成分名 |
アゼルニジピン |
適応症状 |
高血圧 |
簡易説明 |
アゼルニジピンを主成分としたカルブロック(以下、本剤)は宇部興産株式会社(現、UBE株式会社)と三共株式会社(現、第一三共株式会社)が共同開発した高血圧治療薬の一つ、持続性カルシウム拮抗剤です。当時の主流のカルシウム拮抗剤は、高血圧治療の中心となる薬でしたが、作用が短時間(1日2~3回飲まなければならない)であることや、急激な血圧降下作用による副作用(頭痛、顔面紅潮など)が課題となっていました。その課題を解決するため、降圧作用が緩やかかつ持続的なカルシウム拮抗剤を目指して開発されました。
本剤の特徴
・1日1回投与で24時間持続した降圧作用を示します。
・日内変動に影響を与えずに持続した降圧作用を示します。
・他の降圧剤で効果が不十分な方に本剤を追加投与する有用性が確認されています。 |
処方可能な診療科目 |
内科/循環器内科など |
健康保険の適応 |
健康保険適応 |
病院で処方してもらう時の費用目安 |
診察料などの目安:1,000~3,000円
薬代1錠あたりの目安:8mg 21.40円/16mg 39.00円(薬価)
薬代後発品1錠の目安:8mg 10.10円/16mg 14.70円(薬価)
30日間 約300円(後発品8mg:10.10円×30日分)~1,170円(先発品16mg:39.00円×30日分)
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。 |
厚生労働省による認可、または発売年月日 |
発売年月日:2003年5月20日 |
国内のジェネリック認可 |
国内ジェネリック認可あり |
関連製品(先発薬) |
カルブロック錠8mg/16mg【製薬メーカー:第一三共株式会社】 |
関連製品(ジェネリック) |
アゼルニジピン「ケミファ」【製薬メーカー:日本ケミファ株式会社】
アゼルニジピン「タナベ」【製薬メーカー:ニプロESファーマ株式会社】
アゼルニジピン「テバ」【製薬メーカー:武田テバ薬品株式会社】
アゼルニジピン「トーワ」【製薬メーカー:東和薬品株式会社】
アゼルニジピン「日医工」【製薬メーカー:日医工株式会社】
アゼルニジピン「BMD」【製薬メーカー:株式会社ビオメディックス】
アゼルニジピン「JG」【製薬メーカー:日本ジェネリック株式会社】
アゼルニジピン「NP」【製薬メーカー:ニプロ株式会社】
アゼルニジピン「TCK」【製薬メーカー:辰巳化学株式会社】
アゼルニジピン「YD」【製薬メーカー:株式会社陽進堂】 |
海外での使用実績 |
海外では販売されていません。 |
効果・作用 |
血管はカルシウムイオンが血管のカルシウムチャネルに結合すると収縮し、その結果、血圧が上がります。本剤はカルシウムチャネルに結合することでカルシウムイオンが血管に取り込まれることを妨げ、血管を拡張させ血圧を下げる薬(カルシウム拮抗剤)です。
10人の軽症~中等症の高血圧患者に2~4週間投与した結果、血圧の降下が確認されています。なお、降圧効果のピークは投与後8.4時間でした。
また、カルシウム拮抗剤以外の降圧剤で十分な効果が得られなかった軽症~中等症の高血圧患者228人に本剤を追加投与した結果、投与2週間後に血圧降下作用が確認されました。
本剤を用いた臨床試験は数多く行われていますが、ここでは2年間の長期使用に関する調査(特定使用成績調査)結果を示します。
・血圧降下作用
160.3mmHg/89.9mmHg(投与前血圧)→139.8mmHg/79.0mmHg(投与6ヵ月後)
※その後2年間に渡り、この効果は持続しました。
140mmHg/90mmHg(目標値)の達成率は55.8%(1,698/3,045例)でした。
なお、この調査中の副作用発現率は4.52%(156例/3,454例)でした。この副作用の多くは投与開始6ヵ月以内におこっており、長期投与に伴う副作用発現リスクの上昇はありませんでした。 |
使用方法 |
1日8~16mgを1日1回朝食後に飲みます。
症状により用量は調整しますが、1日最大用量は16mgです。 |
副作用 |
主な副作用
副作用発現症例率:5.44%(341例/6,272例)
頭痛・頭重感、AST・ALT・LDH・尿酸上昇
重大な副作用
・肝機能障害、黄疸
・房室ブロック、洞停止、徐脈
※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。 |
使用に注意が必要な方 使用出来ない方 |
使用が出来ない方 ・重篤な腎機能障害のある方:腎機能が低下する可能性があります。
・重篤な肝機能障害のある方、小児等:臨床試験を実施していませんので、有効性・安全性等の情報がありません。
・授乳婦:動物実験で乳汁への移行が報告されています。
・高齢者:一般に過度の降圧は好ましくないとされているので、8mgもしくはさらに低用量から使用します。脳梗塞等がおこるおそれがあります。
※まれに過度の血圧低下をおこすおそれがあります。
※めまい等があらわれることがあるため、危険を伴う機械の操作(自動車運転等)を行う場合は注意が必要です。
使用に注意が必要な方 ■妊娠または妊娠している可能性のある女性
動物実験で胎児への悪影響が確認されています。また、妊娠末期の投与で妊娠期間や分娩時間の延長が確認されています。
■下記、薬剤を飲んでいる方
・アゾール系真菌剤(イトラコナゾール、ミコナゾール、フルコナゾール、ホスフルコナゾール、ポリコナゾール)
・HIVプロテアーゼ阻害剤(リトナビル含有製剤、ネルフィナビル、アタザナビル、ホスアンプレナビル、ダルナビル含有製剤、コビシスタット含有製剤)
本剤の排泄が遅くなると考えられています(本剤が体内に蓄積するため、効果/副作用が増強される)。
■アゼルニジピンを配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方、カルブロックはアレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。
▼カルブロックの有効成分
アゼルニジピン
▼カルブロックの添加物
D-マンニトール、カルメロースカルシウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、炭酸水素ナトリウム、ポリソルベート80、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、軽質無水ケイ酸、ヒドロキシプロピルセルロース、タルク、ステアリン酸マグネシウム
上記にあてはまる方は、アゼルニジピンを使用する事が出来ない可能性があります。 アゼルニジピンを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。 |
併用禁忌薬 |
併用注意薬 本剤は薬物代謝酵素(CYP3A4)で代謝されるため、CYP3A4に影響を及ぼす薬との併用には注意が必要です。
・他の降圧剤:過度の降圧がおこるおそれがあるため。
・ジゴキシン:ジゴキシンの排泄が遅くなるため。
・シメチジン、イマチニブメシル酸、マクロライド系抗生物質:本剤の作用が増強されるおそれがあるため。
・シンバスタチン、シクロスポリン、ベンゾジアゼピン系薬剤、経口避妊薬等:相互の薬の排泄が遅くなるため。
・タンドスピロンクエン酸塩:降圧作用が増強されるため。
・リファンピシン、フェイトニン、フェノバルビタール:本剤の作用が減弱されるおそれがあるため。
・グレープフルーツジュース:本剤の排泄が遅くなるため。
上記を使用している方は、アゼルニジピンを使用する事が出来ない可能性があります。 アゼルニジピンを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。
併用禁忌薬 アゾール系真菌剤、HIVプロテアーゼ阻害剤:CYP3A4を阻害するため(【使用出来ない方】参照)
上記の併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です 現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。 |
よくある質問 |
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