アメジニウムメチル硫酸塩

成分名

アメジニウムメチル硫酸塩

適応症状

透析施行時の血圧低下の改善
起立性低血圧
本態性低血圧

簡易説明

低血圧症は何らかの原因により血圧を調節する働きが弱くなり、血圧が低くなることで「めまい、ふらつき」などの意識障害があらわれます。交感神経の働きが活発になると、心臓の働きが活発になり、血管が収縮することで血圧が上がります。アメジニウムメチル硫酸塩は、血圧を上げる働きがあります。低血圧症などの治療に使用されます。

処方可能な診療科目

内科など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安  :約1,000円~5,000円
薬代1錠あたりの目安:10mg約15.5円
薬代後発薬1錠の目安:10mg約7.4円
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。

厚生労働省による認可、または発売年月日

発売開始年月 : 1991年11月

国内のジェネリック認可

あり

関連製品(先発薬)

リズミック錠10mg【製薬メーカー:住友ファーマ】

関連製品(ジェネリック)

アメジニウムメチル硫酸塩錠10mg「フソー/オーハラ/トーワ/サワイ/JG/日医工」 【製薬メーカー:扶桑薬品工業/大原薬品工業/東和薬品/沢井製薬/長生堂製薬/日医工】

効果・作用

低血圧症は血圧を調節する働きが弱くなり、血圧が低くなることで「意識障害、ふらつき、めまい、手足のしびれ」などの症状があらわれます。急に立ち上がった時など、血圧が急に下がりめまいなどがおこる症状を「起立性低血圧症」といいます。交感神経の働きが活発になると、心臓の働きが活性化し、収縮力や心拍数増加の増強により血液量が増加します。それにより血圧が上がり、血管においては血管が収縮することで血圧が上がります。アメジニウムメチル硫酸塩は、交感神経の働きを活発し、血圧を上げて低血圧症の症状の改善が期待できます。

▼作用機序
ノルアドレナリンと競合して末梢の神経終末に取り込まれ、ノルアドレナリンの神経終末への再取り込みを抑えます。神経終末においてノルアドレナリンの不活性化を抑制し、交感神経機能を活性化させます。

▼アメジニウムメチル硫酸塩の効果時間
服用後2~3時間くらいのときに血中濃度がピークとなります。透析後半に内服しても、透析中に効果が出てきません。

▼アドレナリン・ノルアドレナリンとは
副腎髄質から分泌されるホルモンで、血管を収縮させる作用があります。交感神経が刺激されると、血液中に多く出て、血圧を上昇させます。

▼起立性低血圧とは
急に起き上がったり、立ち上がったりしたときに血圧が下がり、めまいや立ちくらみなどの症状のことです。起立性低血圧の定義は、成人で収縮期血圧が100mmHg未満の場合を指します。寝ている状態から立ち上がったときに、収縮期血圧(最高血圧)が20mmHg以上、拡張期血圧(最低血圧)が10mmHg以上低くなる場合は、起立性低血圧とされます。

▼起立性調節障害との違い
何らかの原因で自律神経のバランスを崩し、「朝起きられない」「立ちくらみがある」「疲れやすい」などの幅広い不調を生じるものを「起立性調節障害」と呼びます。

▼本態性低血圧症とは
慢性的に低血圧の状態が続く慢性低血圧のなかでも、低血圧となる原因が特定できない場合を指します。一般的に収縮期血圧が100mmHg未満の状態を低血圧症と呼び、低血圧の原因となるような病気が特定できない場合に本態性低血圧と診断されます。そのため、はっきりとした原因はわかっていません。

▼透析患者の低血圧とは
透析患者は基本的に高血圧を合併していることが多いので、降圧剤を服用しています。しかし、透析を行うと血圧は低下します。原因は様々ですが、ほとんどの場合が、体重の増加による急激な除水が原因と考えられてます。透析により循環血液から水分が取り除かれるため、循環血液量が減ります。細胞外液が血管内に入り、循環血液量を一定にしますが、急激な除水をすると細胞外液が血管内に入るのが間に合わなくなります。それにより循環血液量が減り血圧が下がります。

▼リズミックとメトリジンの違い
どちらも血圧を上げるですが、作用が違います。
リズミック⇒交感神経のα1受容体を刺激し血管を収縮させることで血圧を上げます。
メトリジン⇒ノルアドレナリンという交感神経に関係するホルモンの濃度を増やすことで血圧を上げます。交感神経のα1受容体を刺激するだけなので副作用も少ないです。

▼自律神経と血圧の関係
自律神経と血圧は深い関係があります。自律神経は「交感神経」と「副交感神経」という、正反対のはたらきをする2つから成り立っており、心と体に対する刺激に反応して、生命を健康に維持するためにいろいろなはたらきをコントロールしています。交感神経は活動型の神経です。主に日中に働き、ストレスを感じたり、緊張してる時に優位になります。肺や心臓の働きを促す作用もあり、交感神経が優位になってる時は、緊張状態なので血管は収縮するので血圧は高い状態となります。副交感神経は、鎮静型の神経です。主に夜に働き、リラックスしてる時に優位になります。胃腸や消化器官の働きを活発にし、疲れや傷の回復を促します。この時、筋肉は緩んでいるので血管は弛緩してるので、血圧は低い状態となります。この神経がバランスをとり働いてます。

▼低血圧の人と自律神経失調症
低血圧だったり立ちくらみのある人は、もともと自律神経の切りかえがうまくいっていない可能性があります。切り替えのバランスがうまくいかず低血圧や立ち眩みになってしまいます。だるい、つかれやすいなどストレスが原因で自律神経失調症になることもあります。自律神経失調症になると、血圧は高くなる場合と低くなる場合の両極端になります。失調症になるとささいなことでも自律神経が過敏に反応しやすくなるために、急に血圧が上下に変動することがあります。


▼他の昇圧薬
エホチール/メトリジン/リズミック

使用方法

本態性低血圧、起立性低血圧の場合
1日20mgを1日2回に分割経口投与してください。
※年齢、症状により適宜増減する
透析施行時の血圧低下の改善
透析開始時に1回10mgを経口投与してください。
※年齢、症状により適宜増減する

【服用後透析後に血圧が上がる場合】
透析終了後に血圧が上がってしまうという場合には、早めにリズミック錠を飲んでしまうというのも一つの手段です。

副作用

主な副作用
動悸、頭痛、嘔気、嘔吐、ほてり感、頻脈、血圧変動、不整脈、期外収縮、心房細動、のぼせた感じ

その他の副作用
眩暈、立ちくらみ、頭重、気分不良、腹痛、AST上昇、ALT上昇、肝機能異常、排尿障害、四肢冷感、過敏症、発疹、湿疹、蕁麻疹、胸部不快感、息苦しさ、浮腫、胸内苦悶感、ふらつき、全身倦怠感、焦燥感、情緒不安定、不眠、眠気、全身のしびれ、耳鳴、胸やけ、食欲不振、腹部膨満、下痢、便秘、口渇感、白血球減少、発熱、全身熱感、頚部痛、下肢痛、視力障害、歩行障害悪化、構語障害悪化

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
■アメジニウムメチル硫酸塩を配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方リズミックは、アレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。

▼リズミックの有効成分
アメジニウムメチル硫酸塩
▼代表薬の添加物
乳糖水和物、結晶セルロース、ステアリン酸マグネシウム


■他に使用できない方
妊婦/授乳者
褐色細胞腫
高血圧症
甲状腺機能亢進症
残尿を伴う前立腺肥大
閉塞隅角緑内障

使用に注意が必要な方
高齢者
重篤な心臓障害

上記にあてはまる方は、アメジニウムメチル硫酸塩を使用する事が出来ない可能性があります。
アメジニウムメチル硫酸塩を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用注意薬
ドロキシドパ
ノルエピネフリン

上記を使用している方は、アメジニウムメチル硫酸塩を使用する事が出来ない可能性があります。
アメジニウムメチル硫酸塩を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬
現在併用禁忌薬は報告されていません

併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

よくある質問
分割後の安定性はどうなりますか?

素錠であるため、分割前後では製剤の大きさが変わるだけです。
よくあるご質問【Q&A】【住友ファーマ株式会社】

経管投与について知りたいです。

経管投与する方法は承認外の用法です。
よくあるご質問【Q&A】【住友ファーマ株式会社】

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