、「トラネキサム酸を服用したいが、医療機関にない」とお困りの場合は、オンラインなどで購入することも検討してください。

自由診療金額と個人輸入金額の比較

医療機関で薬剤をもらう場合、診察料や処方料がかかってきます。自由診療では、クリニックごとに診察料や処方料が異なっており、さまざまです。ですが、個人輸入の場合は、診察料や処方料がかかってこないため、薬剤の料金が費用負担の目安となります。

自由診療 個人輸入
合計(90日分) 3800~4800円 2700円
トラネキサム酸の費用目安 約30円/錠 約30円/錠
診察料 500~1500円/回 0円/回
処方料 600円/回 0円/回

トラネキサム酸を使用するときの注意

トラネキサム酸は、血を止める効果がありますので、他の止血薬であるトロンビンと一緒に使うことはできません。一緒に使ってしまうと、血を止める作用が強すぎて血栓が生じやすくなります。心筋梗塞や腎不全の人なども使用に注意が必要です。

よくある質問

最後に

トラネキサム酸まとめ

トラネキサム酸の効果

  • 炎症を抑える効果
  • シミ、肝斑など美白効果
  • 止血効果

市販薬と処方薬との違い

  • 市販薬は最大750mg
  • 処方薬は750mg~2000mg
  • トラネキサム酸の保険適用
  • 肝斑は適用外、炎症・止血は適用

トラネキサム酸は、1つの成分でのどの痛みや出血、肝斑やシミと幅広い効果が期待されます。のどの痛みなど一時的に困っているときだけではなく、シミやそばかすに悩んでいる方は、トラネキサム酸の処方をおすすめします。

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