モルヌピラビル【承認済コロナ治療薬】の効果・副作用や飲み方を解説

モルヌピラビル【承認済コロナ治療薬】の効果・副作用や飲み方を解説 新型コロナウイルス

コロナ承認治療薬モルヌピラビルとは?

モルヌピラビル(molnupiravir)は、日本で初めて承認された経口の新型コロナウイルス治療薬で、一般的には「ラゲブリオ」と呼ばれています。モルヌピラビルは、体内に入るとRNAに似た物質に代わり、RNA複製エラーを起こすことで、ウイルスの増殖を阻害します。RNAの複製を抑える機序を持つため、薬剤の耐性ができにくい特徴があります。

モルヌピラビルの販売、承認日(国内・海外)は?

日本では2021年12月24日に特例承認されました。通常、医薬品が承認されるには長い時間がかかりますが、緊急を要する場合に、期間を早めて承認する措置です。その後、2022年の9月16日から一般的に流通されるようになっています。
海外では日本より少し早く承認されており、イギリスで2021年11月4日、アメリカで2021年12月23日となっています。
モルヌピラビルが承認されるまでは点滴薬の承認しかされていなかったため、治療をするには入院をする必要がありました。しかし、モルヌピラビルが日本で初めて承認されたことで経口での新型コロナウイルス治療が可能となりました。

モルヌピラビル200mgの飲み方・用法とは?

1回4カプセルを、1日2回5日間経口投与します。ただし、服用の間隔は12時間程度あけるとされています。1カプセルが200mgですので、1日に1600mg服用することになります。1カプセルのサイズは、通常服用している薬剤と比べるとかなり大きめのため、「多めの水と一緒に服用する」「何回かに分けて服用する」ことを意識すると良いでしょう。また、食事に関わらず服用が可能です。

処方対象の人・処方条件は?

新型コロナウイルス感染症は、症状や重症化リスクに合わせて、軽症から重症にわけられます。モルヌピラビルは、このうち軽症~中等症の方に使用されます。ただし、がんや、61歳以上など重症化になる得るリスクファクターを1つ以上持っている人もモルヌピラビルの適応となります。
また、基本的に症状発症から5日以内に薬剤を使用することとされています。

<※モルヌピラビルの適応(添付文書より)>

年齢 18歳以上
重症度 軽症~中等症
発症日 症状発症から5日以内
リスクファクター ・61歳以上
・活動性のがん(免疫抑制又は高い死亡率を伴わないがんは除く)
・慢性腎臓病
・慢性閉塞性肺疾患
・肥満(BMI 30kg/m2以上)
・重篤な心疾患(心不全、冠動脈疾患又は心筋症)
・糖尿病

モルヌピラビルの効果とは?

モルヌピラビルは承認時に、重症化リスクがあり、ワクチン未接種の患者を対象にした国際的な試験を実施しています。ラゲブリオが入院または死亡のリスクを、有意に低減させたと報告されています。プラセボ群では入院・死亡した人の割合が14.1%だったのに比べて、モルヌピラビル群では7.3%と半分ほどの割合となっています。

モルヌピラビル800mg群
(385例)
プラセボ群
(377例)
薬を服用してから29日目までに入院・もしくは死亡した人の割合 28例
(7.3%)
53例
(14.1%)

モルヌピラビルの副作用・がんの危険性があるの?

モルヌピラビルにおいてよく出やすい副作用は「下痢」「吐き気」「頭痛」とされていますが、いずれも5%未満の割合です。鎮痛剤や風邪薬などよりも副作用の発現率は低いとされています。また、医薬品において発がん性の懸念が起こる場合がありますが、モルヌピラビルにおいて、発がん性は認められていません。

下痢

割合としては1%以上5%未満とされており、そんなに多いわけではありません。ですが、下痢は脱水を引き起こすケースもありますので、しっかりと水分補給をしましょう。

吐き気

嘔吐は、臨床試験では1%未満とされていましたが、吐き気が強く出ているときには食事や仕事などは無理しすぎないようにしましょう。しかし、嘔吐も脱水につながることがありますので、水分をとることは意識しながら生活してください。

頭痛

頭痛も1%以上5%未満の割合で報告されております。もし頭痛がひどい場合は、市販の解熱鎮痛薬を服用するというのも対処法の1つですので検討してください。

その他の副作用

下痢、吐き気、頭痛以外にも、めまいや蕁麻疹、中毒性皮疹(頻度不明)などが報告されています。違和感を感じたり、耐えきれないほどの症状が出た場合には決して無理をせずお近くの医療機関を受診してください。1~2日経っても症状が続いていたり、悪化するようなことがあれば相談しましょう。

モルヌピラビルの製薬会社MSD(メルク社)とは?

開発した会社はメルクアンドカンパニー(通称MSD)で、アメリカを拠点に世界140か国以上に薬を販売している大手の製薬会社です。婦人科領域や呼吸器領域への薬剤パイプラインが豊富であり、モルヌピラビル以外にも抗がん剤の「キイトルーダ」や睡眠薬の「ベルソムラ」などが主力品です。

モルヌピラビルのジェネリック薬とは?

医薬品は、開発した会社が販売する先発品と、先発品を真似て作った後発品(ジェネリック医薬品)というものがあります。ジェネリック医薬品は、先発品と同じ成分が同じ量含まれており、効果も同じです。そのため、ジェネリック医薬品では、先発品と同じ程度の効果が、比較的安い価格で期待できるという特徴があります。モルヌピラビルにも複数ジェネリック医薬品が発売されていますので紹介します。

<モルヌピラビルのジェネリック薬関連商品①>

モルヌビッド【モルヌピラビル】
モルヌビッド(Molnuvid)は、モルヌピラビルのジェネリック医薬品です。経口で服用が可能で、症状を改善するデータも認められていることから、世界的には主に自宅療養の際に使用されている薬剤となっています。先発役と同じ成分、同じ成分量、同じ錠数で販売しておりますので、服用方法も先発品を同じとなっています。

商品名 モルヌビッド【モルヌピラビル】
画像 モルヌビッド【モルヌピラビル】画像
有効成分 モルヌピラビル
価格 200mg:1錠あたり263円~
メーカー Healing Pharma(ヒーリングファーマ)
購入ページ

<モルヌピラビルのジェネリック薬関連商品②>

モルライフ【モルヌピラビル】
モルライフ【モルヌピラビル】も、モルヌピラビルのジェネリック医薬品ですが、モルヌピッドとは異なる販売会社の商品となっています。インドのマンカインド社が製造していますが、こちらも先発品と同じ成分、成分量を示しているため効果が期待できます。

商品名 モルライフ【モルヌピラビル】
画像 モルライフ【モルヌピラビル】画像
有効成分 モルヌピラビル
価格 200mg:40錠あたり10530円~
メーカー マンカインドファーマ
購入ページ

<モルヌピラビルのジェネリック薬関連商品③>

モルキシビル【モルヌピラビル】
モルキシビル【モルヌピラビル】も、モルヌピラビルのジェネリック医薬品です。製造元のSun Pharma社はインドに拠点を置く製薬会社ですが、世界40か国に輸出を行っており、日本法人もあります。新型コロナウイルスの治療が必要な方で、点滴などの投与が難しい方におすすめです。1箱に40錠含まれておりますので、きちんと服用すれば、5日間の服用で余すことなく治療が可能となっています。

商品名 モルキシビル【モルヌピラビル】
画像 モルキシビル【モルヌピラビル】画像
有効成分 モルヌピラビル
価格 200mg:40錠あたり9800円~
メーカー Sun Pharma社
購入ページ

モルヌピラビルの値段・価格、購入方法とは?

モルヌピラビルの薬価は1カプセル当たり2357.8円で、1日あたり18862.4円、5日間服用することを考えると約94000円となります。2023年9月までであれば、コロナ治療薬の費用は公費で賄われていましたが、その後は他の医薬品と同様に費用負担が発生する見込みです。コロナ治療費を自費で負担するとなった場合、3割負担だとしても約30000円弱かかる可能性があり、安くはない金額になってきます。また、先発品は医療機関の処方箋をもとに処方されるため、入手するには必ずクリニックや病院の受診が必要になってきます。
一方、ジェネリック医薬品は、比較的安価で、個人輸入で購入可能なケースもあります。
コロナウイルスの治療を検討されているが費用が気になる方は、以下の表を参考にしてみてください。

※3割負担の場合を想定

入手方法 費用
医療機関 約29000円(合計)
・薬:約28000円
・診察料:約500円
・処方料:約500円
個人輸入 約9800円(合計)
・薬:約9800円
・診察料:約―円
・処方料:約―円

モルヌピラビルは猫の病気にも有効なの?

モルヌピラビルは抗ウイルス薬ですが、実は猫特有のFIPという疾患にも効果があるのではないかという報告が出てきています。FIPとは幼い猫がかかりやすい疾患で、猫伝染性腹膜炎と呼ばれています。一度FIPにかかった場合、長く生きることはあきらめなければならなく、薬を使用したとしてもわずかな延命治療にとどまっていました。しかし、モルヌピラビルがFIPに有効であるという報告が出てきてからは、さまざまなン動物病院で治療薬として使用されるようになってきています。
これまで、FIPの薬剤は「MUTIAN(ムティアン)」「CFN(CHUANFUNING)」が一般的に使用されていましたが、なんとモルヌピラビルの5倍~10倍ほどの金額がするため、一部の人を除いて、長期間の投与が難しいという課題がありました。
しかし、モルヌピラビルの報告が出てきたことで、長い期間の投与が難しかった人もFIP治療へのハードルが低くなっています。
一方で、モルヌピラビルのFIP投与については発がん性や胎児毒性の影響について不明な部分が多いため、リスクも考慮したうえで投与を検討してください。

モルヌピラビル服用時の注意

服用し始める期間に注意

モルヌピラビルは、基本的に症状があらわれてから5日以内に服用するとしています。新型コロナウイルスの症状を発症してから5日以内の人を対象とした臨床試験において、モルヌピラビルの有効性が確認されたためです。ただし、発症してから5日間を数えて判別することは難しいため、5日以内の投与はあくまで薬剤に使用目安となっています。
もし、違和感があった場合、症状を放置せずになるべく早く検査をすることが大切です。

妊婦・妊娠の可能性のある人は服用禁止

モルヌピラビルは、妊婦が使用すると胎児の催奇形性を及ぼす可能性があることから、使用を禁止しています。妊婦はもちろん、妊娠している可能性がある方も、モルヌピラビル服用の際は、自身が該当しないか注意しましょう。また、5日間の服用を終えた後も、4日間は避妊をしてください。
モルヌピラビルは「妊娠している可能性のある女性」以外にも、「薬剤を使用して過敏症となったことのある方」が禁忌となっています。

途中でやめない

モルヌピラビルは抗ウイルス薬に分類されていますが、抗ウイルス薬は症状がなくなったとしても途中で飲むのをやめてしまうと、内部に潜んでいた細菌やウイルスが再び活発化してしまう恐れがあります。症状が再び現れるだけでなく、その分治療期間も長くなり、治療費用も増加してしまいます。症状おさまったとしても、自分の判断で薬を飲まなくなることは避けましょう。

最後に

新型コロナウイルスは、2019年に中国で確認されてからあっという間に全世界に拡大したウイルスです。今もなお世界各国では流行を見せております。症状が出ていなくても、ウイルスが体内にいるとほかの人に感染させてしまうリスクは今もぬぐえていません。また、治療をしない場合、自然に軽快することもありますが、悪化し重症化するケースも十分想定されます。モルヌピラビルは経口で手軽に服用できるため、コロナウイルスの症状が出ている方、少しでも違和感を感じた人は治療を検討しましょう。

モルヌピラビル関連のよくある質問

出典

【参考元:New England Journal of Medicine】 【参考元:MSD Connect】 【参考元:抗ウイルス剤 モルヌピラビルカプセル ラゲブリオカプセル200mg 添付文書】
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