チャンピックスとは
チャンピックスとは、タバコを吸うことによる満足感を抑える禁煙治療薬です。有効成分は、「バレニクリン」で、ニコチン受容体に対してはたらきます。
通常タバコにはニコチンという成分が含まれていますが、ニコチンが脳内の快楽物質「ドパミン」を過剰に放出させることで、気分がよくなるとされています。
タバコを吸って30分ほど経過するとニコチンがなくなるため、気分が落ち込んでしまったり、イライラしたりして再びタバコを吸うことを繰り返します。
喫煙者はなかなか自分の意思だけでタバコを止めることは難しく、禁煙に失敗する方は少なくありません。このような方がチャンピックスを使用すると、チャンピックスの有効成分がニコチン受容体に結合し、ニコチンと同じような作用を起こします。結果、禁煙をサポートし、タバコを止められるようになります。
チャンピックスの特徴と効果
チャンピックスの特徴
チャンピックスの特徴は、ニコチンが含まれない禁煙治療薬で、飲み薬である点です。
ほかの禁煙治療薬には「ニコチンパッチ」という貼るタイプの薬剤がありますが、ニコチンパッチは肌からニコチンを少量取り込むことで禁煙時のイライラや離脱症状を改善します。
また、チャンピックスは飲み薬のため、貼り薬で出やすいかぶれや皮膚の炎症は出にくいとされています。
チャンピックスの効果
チャンピックスの効果は、ニコチン受容体に部分的に結合することですが、大きく2つの効果が期待されています。
1つは、ニコチン受容体に薬剤がくっつくため、少量のドパミンが放出されます。タバコを吸っているときと同じようにドパミンが出るため、離脱症状を軽減し、禁煙しやすくなります。
もう1つは、薬剤がニコチン受容体にくっついているため、タバコを吸ったとしてもニコチン受容体に結合するのを妨げます。結果、喫煙による満足感を抑えるのです。
このような作用からチャンピックスは、タバコを吸わなくても離脱症状が少なく、タバコを吸ったとしても満足感が得られにくいという効果をもたらすのです。
先発薬チャンピックス出荷停止中の理由
チャンピックスは2008年に発売されてから、禁煙治療薬として多くの方に使用されてきました。しかし、現在チャンピックスは出荷停止となっており、欠品状態が続いています。
理由としては2021年6月に、基準量を超えるN-ニトロソバレニクリンが検出されたためです。N-ニトロソバレニクリンは、お肉や乳製品などの加工食品にも含まれており、普通に生活していれば日常生活である程度摂取するものです。
しかし、ある一定の許容範囲を超えて摂取すると発がん性のリスクがあることが知られています。
チャンピックスは、12週間投与する薬剤のため、3カ月以上は投与しないものですが、医薬品は人の命にもかかわるため、現在販売メーカーが調査を行っています。
先発薬チャンピックス再開予定
チャンピックスは、多くの方の禁煙治療薬として使用されていたため、出荷停止によって治療を継続できない方々が出てきてしまっています。
このチャンピックスの出荷停止はいつまでなのか気になるところですが、2023年12月時点で販売再開の明確な時期は発表されていません。
チャンピックスのジェネリック医薬品バレニスマートは購入可能
チャンピックスの先発医薬品は欠品状態が続いている中ですが、チャンピックスのジェネリック医薬品であれば購入が可能となっています。
ジェネリック医薬品は、先発品と同じ有効成分が同じ量入っており、国の検査でしっかりと有効性・安全性が認められている医薬品です。先発品よりも安価に購入できるというメリットがあります。
<チャンピックス関連商品①>
●バレニスマート
バレニスマートは、チャンピックスのジェネリック医薬品です。
チャンピックスの治療期間は約12週間(3ヶ月)で、禁煙治療をすべて継続した方では、約80%が4週間以上の禁煙に成功しているデータが出ています。
ニコチンを使用しない禁煙治療薬となるので、安心してご使用いただけます。バレニスマートは、チャンピックスと同じく徐々に服用量を増やしていく薬剤です。
最初の週は0.5mgとして、2週目以降は1mgを服用します。途中で服用をやめてしまうと効果が減弱してしまうので、必ず最後まで飲み続けるようお願いします。
商品名 | バレニスマート |
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画像 | |
有効成分 | バレニクリン酒石酸塩0.5mg・1mg |
価格 | 1mg:10錠あたり2980円~ |
メーカー・ブランド | Healing Pharma(ヒーリングファーマ) |
URL | バレニスマート【チャンピックス・ジェネリック】の購入はこちら |
チャンピックスに関するよくある質問
- Qチャンピックスはどのような有効性が認められているのでしょうか?
- A
臨床試験では、チャンピックスを9~12週間服用した患者の65.4%が禁煙に成功しました。プラセボでは39.5%の成功率であったため、高い禁煙効果が期待できます。
また、チャンピックスは、喫煙から得られる満足感を抑制する効果も認められています。「イライラ」や「集中力低下」といった症状も減らすことが報告されております。
他にも、禁煙補助薬を使用せずに、禁煙を目指すのはとても難しいとされていますが、チャンピックスを服用すると、プラセボを使用した時と比較して3.1倍禁煙に成功したという*1データもあります。
- Qチャンピックスは、いつまで飲み続けていいの?
- A
チャンピックスの基本的な服用期間は12週間とされています。しかし、12週間の服用を終えた後に、いきなり薬をやめるとタバコをまた服用してしまうのではないかと心配になられる方もいらっしゃります。
保険診療内では12週間以上チャンピックスを処方することはできませんが、自由診療であれば継続可能とされています。
目安としては、禁煙に成功した患者では、今後の禁煙継続を目的に、1㎎を1日2回12週間にわたって延長投与することができます。また、チャンピックスを長期的に服用することでの依存症の報告などはありません。
- Qチャンピックスの副作用の中で代表的なものはありますか?
- A
最も多くみられた副作用は吐き気で10%少しの方に認められています。ただし、程度は軽めがほとんどで、投与中止に至る人はごく僅かでした。
ほかにも、めまいや眠気、意識障害も報告されているので、危険な作業や自動車の運転などをされる方は注意してください。
- Q加熱式タバコであれば、チャンピックス服用中に吸ってもよいのでしょうか?
- A
加熱式タバコもタバコであり、禁煙する際には控えるべき対象となります。加熱式タバコにもニコチンが含まれています。
しかし、チャンピックスは最初の1週間は喫煙しながら飲むことが可能です。
8日目以降から完全にタバコの服用をやめますが、自然にタバコを吸わなくなった場合は8日目よりも早く禁煙して構いません。
- Qチャンピックスの服用とともに心がけるべきことはありますか?
- A
もしタバコをやめた時のイライラ感や精神の落ち込みのような症状が見られたら、深呼吸をする、ガムをかむ、水を飲むなどがおすすめです。
口がさみしくならないように何か物を入れておくことや、気を紛らわせることはとても大切です。
最後に
チャンピックスは、禁煙をするための飲み薬です。ニコチンを含みませんが、ニコチンと同じような働きをすることで、禁煙成功率が他の薬剤やガムよりも高いことが知られています。
しかし、現在チャンピックスは出荷停止中で医療機関で入手することはできません。
禁煙外来でも多く使用され高い禁煙成功率があるため出荷再開を待ち望む声が多くありました。
そんな中、チャンピックスの海外製ジェネリック医薬品が出回り一部クリニックでは禁煙外来でチャンピックスの海外製ジェネリックが処方され始めました。
禁煙を成功させたい方や、これまでチャンピックスで治療を行っていた方などはぜひ治療をご検討ください。
出典
済生会横浜市東部病院 「チャンピックス錠」における “発がん性の可能性がある物質”の検出について
チャンピックス錠 出荷停止継続のお詫びとご案内
*1Developing a Rational Approach to Tobacco Use Treatment in Pulmonary Practice: A Review of the Biological Basis of Nicotine Addiction