オマリグリプチン

成分名

オマリグリプチン

適応症状

2型糖尿病

簡易説明

マリゼブ錠は、体内でインスリン分泌を促す物質の作用を強め、血糖値を下げるお薬です。
有効成分であるオマリグリプチンは、インクレチン(GLP-1、GIP)を分解する酵素である「DPP-4」を阻害することで、活性型インクレチン濃度を上昇させて、血糖依存的にインスリン分泌を促進させる作用があり、グルカゴン分泌抑制作用を増強して、血糖コントロールを改善します。通常、2型糖尿病の治療に用いられます。

処方可能な診療科目

糖尿病内科/内科など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

マリゼブ錠12.5mg1錠:421.4円/錠(薬価)
マリゼブ錠25mg1錠:792円/錠(薬価)
※病院によって差が有り。薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。

厚生労働省による認可、または発売年月日

2015年11月【発売開始年月日】

国内のジェネリック認可

ジェネリックなし

関連製品(先発薬)

マリゼブ錠12.5mg  【製薬メーカー:MSD】
マリゼブ錠25mg 【製薬メーカー:MSD】

関連製品(ジェネリック)

なし

効果・作用

マリゼブ錠は日本国内9番目の選択的DPP-4阻害薬です。スルホニルウレア系など従来からのインスリン分泌促進薬とは作用機序が異なっています。
その作用は、DPP-4阻害作用にもとづくインクレチン ホルモンを介するものです。HbA1c値が低下し、血糖コントロールが改善されます。
単独ではやや弱く、他の糖尿病治療薬と併用することがあります。インスリン注射薬をふくめ、「α-グルコシダーゼ阻害薬」「チアゾリジン薬」「スルフォニル尿素薬」「速効型インスリン分泌促進薬」「ビグアナイド薬」など、すべての糖尿病治療薬との併用が可能です。
血糖に依存し比較的ゆるやかに作用するので、効きすぎによる低血糖を起こしにくいです。また、食欲を増進させることがなく体重増加をきたしにくいとされています。これらの特性から、新規発症者や高齢の人に向いています。また、肥満型に加え、日本人に多い非肥満型の糖尿病にも有用と考えられています。
同系薬のなかでの特徴は、週1回服用の長時間作用型ということです。1週間に1度の服用なので、服薬管理が楽になります。とくに単独療法で治療を開始する場合や、服薬サポートが必要な患者さんにおいて有用と考えられます。ただし、飲み忘れには注意が必要かもしれません。
おもに腎臓から排泄される腎排泄型です。このため、重度の腎機能障害がある場合は通常の半量(12.5mg)とします。
新しいお薬なので、本当に合併症を予防できるのか、長生きにつながるのかなど長期的な予後改善効果については、まだよく解明されていません。長期服用時の有効性や安全性については今後の課題といえるでしょう(他の同類薬で心血管系への安全性が示されています)。

使用方法

通常、成人にはオマリグリプチンとして25mgを1週間に1回経口投与します。
■用法及び用量に関連する注意
本剤は主に腎臓で排泄されるため、重度腎機能障害のある患者、血液透析を要する末期腎不全又は腹膜透析を要する末期腎不全患者では、次を目安に用量調節すること
なお、ここで示している用法・用量はシミュレーション結果に基づき設定されたものであることから、患者の状態を慎重に観察すること
・重度腎機能障害、末期腎不全:eGFR<30mL/min/1.73㎡、Cr>1.9mg/dLの男性、Cr>1.4mg/dLの女性;投与量12.5mg週1回
・末期腎不全患者については、血液透析との時間関係は問わない
■次の点を患者に指導すること
・ 本剤は週1回服用する薬剤であり、同一曜日に服用すること
・ 本剤の服用を忘れた場合は、気づいた時点で1回分を服用し、その後はあらかじめ定められた曜日に服用する(ただし、同日中に2回分を服用しない)

副作用

主な副作用
マリゼブには、副作用が起こる可能性があります。
マリゼブを服用した場合、どのような副作用が起こるか知っておきましょう。

便秘/下痢/湿疹/ALT増加/グリコヘモグロビン増加/血中ブドウ糖増加

■マリゼブの注意すべき副作用
低血糖/便秘/下痢/湿疹/ALT増加/グリコヘモグロビン増加/血中ブドウ糖増加/重篤な低血糖症状/低血糖症状/意識消失

重大な副作用
低血糖/重篤な低血糖症状/低血糖症状/意識消失/類天疱瘡/水疱/びらん/急性膵炎/持続的な激しい腹痛/嘔吐/腸閉塞/高度便秘/腹部膨満/持続する腹痛
極めて稀な副作用ですが、重度の副作用にご注意下さい。
◇◇
重篤な副作用の発生率は低いですが、用法や用量を間違えると命に危険を及ぼすような、重篤な副作用が発生する恐れもあります。
異変を感じた場合は、直ぐに医師の診察を受け指示に従いましょう。

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
・本剤成分又は含有成分で過敏症の既往歴のある方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方は、アレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。
▼マリゼブ錠12.5mgの有効成分
オマリグリプチン 12.5mg
▼マリゼブ錠12.5mgの添加物
D-マンニトール/結晶セルロース/クロスカルメロースナトリウム/ステアリン酸マグネシウム/カルナウバロウ/ヒプロメロース/ヒドロキシプロピルセルロース/酸化チタン/タルク/黄色三二酸化鉄
▼マリゼブ錠25mgの有効成分
オマリグリプチン 25mg
▼マリゼブ錠12.5mgの添加物
D-マンニトール/結晶セルロース/クロスカルメロースナトリウム/ステアリン酸マグネシウム/カルナウバロウ/ヒプロメロース/ヒドロキシプロピルセルロース/酸化チタン

・重症感染症
・重症ケトーシス
・重篤な外傷
・手術前後
・糖尿病性前昏睡
・糖尿病性昏睡
・1型糖尿病
・妊婦、産婦、授乳婦等

使用に注意が必要な方
・栄養不良状態
・過度のアルコール摂取
・飢餓状態
・低血糖
・脳下垂体機能不全
・激しい筋肉運動
・不規則な食事摂取
・副腎機能不全
・食事摂取量不足
・重度腎機能障害
・末期腎不全
・血液透析を要する末期腎不全
・腹膜透析を要する末期腎不全
・Cr>1.4mg/dLの女性
・Cr>1.9mg/dLの男性
・eGFR<30mL/min/1.73㎡
・血液透析を要する末期腎不全の高齢者
・重度腎機能障害のある高齢者
・腹膜透析を要する末期腎不全の高齢者
・授乳婦
・虚弱者(衰弱者を含む)
・高齢者(65歳〜)
・小児等(0歳〜14歳)

〈投与に際する指示〉
・重度腎機能障害
・末期腎不全
・血液透析を要する末期腎不全
・腹膜透析を要する末期腎不全
・Cr>1.4mg/dLの女性
・Cr>1.9mg/dLの男性
・eGFR<30mL/min/1.73㎡
・血液透析を要する末期腎不全の高齢者
・重度腎機能障害のある高齢者
・腹膜透析を要する末期腎不全の高齢者
・高齢者(65歳〜)

上記にあてはまる方は、オマリグリプチンを使用する事が出来ない可能性があります。
オマリグリプチンを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用注意薬
糖尿病用薬:インスリン製剤/スルホニルウレア剤/チアゾリジン系薬剤/ビグアナイド系薬剤/α-グルコシダーゼ阻害剤/速効型インスリン分泌促進薬/GLP-1受容体作動薬/SGLT2阻害剤等
血糖降下作用を増強する薬剤:β-遮断薬/サリチル酸剤/モノアミン酸化酵素阻害剤等
血糖降下作用を減弱する薬剤:アドレナリン/副腎皮質ホルモン/甲状腺ホルモン等

上記を使用している方は、オマリグリプチンを使用する事が出来ない可能性があります。
オマリグリプチンを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬
特になし

併用禁忌薬がないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

よくある質問
マリゼブ錠はなんで週一回の服用でいいのですか?

マリゼブ錠は、糖尿病のお薬の中で、比較的新しいお薬で「DPP-4阻害薬」とよばれるタイプのお薬です。DPP-4を阻害することで、インクレチンの効果を持続させ、結果的に、血糖値を下げる作用があります。
マリゼブ錠の成分であるオマリグリプチンは、血中での半減期(薬の全体量が半分になるまでの時間)、平均38.9時間ととても長いのが特徴です。肝臓で代謝をほとんど受けず、腎臓で排泄されるときにほとんどが再吸収されるといったメカニズムから、効果が1週間持続します。
そのため、週1回の服用で、血糖値が高いときに、血糖値を適宜下げるという効果を期待することができます。

マリゼブ錠週1回をのみわすれたとき、どうすればいいですか?

のみ忘れに気づいた時点で1回分を服用し、次回以降はあらかじめ決めた曜日に服用するようにしてください。ただし、同じ日に2回分を服用することは避けてください。

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