成分名 |
クロニジン塩酸塩 |
適応症状 |
各種高血圧症(本態性高血圧症、腎性高血圧症) |
簡易説明 |
クロニジン塩酸塩は脳幹部における選択的なα2受容体刺激薬と呼ばれる高血圧症治療薬です。選択的にα2受容体を刺激する事により、交感神経緊張を抑制し、末梢血管を拡張させて血圧を低下させます。クロニジン塩酸塩はドイツ Boehringer Ingelheim 社で開発された薬です。外国においては普通錠以外で日本では発売されていない剤形として注射剤がドイツやフランス等で発売されております。 |
処方可能な診療科目 |
内科/外科/整形外科/産婦人科/泌尿器科/精神科/眼科など |
健康保険の適応 |
健康保険適応 |
病院で処方してもらう時の費用目安 |
診察料などの目安 :約2,000円~5,000円
薬代1錠あたりの目安:75μg約6円/150μg約7円
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になります。 |
厚生労働省による認可、または発売年月日 |
カタプレス錠75は、当初田辺製薬株式会社が1978年6月21日に発売開始した医薬品で、1976年7月27日に製造販売を承認、その後日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社へ販売移管し、商品名をカタプレス錠75μgに変更し、2006年8月4日に再度製造販売を承認しなおし、2006年12月8日に薬価基準を収載しました。
カタプレス錠は、当初田辺製薬株式会社が1970年7月10日に発売開始した医薬品で、1969年5月15日に製造販売を承認、その後日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社へ販売移管し、商品名をカタプレス錠150μgに変更し、2006年8月4日に再度製造販売を承認しなおし、2006年12月8日に薬価基準を収載しました。 |
国内のジェネリック認可 |
現在国内のジェネリック医薬品の製造はありません。 |
関連製品(先発薬) |
カタプレス錠75μg/150μg【製薬メーカー:株式会社MedicalParkland】 |
関連製品(ジェネリック) |
【日本】
なし
【海外】
クロディクト【製薬メーカー:Consern社】
アルカミン【製薬メーカー:ユニセム社】 |
海外での使用実績 |
ドイツではベーリンガーインゲルハイム(社名)がCatapressan®錠剤(名称)として発売しています。その他、イギリス、フランス、イタリア、アメリカ等数十カ国で発売されています。 |
効果・作用 |
クロニジン塩酸塩は各種高血圧症(本態性高血圧症、腎性高血圧症)にたいして効果のある薬です。
その作用機序は、脳幹部におけるα2受容体を選択的に刺激して、交感神経の緊張を抑制する事により、末梢血管を拡張させることで血圧を低下させます。
α受容体には中枢・末梢ともに存在するα1受容体と中枢のみに存在するα2受容体があります。α2受容体は中枢にて、神経終末に存在し、ノルアドレナリンの終末内再取り込みを阻害する事でα1作用に拮抗します。
血圧を下げる以外の使用では緑内障の治療薬としても使用されています。α2受容体刺激作用により房水の産生を抑え流出を促進させることで眼圧低下作用を示します。アイファガン点眼液0.1%がこれに該当します。アイファガン点眼液0.1%は他の緑内障治療薬が効果不十分又は使用できない場合における緑内障、高眼圧症に対して適応を持ちます。
また精神科領域においても使用されています。選択的α2A受容体作動薬であるインチュニブ錠1mg/3mgがこれに該当します。インチュニブ錠は注意欠陥/多動性障害(AD/HD)に適応を持ちます。α2A受容体を刺激する事でノルアドレナリンのシナプス伝達調整により、前頭前皮質及び大脳基底核におけるシグナルを調整している可能性が示唆されていますが、詳細な作用機序は不明です。 |
使用方法 |
通常クロニジン塩酸塩として、1回0.075mg~0.150mgを1日3回内服します。これはカタプレス錠75μgを使用した場合、1回1~2錠に相当し、150μgを使用した場合、1回0.5錠~1錠に相当します。
なお、患者の症状によっては適宜増減する事が認められております。
重度の高血圧症患者に使用する場合には、カタプレス錠75μgを使用した場合、1回4錠を、150μgを使用した場合、1回2錠を1日3回投与する事ができます。 |
副作用 |
重大な副作用
1)幻覚
2)錯乱
その他の副作用
精神神経系、循環器、消化器、泌尿・生殖器、過敏症、その他の副作用が挙げられます。
発生頻度は以下の通りです。
1)精神神経系
眠気・鎮静作用(6.09%)、疲労感(5%以上または頻度不明)
不安(0.1~5%未満)、めまい(3.96%)、倦怠感・脱力感(1.00%)
見当識障害(0.1%未満)
2)循環器
徐脈(5%以上または頻度不明)
起立性低血圧、蒼白・レイノー様症状(0.1~5%未満)
3)消化器
口渇 (19.04%)
悪心、食欲不振、下痢、便秘、心窩部膨満感、胸やけ(0.1~5%未満)
腹痛(0.1%未満)
4)泌尿・生殖器
陰萎(0.1~5%未満)
5)過敏症
発疹、掻痒(0.1~5%未満)
6)その他
鼻閉、血管神経性浮腫(0.1~5%未満)
眼の乾燥、血糖値の上昇(0.1%未満)
※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。 |
使用に注意が必要な方 使用出来ない方 |
使用が出来ない方 1)本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
■クロニジン塩酸塩を配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方、カタプレス錠75μg/150μgはアレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。
▼カタプレス錠75μg/150μgの有効成分
クロニジン塩酸塩
▼代表薬の添加物
・乳糖水和物、リン酸水素カルシウム水和物、トウモロコシデンプン、軽質無水ケイ酸、ステアリン酸、ポビドンK25
使用に注意が必要な方 1)腎障害のある患者
2)虚血性心疾患又は高血圧以外の原因による心不全のある患者
3)虚血性心疾患及びうっ血性心不全の既往歴のある患者
4)脳梗塞又は脳血管障害のある患者
5)高度の徐脈(著しい洞性徐脈)のある患者
徐脈のある患者への投与では、徐脈を助長させる恐れがある為使用には注意が必要です。
6)発熱患者
発熱時には、ときに循環器系(血圧・心機能など)において、著名な変化をおこす事がある為使用には注意が必要です。
7)高齢者
高齢者では脳梗塞等が起こる恐れがある為低用量から投与を開始するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与する等使用に注意が必要です。
8)妊婦、産婦、授乳婦
本剤は胎盤を通過する事が報告されている為使用には注意が必要です。
9)小児等
低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していない為使用には注意が必要です。
上記にあてはまる方は、クロニジン塩酸塩を使用する事が出来ない可能性があります。 クロニジン塩酸塩を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。 |
併用禁忌薬 |
併用注意薬 1)中枢神経抑制剤・アルコール
本剤との併用により相加的に鎮静作用が増強されることがある為併用には注意が必要です。
2)β遮断剤
本剤の投与中止後のリバウンド現象が強められる可能性がある為、併用には注意が必要です。
上記を使用している方は、クロニジン塩酸塩を使用する事が出来ない可能性があります。 クロニジン塩酸塩を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。
併用禁忌薬 現在併用禁忌薬は報告されていません
併用禁忌の医薬品はありませんので比較的使いやすい医薬品になります。
併用注意の医薬品も少ない為幅広く使用する事ができますが、毎晩晩酌をする方には注意が必要な医薬品になります。
毎晩晩酌をする方であれば別の医薬品の使用を検討したほうが良いでしょう。
併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です 現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。 |
よくある質問 |
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参考元一覧 |
インタビューホーム 【日本新薬株式会社】
医療用医薬品の添付文書情報 【PMDA】 |
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