前立腺肥大症とED(勃起不全)の関係性は?原因・症状・治療・予防方法を解説

前立腺肥大症とED(勃起不全)の関係性は?原因・症状・治療・予防方法を解説 ED治療薬(勃起不全)

前立腺肥大症とは(症状・原因)

前立腺肥大症の症状

前立腺肥大症とは、前立腺が年齢とともに大きくなっていく疾患です。
泌尿器に関連する疾患の中でも特に罹患率が高いとされ、60歳では60%80歳以上では80%ほどの方でみられます。
症状としては、尿が出にくくなる排尿困難や尿意頻度の増加、尿を出しても出し切った感じがしない残尿感などが特徴的です。
前立腺が肥大する原因ははっきりとは解明されていませんが、男性ホルモン量の変化が関係していると考えられています。
男性ホルモンが衰え始める30歳ごろから前立腺が大きくなっていきますが、進行していく疾患のため早期に治療を開始していくことが求められています。

前立腺肥大症がEDを併発しやすい理由

前立腺肥大症がEDを併発しやすい理由のイメージ画像

前立腺肥大症は、EDの発症に深くかかわっていると考えられています。
まだはっきりとわかっているわけではありませんが、血流の少なさが関係しているとされています。
前立腺肥大症では骨盤内の血流量が少なくなりますが、EDも陰茎に十分な血流が送られないことで症状があらわれます。
また、前立腺肥大症とEDには共通するリスクファクターが多く存在しているため、「加齢」「高血圧」「糖尿病」「肥満」の方などは同時に両方の疾患を発症しやすい傾向もみられます。

前立腺肥大症によるEDの治療方法

前立腺肥大症の治療

前立腺肥大症が原因で起こっているEDの治療は原疾患である「前立腺肥大症」の改善が優先して行われます。
基本的に薬物療法で、「交感神経α1遮断薬」「抗男性ホルモン薬」が主に使用されています。

交感神経α1遮断薬

前立腺肥大症の症状が引き起こされる理由

交感神経α1遮断薬は前立腺平滑筋にある交感神経受容体を遮断します。
前立腺肥大症が起こるメカニズムの1つとして、交感神経の緊張が亢進してしまっていることが考えられています。交感神経が緊張すると、前立腺が収縮してしまい尿道を圧迫してしまいます。
結果的に、尿が出にくいといった症状が出てしまうのです。
交感神経α1遮断薬を使用すると、前立腺平滑筋の収縮が弱まるため尿道の圧迫が改善されます。
尿を通しやすくなる効果が期待されています。

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●シロファスト【ユリーフジェネリック】
シロファストは、前立腺肥大症によって引き起こされる排尿障害の治療薬「ユリーフ」のジェネリック医薬品です。
主成分のシロドシンは尿道を緩めて、尿の排出をスムーズにします。 前立腺肥大症による尿道圧迫が原因の残尿感や頻尿といった症状も改善されます。

商品名シロファスト【ユリーフジェネリック】
画像シロファスト【ユリーフジェネリック】
有効成分シロドシン4mg
価格4mg:15錠あたり1800円~
メーカー・ブランドCipla(シプラ)
URLシロファスト【ユリーフジェネリック】の購入はこちら

抗男性ホルモン薬

抗男性ホルモン薬が前立腺肥大症の治療に使用されることもあります。
「アボルブ(一般名:デュタステリド)」が代表的です。「デュタステリド」はもともと「ザガーロ」という名前でAGA治療薬として使用されていました。
その際、前立腺を縮小させる作用が発見され、前立腺肥大症治療薬とAGA治療薬それぞれ名前を変えて発売されています。

<関連商品①>
●デュタストロン

デュタストロンは、ジヒドロテストステロンの産生を抑制しますが、AGA治療薬であるプロペシアよりも効果が強い特徴があります。
既存の治療薬で効果が物足りないという方におすすめです。「デュタストロン」の半減期は2週間ほどとなっているため、他の薬剤よりも副作用の影響が少なくなることが期待されています。

商品名デュタストロン
画像デュタストロン
有効成分デュタステリド0.5mg
価格0.5mg:1個あたり81円~
メーカー・ブランドAsle pharmaceuticals(アスレ)
URLデュタストロンの購入はこちら

EDの治療

前立腺肥大症の治療はすぐに行えるものではなく、継続して続けていくことで効果が見込めます。
個人差もあるため、治療に時間がかかってしまう場合には、ED治療も同時に行うケースもあります。
ED治療薬は陰茎の血管を拡張し、血流を増やすことで勃起不全を改善します。
いくつか種類があり、ジェネリック医薬品がすでに発売されている薬剤もあります。
併用可能なED治療薬一覧は以下のページでご紹介していますので、気になる方はクリックしてみてください。

特にシアリス(一般名:タダラフィル)はED治療薬の中でも持続時間が長く、自然な勃起をもたらしてくれることから世界でNo1のシェアとなっています。
このシアリスについて、最近EDだけではなく前立腺肥大症の排尿障害も改善することが分かってきました
双方への効果が発見されたことから「前立腺肥大症」「ED」は密接にかかわっていると考えてもよいでしょう。
しかし、実際に前立腺肥大症に「シアリス」を使用する際はED治療の用量と異なるため注意が必要です。
前立腺肥大症の治療薬としてシアリスを使用する際には保険も適用されますので、前立腺肥大症を改善したい場合に独断で服用するのは避けてください。
シアリスの治療薬一覧ページは以下になりますので、気になる方はクリックください。

前立腺肥大症の予防方法

前立腺肥大症の予防方法のイメージ画像

前立腺肥大症を引き起こす要因として「生活習慣病」があげられます。
そのため、生活習慣病にならないような生活が予防につながります。

食事の見直し

骨盤内の血流低下に加えて、男性ホルモンの量が増加すると前立腺肥大症を引き起こしやすくなります。
男性ホルモンは、高タンパク質や高脂質の食事を摂取していると多く分泌されるため、野菜を多く摂取し、男性ホルモンの分泌量を抑えると良いでしょう。
また、バランスの偏った食事は男性ホルモン量を増やすだけではなく、生活習慣病の発症にもかかわってきます。
1日3食、バランスよく食べることを心がけましょう。

生活習慣の改善

生活習慣が乱れていると糖尿病や高血圧などの生活習慣病を引き起こしやすくなります。
前立腺肥大症とEDに共通するリスクファクターとして生活習慣病がありますので、健康的な生活を習慣化していくことが大切です。
運動を週に3日ほど行う、早寝早起きをする、タバコやアルコールはできるだけ控えるなどを意識していきましょう。

冷えの防止

前立腺肥大症は骨盤内の血流が少なくなると起こりやすいとされています。
体が冷えると血流が悪くなり前立腺への巡りも悪化します。
そのため、できるだけ体全体に血流が巡るように、体を冷やさない服装や生活の工夫が大切です。
お風呂にゆっくりつかると体全体があたたまり、血流が改善します。
同じく、下半身をあまり動かさないと血行状態が悪くなってしまいます。
デスクワークが続いている方は、適度にストレッチをして下半身を意識して動かすようにしましょう。

前立腺肥大症に関するよくある質問

Q
前立腺はどのような働きを持っているのでしょうか?
A

前立腺の基本的な働きは、尿を出す泌尿器としての機能です。
加えて、精液の生成に関わる成分を分泌する生殖器としての役割も併せ持っています。

Q
前立腺肥大症になると性行為ができなくなるのでしょうか?
A

前立腺肥大症のみ発症している場合は、通常通り性行為は可能です。
しかし、重度のEDを発症していた場合は勃起せず、性行為が難しいケースがあります。
前立腺肥大症になると必ずEDを発症するわけではありませんが、早めに治療をしておくことが大切です。

Q
前立腺肥大症は自然に治るのでしょうか?
A

基本的に進行していくため、自然に治癒するケースはほとんどありません(一部、自然に改善したという報告はありますが、稀なケースとなっています)。
早めに治療を開始すれば、症状の進行も抑えることができます。

最後に

前立腺肥大症は、年齢とともに前立腺が大きくなっていく疾患です。
進行性で、尿が出にくくなったり、残尿感などの症状が出ます。
前立腺肥大はEDの要因としても考えられているため、EDにならないためにも前立腺肥大症に気づいたら早めに治療を開始していくことが大切です。
最近、尿が出にくい」「夜中何度もトイレに起きる」「尿が出きった感じがしないというお悩みのある方は前立腺肥大症かもしれません。一度治療を検討してみると良いでしょう。

出典

名古屋大学大学院医学系研究科 前立腺肥大症
徳洲会グループ 泌尿器科の病気:前立腺肥大症
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