グルタチオン

成分名

グルタチオン

適応症状

薬物中毒/アセトン血性嘔吐症(自家中毒、周期性嘔吐症)/金属中毒/妊娠悪阻/妊娠高血圧症候群 など

簡易説明

グルタチオンは、3つのアミノ酸(グルタミン酸・システイン・グリシン)から成る、トリペプチドで、抗酸化作用・解毒作用などをもちます。
医療品として解毒用に用いられるほか、サプリメント感覚で全身の美白・二日酔い対策・老化防止などにも用いられることもあります。
人間の体内に備わっている生命を維持するために欠かせない成分であり、服用しても副作用はほとんどありません。

処方可能な診療科目

内科/婦人科/産婦人科 など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安  :約1,000円~3,000円
薬代1錠あたりの目安:50mg8.4円/100mg14.2円(薬価)
薬代散1gあたりの目安:20%28.4円(薬価)
薬代点眼液1mLあたりの目安:2%38.1円(薬価)
薬代注射液1管あたりの目安:100mg73円/200mg98円(薬価)
薬代後発薬1錠の目安:100mg7.4円(薬価)
薬代後発薬注射液1管あたりの目安:200mg57円(薬価)
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。

厚生労働省による認可、または発売年月日

発売年月日:1968年1月【タチオン錠50mg/100mg】

国内のジェネリック認可

国内のジェネリック認可あり

関連製品(先発薬)

タチオン錠50mg/100mg【製薬メーカー:長生堂製薬】
タチオン散20%【製薬メーカー:長生堂製薬】
タチオン注射用100mg/200mg【製薬メーカー:長生堂製薬】
タチオン点眼用2%【製薬メーカー:長生堂製薬】

関連製品(ジェネリック)

グルタチオン錠100mg「ツルハラ」【製薬メーカー:鶴原製薬】
グルタチオン注射用200mg「タイヨー」【製薬メーカー:武田テバファーマ】

効果・作用

グルタチオンは、3つのアミノ酸(グルタミン酸、システイン、グリシン)から成るトリペプチドです。トリペプチドとは、トリ(3つ)+ペプチド(アミノ酸がペプチド結合により短い鎖状につながった分子)という意味です。人体において、肝臓やほかの細胞内で作られていて、生命を維持するために欠かせない成分です。
歴史は古く、1888年にフランス人によって発見され、その後、1921年になって有名な生化学者ホプキンス博士によって再発見され、グルタチオンと名付けられました。日本では40年以上前から使用されている、安全性の高い薬です。

構造としては、通常はあまり見られないシステインのアミノ基とグルタミン酸の側鎖側のカルボキシ基との間に、アミド結合を有しているという特徴があります。抗酸化物質であるため、フリーラジカルや過酸化物といった活性酸素種から細胞を保護する補助的役割を有しており、また、硫黄部位に求核性があるため、有毒な共役受容体にアタックします。
グルタチオンは、日本薬局方に収載されている医薬品であり、健康や美容の維持に有用です。
そのため、サプリメントとして販売されていますが、日本では医薬品扱いであるため、日本の事業者はサプリメントとして販売できません。

グルタチオンには還元型 と酸化型があります。酸化型は、2分子の還元型グルタチオンがジスルフィド結合によってつながった分子です。細胞内のグルタチオンは、通常、ほとんど(98%以上)が還元型として存在するため、本記事で扱うものは、還元型のグルタチオンです。
グルタチオンの働きはたくさんありますが、中でも特に重要なのが、人間の身体をさびつきから守ってくれる強力な抗酸化作用と、薬物や毒物などの有害物質を排出する解毒作用です

●抗酸化作用
強力な抗酸化作用で過酸化水素や過酸化脂質を無毒化します。それにより身体のさびつきを防ぎ、シミなどの肌老化、病気や全身的な老化を防ぎます。グルタチオン、ビタミンC、ビタミンE、アルファリポ酸などは抗酸化ネットワークと呼ばれ、とりわけ他の抗酸化物質を補完する力が強く、酸化して働きが著しく低下した抗酸化物質を再生して、抗酸化力をよみがえらせる働きがあります。

●解毒作用
日常生活において、知らず知らずのうちに体内に侵入してしまう微量の有害ミネラルは、肝臓や腎臓の働きを衰えさせます。それにより、頭痛や疲労、ストレスなどが引き起こされます。グルタチオンは肝臓に運ばれてきた毒物を包み込んで尿中へ排泄させ、解毒します。肝臓は腎臓とともに解毒作用を司る重要なな臓器ですが、この働きの中心となっているのがグルタチオンなのです。この解毒代謝を活発にするためにも、肝臓のグルタチオン濃度を下げないようにすることが大切です。

これ以外には、美白・美肌効果、生活習慣病の予防・改善効果、肝機能を高める効果などがあると言われています。

使用方法

グルタチオンとして、通常成人1回 50~100mg を1日1~3回経口投与して下さい。なお、年齢、症状により適宜増減して下さい。

※使用上の注意事項
・PTP包装の薬剤は、PTPシートから取り出して服用するよう指導して下さい。〔PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されています。〕

副作用

その他の副作用
発疹/食欲不振/悪心・嘔吐/胃痛

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
■グルタチオンを配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方(タチオン錠の場合)は、アレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。
▼タチオン錠の有効成分
グルタチオン
▼タチオン錠の添加物
・乳糖水和物
・カルメロースカルシウム
・ステアリン酸マグネシウム
・硬化油
・軽質無水ケイ酸
・ヒドロキシプロピルセルロース
・精製白糖
・アラビアゴム末
・タルク
・リン酸水素カルシウム水和物
・カオリン
・酸化チタン
・カルナウバロウ

併用禁忌薬

併用禁忌薬
現在併用禁忌薬に該当する医薬品はありません。

併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

よくある質問
グルタチオンには美白効果があると聞きました。先日、結構しっかりと日焼けしてしまったので、早く元の肌に戻りたいです。飲めば元に戻るのが早くなったりしますでしょうか。

色素沈着の効果があるので美白効果があると言われますが、そこまでの効果はありません。つまり、飲むと直ちに色が白くなったり、早く肌が元に戻るということはありません。ちなみに、何かを飲んだり塗ったりしても皮膚の色は変えられません。焼けた皮膚は、新陳代謝を経て徐々に白くなっていきます。今後は、日焼け止めクリームで紫外線を防止するのがよろしいかと思います。

グルタチオンは、錠剤で摂取するのと点滴とでは、どちらが効果的でしょうか?

点滴の方が体内に吸収されやすいため、より効果的です。もちろん錠剤で摂取する方がはるかに手軽な訳ですが、強い効果を求めるのであれば、注射や点滴を検討されても良いかと思います。

グルタチオンはパーキンソン病に効くと聞いたのですが、どうなのでしょうか。

錠剤の適応症状としてはパーキンソン病は挙げられていません。ただ、パーキンソン病患者の脳内においてグルタチオンが減少していることがわかっており、大量のグルタチオンを点滴する治療法が試みられています。一説には6~7割の方に改善効果が期待できると言われています。なお、自費診療のみで、保険は使えません。

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