メラトニンの特徴と働き・分泌を増やす方法やセロトニンとの関係を解説

メラトニンの特徴と働き・分泌を増やす方法やセロトニンとの関係を解説 睡眠

メラトニンとは

メラトニンとは、「睡眠ホルモン」とも呼ばれるホルモンで、脳の「松果体」というところから分泌されます。
必須アミノ酸の1つである、「トリプトファン」から作られます。
睡眠ホルモンと呼ばれているのは、人間の覚醒と睡眠を切り替える働きあり、自然な眠りをもたらす作用があるためです。
メラトニンは、自然な眠りをもよおすほかにも、抗酸化作用によって細胞の新陳代謝を促進したり、疲れをとってくれるため、病気の予防や老化の防止にさまざまな効果が期待されている注目のホルモンです。

代表的な製薬
●ロゼレム
ロゼレムはベンゾジアゼピン受容体作動薬と比較すると効果はマイルドで、自然に近い眠りを導いてくれます。そのため、即効性は比較的少なく、物足りないと感じる方もいるかもしれませんが、大きな副作用が少ないとされており、安全性に優れた睡眠薬です。

商品名ロゼレム
画像ロゼレム
有効成分ラメルテオン8mg
効果不眠症における入眠困難の改善
用法用量成人には1回8mを就寝前に経口投与します。
メーカー武田薬品工業、東和薬品、日本ジェネリックなど
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<メラトニンを含む関連商品①>
●メロセット
メロセットは、メラトニンを有効成分として含む薬剤で、睡眠不足の改善や、寝つきの改善に効果が期待されています。
ほかにも時差ボケによるホルモンバランスを改善して、質のよい睡眠をもたらします。就寝前に1~3錠を服用します。

商品名メロセット
画像メロセット画像
有効成分メラトニン3mg
メーカーアリスト
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<メラトニンを含む関連商品②>
●メラトニンスプレー【舌下タイプ】
メラトニンスプレー【舌下タイプ】は、ネイチャーズプラス社が製造・販売している薬剤で、舌下にスプレーして睡眠をサポートします。
体内リズムを整えるメラトニン以外にもリラックス効果や心を落ち着かせる作用があるGABAも含まれています。
睡眠の30分前に1プッシュ舌裏にふきかけ、20秒キープした後に飲み込んでください。

商品名メラトニンスプレー【舌下タイプ】
画像メラトニンスプレー【舌下タイプ】画像
有効成分ビタミンE0.67mg/ビタミンB6 2.5mg/メラトニン1.5mg/GABA2500mcg
メーカーNatures Plus(ネイチャーズプラス)
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メラトニンの特徴と働き

メラトニンの特徴は、季節のリズムや睡眠のリズムなど人間の体に必要なリズムを調節することです。
主な働きとして体内リズムの調整」、「質のよい睡眠」、「老化防止」の3種類がありますので、ご紹介します。

体内リズムを調整

メラトニンは、体内リズムを調整する働きがあります。
朝光を浴びると、人間の体内時計がリセットされて、活動状態に変わります。
同時に、活動状態に変わるとメラトニンの分泌が止まりますが、その14~16時間後に再びメラトニンが分泌されるようになります。
メラトニンは、夜に近づいたときに徐々に分泌量を増やすことで、自然な眠りを誘うはたらきがあります。

質のよい睡眠

メラトニンには睡眠を催す効果が認められており、朝日を浴びた14~16時間後に分泌量が増えるとされています。
メラトニンの分泌が増えれば、覚醒力が減少し、眠気が増大します。そのため、メラトニンは自然に質のよい睡眠をもたらすのです。

老化防止

メラトニンは抗酸化作用も認められています。人間の体で酸化が進むと、老化を進めてしまったり、がんの原因となったり、しわやしみの原因となることが知られています。
メラトニンはこのような身体を守る作用があります。メラトニンの抗酸化作用は抗酸化物質として知られるビタミンCやビタミンEよりも強いといわれています。

メラトニンとセロトニンの関係

セロトニンというホルモンは、運動や学習に関わる神経伝達物質である「ドーパミン」やストレスを感じた時に放出される神経伝達物質である「ノルアドレナリン」を抑制して、精神を安定させる作用を持つホルモンです。
メラトニンと同じく、必須アミノ酸「トリプトファン」から作られます。
メラトニンが夜にかけて分泌が増えていく一方で、セロトニンは朝にかけて分泌が増えます。
反対の立場のようにも見えますが、実はメラトニンを作るためにセロトニンは欠かせないのです。
そのため、セロトニンが減少していると、メラトニンも十分に作られない恐れがあります。
メラトニンを増やすためには、セロトニンを増やすことも重要であることが分かります。

メラトニンの分泌を増やす方法

体内時計の調節にはメラトニンをしっかり分泌させることが大切ですが、分泌を増やす方法について3つ紹介します。

照明の明るさを控えめにする

メラトニンの分泌は光によって調節されています。
そのため、強い光を浴びすぎてしまうと、体内時計が乱れ、メラトニンが正常量分泌されなくなる可能性があります。
特に夜に限ると、家庭用の照明くらいの明るさでも体内時計を遅らせてしまう力があるともいわれています。ですので、部屋の照明を光が強い白系のものから暖色系のものに変えることもおすすめです。
また、パソコンやケータイなどのブルーライトを放出するものもメラトニンの分泌量を低下させてしまう可能性があります。
体が間違えて昼と誤認してしまい、体内時計がどんどん乱れていきますので、照明の明るさはなるべく弱く、そして寝る前に電子機器を使用しないことがメラトニン増加のポイントと考えられます。

朝日を浴びる

朝日を浴びるとセロトニンが分泌されます。セロトニンとメラトニンの関係のパートでもご紹介したように、メラトニンはセロトニンを原料として作られていますので、セロトニン量を増やすことが、メラトニン量を増加させることにつながります。
また、メラトニンは朝日を浴びた後14~16時間後に再分泌されますので、適切な時間に朝日を浴びるとメラトニンを増やすことにつながります。
まずは朝起きてカーテンを開けるところから始めると良いでしょう。

食事改善

メラトニンを増やすために食事改善も効果的とされています。
セロトニンを作る栄養素として、「トリプトファン」や「ビタミンB6」、「炭水化物」などがあげられます。
トリプトファンを多く含む食材としては、さくらえびの素干しやきな粉、生の数の子、焼きのり、ナチュラルチーズ、納豆や木綿豆腐などがあります。
日本人になじみの深い食品も多く含まれているので、日ごろの食事に積極的に取り入れていきましょう。
また、にんにくやまぐろやかつおなどビタミンB6を多く含む食品や炭水化物などもセロトニンのもととなる成分を含むとされています。

メラトニン関連サプリ

メラトニンを摂取する方法として、サプリメントからとる方法もあります。
サプリメントは健康な人が栄養素を補うために服用するものです。
サプリメントといっても、眠れないからと言ってたくさん摂取はしないよう注意しましょう。

<メラトニンを含むサプリメント関連商品①>
●スリープスターター【パッチMD】
スリープスターター【パッチMD】は、貼るタイプの睡眠導入サプリメントです。
睡眠薬をいきなり使用するには抵抗がある方で、軽度の症状で寝つきを良くしたいといった方におすすめです。肌に直接貼るため、即効性が期待されます。

商品名スリープスターター
画像メラトニンスプレー【舌下タイプ】画像
有効成分マグネシウム(リンゴ酸Mg)41.32mg/カノコソウ根(セイヨウカノコソウ)5:1エキス27mg/ホップ5:1エキス(花)16.53mg/5-HTP(グリフホニアシンプリシホリア)(種子) 8.15mg/メラトニン7mg
メーカーPatchMD(パッチMD)
URLスリープスターター【パッチMD】の購入ページはこちら

メラトニンに関するよくある質問

メラトニンに関するよくある質問画像
Q
メラトニンの薬剤は、どんな人でも投与できるのでしょうか?
A

メラトニンは成分に過敏症を起こしたことがある方と、高度の肝機能障害の患者さん、フルボキサミンマイレンを服用中の方は使用ができません。
特に、フルボキサミンマイレンとメラトニンを併用すると、メラトニンの作用が強まり、副作用が強く出てしまう恐れがあります。

Q
メラトニンを長い間飲み続けていると、効果が弱まったり、耐性ができてしまうことはありますか?
A

メラトニンは自然な眠りを促す作用を持っており、これまでの不眠症治療薬ベンゾジアゼピン系の薬剤と比較して飲み続けても効果が弱まりにくいことがわかっています。
実際に、メラトニン受容体作動薬として販売されている武田薬品工業の「ロゼレム」では、6カ月間連続で投与した患者さんにおいても効果が弱まらなかったことが試験で認められています。

Q
年齢によるメラトニン分泌量の変化はありますか?
A

メラトニンは年齢が上がるほど、分泌量が低下していくとされています。
そのため、高齢になると朝早く起きすぎてしまったり、睡眠の質が低下してしまいます。

Q
メラトニンは具体的にどのような症状に使用されるのでしょうか?
A

寝つきが悪くなった、眠りの質が低下した、海外旅行から帰ってきて時差ボケが治らない、朝早く起きすぎてしまう、などの症状によく使用されます。
子供にも使用されることもあります。

Q
メラトニンを有効成分として含む薬剤の副作用で主なものは何がありますか?
A

頭痛やめまい、吐き気や眠気などがあります。
特に眠気は、個人差がありますが長く薬が残ってしまう方は、起きた後にも頭がぼーっとしてしまうことがあります。
そのため、メラトニンの薬剤を服用してから5時間ほどは運転などの危険な作業には従事しないよう注意しましょう。

最後に

メラトニンは、人間の体内時計を調節する大切なホルモンです。
質のよい睡眠や、朝しっかり起きられるようになるためには、メラトニンがしっかりと分泌されている必要があります。
メラトニンの分泌量が減少すると、体内時計がどんどん乱れて、生活習慣病の悪化を引き起こすこともあります。
そのため、最近睡眠の質が落ちてきた方や、寝つきがあまりよくない方は、生活習慣を整えメラトニンが分泌されやすい環境を作れるよう意識していきましょう。
また、生活習慣のみで改善が難しい場合は、メラトニンサプリメントやメラトニンの薬剤を服用していくこともおすすめです。

出典

日本比較生理生化学会 服部 淳彦「メラトニンとエイジング」
不眠と体内時計について考える 体内時計jp 武田薬品工業
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