成分名 |
エチドロン酸二ナトリウム |
適応症状 |
骨粗鬆症/骨ページェット病/脊髄損傷後・股関節形成術後における初期・進行期の異所性骨化の抑制 |
簡易説明 |
骨を丈夫にする薬です。骨粗鬆症(こつそしょうしょう)や骨ページェット病など、骨の病気の治療に用いられます。
薬剤が骨に付着して骨のカルシウム分が血液に溶け出すのを防ぎます。それによって骨の密度が増加して骨が丈夫になります。治療の他に骨折の予防の効果もあります。
国内初の第一世代ビスホスホネート系薬剤ですが、第二世代以降のビスホスホネートに比べ、骨吸収抑制作用はかなり劣ります。そのため、最近では新世代の薬が処方されることが多くなってきています。 |
処方可能な診療科目 |
整形外科/内科/婦人科 など |
健康保険の適応 |
健康保険適応
|
病院で処方してもらう時の費用目安 |
ダイドロネル錠200を処方してもらう場合。
診察料などの目安:約1000円~約2000円(保険により3割負担の場合)
薬代1錠あたりの目安:313.2円(薬価)
病院によって差ががあります。また、診察料・薬代の他に、初診料・検査料などが必要になる場合があります。 |
厚生労働省による認可、または発売年月日 |
1990年11月販売開始(新薬:ダイドロネル錠200) |
国内のジェネリック認可 |
ジェネリックなし
|
関連製品(先発薬) |
ダイドロネル錠200(住友ファーマ) |
関連製品(ジェネリック) |
なし |
効果・作用 |
本剤は、成分が骨に付着し、骨のカルシウム分が血液に溶け出すのを防ぎます(骨吸収抑制作用)。それにより骨の密度が増加し、骨が丈夫になり、骨折の予防につながります。
骨は常に新陳代謝をしています。古い骨は壊されて、それに代わり新しい骨が作り直されるのです。古い骨を壊し血液中に溶かす役目をする細胞を「破骨細胞」と言います。この薬は、破骨細胞に入り込んでその機能を抑制することにより、骨からカルシウムが溶け出すのを抑制します。その結果、骨密度が増大して骨が丈夫になります。
分類としては、ビスホスホネート系の骨粗鬆症治療薬で、国内初の第一世代のものです。この系統の薬剤は骨折の予防効果が高く、高齢の方や骨折の危険性が高い重度の骨粗鬆症の方に向いています。また、ステロイドなどによる薬物性の骨粗鬆症に対しても、まず最初に本剤が検討されます。骨粗鬆症にくわえ、骨ページェット病(骨吸収が異常に増える病気)に対する効能も認められています。
しかし、新しい第二世代以降のビスホスホネートに比べ、骨吸収抑制作用はかなり劣ります。また、骨粗鬆症の治療においては、安全域が狭く、骨軟化の副作用を起こしやすいのが難点です。このため、最近は骨折抑制効果に優れる新世代ビスホスホネート製剤が処方されることが多くなってきています。
骨粗鬆症(こつそしょうしょう)は、骨の代謝が悪くなり、骨強度(骨の強さ)が低下して、骨がもろくなる病気です。その結果、骨折しやすくなります。特に高齢の方、女性に多い症状です。また、日頃の食生活・生活習慣も少なからず関係しているようです。骨折で多いのは背骨の圧迫骨折(脊椎椎体骨折)です。日本には約1000万人以上の患者がいるといわれており、高齢化に伴ってその数は増加傾向にあります。 |
使用方法 |
■骨粗鬆症
通常、成人は200mgを1日1回、食間に経口投与します。投与期間は2週間とします。再投与までの期間を10~12週間として、これを1クールとして周期的間欠投与を行います。
なお、重症の場合(骨塩量減少の程度が強い患者、あるいは骨粗鬆症による安静時の自発痛および日常生活の運動時痛が非常に強い患者)には、400mgを1日1回、食間に経口投与することができます。投与期間は2週間とします。再投与までの期間は10~12週間とし、これを1クールとして周期的間欠投与を行います。
なお、年齢、症状により適宜増減できますが、1日400mgを超えないで下さい。
※注意事項
・本剤は骨の代謝回転を抑制し、骨形成の過程において類骨の石灰化遅延を起こすことがあります。この作用は投与量と投与期間に依存しているため、用法(周期的間欠投与:2週間投与・10~12週間休薬)及び用量を遵守して下さい。
・400mgの投与にあたっては以下の点を十分に考慮して下さい。。
- 骨塩量の減少の度合が強い患者(例えばDXA法(QDR)で0.650g/cm2未満を目安とする)であること。
- 骨粗鬆症による安静時の自発痛および日常生活の運動時痛が非常に強い患者であること。
・1日400mgを投与する場合は、200mg投与に比べ腹部不快感などの消化器系副作用があらわれやすいため、慎重に投与して下さい。
■脊髄損傷後・股関節形成術後における初期及び進行期の異所性骨化の抑制
通常、成人は800~1000mgを1日1回、食間に経口投与します。 なお、年齢、症状により適宜増減して下さい。
※注意事項
通常用量(800~1000mg/日:15~20mg/kg相当)の場合には、投与期間は3ヵ月を超えないで下さい。
■骨ページェット病
通常、成人は、200mgを1日1回、食間に経口投与します。 なお、年齢、症状により適宜増減できますが、1日1000mgを超えないで下さい。
※注意事項
・本剤は骨の代謝回転を抑制し、骨形成の過程において類骨の石灰化遅延を起こすことがあります。この作用は、投与量と投与期間に依存しているため、次のことを守って下さい。
- 通常用量(200mg/日:2.5~5mg/kg相当)の場合には、投与期間は6ヵ月を超えないで下さい。
- また200mg/日の投与量を超える場合には、投与期間は3ヵ月を超えないで下さい。
・再治療までは少なくとも3ヵ月の休薬期間をおき、生化学所見、症状あるいはその他の所見で、症状の進行が明らかな場合にのみ行って下さい。
■効能共通
本剤の吸収を良くするために、服薬前後2時間は食物の摂取を避けて下さい。 |
副作用 |
■重大な副作用
・消化性潰瘍(頻度不明)〔本剤の主な副作用は消化器系であるため、症状が悪化することがあります。異常(胃痛、嘔吐、吐血・下血など)が認められた場合には投与を中止して下さい。〕
・肝機能障害、黄疸(いずれも頻度不明)〔AST、ALT、γ-GTP、ALP、ビリルビンの上昇などを伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがあります。〕
・汎血球減少、無顆粒球症(いずれも頻度不明)
・顎骨壊死・顎骨骨髄炎(頻度不明)〔報告された症例の多くが、抜歯などの顎骨に対する侵襲的な歯科処置や局所感染に関連して発現しています。リスク因子としては、悪性腫瘍、化学療法、血管新生阻害薬、コルチコステロイド治療、放射線療法、口腔の不衛生、歯科処置の既往などが知られています。本剤の投与開始前は口腔内の管理状態を確認し、 必要に応じて、患者に対し適切な歯科検査を受け、侵襲的な歯科処置をできる限り済ませておくよう指導して下さい。本剤投与中に侵襲的な歯科処置が必要になった場合には本剤の休薬などを考慮して下さい。また、口腔内を清潔に保つこと、定期的な歯科検査を受けること、歯科受診時に本剤の使用を歯科医師に告知して侵襲的な歯科処置はできる限り避けることなどを患者に十分説明し、異常が認められた場合には、直ちに歯科・口腔外科を受診するように指導して下さい。〕
・外耳道骨壊死(頻度不明)〔耳の感染や外傷に関連して発現した症例も認められることから、外耳炎、耳漏、耳痛などの症状が続く場合には、耳鼻咽喉科を受診するよう指導して下さい。〕
・大腿骨転子下、近位大腿骨骨幹部、近位尺骨骨幹部などの非定型骨折(頻度不明)
■その他副作用
下痢・軟便/嘔気/嘔吐/腹痛/食欲不振/消化不良(胃もたれ感/胸やけ など)/便秘/口内炎(舌あれ/口臭 など)/胃炎/口渇/発疹/そう痒/じん麻疹/血管浮腫/AST/ALT/ALP/LDH/γ-GTP/ビリルビンの上昇/BUN/クレアチニンの上昇/頻尿/排尿困難
/貧血(赤血球減少、ヘモグロビン減少 など)/白血球減少/頭痛/めまい・ふらつき/不眠/振戦/知覚減退(しびれ)/眼症状(かすみ、充血 など)/乳頭浮腫/骨痛/関節痛/筋肉痛/血中無機リンの上昇/発熱/咽喉灼熱感/ほてり(顔面紅潮、熱感 など)/倦怠感/浮腫/耳鳴/胸痛/心悸亢進(動悸)/脱毛/多汗
※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。 |
使用に注意が必要な方 使用出来ない方 |
使用が出来ない方 ■使用禁止
次の患者には投与しないで下さい。
・重篤な腎障害のある患者〔排泄が阻害されるおそれがあります。〕
・骨軟化症の患者[骨軟化症が悪化するおそれがあります。]
・妊婦または妊娠している可能性のある女性〔ラット(SD系)における器官形成期投与試験において、高用量で胎児の骨格異常の発生が報告されています。〕
・小児〔小児などを対象とした臨床試験は実施されていません。小児における骨成長に影響を与える可能性があります。また、小
児において10~20mg/kg/日の長期投与により、くる病様症状があらわれたとの報告があります。〕
・本剤に対し過敏症の既往歴のある患者
使用に注意が必要な方 ■慎重投与
次の患者には慎重に投与して下さい。
・消化性潰瘍またはその既往歴のある患者、腸炎の患者〔本剤の主な副作用は消化器系の症状であるため、症状が悪化することがあります。〕・ 腎障害のある患者(重篤な腎障害のある患者を除く)〔排泄が阻害されるおそれがあります。)
・生殖能を有する者〔妊娠する可能性のある女性へは、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与して下さい。ビスホスホネート系薬剤は骨基質に取り込まれた後に全身循環へ徐々に放出されます。全身循環への放出量はビスホスホネート系薬剤の投与量・期間に相関する。ビスホスホネート系薬剤の中止から妊娠までの期間と危険性との関連は明らかになっていません。〕
・授乳婦〔治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続または中止を検討して下さい。動物実験で母乳中へ移行することが報告されています。〕
・高齢者〔一般に高齢者は生理機能が低下しているため、減量するなどの配慮をしてください。〕
上記にあてはまる方は、エチドロン酸二ナトリウムを使用する事が出来ない可能性があります。 エチドロン酸二ナトリウムを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。 |
併用禁忌薬 |
併用注意薬 ・食物、特に牛乳や乳製品のような高カルシウム食/カルシウム、鉄、マグネシウム、アルミニウムのような金属を多く含むミネラル入りビタミン剤または制酸剤など〔同時に併用(摂取)すると本剤の吸収に影響を与えるおそれがあります。本剤はカルシウムなどと錯体を作ること、また動物実験で非絶食投与により、吸収が著しく低下することが確認されています。〕
上記を使用している方は、エチドロン酸二ナトリウムを使用する事が出来ない可能性があります。 エチドロン酸二ナトリウムを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。
併用禁忌薬 特になし。
併用禁忌薬がないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です 現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。 |
よくある質問 |
|
サイト利用に関する注意事項 | 医薬品を使用する場合、必ず医師や薬剤師の指示に従って下さい。 医薬品を使用し、体調不良が現れた場合、我慢せずに直ちに医師の診察を受け、指示に従って下さい。 |