ブロメライン

成分名

ブロメライン

適応症状

・熱傷
・褥瘡
・表在性各種潰瘍
・挫傷
・切開傷
・切断傷
・化膿創などの創傷面の壊死組織の分解、除去、清浄化およびそれに伴う治癒促進

簡易説明

・褥瘡(床ずれ)や皮膚潰瘍の治療に使用する薬です。
・有効成分は、パイナップルの果実や葉茎から作られる蛋白分解酵素【システインプロテアーゼ】が、潰瘍面のかさぶたや壊死した組織を取り除き、患部を清浄化します。
・主に、熱傷・褥瘡(床ずれ)・表在性各種潰瘍・挫傷・切開傷・切断傷・化膿創などの創傷面の壊死組織の分解、除去、清浄化に使用されます。
・無臭で無色からやや黄みをおびた粘性の液体で、親油性もあり、エタノールには溶けやすいが水にはほぼ溶けなることはありません。
・親水性基剤なので、滲出液がやや多い場合にも使用することは可能です。
・褥瘡では、黄色期以降に残っている壊死組織を分解除去するために使用することがございます。

処方可能な診療科目

内科、皮膚科、整形外科

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安 :約1,000円~10,000円

ブロメライン軟膏5万単位/g(ジェイドルフ) 19.8円 (50,000単位1g)

※病院によって差が有り。薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。

厚生労働省による認可、または発売年月日

1974年1月販売開始

国内のジェネリック認可

なし

関連製品(先発薬)

ブロメライン軟膏5万単位/g(ジェイドルフ)

関連製品(ジェネリック)

なし

効果・作用

▼ブロメラインの作用▼
パイナップルの果実や葉茎から作られる蛋白分解酵素【システインプロテアーゼ】の効果により、熱傷・褥瘡(床ずれ)・表在性各種潰瘍・挫傷・切開傷・切断傷・化膿創などの創傷面の壊死組織の分解、除去、清浄化いたします。
・触媒残基は「システイン」と「ヒスチジン」となります。システイン残基の硫黄原子を含むチオール基が酵素活性に関与するSH酵素となっており、ペプチド結合のカルボニル炭素に求核攻撃をすることによって、タンパク質やペプチドを加水分解いたします。
・ペプチド系阻害剤や、NEM(N-エチルマレイミド(英語版))、PCMB(p-クロロメルクリ安息香酸)などのシステイン残基(チオール基)修飾試薬、水銀化合物添加などによる重金属イオンによって活性が阻害されております。
・フィブリンの溶融作用があるとされており、壊死組織や痂皮の除去に処方されることがございます。
・親水性基剤となっております。滲出液が多い場合にも使用することは可能です。黄色期以降に残存する壊死組織を分解除去するために使用することがございます(化学的デブリドマン)。

◆褥瘡に対しての使用方法◆
褥瘡は、いわゆる「床ずれ」のことです。皮膚に何らかの圧力が加わり、血流が悪くなると褥瘡状態になります。皮膚が壊死すると、様々な細菌に感染しやすくなってしまい、その後のケアが不適切だと、潰瘍が深くなってしまい重症化することがございます。また、創面の色調により病期が4期(黒色期、黄色期、赤色期、白色期)に分かれるます。一般的にはその状態に合わせた薬剤の選択が行われるものとなってます。

◆ブロメラインとパイナップル◆
・パイナップルに入っているタンパク質の分解酵素が肉を柔らかくする「ブロメリン」という酵素が含まれており、特定のアミノ酸を切断いたします。その効果によって肉が柔らかくなるという理屈になります。
・「ブロメリン」は、やけどや褥瘡の表面にできた硬いかさぶた、ベッドサイドで発生した褥瘡の傷などに塗布すると、少しずつではありますが、壊死がした部分が柔らかくなる効果があります。

◆ブロメラインの効果を高めるには◆
・壊死組織が硬い場合、スルファジアジン銀や亜鉛華軟膏で柔らかくしてから外科的デブリドマンを行ってください。
・その後、残った壊死組織をブロメライン軟膏で除去いたします。
・外科的デブリドマンが行えない場合は、壊死組織にメスなどで格子状に切れ目を入れると、ブロメライン軟膏が浸透しやすくなります。

◆乾燥痂皮に用いる場合◆
・ブロメライン軟膏は、痂皮の水分を吸収し痂皮を浸軟できません。つまり、加水分解が行えないということになります。
・乾燥痂皮の場合は、エレース末を使用します。
・生理的食塩水で溶解し、それを痂皮のみを被う大きさの小さなガーゼに吸収させてください。
・そののち、痂皮部分に広げ、全体をフィルム材でカバーし密閉、濡れたガーゼで痂皮を浸軟させるとともに、高濃度の蛋白分解酵素を長時間痂皮に接触させることで、加水分解をすすませます。
・交換は1日1回、1回の処置に1バイアルを使い切ってください。

▼ブロメラインの効果・作用まとめ▼
①パイナップルから作られる蛋白分解酵素【システインプロテアーゼ】の効果によって、褥瘡(床ずれ)や皮膚潰瘍の治療します。
②主に、熱傷・褥瘡(床ずれ)など、創傷面の壊死組織の分解、除去、清浄化します。
③褥瘡においては、創面の色調により薬剤の選択が変わります。
④蛋白分解酵素により蛋白質を分解し、創傷面の壊死組織を除去する効果があります。

使用方法

・潰瘍面よりやや小さめのガーゼ、リントなどに適量の軟膏をのばし、潰瘍辺縁になるべく触れないように塗布し、1日1回交換してください。
・創傷面が清浄化し、新生肉芽組織の再生が認められた場合は使用を中止してください。
・正常な皮膚に使用するのはおやめください。
・粘膜面には慎重に使用してください。
・眼科用には使用するのはおやめください。
※塗り忘れた場合は、できるだけ早く塗ってください。2回分を一度に塗るのはおやめください。

◆慎重投与◆
粘膜面(蛋白分解作用に基づく刺激作用のため)

副作用

総投与症例203例中
72例(35.47%)に副作用が認められた。
主なものは出血52件(25.62%)、疼痛33件(16.26%)、創縁のエロジオン4件(1.97%)等

※ブロメラインには、副作用が起こる可能性があります。
※ブロメラインを服用した場合、どのような副作用が起こるか知っておきましょう。

重大な副作用
・不快感
・血圧低下
・呼吸困難
・全身紅潮
・アナフィラキシーショック(不快感、血圧低下、呼吸困難、全身紅潮等)を起こすことがあります。
※症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

極めて稀な副作用ですが、重度の副作用にご注意下さい。
重篤な副作用の発生率は低いですが、用法や用量を間違えると命に危険を及ぼすような、重篤な副作用が発生する恐れもあります。
異変を感じた場合は、直ぐに医師の診察を受け指示に従いましょう。

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
・本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある方

使用に注意が必要な方
・特にありません

併用禁忌薬

併用禁忌薬
・特にありません

併用禁忌薬がないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

よくある質問
痛みがある場合、痛み止めを飲んでも大丈夫ですか?

特に問題はありません。(用法用量はお守りください)

患部に直接塗っておけば大丈夫ですか?

できるだけ患部の洗浄殺菌をし塗布することがよいと思われます。

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医薬品を使用する場合、必ず医師や薬剤師の指示に従って下さい。
医薬品を使用し、体調不良が現れた場合、我慢せずに直ちに医師の診察を受け、指示に従って下さい。