ナルメフェン塩酸塩水和物

成分名

ナルメフェン塩酸塩水和物

適応症状

アルコール依存症の飲酒量の低減

簡易説明

セリンクロは、オピオイド受容体に作用し、お酒を飲む量を減らします。
通常、アルコール依存症患者における飲酒量の低減に用いられる薬です
これまでのアルコール依存症の治療薬である、抗酒薬・断酒薬とは異なり、「減酒」をコンセプトとした国内初の薬剤です。
2019年3月5日大塚製薬株式会社とルンドベック社が、アルコール依存症患者における飲酒量を低減する治療薬として、セリンクロ錠10mgを、大塚製薬から全国の医療機関向けに発売開始しました。

処方可能な診療科目

心療内科/精神科/内科など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安:約1000円~5000円程度
新薬1錠あたりの目安:10mg301.5円(薬価)
※病院によって差が有り。薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。

厚生労働省による認可、または発売年月日

発売開始日:2019年3月

国内のジェネリック認可

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

関連製品(先発薬)

セリンクロ錠10mg【製薬メーカー:大塚製薬】

関連製品(ジェネリック)

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

効果・作用

セリンクロは、飲酒の1~2時間前に服用することで、中枢神経系に広く存在するオピオイド受容体調節作用を介して飲酒欲求を抑え、アルコール依存症患者の飲酒量を低減します。
欧州では、ルンドベック社により2013年から飲酒量低減薬として承認・販売されています。日本では、大塚製薬株式会社(本社:東京都)とH.ルンドベックA/S(本社:デンマーク、コペンハーゲン)が共同で開発を進めてきました。
これまでも国内では、アルコール依存症の治療薬として抗酒薬や断酒維持を目的とした断酒補助剤はすでに販売されていますが、大量な飲酒を繰り返すアルコール依存症患者が飲酒量を減らしていく過程を補助する薬剤はセリンクロが初です。
セリンクロの処方の対象となるのは「アルコール依存症」の人となります。医師によりアルコール依存症と診断されていない人は対象外、つまり、依存症ではないが、飲み過ぎによるトラブルや健康への影響を懸念して減酒したいという人には処方できません。

■アルコール依存症とは
大量なお酒を長時間飲み続けることで、飲酒したい欲求が強まり、飲酒行動をコントロールすることが難しくなる疾患です。
常にアルコールが体内にないとイライラや不安に陥ります。アルコールが抜けると離脱症状があらわれ、頭痛・手の震え・発汗・動悸・嘔気・下痢などの症状も現れてしまいます。この症状を抑えるために、また飲酒してしまう。といったサイクルを繰り返してしまいます。
アルコールにより、仕事や家庭生活、健康などに重大な支障をきたすことにより、社会的、経済的な影響が大きいとされています。
■アルコール依存症には脳内のドパミンの関わりが深いです。
ドパミンは、飲酒の際に放出が促進され、快楽や多幸感を得ることができますが、これが度を越していたり、繰り返し得ようとすることで、アルコール依存症を発症してしまいます。
■アルコール依存症の治療の主体とは
「心理社会的治療」で「薬物治療」は補助的な位置付けです。

使用方法

通常、成人にはナルメフェン塩酸塩として1回10mgを飲酒の1〜2時間前に経口投与する
ただし、1日1回までとする
なお、症状により適宜増量することができるが、1日量は20mgを超えないようにしてください。

副作用

主な副作用
セリンクロには、副作用が起こる可能性があります。
セリンクロを服用した場合、どのような副作用が起こるか知っておきましょう。
浮動性めまい/傾眠/頭痛/不眠症/悪心/嘔吐/倦怠感/味覚異常/感覚鈍麻/睡眠の質低下/注意力障害

その他の副作用
不安/抑うつ/易刺激性/睡眠障害/頭部不快感/不快感/無為/健忘/自律神経失調/体位性めまい/異常感覚/異常感/知覚過敏/仮面状顔貌/記憶障害/精神的機能障害/ミオクローヌス/鎮静/振戦/激越/無感情/不快気分/リビドー減退/気力低下/気分動揺/パニック発作/落ち着きのなさ/性的興奮障害/動悸/高血圧/頻脈/第一度房室ブロック /心室性期外収縮/心電図QT延長/低血圧/起立性低血圧/食欲減退/便秘/腹部不快感/腹部膨満/下痢/腹痛/口内乾燥/消化不良/流涎過多/口の感覚鈍麻/口の錯感覚/口角口唇炎/食欲亢進/白血球減少症/白血球数増加/赤血球数減少/高プロラクチン血症/血中プロラクチン減少 /血中トリグリセリド増加/血中カリウム減少/血中ブドウ糖増加/体重増加/高脂血症/尿中ケトン体陽性/肝機能異常/AST増加/ALT増加/γ−GTP増加/ALP増加/血中ビリルビン増加/慢性肝炎/肝硬変/頻尿/尿中血陽性/尿中蛋白陽性 /排尿困難/蕁麻疹/全身性そう痒症/皮膚乾燥/湿疹/せつ/多形紅斑/発疹/丘疹性皮疹/鼻出血/喉頭不快感/息詰まり感/咽喉乾燥/鼻閉/呼吸異常/喘鳴/口腔咽頭不快感/咽頭炎/口腔咽頭痛/眼乾燥/眼刺激/眼痛/眼瞼浮腫/羞明/動揺視/勃起増強/不正子宮出血/勃起不全/回転性めまい/耳鳴/聴力低下/耳不快感/疲労/口渇/ほてり/二日酔い/筋骨格硬直/多汗症/寝汗/冷汗/無力症/酩酊感/筋骨格不快感/胸部不快感/悪寒/末梢冷感/冷感/熱感/灼熱感/発熱/疼痛/末梢腫脹/過敏症/花粉症/帯状疱疹/関節痛 /背部痛/筋痙縮/筋力低下/精神症状/錯乱/幻覚/幻視/幻聴/解離/リビドー消失/悪夢/緊張/多幸気分/アカシジア/ジスキネジア/錯感覚/片頭痛/麻痺/右脚ブロック/不整脈/胃腸炎/胃腸音異常/口腔知覚不全/硬便/大腸ポリープ/軟便/早期満腹/好中球数減少/血中コレステロール増加/体重減少/全身性皮疹/皮膚炎/血管性浮腫/器質化肺炎/過換気/鼻漏/視力障害/自発陰茎勃起/一過性難聴/聴覚過敏/筋緊張/筋固縮/筋肉痛

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
・過敏症
・オピオイドの依存症
・オピオイドの離脱の急性症状
・オピオイド系薬剤<鎮痛・麻酔>投与中又は投与中止後1週間以内
・本剤成分又は含有成分で過敏症の既往歴のある方

使用に注意が必要な方
・自殺企図
・自殺念慮
・重度肝機能障害
・重度腎機能障害
・アルコール離脱症状
・Child−Pugh分類A及びB
・Child−Pugh分類C
・eGFR30mL/min/1.73㎡未満
・軽度及び中等度肝機能障害
・腎機能障害<重度腎機能障害を除く>
・緊急の治療を要するアルコール離脱症状<幻覚・痙攣・振戦せん妄等>
・高齢者
・妊婦、産婦、授乳婦等
・小児等

【投与に際する指示】
・重度肝機能障害
・重度腎機能障害
・Child−Pugh分類A及びB
・Child−Pugh分類C
・eGFR30mL/min/1.73㎡未満
・軽度及び中等度肝機能障害
・緊急の治療を要するアルコール離脱症状<幻覚・痙攣・振戦せん妄等>

上記にあてはまる方は、ナルメフェン塩酸塩水和物を使用する事が出来ない可能性があります。
ナルメフェン塩酸塩水和物を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用注意薬
オピオイド系薬剤(併用禁忌の薬剤を除く)(コデイン、ジヒドロコデイン、ロペラミド、トリメブチン等)

上記を使用している方は、ナルメフェン塩酸塩水和物を使用する事が出来ない可能性があります。
ナルメフェン塩酸塩水和物を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬
オピオイド系薬剤(鎮痛・麻酔)(但し、緊急事態により使用する場合を除く)(モルヒネ<MSコンチン等>、フェンタニル<フェントス等>、フェンタニル・ドロペリドール<タラモナール>、レミフェンタニル<アルチバ等>、オキシコドン<オキシコンチン等>、メサドン<メサペイン>、ブプレノルフィン<ノルスパン等>、タペンタドール<タペンタ>、トラマドール<トラマール等>、トラマドール・アセトアミノフェン<トラムセット>、ペチジン、ペチジン・レバロルファン<ペチロルファン>、ペンタゾシン<ソセゴン等>、ヒドロモルフォン<ナルサス等>)

上記の併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

よくある質問
これを飲んだらお酒をやめれますか?

セリンクロは飲酒の量を低減するのが目的のお薬です。ですが、低減から断酒へ繋げていくことも期待されています。

この薬をお酒で飲んでも大丈夫ですか?

セリンクロは、お酒を飲む1〜2時間前に水などで飲んでください。

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医薬品を使用し、体調不良が現れた場合、我慢せずに直ちに医師の診察を受け、指示に従って下さい。