糖化による肌の酸化や老化の原因と病気を引き起こす糖化の防ぎ方を解説

糖化による肌の酸化や老化の原因と病気を引き起こす糖化の防ぎ方を解説 生活習慣

老化や劣化の主な原因「酸化」と「糖化」

酸化と糖化のイメージ画像

人間が生きていくうえでは、「水」「酸素」「糖」などさまざまな物質が必要不可欠です。
しかし、人間の生命にとって重要な物質のうち、一部は有害なものへと変わっていきます
有害な物質の量がそれほど多くなければ、従来備わっている体内システムで防衛できますが、増加すると細胞や器官がダメージを受けてしまい、死滅してしまうことがあります。
このような現象は一般的に「酸化」と呼ばれており、進行すると老化を加速させてしまうといわれています。
似たような言葉に「糖化」という言葉があります。「糖化」は、たんぱく質を変性・劣化させてしまうことです。
有害な物質が発生した時に防衛してくれる、体内システムの主成分は「たんぱく質」です。
そのため、「糖化」が起こると「酸化」が起こりやすくなると考えられています。
肌の老化の原因は「酸化」が70%、残りの30%が「糖化」だとされています。双方が深くかかわりあっているため、アンチエイジングや老化を防ぐためには「抗酸化」「抗糖化」を意識していくと良いでしょう。

糖化は肌が焦げる事

糖化のイメージ画像

糖化のメカニズムを詳しくご紹介します。
糖化は、食事によってとりすぎた余分な「糖」が体内の「たんぱく質」と不正常な結びつき方をすることで、AGEs(蛋白糖化反応最終生成物)と呼ばれる悪玉物質が生成されます。
不正常な結びつき方には、体温の熱が関わっているため、「体が焦げる」ともいわれています。
糖化の原因としては、糖分が多いファストフードをよく食べることがあげられます。
加えて、睡眠不足や運動不足が重なると糖化を進行させると考えられています。
糖化になると、細胞の老化が進むため、疾患や合併症のリスクが増大していきます。

肌が糖化することで起こるトラブル

糖化は老化を加速させます。最もわかりやすく出てくる症状は肌トラブルです。

しわ・たるみ

糖化すると、肌のハリがなくなり、しわやたるみができる可能性があります。
通常、弾力のある肌はコラーゲン線維とエラスチン線維が網目のように張り巡らされることで支えられていますが、糖化が進行すると線維同士がくっついてしまいます。
すると、肌の弾力が失われ、頬や口角を中心にたるみが目立つようになります。

シミ・くすみ

糖化が進むとシミやくすみのリスクも増加します。
通常は、肌の新陳代謝が正常に行われるため、古くなった角質と一緒にメラニン色素が排出されます。
しかし、糖化が進むとAGEs(蛋白糖化反応最終生成物)が溜まってしまい、メラニン色素や角質が排出できなくなります。
結果、メラニン色素が沈着し、シミとしてあらわれます。また、AGEsがたまると、血色が悪くなり、肌が黄味がかっていきます。このようなAGEsの炎症反応の1つとしてくすみもあらわれます。

乾燥肌

AGEsは炎症反応を起こしているため、肌の水分は知らないうちに少しずつ失われていきます。
炎症反応自体はゆっくりですが、毛細血管が細く、もろくなると肌全体に十分な栄養や水分が届かなくなり、パサついてしまいます。
さらにたんぱく質は肌の保湿成分の生成に大きな役割を果たしているため、糖化によってたんぱく質が変性を起こすと、分泌が阻害され、一層乾燥が進んでいってしまうのです。

肌荒れ

肌は28日を1サイクルとして新陳代謝をしています。
古い角質を定期的に排出し、新しくきれいな肌に入れ替えるもので「ターンオーバー」と呼ばれることもあります。
糖化を起こすと、ターンオーバーを促進させる酵素がAGEsによって阻害されてしまい、ターンオーバーがうまくいかなくなり、肌荒れを起こすのです。

糖化が起こす病気

糖化が起こす病気のイメージ画像

糖化が進むと、肌の変化だけではなく、実際に病気を引き起こすこともあります。

動脈硬化

動脈硬化とは、動脈の血管が硬くなり、弾力が失われた状態を指します。
「糖化」によって生み出されるAGEs(蛋白糖化反応最終生成物)は、血管を構成するコラーゲン線維の構成を崩します。
結果、血管の弾力性がなくなっていき、内部に血栓が生じやすくなります。
血管がつまり、心筋梗塞や脳梗塞の発症につながることもあります。

骨粗鬆症

骨粗鬆症は骨の密度が低下して、少し転んだだけでも骨折しやすくなる病気です。骨はカルシウムとコラーゲンによって作られています。
そのため、「糖化」の進行に伴い、AGEsがコラーゲン線維に悪影響を与え、骨がもろく折れやすくなります。

白内障

白内障は、物を見るときにレンズの役割を果たしている水晶体が濁って、見えにくくなる病気です。
水晶体を構成する主成分の1つに「クリスタリン」というたんぱく質があり、この「クリスタリン」が糖化を引き起こすと、水晶体の濁りやくすみにつながっていきます。

アルツハイマー型認知症

アルツハイマー型認知症は脳の認知機能が低下していき、物忘れなどの症状が出てくる進行性の疾患です。
アルツハイマー型認知症は、脳内に老人斑と呼ばれるシミが多くできるという特徴がありますが、この老人斑には多くのAGEsが含まれています。
はっきりと解明されているわけではありませんが、長い間糖化状態が続くことで、アルツハイマー型認知症の発症につながるのではないかと考えられています。

糖化を防ぐ方法

糖化を防ぐ方法をご紹介します。

野菜を先に食べる

血糖値が急激に上昇すると、糖化が進行してしまいます。
そのため、血糖値をあげない食事法を取り入れることが大切です。
例えば、食事をとる際にメインディッシュからではなく、野菜やキノコ類から食べると、ゆるやかに血糖値が上昇していきます。
野菜の後にメインディッシュ、最後に炭水化物を摂取するとよりよいとされています。
1度だけではなく、3食毎日続けることが重要なので、習慣化できるように取り入れていきましょう。

糖化を防止する栄養素の摂取

ファストフードやカップヌードル、加工食品など糖が多く含まれているものは糖化を進行させる一方で、糖化の進行を抑えてくれる食材もあります。
例えば、おくら納豆メカブなどのネバネバ系食品はおすすめです。特に、朝ご飯は前の食事からの時間があいてしまうため、血糖値が上昇しやすい傾向にあります。
朝ご飯に納豆を食べると、合理的に血糖値を緩やかにさせることができます。
また、低GI食品は血糖値を上げにくいためおすすめです。
例えば、牛乳やりんごなどは日々の食事に取り入れやすいでしょう。他にも食品のGI値を参考にしてみてください。

定期的な運動

ウォーキングやランニングは貯蓄しているブドウ糖を消化してくれ、さらに肥満の解消にも役立つためおすすめです。肥満は糖化を進行させ、悪影響を与えます。
週3日程度30分ほどの運動を習慣にすると、基礎代謝も高まるため、糖化しにくい身体になっていくでしょう。
無理のしすぎはよくないですが、負担のない範囲で軽めの運動を取り入れていきましょう。

良質な睡眠

人間は睡眠中、「メラトニン」「成長ホルモン」が分泌されています。
これらのホルモンは新陳代謝や免疫機能を活性化するホルモンであるため、睡眠不足が続くと肌にたまったAGEsを排出することができずに「糖化」が進行してしまいます。毎日最低でも6時間以上は睡眠をとるとよいでしょう。
また、時間だけにこだわり、長く睡眠時間をとっていても質が悪いと意味がありません。
よく眠れない方や日中うとうとしてしまう方は寝具があっていなかったり、体内時計が乱れてしまっているかもしれません。
量だけではなく質にもこだわっていきましょう。

糖化に関するよくある質問

Q
糖化に関わるのは果糖ではなく、ブドウ糖の方でしょうか?
A

糖には「ブドウ糖(グルコース)」と「果糖(フルクトース)」の2種類がありますが、糖化に関わるのはブドウ糖の方です。
ブドウ糖は筋肉の発達や、体温の維持などさまざまな生命活動に使用されるエネルギー源です。
エネルギー源として使いきれなかったブドウ糖は、脂肪やグリコーゲンに変換され、不足した時のために貯蓄されます。
しかし、この貯蓄をしたほかに、余ったブドウ糖が存在すると、行き場所がなくなり全身の細胞に送られてしまいます。
すると、タンパク質や脂肪と結びつき、AGEs(蛋白糖化反応最終生成物)を生み出してしまうのです。

Q
自分が糖化しているかどうかを確認したいのですが、何かサインはありますか?
A

糖化すると肌の状態が悪化するため、頬や顎、口角などのたるみが気になってきた」「肌全体にハリと弾力がなくなってきた」「肌表面の角質が厚くなってきた」「肌のきめが粗くなってきたなどがあれば、糖化のサインかもしれません。
食生活や生活習慣を一度見直してみてもよいでしょう。

最後に

「糖化」とは、余ったブドウ糖とタンパク質が不正常に結びつくことで、起こる現象です。
進行すると肌荒れやシミ・乾燥肌を引き起こしますが、肌トラブルだけではなく、アルツハイマー型認知症や動脈硬化など疾患の発症リスクも高める可能性があります。
健康に長生きするためには、できるだけ糖化しないような生活習慣が大切です。
血糖値の上昇は避ける」「週に3日程度は簡単な運動を行うなどは簡単に取り入れられますので、ぜひ習慣化していきましょう。

出典

大正製薬製品情報サイト 「糖化」とは?あなたの肌は大丈夫?肌を老化させる原因を知ろう
けんこう名探偵
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