成分名 |
カナグリフロジン水和物 |
適応症状 |
2型糖尿病
2型糖尿病を合併する慢性腎臓病
(ただし、末期腎不全又は透析施行中の患者を除く) |
簡易説明 |
通常、2型糖尿病、2型糖尿病を合併する慢性腎臓病の治療に用いられるお薬です。
腎臓で糖を再吸収する役割を持つたんぱく質(SGLT2)を阻害し、血中に過剰に存在する糖を尿中へ排せつすることで血糖値を下げます。また、血液をろ過する糸球体内の圧力を下げるなど、その他さまざまな作用によって、腎臓の機能低下を抑制します。
国内では6番手のSGLT2阻害薬になります。 |
処方可能な診療科目 |
内科/糖尿病内科など |
健康保険の適応 |
健康保険適応 |
病院で処方してもらう時の費用目安 |
診察料などの目安:約1000円~3000円程度
カナグル錠100mg1錠あたり169.1円(薬価)
※病院によって差が有り。薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。 |
厚生労働省による認可、または発売年月日 |
2014年9月【発売開始年月日】 |
国内のジェネリック認可 |
なし |
関連製品(先発薬) |
カナグル錠100mg【製薬メーカー:田辺三菱製薬】 |
関連製品(ジェネリック) |
なし |
効果・作用 |
糖尿病は、血液中の血糖(ブドウ糖)が適正な量を超えて増えてしまった状態で、血糖値が高い状態が続くと様々な合併症がおこります。
血糖値は糖が血管内へ吸収されると上昇します。腎臓において尿(原尿)が送られる管に尿細管というものがあります。尿細管の一部では尿から血管へ糖などの吸収(再吸収)が行われています。尿細管から血管へ糖を運ぶ役割を果たしているのがSGLT2という物質です。このSGLT2の働きを阻害すると血管への糖の再吸収が阻害され、尿中に残った糖はそのまま尿として体外へ排泄されます。血管への糖の吸収が阻害されるため、結果として血液中の糖の量が減り、血糖値が下がります。カナグル錠(SGLT2阻害薬)は、このような作用によって血糖値を下げる効果をあらわします。
尿から糖が排泄されるため、カナグル錠の特徴的な副作用の一つに脱水があります。また尿中の糖濃度が高いため尿路感染症にかかりやすい場合もあり注意が必要です。
なお、カナグル錠は体液量調節を介した血行動態に対する作用などにより、慢性心不全などの糖尿病以外の病態に対する有用性も考えられております。
カナグル錠は、田辺三菱製薬が創製した世界初の経口SGLT(ナトリウム-グルコース共輸送体)阻害物質T-1095をルーツとする日本発のSGLT2阻害剤です。
日本では、2014年7月に製造販売承認取得しています。また、2022年6月20日、カナグル錠の効能・効果に「2型糖尿病を合併する慢性腎臓病(ただし、末期腎不全または透析施行中の患者は除く)」を追加することが承認されました。
【SGLT-2阻害薬とは】
SGLT2阻害薬は、SGLT2(ナトリウム依存性グルコース輸送担体)の働きを抑え、尿細管でブドウ糖が血液に戻らないようにしてブドウ糖を尿から排泄します。この結果、血糖が下がります。糖と一緒に水分も排泄されるため、尿の量が増えます。つまり、ブドウ糖の再取り込みを抑制し、尿糖の排泄を促進させ血糖を下げるお薬です。
多くの糖尿病治療薬(α-グルコシダーゼ阻害薬を除く)は、インスリンの分泌や作用を介して血糖を下げていますが、SGLT2阻害薬は、インスリン分泌には直接作用しないので、ほかの薬と併用しなければ低血糖を起こす危険性は低く、体重減少も期待できます。
DPP-4阻害薬は主に空腹時血糖を下げますが、SGLT-2阻害薬は全体的に下げます。
DPP-4阻害薬の登場から5年。 SGLT-2阻害薬の登場は、今後の2型糖尿病の薬物療法において新たな選択肢が増えたといえます。 |
使用方法 |
通常、成人は1回1錠(カナグリフロジンとして100mg)を1日1回朝食前または朝食後に服用します。必ず指示された服用方法に従ってください。
飲み忘れた場合は、忘れた分は飲まないで1回分をとばして、次の通常の服用時間に1回分を飲んでください。絶対に2回分を一度に飲んではいけません。
誤って多く飲んだ場合は医師または薬剤師に相談してください。
医師の指示なしに、自分の判断で飲むのを止めないでください。 |
副作用 |
主な副作用
カナグル錠には、副作用が起こる可能性があります。
カナグル錠を服用した場合、どのような副作用が起こるか知っておきましょう。
浮動性めまい/体位性めまい/頭痛/便秘/歯周炎/腹部膨満/上腹部痛/下痢/胃炎/胃食道逆流性疾患/悪心
■カナグル錠の注意すべき副作用
低血糖/脱水/口渇/多尿/頻尿/血圧低下/腎盂腎炎/浮動性めまい/体位性めまい/頭痛
重大な副作用
低血糖/脱水/口渇/多尿/頻尿/血圧低下/腎盂腎炎/低血糖症状/脳梗塞/血栓・塞栓症/ケトアシドーシス/糖尿病性ケトアシドーシス/フルニエ壊疽/敗血症/外陰部壊死性筋膜炎/会陰部壊死性筋膜炎/敗血症性ショック
極めて稀な副作用ですが、重度の副作用にご注意下さい。
◇◇
重篤な副作用の発生率は低いですが、用法や用量を間違えると命に危険を及ぼすような、重篤な副作用が発生する恐れもあります。
異変を感じた場合は、直ぐに医師の診察を受け指示に従いましょう。
その他の副作用
頻脈/心室性期外収縮/起立性低血圧/白血球増加症/赤血球増加症/膀胱炎/尿路感染/緊張性膀胱/夜間頻尿/接触性皮膚炎/湿疹/皮膚そう痒症/発疹/蕁麻疹/中毒性皮疹/結膜炎/回転性めまい/突発難聴/外陰部腟カンジダ症/性器カンジダ症/腟感染/外陰部炎/亀頭炎/亀頭包皮炎/良性前立腺肥大症/陰部そう痒症/外陰腟そう痒症/代謝異常/ケトーシス/無症候性低血糖/血中ケトン体増加/血中クレアチニン増加/血中カリウム増加/ヘマトクリット増加/尿中血陽性/赤血球数増加/尿中アルブミン/クレアチニン比増加/尿中ケトン体陽性/尿量増加/無力症/胸部不快感/空腹/倦怠感/背部痛/体重減少/失神/低血圧
※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。 |
使用に注意が必要な方 使用出来ない方 |
使用が出来ない方 ■カナグリフロジンを配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方(カナグル錠100mgの場合)は、アレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。
▼カナグル錠100mgの有効成分
カナグリフロジン水和物102mg
(カナグリフロジンとして100mg)
▼カナグル錠100mgの添加物
D-マンニトール/ヒドロキシプロピルセルロース/クロスカルメロースナトリウム/フマル酸ステアリルナトリウム/タルク/ポリビニルアルコール(部分けん化物)/マクロゴール4000/酸化チタン/黄色三二酸化鉄/三二酸化鉄
・過敏症
・高度腎機能障害
・重症感染症
・重症ケトーシス
・重篤な外傷
・手術前後
・糖尿病性前昏睡
・糖尿病性昏睡
・1型糖尿病
・透析中の末期腎不全
・妊婦・産婦
使用に注意が必要な方 ・栄養不良状態
・過度のアルコール摂取
・感染症
・飢餓状態
・食事摂取不良
・腎機能障害
・高度肝機能障害
・体液量減少
・脱水
・低血糖
・尿閉
・脳下垂体機能不全
・排尿困難
・激しい筋肉運動
・不規則な食事摂取
・副腎機能不全
・乏尿
・無尿
・尿路感染
・利尿剤併用
・利尿薬併用
・食事摂取量不足
・中等度腎機能障害
・インスリン分泌能低下
・性器感染
・血糖コントロールが極めて不良
・インスリン製剤減量
・インスリン製剤中止
・過度な糖質摂取制限
・脳・心血管疾患の既往を有する血糖コントロール不良な2型糖尿病
・脳・心血管疾患の高いリスクを有する血糖コントロール不良な2型糖尿病
・Child-Pugh分類で合計スコア9超
・高齢者
・授乳婦
・新生児(低出生体重児を含む)
・乳児
・幼児・小児
・高齢者
・虚弱者(衰弱者を含む)
【投与に際する指示が必要な方】
・尿閉
・排尿困難
・乏尿
・無尿
・妊婦・産婦
上記にあてはまる方は、カナグル錠を使用する事が出来ない可能性があります。
カナグル錠を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。
上記にあてはまる方は、カナグリフロジン水和物を使用する事が出来ない可能性があります。 カナグリフロジン水和物を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。 |
併用禁忌薬 |
併用注意薬 糖尿病用薬/スルホニルウレア剤/速効型インスリン分泌促進薬/α-グルコシダーゼ阻害薬/ビグアナイド系薬剤/チアゾリジン系薬剤/DPP-4阻害薬/GLP-1受容体作動薬
インスリン製剤等/血糖降下作用を増強する薬剤/β-遮断剤/サリチル酸剤/モノアミン酸化酵素阻害剤等/血糖降下作用を減弱する薬剤/アドレナリン/副腎皮質ホルモン/甲状腺ホルモン等/ジゴキシン/リファンピシン/フェニトイン/フェノバルビタール/リトナビ等/利尿作用を有する薬剤/ループ利尿薬/サイアザイド系利尿薬等
上記を使用している方は、カナグリフロジン水和物を使用する事が出来ない可能性があります。 カナグリフロジン水和物を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。
併用禁忌薬 報告なし
併用禁忌薬がないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です 現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。 |
よくある質問 |
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