糖尿病治療薬カナグルはダイエットに効果的?意外な使い方と注意点を解説!

糖尿病治療薬カナグルはダイエットに効果的?意外な使い方と注意点を解説! ダイエット

カナグルとは

カナグルとはイメージ画像

カナグルは、主成分カナグリフロジンを含む2型糖尿病のお薬です。
「SGLT2阻害薬」という種類に分類され、血液中の余分な糖を尿として体の外に出すことで血糖値を下げる働きがあります。

普段、私たちの体では腎臓が血液をろ過する際に、大切な栄養である「糖」も再吸収しています。しかし糖尿病の方は血液中の糖が非常に多すぎる状態です。
そこでカナグルが「SGLT2」というタンパク質の働きをブロックして、余分な糖を尿と一緒に排出させることによって血糖値を下げるのです。
一日一回、朝食前または後に飲むシンプルな使い方も魅力的なポイントです。
そんなカナグルですが主な効果として以下3点が挙げられます。

カナグルの主な効果

①血糖値を改善する
②腎臓の負担を軽くする(糸球体の圧力を下げる)
③2型糖尿病に伴う慢性腎臓病の進行を遅らせる

血糖値を下げるだけのように思えますが、実は腎臓を守る効果もあるのが特徴です。
カナグルは腎臓の「糸球体」という部分(毛糸の玉のような形をしたろ過装置)の負担を減らし、腎機能低下を抑えることができます。

さらに近年ダイエット目的での使用をする方も増えてきています。
カナグルは血糖を下げると同時に体重を減少させる効果が認められています。
もしカナグルを入手しようとした場合、日本では基本的に病院を受診しなければ購入することはできません。
糖尿病患者であれば保険適応で安く入手できますが、ダイエット目的であれば10割全額自己負担ですのでどうしても価格が気になりますよね。
長く服用するものなのでできるだけ安価に入手したいものです。

当サイトメデマートでは、カナグルのジェネリック医薬品の取り扱いがあるのでご紹介いたします。
こちらのサイトでは個人輸入という形で簡単に入手することが可能です。

商品名インボカナ
画像インボカナ
有効成分カナグリフロジン水和物100mg/300mg
メーカーJanssen Pharmaceutical(ヤンセンファーマ)
購入ページインボカナの購入はこちら

カナグルは誰でも服用できるわけではありません。
たとえば、アレルギー体質の方、感染症にかかっている方、腎不全や透析中の方、手術の予定がある方は使用できません。
妊娠中・授乳中の方、小児、高齢の方は注意が必要です。
また、他の血糖降下薬やインスリン注射を使っている方は、低血糖が起こりやすくなるため一緒に使用する場合には特に注意が必要です。
お薬やサプリメントを併用する場合は、必ず問題ないか確認を取った上で摂取するようにしましょう。

カナグルを服用する際3つの注意点があります。
糖尿病の方も、ダイエット目的の方も、以下の3点を心がけるようにしましょう。

①水分をしっかり摂る

尿量が増えるため、脱水予防が大切です。

②低血糖対策をする

ブドウ糖などを常に持ち歩きましょう。

③尿路感染症対策をする

シャワーだけでも良いので毎日しっかり身体をきれいにすることが大切です。

カナグルは効果的なお薬ですが、正しく使うことでその効果を最大限に引き出すことができます。

カナグルはダイエットに効果があるのか?

カナグルのダイエット効果イメージ画像

海外で行われた研究によると、カナグルの主成分であるカナグリフロジンを中高齢の肥満者に投与した結果、明らかな体重減少効果が確認されました。

この研究では、平均年齢44.8歳、平均体重101.3kg、平均BMI37.0の方々を対象にカナグルを50mg・100mg・150mgを投与した実験が行われました。
12週間投与したグループの中では、最高で100mg(日本での標準用量と同じ)投与群において2.9%(約2.8kg)の体重減少が見られました。
一方、偽薬(プラセボ)を投与したグループでは平均1.3%(約1.1kg)の減少に留まりました。
全体の平均を見ると約1.6%(1.7kg)体重減少が見られました。
(1) https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/24227660/)

でも、なぜ糖尿病の薬がダイエットに効くのでしょうか?
通常、血液中の糖(ブドウ糖)は体のエネルギー源として大切なので、腎臓でろ過された後も尿細管で再び吸収され、体内に戻ります。
この再吸収を担っているのが「SGLT2」というタンパク質です。
カナグルはこのSGLT2の働きを阻害するため、本来なら体に戻るはずの糖が尿と一緒に排出されてしまいます。
1日あたり約100gの糖が尿として出ていくと考えられており、これはカロリーに換算すると約400kcal(ご飯茶碗1~2杯分程度)に相当します。

体内に余分な糖が残ると中性脂肪として蓄積される可能性があるため、カナグルで糖を排出することで、太りにくい体質になるというわけです。
カナグルを服用することで得られる効果をまとめると以下の3点になります。

①体重減少とむくみ解消

研究でも示されたように、カナグルには緩やかな体重減少効果があります。
また、尿の量が増えることで水分が排出されやすくなり、むくみの解消にも役立ちます。
特に、むくみが原因で体重が減りにくいと感じている方には効果的かもしれませんね。

②高血糖の予防

カナグルは本来、血糖値を下げるための薬です。
高血糖状態が続くと、全身の血管にダメージを与え、神経症状や腎機能低下、さらには脳卒中や心筋梗塞などの重大な病気のリスクも高まります。
カナグルで血糖値をコントロールすることは、健康維持にとても重要です。

③合併症の予防

最近では、カナグルには心不全や心血管疾患、腎臓病の予防効果もあることがわかってきました。
単なるダイエット効果だけでなく、健康面でも多くのメリットがあります。

カナグルには確かに体重減少効果がありますが、劇的なダイエット効果を期待するのは現実的ではありません。
ただし、適切な食事管理や運動と組み合わせることで、より効果的な体重管理が期待できるでしょう。

カナグルをダイエット目的で使うリスクと副作用

カナグルのリスクと副作用

カナグルは尿と一緒に糖を排出する作用があるため、体重減少につながる可能性があります。
しかし、医療目的以外での使用には重大なリスクが伴うことを忘れてはいけません。
今回は、カナグルをダイエット目的で使用する危険性について、副作用を中心にご紹介します。

まず押さえておきたいのは、カナグルは日本国内で「ダイエット薬」として承認されていない点です。
美容目的での使用は保険適応外となるため、万が一健康被害が生じても「医薬品副作用被害者救済制度」の対象外となってしまいます。
つまり、自己責任での使用となるわけです。
またカナグルの副作用には以下に記載の内容が報告されています。

①低血糖のリスク

カナグルは血糖値を下げる作用があります。
ダイエット中で食事制限と併用すると、血糖値が危険なレベルまで下がる「低血糖」を引き起こすこともあります。
冷や汗、手の震え、極度の空腹感、めまい、意識障害などの症状が現れたら要注意です。
重症の場合、生命に関わる事態になることもあるのです。

②頻尿と脱水の問題

名前の通り、このお薬は尿から糖を排出するため、トイレの回数が増えます。
水分補給が不十分だと脱水症状を引き起こす恐れがあります。
のどの渇き、だるさ、めまいなどを感じたら、脱水のサインかもしれません。
特に暑い季節や運動時は注意が必要です。

③胃腸トラブル

便秘や下痢、腹痛、吐き気・嘔吐といった胃腸障害も報告されています。
食事制限によるストレスと相まって、症状が悪化することもあります。

④その他の副作用

発疹、全身倦怠感、食欲低下、排尿時の痛みなど、生活の質を低下させる症状も見られます。
さらに重篤な場合、ケトアシドーシス(血液が酸性に傾いた状態)を引き起こすこともあり、吐き気・嘔吐、意識低下、呼吸の変化などの症状が現れます。

カナグルと他のダイエット薬との比較

カナグルは2型糖尿病治療薬のSGLT2阻害薬で、血糖値の改善に加え尿中への糖排出による体重減少効果も報告されています。ただし、ダイエット薬としての承認はなく、減量目的での使用は適応外です。
下表は、代表的な体重減少効果を持つ医薬品の特徴と、効果があらわれるまでの目安期間をまとめたものです。

薬剤名カナグル
(カナグリフロジン)
リベルサス
(セマグルチド)
オルリスタットメトホルミンサノレックス
(マジンドール)
種類
分類
SGLT2阻害薬GLP-1受容体作動薬脂肪吸収阻害薬ビグアナイド系食欲抑制剤
(中枢刺激)
主な作用機序腎臓での糖再吸収阻害により尿中に糖排出食欲抑制・胃排出遅延膵リパーゼ阻害により脂肪吸収抑制肝臓での糖新生抑制、インスリン感受性改善脳の食欲中枢抑制
体重減少効果
(目安)
約2〜4kg約5kg以上約2〜3kg約1〜3kg約3〜6kg
(短期使用)
効果が出るまでの期間
(目安)
4〜12週間12週間以上
(継続使用で増加)
4週間以上8〜12週間2〜4週間以内
主な適応症2型糖尿病2型糖尿病(日本)
肥満症(海外承認)
肥満症2型糖尿病肥満症
注意点脱水・尿路感染症リスク、医師指導必須吐き気・便秘など消化器症状脂肪便、腹痛など消化器症状胃腸障害、稀に乳酸アシドーシス依存性、動悸、興奮など注意

カナグルはこんな人に向いている?

カナグルが向いている人イメージ画像

カナグルは血糖値を下げるだけでなく、体重減少や心血管疾患リスクの低減など、複数の効果が期待できる薬として注目されています。
しかし、全ての人に適しているわけではありません。
たとえば、低血糖を起こす恐れのある患者であったり腎臓や肝臓に高度の機能障害がある方、妊婦授乳婦や高齢者などは使用することは推奨されません。
カナグルには特に効果的な方とそうでない方がいるのです。
また、適切な使用法を守ることで、より良い効果を得られることも分かっています。

ではどのような方にカナグルは向いているのでしょうか?
ここからは、カナグルが特に向いている方の特徴と、その理由について詳しく解説していきます。
糖尿病治療において、患者さんの体質や生活習慣に合った薬を選ぶことは非常に重要です。
カナグルの特性を理解し、あなたの状況に合っているかどうかを判断するための情報をご紹介します。

肥満を伴う糖尿病の方

カナグルは、特に「肥満を伴う2型糖尿病」の方に大きなメリットをもたらします。
なぜなら、この薬には血糖値を下げる効果と同時に、体重減少効果も期待できるからです。
通常、多くの糖尿病治療薬(特にインスリンやチアゾリジン系薬剤)では体重増加が副作用として問題になることがありますが、カナグルではむしろ反対に、平均で2~4kg程度の体重減少が見られることが臨床試験で確認されています。(佐藤吉彦 : 信州医誌 2015; 63(1): 9-18)
これは尿中に糖を排出することでカロリーロスが生じるためです。
さらに、カナグルは内臓脂肪の減少にも効果があり、メタボリックシンドロームの改善にも役立ちます。

BMIが25以上の肥満を伴う糖尿病患者さんでは、血糖コントロールと体重管理の両方が課題となりますが、カナグルはこの両方にアプローチできる点が大きな強みです。
また、肥満に伴う高血圧がある方にも有用性が高く、軽度の血圧低下効果も報告されています。
ただし、既に低血圧傾向のある方や高齢者では、過度の血圧低下に注意が必要です。
HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)が7.0から8.5程度の中等度の血糖コントロール不良例で、かつ肥満がある方は、特に良い適応となるでしょう。

食事制限・運動が難しい方への補助的役割

2型糖尿病の患者やダイエット目的でカナグルの使用を検討される方の中には、様々な理由で食事制限や運動療法が難しいケースがあります。
忙しい仕事環境、身体的な制約、あるいは過去の食事制限で挫折経験がある方など、従来の方法でのダイエットに困難を感じている方にとって、カナグルは有用な選択肢となり得ます。

カナグルの作用機序は「食べたものの一部(糖分)を尿として排出する」というもので、極端な食事制限をしなくても一定のカロリー制限効果が期待できます。
1日あたり約400kcalのエネルギーが尿中に排出されると言われており、これは軽いジョギング60~90分程度に相当します。
特に、膝や腰に問題があり運動が制限される方、長時間のデスクワークで活動量が確保しにくい方、交代勤務などで規則正しい生活習慣を維持できない方などには、生活習慣改善の補助として役立つ可能性があります。
ただし、カナグルはあくまで「補助的な役割」であることを忘れてはいけません。
できる範囲での食事の改善や、無理のない範囲での体を動かす習慣との組み合わせが理想的です。

また、「薬に頼れば何を食べても大丈夫」という考え方は危険で、基本的な栄養バランスへの配慮は必要です。
薬の効果を最大限に引き出し、リバウンドを防ぐためにも、管理栄養士や医師の指導を受けながら、少しずつでも生活習慣の改善に取り組むことをおすすめします。
カナグルは「魔法の薬」ではなく、健康的な生活への第一歩を支える「パートナー」と考えるのが良いでしょう。

まとめ

カナグルは本来、2型糖尿病の治療薬として開発されたお薬ですが、尿から糖を排出する仕組みによって、体重減少効果も期待できることがわかってきました。
研究では12週間の服用で平均2~3kgの減量効果が報告されています。
ただし、ダイエット目的での使用は医師の処方が必要な適応外使用となります。
頻尿や尿路感染症、脱水などの副作用リスクもあるため、自己判断での服用は危険です。
特に健康な人が使用すると低血糖を起こす可能性もあります。
他のダイエット薬と比べると、カナグルは即効性よりも緩やかな体重減少が特徴で、血圧や血糖値の改善といった健康面のメリットも期待できます。
向いているのは、肥満を伴う2型糖尿病の方や、食事制限や運動が難しい方の補助的な役割としてです。
あくまで医師の指導のもとで使用し、健康的な食生活や適度な運動と組み合わせることが大切です。

ダイエット効果に注目が集まるカナグルですが、薬には必ず両面性があります。
効果を過大評価したり、安易に使用したりするのではなく、医師または薬剤師に相談しながら、自分に合った健康管理の選択肢の一つとして考えると良いでしょう。

出典

カナグル錠100mg添付文書
1) Canagliflozin: effects in overweight and obese subjects without diabetes mellitus
2) カナグル適正ガイド
佐藤吉彦 : 信州医誌 2015; 63(1): 9-18
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