成分名 |
イロプロスト |
適応症状 |
肺動脈性肺高血圧症
※WHO機能分類クラスIにおける肺動脈性肺高血圧症への安全性および有効性は確立していません。
※イロプロストの投与に関しては、最新の肺動脈性肺高血圧症治療に対するガイドラインを参考にした上で使用するかどうかを判断する必要があります。 |
簡易説明 |
イロプロストはプロスタサイクリンの一種であり、肺動脈性肺高血圧症の治療に使用されます。作用メカニズムは大きく2つあります。1つ目は、肺動脈性肺高血圧症によって引き起こされる肺動脈の収縮を緩和して血管を拡張させる作用であり、2つ目は、血管内皮細胞の増殖を抑制することによって血栓の形成を抑制する作用です。 |
処方可能な診療科目 |
内科/循環器内科など |
健康保険の適応 |
健康保険適応 |
病院で処方してもらう時の費用目安 |
診察料などの目安 :約2,000円~3,000円
薬代1管あたりの目安:10µg約1,865円
薬代後発薬1管の目安:現在ジェネリック医薬品の製造はありません。
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。 |
厚生労働省による認可、または発売年月日 |
発売年月:2016年5月 |
国内のジェネリック認可 |
現在ジェネリック医薬品の製造はありません。 |
関連製品(先発薬) |
ベンテイビス(バイエル薬品) |
関連製品(ジェネリック) |
現在ジェネリック医薬品の製造はありません。 |
効果・作用 |
イロプロストはプロスタサイクリンの一種であり、肺動脈性肺高血圧症の治療に使用されます。肺動脈性肺高血圧症は肺動脈に高い血圧がかかって肺血管が狭くなり、肺動脈内の血流が制限される病気です。肺血管の狭窄によって、肺動脈にかかる負荷が増加し心臓が負担されます。この結果、右心不全や肺高血圧症の進行などの合併症が発生することがあります。
イロプロストはプロスタグランジンI2と同様の効果を示します(血管平滑筋および血小板のプロスタグランジンI2受容体という部位に作用して、アデニレートシクラーゼを活性化し、最終的に細胞内cAMP産生を促進させます)。
具体的なイロプロストの作用メカニズムは大きく2つあります。1つ目は、肺動脈性肺高血圧症によって引き起こされる肺動脈の収縮を緩和して血管を拡張させます。
2つ目は、肺動脈性肺高血圧症によって引き起こされる血栓の形成を抑制する効果も持ちます。肺動脈性肺高血圧症では、肺血管内皮細胞の異常な増殖によって血管内壁に損傷が生じることがあります。この損傷によって血液中に出血が起こり、血栓が形成されることがありますがイロプロストは、血管内皮細胞の増殖を抑制することによって、血栓の形成を抑制することができます。 |
使用方法 |
成人(15歳以上)の場合:初回、イロプロストとして1回2.5マイクログラムを、ネブライザを用いて吸入してください。その後、イロプロストの副作用の出やすさを確認した上で2回目以降に関しては1回5.0マイクログラムに増量し、1日6〜9回吸入してください。1回5.0μgで副作用が発現し、耐えられないような状態の場合には、1回2.5マイクログラムに減量する必要があります。吸入間隔は最低2時間以上あけるようにして下さい。
※イロプロストを吸入する際は「I-neb AADネブライザ」を必ず使用してください。
※透析中の方、クレアチニンクリアランス30mL/min以下程度の腎障害をお持ちの方では、1回2.5マイクログラムを通常と比べて長い吸入間隔で使用をスタートし、症状をモニタリングしながら吸入の間隔を適宜調節してください。(最大1日6回)。1回5.0マイクログラムに増量するケースでも通常と比べて長い吸入間隔で使用をスタートし、症状をモニタリングしながら吸入間隔を調節してください(最大1日6回)。
※肝障害をお持ちの方では、1回2.5マイクログラムを通常と比べて長い吸入間隔で使用をスタートし、症状をモニタリングしながら吸入間隔を調節してください(最大1日6回)。1回5.0マイクログラムに増量するケースでも通常と比べて長い吸入間隔で使用をスタートし、症状をモニタリングしながら吸入間隔を調節してください(最大1日6回)。 |
副作用 |
重大な副作用
次に挙げるような重大な副作用が引き起こされる可能性があります。服用中は健康状態を常に意識し、万が一体調の悪化を感じた場合には服用を中止、または医療機関を受診するなど適切な処置を行ってください。
・気管支けいれん
※致死的な気管支けいれんが引き起こされる可能性があります。
・顕著な血圧の低下
※致死的な血圧低下が引き起こされる可能性があります。
・出血
※頭蓋内出血、脳出血などの出血が引き起こされ、致死的な状態に陥る可能性があります。また、抗凝固剤を別途服用している方では、鼻出血および喀血などが引き起こされやすい状況になります。
・失神
※低血圧などが引き起こされる可能性があります。
・頻脈
・血小板の減少
その他の副作用
次に挙げるような重大な副作用が引き起こされる可能性があります。
・呼吸器系:鼻づまり、のどの刺激感、胸の痛み、のどの痛み、のどの不快感、気管における障害、呼吸困難、せき、喘鳴
・皮膚系:発疹、皮下における出血
・消化器系:嘔吐、吐き気、味覚障害、悪心、腹部不快感、下痢、口腔内の刺激感、舌の刺激感
・循環器系:低血圧、ほてり、動悸、潮紅、息切れ
・精神神経系:眩暈、ふらつき、頭痛
・その他:末梢におけるむくみ、あごの痛み、背部痛、各種過敏症
※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。 |
使用に注意が必要な方 使用出来ない方 |
使用が出来ない方 ■イロプロストを配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方、ベンテイビスはアレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。
▼ベンテイビス有効成分
イロプロスト
▼代表薬の添加物
エタノール、トロメタモール、pH調整剤、塩化ナトリウム
・出血している状態、または出血の可能性が高い方
※イロプロストの血小板凝集抑制作用によって、出血が長引く可能性があります。
・肺静脈閉塞性疾患を治療中で肺高血圧症をお持ちの方
※イロプロストの血拡張作用によって、肺水腫が引き起こされる可能性があります。
・イロプロストに対し過敏症の経験のある方
・6ヵ月以内の間に心筋梗塞を発症した方
・重度の冠動脈疾患、重度の不安定狭心症の方
・医師の管理下にない重度の不整脈をお持ちの方、非代償性心不全をお持ちの方、肺高血圧症に関連しない心機能障害を伴った先天性または後天性心臓弁疾患をお持ちの方、3ヵ月以内の間に脳血管障害を発症した経験のある方
使用に注意が必要な方 ・低血圧状態の方
・急性肺感染症、COPDまたは重度の気管支ぜんそく、急性気管支炎などの気道疾患を併発している方
・腎機能に障害をお持ちの方
・肝機能に障害をお持ちの方
・失神の経験者
・高齢者
・小児
・授乳している方
※動物実験(ラット):イロプロストが乳汁中に移行するというデータがあります。
・妊娠している方
※動物実験(ラット):胎児および新生児に異常が発生したデータがあります。
上記にあてはまる方は、イロプロストを使用する事が出来ない可能性があります。 イロプロストを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。 |
併用禁忌薬 |
併用注意薬 ・血管拡張剤、血圧降下剤
※血圧低下作用が増強される可能性があります。
・抗血液凝固剤
※出血のリスクが増大する可能性があります。
・血小板凝集抑制作用をもっている薬
※出血のリスクが増大する可能性があります。
上記を使用している方は、イロプロストを使用する事が出来ない可能性があります。 イロプロストを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。
併用禁忌薬 なし
併用禁忌薬がないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です 現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。 |
イロプロストに関する よくある質問 |
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参考元一覧 |
ベンテイビス 【ベンテイビス 添付文書】 |
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