イソトレチノインの副作用は怖い?~副作用と安全な使用方法を徹底解説~

スキンケア・アンチエイジング

イソトレチノインの副作用とは?

イソトレチノインが出やすい副作用画像

イソトレチノインは、皮脂の分泌を抑える作用や抗炎症作用をもつニキビ治療薬です。
特に重度のニキビに対して使用されることが多いです。海外ではニキビ治療薬として承認されていますが、日本では未承認のため保険適用外となります。
イソトレチノインについて詳しく知りたい方は、下記のコラムを読んでみてください。

イソトレチノインは、医薬品ですので個人差はあるものの副作用が出る可能性があります。
一般的に、イソトレチノインの使用を中止すれば症状はおさまるとされていますが、ご参考までに出やすい副作用についてご紹介します。

副作用の種類とそのリスク

皮膚や粘膜の乾燥

イソトレチノインの副作用として最も出やすいものに皮膚の乾燥があります。
イソトレチノインのもつ皮脂腺の働きを抑制する作用によって皮脂の分泌量が少なくなるためです。
特に唇や手足、目が乾燥しやすい部位となっており、口や唇はほとんどの方が経験する副作用と考えられています。
目が乾燥するとドライアイ、鼻が乾燥すると鼻血が起こるため、目薬やリップクリームを常備しておくと良いでしょう。

体の痛み(関節痛・筋肉痛・骨痛)

皮膚の乾燥ほどではありませんが、イソトレチノインを服用していると出やすい副作用の1つです。
筋肉痛や関節痛が起こったらストレッチや軽めの運動を行うと良いでしょう。関節や筋肉を動かしてあげると効果的です。
軽度であれば服用を継続できますが、重症の場合にはお近くの医療機関を受診してください

頭痛・めまい・吐き気

薬剤の影響で頭蓋内圧が亢進し、頭痛やめまい・吐き気を引き起こすこともあります。
症状が起こったらすぐに休憩をし、水分を多めに摂取すると良いでしょう。アルコールは頭痛や吐き気を悪化させる要因となりますので、可能な限り控えることをおすすめします。
これらの症状が1週間以上出ている場合には、お近くの医療機関を受診しましょう

うつ症状や気分の変動

まれですが、人によっては気分の落ち込みや不安感を感じる方がいます。このような症状は自分で対処しようとせずに早めにお近くの医療機関を受診してください。

脱毛

まれにイソトレチノインの服用によって髪の毛の成長がストップしてしまい、抜け毛を引き起こすことがあります。
脱毛が軽めの場合は、髪の毛に良い保湿ケア(シャンプー・リンス)やビタミンB群や亜鉛など髪の毛への栄養補給(サプリメント)をすることで服用を継続することができます。
しかし、脱毛がひどい場合は薬剤の服用を中止してください。一般的に薬剤の服用をやめると症状は治まるケースが多いとされています。

肝機能低下・膵炎・脂質異常症等

イソトレチノインを服用すると、肝機能低下や膵炎、脂質異常症が起こる可能性があります。
これらは症状だけでは気づきにくいため、定期的に血液検査を実施しておくと良いでしょう。

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●イソトロイン
イソトロインは、「ニキビの治療」に効果のある有効成分イソトレチノイン「アキュテイン」のジェネリック医薬品です。皮脂の分泌を抑える作用、アクネ菌に対する抗菌作用、抗炎症作用に優れているため、重症の炎症性ニキビに対して効果があります。
イソトロインは、イソトレチノイン酸というビタミンAの一種を主成分としたニキビ治療薬で、どんな治療も効果がないほど重症のニキビにも高い効果を発揮することが報告されています。
ニキビ治療の先進国であるアメリカやカナダなどでは、病院で一般的に処方される基本薬として認知されていますが、日本ではまだ厚生労働省の認可がおりてないため、全額自費負担になってしまいます。
イソトレチノインは、重度のニキビを改善するだけでなく、ニキビの再発を防止する作用も期待できます。最も効果が高いニキビ治療方法で、97%のニキビ患者で改善がみられます。

商品名イソトロイン
画像アレックス 咳止めトローチ【デキストロメトルファン】
有効成分イソトレチノイン10mg/20mg
価格10mg:1錠110円~
20mg:1錠149円~
メーカーCipla(シプラ)
購入ページイソトロインの購入ページはこちら

副作用が現れる頻度

イソトレチノインで出やすい副作用はどのくらいの頻度なのでしょうか。
発現率としてわかっているものは「皮膚の乾燥」で、大学病院で実施された臨床研究によるとほぼ100%の患者で発現していました。※1
その他の副作用の発現率について、明確に記載されている文献はありませんが、「頭痛」「関節痛や筋肉痛」「肝機能低下・脂質異常などの血液検査値異常」は、皮膚の乾燥ほどではありませんが一般的に発現しやすい副作用です。「脱毛」「気分障害やうつ障害」はまれに発現しやすい副作用です。※2

メンタルヘルスへの影響

イソトレチノインの治療と精神的な副作用の関連性については、多くの論文が出されております。
カナダで行われた2万人を超える大規模なコホート研究では、イソトレチノインの使用によってうつ病のリスクが上昇することは認められませんでした※3
他にも1999年6月から2000年3月までにアメリカで行われた調査では、うつ病の治療薬とイソトレチノインの処方箋どちらが最初に出されたか、つまりイソトレチノインの後にうつ病と診断されて薬が処方されているかどうかを確認しました。結果、2821人のイソトレチノイン使用者におけるうつ病発症の関連性は認められませんでした。※4
多くの主要論文で因果関係が認められなかったものの実際にイソトレチノイン治療中の方で気分の不安定さを感じた方がいるのは事実であるため、服用にあたっては注意をする必要があります。
うつ症状がある方がイソトレチノインの治療を受けられないことはありません。
ただ、症状の悪化がないか細心の注意を払い、少しでも変化があればすぐに医療機関に相談するようにしましょう

イソトレチノインの効果と副作用の関係

イソトレチノインの効果と副作用の関係画像

イソトレチノインは、「炎症を抑える作用」「皮脂の分泌を減らす作用」「皮膚細胞の働きを整える作用」の3つがあります。それぞれの作用が人によっては副作用として出てしまうことがあります。
例えば、皮脂の分泌を減らす作用が強すぎると乾燥を引き起こします。
イソトレチノインは皮脂腺を小さくし、さらに過剰に働いている皮脂細胞の働きも抑制するため、出てくる皮脂が大幅に減ります。ニキビが作られにくい肌となりますが、乾燥肌となる場合もあります。
これらを言い換えれば、副作用が出ているということは薬剤が有効性を発揮しようとしているとも考えられます。
しかし、副作用が我慢できないほど辛い場合は無理して続けず、医療機関を受診のうえ、中止もしくは減量を検討してください。

イソトレチノインを安全に使用する方法

イソトレチノインを安全に使用する方法画像

医師の指導を受ける重要性

イソトレチノインは副作用が出やすい医薬品であるため、医師の指導を受けながら治療を継続することが大切です。
治療した後、副作用がなかなかおさまらないケースや効果が実感できないケースは通っている医療機関に相談してください。必ず自己判断で薬剤を中止したり、量を増やしたりすることは避けてください。
副作用が起こった場合に適切な対処ができないと逆に症状が悪化したり、本来の効果が得られなくなったりする可能性があります。

副作用を避けるための服用方法

イソトレチノインは20~40mgを1日1回もしくは2回に分けて食事の後に服用します。
イソトレチノインには脂溶性ビタミンであるビタミンAの誘導体が含まれているため、食後に服用することで副作用の軽減に役立ちます。朝でもお昼でも夜でも食事の後であればいつでも問題ありません。
個人差はありますが、一般的に4~6カ月ほど服用を継続し、この期間内に効果がでるとされています。
副作用は用量依存的に出てくるため、最初は20mgで継続してください。必要以上に最初から服用してしまうと副作用が出るリスクが高まります。

副作用が出た場合の対処法

副作用の軽減方法

イソトレチノインの副作用を軽減するための方法画像

イソトレチノインで出やすい副作用の中には事前に対処をしておくことで重症化を防ぐことができるものがあります。
よく出やすい「乾燥」には、保湿ケアが有効です。唇の乾燥にはワセリンやリップクリームを、肌にはローションやボディクリームを、目には目薬を活用しましょう。他にも加湿器をこまめに日常的に使用しておくことで悪化を防ぐことができます。
「頭痛」「吐き気」「めまい」には、水分補給が有効です。頭蓋内圧が亢進しているため、水分を補給してやわらげましょう。これらの症状が出ているときには無理して動かず適切な休息をとりましょう。
徐々に慣れてくる方が多いですが、それでも治らない場合は鎮痛剤を服用しても問題ありません。
また、食後に服用していないと、イソトレチノインに含まれる成分「ビタミンA誘導体」が胃に負担をかけ、吐き気を強める恐れがあります。
もし、服用タイミングが異なっていた場合には、食後にすることで吐き気が軽減することがあります。
「関節痛」「筋肉痛」には、軽い運動やストレッチが有効です。筋肉や関節を柔らかく保つことで痛みが軽減します。

医師に相談するタイミング

副作用の対処法を自身で実施しても、1週間以上副作用が持続する場合や、イソトレチノインを服用し始めてから我慢できないほどの違和感がある場合は医師に相談しましょう。
また、突然の発疹や呼吸がしにくい症状アナフィラキシーショックスティーブンジョンソン症候群と言って重篤な副作用になる可能性が高いため早急に医療機関を受診してください

イソトレチノイン治療中の注意事項

イソトレチノイン治療中の注意事項画像

皮脂分泌の変化に注意

イソトレチノインは皮脂分泌の原因となっている皮脂腺を小さくし、皮脂の分泌を減らす作用があるため、服用すると皮脂の分泌が減少します。
ニキビが作られにくい肌状態へと変化しますが、その分、乾燥には注意が必要です。肌の乾燥はイソトレチノインを服用した患者のほぼ全員で起こる副作用です。
起こる部位が個人によって異なりますが、目や口、唇が多いです。対処をしないと、皮膚荒れを起こしてしまうため、肌状態は日々チェックするようにしましょう。

乾燥対策と保湿の重要性

前述のとおり、ほとんどの方がイソトレチノイン治療において経験する「乾燥」には対策が欠かせません。
副作用が起こってから対処してもよいですが、事前に保湿ケアを行っておくと乾燥の悪化も防ぐことができます。
保湿成分たっぷりのクリームやローションを使用しましょう。また、人によって乾燥が悪化する部位は異なりますので、よりひどい部位には念入りにケアをしてあげましょう。
保湿ケアと同時に、ボディソープやハンドソープの洗浄力が強いものではなくマイルドなものに変えたり、水分補給を十分実施したりすることも効果的です。

定期的な血液検査の必要性

イソトレチノインで治療を受ける際には、定期的に血液検査を実施しましょう。
起こりやすい副作用の1つに肝機能低下や膵炎・脂質異常症がありますが、これらは明確な症状が分かりにくいとされています。
しかし、異常があった場合、血液検査の値が正常値から外れることになるため、血液検査をすることで悪化する前に発見できます。目安としては3カ月に1回程度の頻度で検査を実施すると良いでしょう

イソトレチノイン治療を辞めた後の体への影響

イソトレチノインを服用し始めて効果が出た後、やめてしまうと元に戻ってしまうのではと心配される方も多いかもしれません。
通常、イソトレチノインを約半年続けてやめたとしても3~5年ほどはニキビが作られない肌状態を維持することが分かっています。
しかし、再発を絶対にしないとは言い切ることができず、人によってはイソトレチノインの服用をやめた後にニキビが再発してしまう方もいます。
この再発するリスクは、イソトレチノインの服用期間や量に影響していると考えられています。
ニキビが再発しないために必要なイソトレチノイン量は、体重1kgあたり120mg以上とされており、例えば体重50kgの人では下記の計算により約10カ月の服用を継続している必要があります。
薬剤を十分継続することが大切です。

体重50kgの人のケース

①50kg(体重)×120mg/kg=6000mg(トータルのイソトレチノイン量)
②6000mg÷20mg/日(服用量)=300日(必要な継続日数)
③300日÷31日≒約10カ月

イソトレチノインに関するよくある質問

イソトレチノインに関するよくある質問画像
Q
イソトレチノインは妊娠中でも使用できますか?
A

イソトレチノインは妊娠中の方は禁忌となっており、使用することができません。
子供の先天性異常や流産、死産を起こすリスクがあります。服用後の妊娠も注意が必要であるため、避妊をしっかりとするようにしましょう。
また、イソトレチノイン服用中とその前後1カ月は授乳することができません。献血も服用中のみではありますが、輸血によって他の胎児にイソトレチノインの悪影響を及ぼす可能性があるため注意をしましょう。

Q
日焼けはしても大丈夫でしょうか?
A

イソトレチノインの服用中は皮膚が弱まり、日焼けしやすい状態になっています。
日焼け止めは毎日使用し、紫外線から皮膚を守るようにしてください。保湿ケアと紫外線対策両方実施しましょう。

Q
イソトレチノイン治療をやめた後に肌状態が一時的に悪化することはありますか?
A

人によってはあります。ニキビが増えたり肌が赤くなったりすることがありますが、肌のターンオーバーの時期と重なり、皮膚の奥にあったニキビや角栓が表面に出てきている状態です。
これらの悪化症状は数週間から数カ月で改善するとされており、ターンオーバーが安定すれば落ち着いてきます。

Q
飲み忘れた場合はどうしたらよいでしょうか?
A

2回分を1度に服用することは避け、1回分を服用してください。

最後に

イソトレチノインは難治性のニキビでお悩みの方に使用される治療薬ですが、副作用が出やすい医薬品です。特に肌の乾燥はほとんどの方が経験される副作用です。
しかし、しっかりと保湿ケアを行っていれば症状の悪化を防ぐことができますので、日常習慣に保湿ケアを組み込むことを意識しましょう。
そのほかの副作用も出た際には対処法を行うことが有効ですが、1週間以上症状が続く場合や突然の症状が起こった場合は医療機関を受診してください。

出典

*1High-dose isotretinoin treatment and the rate of retrial, relapse, and adverse effects in patients with acne vulgaris Carenet -難治性にきびへのイソトレチノイン、やはり高用量がよい?
*2新宿よりそいクリニック -イソトレチノインの副作用・禁忌事項
*3Isotretinoin use and risk of depression, psychotic symptoms, suicide, and attempted suicide
*4Isotretinoin and antidepressant pharmacotherapy: a prescription sequence symmetry analysis
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