オキシブチニン塩酸塩

成分名

オキシブチニン塩酸塩

適応症状

頻尿、尿意切迫感、尿失禁、神経因性膀胱、不安定膀胱(無抑制収縮を伴う過緊張性膀胱状態)

簡易説明

【簡易説明】
オキシブチニン塩酸塩は、神経因性膀胱、不安定膀胱による頻尿、尿意切迫感、尿失禁の治療に用いられる医薬品になります。

抗コリン作用(神経伝達物質アセチルコリンの働きを阻害する作用)と平滑筋直接作用により、膀胱が勝手に収縮するのを抑制する作用があります。
加えて膀胱の筋肉を緩める効果があるので、容量が大きくなり、たくさん尿を溜められるようになります。

このような作用から、様々な病気が原因で起こる頻尿や尿失禁、尿意切迫感の治療に用いられます。

処方可能な診療科目

泌尿器科など

健康保険の適応

保険適用あり

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安:約2,500円~10,000円
薬代1錠あたりの目安(先発薬):1㎎約11.5円/2mg約12.2円/3mg約12.2円
貼付剤1枚あたりの目安(先発薬):73.5mg約163.4円
薬代1錠あたりの目安(後発薬):1㎎約5.6~5.7円/2mg約5.8~5.9円/3mg約5.8~5.9円
病院によって差があり、薬代の他に初診料・診察料・検査料などが必要になります。

厚生労働省による認可、または発売年月日

承認年月日:1988年 3月29日(ポラキス錠2、ポラキス錠3)
      1992年 3月10日(ポラキス錠1)
販売年月日:1988年 5月27日(ポラキス錠2、ポラキス錠3)
      1992年 8月21日(ポラキス錠1)

国内のジェネリック認可

有り

関連製品(先発薬)

ポラキス錠1【製薬メーカー:クリニジェン】
ポラキス錠2【製薬メーカー:クリニジェン】
ポラキス錠3【製薬メーカー:クリニジェン】
ネオキシテープ73.5mg【製薬メーカー:久光製薬】

関連製品(ジェネリック)

ポラチール1mg錠【製薬メーカー:寿製薬】
ポラチール2mg錠【製薬メーカー:寿製薬】
ポラチール3mg錠【製薬メーカー:寿製薬】
オキシブチニン塩酸塩錠1mg「タイヨー」【製薬メーカー:武田テバファーマ】
オキシブチニン塩酸塩錠2mg「タイヨー」【製薬メーカー:武田テバファーマ】
オキシブチニン塩酸塩錠3mg「タイヨー」【製薬メーカー:武田テバファーマ】
オキシブチニン塩酸塩錠1mg「日医工」【製薬メーカー:日医工】
オキシブチニン塩酸塩錠2mg「日医工」【製薬メーカー:日医工】
オキシブチニン塩酸塩錠3mg「日医工」【製薬メーカー:日医工】
オキシブチニン塩酸塩錠1mg「テバ」【製薬メーカー:武田テバ薬品】
オキシブチニン塩酸塩錠2mg「テバ」【製薬メーカー:武田テバ薬品】
オキシブチニン塩酸塩錠3mg「テバ」【製薬メーカー:武田テバ薬品】
オキシブチニン塩酸塩錠1mg「YD」【製薬メーカー:陽進堂】
オキシブチニン塩酸塩錠2mg「YD」【製薬メーカー:陽進堂】
オキシブチニン塩酸塩錠3mg「YD」【製薬メーカー:陽進堂】
オキシブチニン塩酸塩錠1mg「トーワ」【製薬メーカー:東和薬品】
オキシブチニン塩酸塩錠2mg「トーワ」【製薬メーカー:東和薬品】
オキシブチニン塩酸塩錠3mg「トーワ」【製薬メーカー:東和薬品】
オキシブチニン塩酸塩錠1mg「サワイ」【製薬メーカー:沢井製薬】
オキシブチニン塩酸塩錠2mg「サワイ」【製薬メーカー:沢井製薬】
オキシブチニン塩酸塩錠3mg「サワイ」【製薬メーカー:沢井製薬】

効果・作用

オキシブチニン塩酸塩は、神経因性膀胱、不安定膀胱による頻尿、尿意切迫感、尿失禁の治療に用いられる医薬品になります。
アセチルコリンという神経伝達物質がムスカリン受容体というものに作用すると膀胱が収縮します。ムスカリン受容体へのアセチルコリンの働きを阻害すると、膀胱の収縮が抑えられます。

オキシブチニン塩酸塩は膀胱のムスカリン受容体のなかでのアセチルコリンの働きを阻害する作用(抗コリン作用)により、過剰な膀胱の収縮を抑制し、過活動膀胱などの病気による尿意切迫感や頻尿などを改善する作用があります。

▼過活動膀胱について
過活動膀胱は膀胱が過敏になって、本人の意思とは関係なく膀胱が活動し過ぎる状態になります。
自律神経や脳の中で排尿を司る部分の乱れなどにより、尿を我慢したり、排出したりする機能が調整できなくなります。
結果、十分に尿が溜まっていなくても何度もトイレに行きたくなったり、急に尿意をもよおしたりします。
過活動膀胱の病因は様々です。脳血管障害、パーキンソン病、多系統萎縮症、認知症などの脳や、脊髄損傷、多発性硬化症、脊髄小脳変性症、脊髄腫瘍、頸椎症、後縦靭帯骨化症、脊柱管狭窄症などの脊髄の神経疾患が過活動膀胱の原因となります。
また、神経疾患がなくても、前立腺肥大症に合併することもあります。加齢による膀胱機能の変化も原因となり、さらに明らかな原因疾患のない特発性の場合もあります。
治療には生活指導、行動療法、飲み薬による治療が行われます。

使用方法

通常、成人は1回主成分として2~3mgを1日3回服用します。
年齢・症状により適宜増減されます。必ず指示された服用方法に従ってください。

副作用

主な副作用
オキシブチニン塩酸塩には、副作用が起こる可能性があります。
オキシブチニン塩酸塩を服用した場合、どのような副作用が起こるか知っておきましょう。

▼精神神経系
めまい、眠気、頭痛、しびれ、振戦、認知機能障害、抑うつ等

▼循環器
頻脈

▼消化器系
口渇、下痢、胃腸障害、胃部不快感、嘔気、食欲不振、胸やけ、便秘、腹部膨満感、口内炎、嘔吐、舌炎、嚥下障害等

▼過敏症
発疹、血管浮腫、蕁麻疹等

▼泌尿器系
排尿困難、残尿等

▼肝臓
AST(GOT)、ALT(GPT)の上昇

▼その他
浮腫、倦怠感、口が苦い、発熱、熱感、目のかすみ、眼瞼結膜充血、汗が出なくなる、咽頭部痛、胸痛、皮膚乾燥、嗄声、眼乾燥、潮紅等

重大な副作用
極めて稀な副作用ですが、重度の副作用にご注意ください。

▼血小板減少
血小板減少があらわれることがあります。
観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うことが必要になります。

▼麻痺性イレウス
麻痺性イレウスがあらわれることがあります。
観察を十分に行い、著しい便秘、腹部膨満等があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うことが必要になります。

▼尿閉
尿閉があらわれることがあります。
観察を十分に行い、症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うことが必要になります。

重篤な副作用の発生率は低いですが、用法や用量を間違えると命に危険を及ぼすような、重篤な副作用が発生する恐れもあります。
異変を感じた場合は、直ぐに医師の診察を受け指示に従いましょう。

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
■オキシブチニン塩酸塩を配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方は、アレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。

▼授乳婦
動物実験で乳汁への移行が報告されています。授乳中の婦人には投与してはいけません。

▼明らかな下部尿路閉塞症状である排尿困難・尿閉等を有する患者
排尿困難・尿閉等が更に悪化するおそれがあります。

▼閉塞隅角緑内障の患者
抗コリン作用により眼圧が上昇し、症状を悪化させることがあります。

▼重篤な心疾患のある患者
抗コリン作用により頻脈、心悸亢進を起こし心臓の仕事量が増加するおそれがあります。

▼麻痺性イレウスのある患者
抗コリン作用により胃腸管の緊張、運動性は抑制され、胃腸管内容物の移動は遅延します。
麻痺性イレウスの患者では、胃腸管内容物の停滞により閉塞状態が強められるおそれがあります。

▼衰弱患者又は高齢者の腸アトニー、重症筋無力症の患者
抗コリン作用により、症状を悪化させるおそれがあります。

▼本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

使用に注意が必要な方
▼排尿困難のおそれのある前立腺肥大患者
前立腺肥大患者では、排尿障害を来してない場合でも、抗コリン剤の投与により排尿障害を起こすおそれがあります

▼甲状腺機能亢進症の患者
心拍数の増加等の症状の悪化を招くおそれがあります。

▼うっ血性心不全の患者
代償性交感神経系の亢進を更に亢進させるおそれがあります。

▼不整脈のある患者
頻脈性の不整脈を有している患者では、副交感神経遮断作用により交感神経が優位にたち、心拍数の増加等が起こるおそれがあります。

▼潰瘍性大腸炎の患者
中毒性巨大結腸があらわれるおそれがあります。

▼高温環境にある患者
抗コリン作用により発汗抑制が起こり、外部の温度上昇に対する不耐性が生じて、急激に体温が上昇するおそれがあります。

▼重篤な肝又は腎疾患のある患者

▼パーキンソン症候群又は認知症・認知機能障害のある高齢者
抗コリン作用により、症状を悪化させるおそれがあります。

▼開放隅角緑内障の患者
抗コリン作用により眼圧が上昇し、症状を悪化させることがあります。

上記にあてはまる方は、オキシブチニン塩酸塩を使用する事が出来ない可能性があります。
オキシブチニン塩酸塩を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用注意薬
▼抗コリン剤、三環系抗うつ剤、フェノチアジン系薬剤、モノアミン酸化酵素阻害剤
口渇、便秘、排尿困難、目のかすみ等の副作用が増強されるおそれがあり、抗コリン作用が増強されるおそれがあります。

上記を使用している方は、オキシブチニン塩酸塩を使用する事が出来ない可能性があります。
オキシブチニン塩酸塩を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬
該当記載事項なし

併用禁忌薬がないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

よくある質問
過活動膀胱は男性と女性、どちらに多い症状ですか?

一般的に、おしっこやトイレに関するトラブルは女性に多いと思われていますが、過活動膀胱の患者の割合は50歳以上では、男性のほうがわずかに割合が高いです。
しかし全体的に男女に関係なく発症しており、年齢が高くなるにつれて患者の割合が増える傾向にあります。

母も高齢になり、最近過活動膀胱のような症状が出ているようなのですが、どうしたらいいですか?

過活動膀胱の頻尿や尿失禁(尿もれ)の症状で悩んでいる方はとても多いことがわかっています。
この症状は、デリケートな問題なのでご本人も誰にも相談できずに一人で悩みがちになります。なかには周囲の理解が得られず、つらい日々を送っている方もいます。
ご家族である皆さんが過活動膀胱を正しく理解することは、ご本人の不安を解消し、ご本人が健康を取り戻そうという意欲を持つことにもつながります。
もしご家族や周りの方で悩んでいる人がいたら、医療機関への受診を勧めてみてください。

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医薬品を使用する場合、必ず医師や薬剤師の指示に従って下さい。
医薬品を使用し、体調不良が現れた場合、我慢せずに直ちに医師の診察を受け、指示に従って下さい。