カリジノゲナーゼ

成分名

カリジノゲナーゼ

適応症状

末梢循環障害の改善に用います。疾患としては高血圧症、メニエール症候群、閉塞性血栓血管炎(ビュルガー病)が適応症状となります。また、更年期障害、網脈絡膜の循環障害の改善にも用いられます。

簡易説明

カリジノゲナーゼは循環障害改善剤です。特に末梢性の循環障害を改善する事で治療効果を示します。
血液の循環が障害されてしまうと、臓器や組織に障害が生じてしまいます。この症状を循環障害と言います。主な症状としては充血、血栓症、塞栓症、梗塞、高血圧等が挙げられます。動脈や静脈の血液の流れが妨げられること、また血管の圧迫などにより血液の流れが悪化することが原因とされています。網膜にも動脈と静脈が走っており、これらは非常に細い血管です。網膜の動脈が眼球の入り口のところでつまってしまうと視力の低下が前兆なく突然発症します。この場合はできるだけ早く眼科を受診する事が重要になります。
治療法としてカリジノゲナーゼの血管拡張作用により末梢性の血管を拡張することで血液の循環を改善し臓器や組織を保護します。

処方可能な診療科目

内科/外科/整形外科/産婦人科/耳鼻咽喉科/脳神経外科内科/眼科など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安  :約2,000円~5,000円
薬代1錠あたりの目安:25mg約9円/50mg約15円
薬代後発薬1錠の目安:25mg約6円/50mg約6円
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になります。

ビュルガー病は指定難病であり、自己負担分の治療費の一部または全部が国または自治体により賄われることがあります。

厚生労働省による認可、または発売年月日

カルナクリン錠25/カルナクリンカプセル25
1988年7月11日に製造販売が承認され、7月22日に薬価基準へ収載と同時に発売を開始しました。

カルナクリン錠50(旧販売名:カルナクリン錠50IU)
1990年1月31日に 製造販売が承認され、7月13日に薬価基準収載されました。
また販売名が変更されるとともに2000年10月18日にあらたに製造販売が承認され、9月7日に薬価基準収載を収載しなおし、2001年10月17日に発売となりました。

国内のジェネリック認可

ジェネリックあり

関連製品(先発薬)

カルナクリン錠25/50/カプセル25【製薬メーカー:「株式会社三和化学研究所】

関連製品(ジェネリック)

カリジノゲナーゼ錠25単位/50単位/カプセル25単位「日医工」【製薬メーカー:日医工株式会社】
カリジノゲナーゼ錠25単位/50単位「日新」【製薬メーカー:日新製薬株式会社】
カリジノゲナーゼ錠25単位「アメル」【製薬メーカー:共和薬品工業株式会社】
カリジノゲナーゼ錠25単位/50単位「サワイ」【製薬メーカー:東菱薬品工業株式会社】
カリジノゲナーゼ錠25単位/50単位「トーワ」【製薬メーカー:東和薬品株式会社】
カリジノゲナーゼ錠25単位/50単位「フジモト」【製薬メーカー:藤本製薬株式会社】
カリジノゲナーゼ錠50単位「三笠」【製薬メーカー:三笠製薬株式会社】
カリジノゲナーゼ錠50単位「テバ」【製薬メーカー:武田テバファーマ株式会社】

海外での使用実績
大韓民国においてCARNACULIN Tablet(販売名)としてKOLON PHARMACEUTICAL INC.(会社名)が1991年に発売しています。
効果・作用

カリジノゲナーゼは高血圧症、メニエール症候群、閉塞性血栓血管炎(ビュルガー病)における末梢循環障害の改善、および更年期障害や網脈絡膜の循環障害の改善に対して効果のある医薬品になります。

主な作用は、血管拡張作用、それに伴う血圧降下作用、そして末梢循環障害改善作用があります。カリジノゲナーゼの詳しい作用機序についてはブラジキニンの遊離を亢進させる事によります。カリジノゲナーゼは血漿中におけるα2-グロブリン分画に属するキニノーゲンを酵素的に分解する事によってブラジキニンを遊離させます。遊離したブラジキニンは血管内皮細胞のβ2受容体を刺激して一酸化窒素(NO)やプロスタグランジン類の産生を亢進させることによって強力な血管拡張作用を現します。また、微小循環速度の亢進作用を介して、血流量を増加させる事により組織の循環障害を改善します。

網脈絡膜の循環障害における主な症状は視力低下、歪んで見える、色の見え方が左右異なる、物が小さく見える、真ん中が暗く見える等があります。カリジノゲナーゼ投与により網脈絡膜の循環障害が改善する事でこれらの症状も緩和します。
閉塞性血栓血管炎における主な症状は指趾の冷感やしびれ感、間欠性跛行、激しい痛み、更には潰瘍を形成しついには壊死に陥ることもあります。カリジノゲナーゼ投与により末梢性の循環障害を改善する事でこれらの症状を緩和します。

使用方法

通常成人に使用する場合には1日あたり30~150単位を3回に分けて経口投与する事とされております。なお、服用する患者の年齢や症状によって適宜増減する事が認められております。

副作用

過敏症、循環器、消化器、肝臓、その他の副作用がされております。

発生頻度は以下の通りです。
1)過敏症
発疹(0.1~5%未満)
掻痒感、蕁麻疹(0.1%未満)
2)循環器
心悸亢進(0.1%未満)
3)消化器
胃部不快感、嘔気、嘔吐、食欲不振、上腹部痛、下痢、便秘(0.1~5%未満)
4)肝臓
AST(GOT)上昇、ALT(GPT)上昇、肝機能障害(頻度不明)
5)その他
ほてり(0.1~5%未満)
頭痛、頭重、眠気、倦怠感(0.1%未満)

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
脳出血直後等の新鮮出血時の患者(血管拡張作用により出血を助長する恐れがある)

使用に注意が必要な方
1)高齢者:一般的に高齢者では生理機能が低下しているので減量するなど注意が必要です。
2)妊婦:治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与する事とされており使用には注意が必要です。
3)授乳婦:治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止の検討が必要で使用には注意が必要です。

上記にあてはまる方は、カリジノゲナーゼを使用する事が出来ない可能性があります。
カリジノゲナーゼを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用注意薬
アンジオテンシン返還酵素阻害剤
(本剤のキニン産生作用とアンジオテンシン返還酵素阻害剤のキニン分解抑制作用により、血中キニン濃度が増大し、血管平滑筋弛緩が増強される可能性がある。その結果として過度の血圧低下が引き起こされる可能性があります。

血圧降下薬を服薬している方は併用注意薬に気を付けなければなりません。

上記を使用している方は、カリジノゲナーゼを使用する事が出来ない可能性があります。
カリジノゲナーゼを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬
現在併用禁忌薬は報告されていません

併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

カリジノゲナーゼに関する
よくある質問
くすりを飲み始めてどのぐらいで効果が現れますか?

服用後の最高血中濃度は3時間位と報告されております。
インタビューホーム 【株式会社三和化学研究所】

かみ砕いて服用しても良いか?

カルナクリン錠は腸陽性のコーティングが施されており、服用時に噛んでしまうと胃酸により失活してしまいます。かみ砕くや粉砕等せずにそのまま飲み込むようにしましょう。
よくあるご質問 【三和化学研究所ホームページ】

網脈絡膜循環障害を伴う代表的な疾患は何か?

糖尿病網膜症、網膜静脈閉塞症、加齢黄斑変性、中心性漿液性脈絡網膜症、網膜動脈閉塞症、網膜色素変性症等が考えられています。
よくあるご質問 【三和化学研究所ホームページ】

参考元一覧 インタビューホーム 【株式会社三和化学研究所】
医療用医薬品の添付文書情報 【PMDA】
よくあるご質問 【三和化学研究所ホームページ】
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