成分名 |
アロチノロール塩酸塩 |
適応症状 |
本態性高血圧症(但しその中でも軽症から中等症に限られます)、並びに狭心症、そして頻脈性不整脈に対して適応症を持ちます。また何より特徴的な適応症状として本態性振戦があります。 |
簡易説明 |
アロチノロール塩酸塩はβ受容体遮断作用を持つ医薬品ですが、臨床的に有用な属性としてのα受容体遮断作用も持ち、これらが組み合わされた効果を示します。このα受容体遮断作用は、冠循環及び血行動態におけるβ受容体遮断作用のデメリットを補っています。アロチノロール塩酸塩は内因性交感神経刺激作用を持たず、またβ2受容体遮断作用を有しており抗振戦作用が期待できる特徴を持ちます。その作用は持続的で1日2回服薬する事で安定した血中濃度が得られます。 |
処方可能な診療科目 |
内科/外科/整形外科/小児科/産婦人科/心臓内科/泌尿器科 など |
健康保険の適応 |
健康保険適応 |
病院で処方してもらう時の費用目安 |
診察料などの目安 :約2,000円~5,000円
薬代1錠あたりの目安:5mg約12円/10mg約18円
薬代後発薬1錠の目安:5mg約6円/10mg約9円
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になります。 |
厚生労働省による認可、または発売年月日 |
旧販売名はアルマール錠5/10になります。
1985年11月5日:製造販売承認「本態性高血圧症、狭心症、頻脈性不整脈」
1995年3月31日:製造販売承認「本態性振戦」
2012年1月12日:製造販売承認(販売名変更による)
1985年12月17日:薬価基準収載
2012年6月22日:薬価基準収載(販売名変更による)
1985年12月17日:発売 |
国内のジェネリック認可 |
国内ジェネリック認可あり |
関連製品(先発薬) |
アロチノロール塩酸塩錠5mg/10mg「DSP」【製薬メーカー:住友ファーマ株式会社】 |
関連製品(ジェネリック) |
アロチノロール塩酸塩錠5mg/10mg「JG」【製薬メーカー:日本ジェネリック株式会社】
アロチノロール塩酸塩錠5mg/10mg「サワイ」【製薬メーカー:沢井製薬株式会社】
アロチノロール塩酸塩錠5mg/10mg「日医工」【製薬メーカー:日医工ファーマ株式会社】
アロチノロール塩酸塩錠5mg/10mg「トーワ」【製薬メーカー:東和薬品株式会社】 |
海外での使用実績 | 2018年2月時点では中国及び韓国で販売されております。 |
効果・作用 |
アロチノロール塩酸塩は本態性高血圧症(但しその中でも軽症から中等症に限られます)、並びに狭心症、そして頻脈性不整脈にたいして効果のある医薬品になります。また他のβ受容体遮断作用のある医薬品と比較して本態性振戦の適応があることが特徴となります。
その作用機序は、β受容体遮断作用及びα受容体遮断作用によって、心拍数や心拍出量の減少、及び末梢血管抵抗の亢進抑制、レニン分泌抑制等を示し、降圧、抗狭心症、抗不整脈作用を示します。また、骨格筋のβ2受容体遮断作用により抗振戦作用を発現し、その作用は末梢性であると考えられております。
アロチノロール塩酸塩はβ1受容体非選択性であり、内因性の交感神経刺激作用もありません。主な作用はβ遮断作用になりますがα受容体遮断作用も持ち合わせていることで、降圧作用が強まり、逆に副作用は軽減されます。β遮断作用は非選択性の為、気管支にあるβ2受容体遮断作用によって喘息等を誘発する恐れがある為気管支喘息のある患者には使用できません。
α受容体は主に血管に存在し、β受容体は心臓に存在します。それぞれの受容体に対する阻害作用はα受容体:β受容体=1:8となっており、これはつまりβ受容体への阻害作用が主であり、それを補助する役割でα受容体阻害作用があることを示しております。 |
使用方法 |
本態性高血圧症(但しその中でも軽症から中等症に限られます)、狭心症、頻脈性不整脈に対して使用する場合:
通常、成人においてはアロチノロール塩酸塩として、1日量として20mgを2回に分割して経口投与します。なお、患者の年齢や症状などによっては適宜増減する事が認められております。そして効果不十分な場合においては、1日量として30mgまで増量する事が可能です。
本態性振戦に対して使用する場合:
通常、成人においてはアロチノロール塩酸塩として、投与開始時、初期量として1日10mgを2回に分割して経口投与します。なお、効果不十分な場合においては1日20mgを維持量とし、同じく2回に分割して投与します。なお、患者の年齢や症状などによっては適宜増減する事が認められております。但し、1日の最大量として30mgを超えてはいけません。 |
副作用 |
重大な副作用
1)心不全、房室ブロック、洞房ブロック、洞不全症候群(0.1%未満)
2)徐脈(0.1~5%未満)
その他の副作用
循環器、精神神経系、消化器、肝臓、呼吸器、泌尿・生殖器、眼、過敏症、その他の副作用が挙げられます。
発生頻度は以下の通りです。
1)循環器
胸痛・胸部不快感、めまい・ふらつき、立ち眩み、低血圧(0.1~5%未満)
心房細動、末梢循環障害(レイノー症状、冷感等)、動悸・息切れ(0.1%未満)
2)精神神経系
脱力・倦怠感、頭痛・頭重、眠気(0.1~5%未満)
抑うつ、不眠(0.1%未満)
3)消化器
軟便・下痢、腹部不快感、腹痛、悪心・嘔吐(0.1~5%未満)
食欲不振、消化不良、腹部膨満感、便秘(0.1%未満)
4)呼吸器
気管支痙攣、喘鳴、咳嗽(0.1%未満)
5)肝臓
AST(GOT)、ALT(GPT)の上昇(0.1~5%未満)
ALP、LDH、γ-GTPの上昇(0.1%未満)
6)泌尿・生殖器
BUN、クレアチニンの上昇(0.1%未満)
インポテンス(頻度不明)
7)眼
霧視、眼精疲労(0.1%未満)
(類薬)涙液分泌減少(頻度不明)
8)過敏症
発疹、蕁麻疹、掻痒、灼熱感(0.1%未満)
9)その他
中性脂肪値、尿酸値の上昇(0.1~5%未満)
総コレステロール、空腹時血糖値、CK(CPK)の上昇、白血球増多、浮腫、しびれ、心胸郭比の増大、筋肉痛、口渇(0.1%未満)
脱毛(頻度不明)
心機能検査を定期的に行い、副作用が発現した場合には速やかに投与を中止し適切な処置を行うようにしましょう。
※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。 |
使用に注意が必要な方 使用出来ない方 |
使用が出来ない方 1)過度の徐脈(著しい洞性徐脈)、房室ブロック(Ⅱ、Ⅲ度)、洞房ブロック、洞不全症候群のある患者
2)糖尿病性ケトアシドーシス、代謝性アシドーシスのある患者
アシドーシスによる心筋収縮力の抑制を増強する恐れがある為服用できません。
3)気管支喘息、気管支痙攣の恐れのある患者
気管支を収縮させ喘息症状の誘発、悪化を起こす恐れがある為服用できません。
4)心原性ショックのある患者
5)肺高血圧による右心不全のある患者
6)うっ血性心不全のある患者
4~6については心機能を抑制し症状が悪化する恐れがある為服用できません。
7)未治療の褐色細胞腫の患者
8)妊婦又は妊娠している可能性のある婦人
9)本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
■アロチノロール塩酸塩を配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方、アロチノロール塩酸塩錠5mg/10mg「DSP」はアレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。
▼アロチノロール塩酸塩錠5mg/10mg「DSP」の有効成分
アロチノロール塩酸塩
▼代表薬の添加物
・乳糖水和物、トウモロコシデンプン、カルメロースカルシウム、ポリビニルアルコール(部分けん化物)、ステアリン酸マグネシウム、精製白糖、硫酸カルシウム、タルク、カオリン、アラビアゴム末、酸化チタン、ベントナイト、マクロゴール6000、カルナウバロウ、黄色五号アルミニウムレーキ
使用に注意が必要な方 1)うっ血性心不全の恐れのある患者
心機能を抑制しうっ血性心不全の症状が悪化するおそれがある為使用には注意が必要です。
2)特発性低血糖症、コントロール不十分な糖尿病、長期間絶食状態の患者
低血糖の前駆症状である頻脈等の交感神経系反応をマスクしやすいので使用には注意が必要です。
3)低血圧、徐脈、房室ブロック(Ⅰ度)のある患者
4)重篤な肝・腎機能障害のある患者
薬物の代謝、排泄が影響を受ける可能性がある為使用には注意が必要です。
5)高齢者
6)末梢循環障害(レイノー症候群、間欠性跛行症等)を有する患者
末梢血管の拡張を抑制し症状が悪化するおそれがある為使用には注意が必要です。
上記にあてはまる方は、アロチノロール塩酸塩を使用する事が出来ない可能性があります。 アロチノロール塩酸塩を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。 |
併用禁忌薬 |
併用注意薬 1)レセルピン等のように交感神経系に対し抑制的に作用する他の薬剤
交感神経抑制作用とβ遮断作用が相加的に作用し過剰の抑制を来すことがある為併用には注意が必要です。
2)血糖降下剤
血糖降下作用が増強されることがある為併用には注意が必要です。
3)カルシウム拮抗剤:ベラパミル、ジルチアゼム等
両剤の陰性変力作用及び房室伝導抑制作用が相加的に増強する可能性がある為併用には注意が必要です。
4)クロニジン
クロニジンの投与中止後のリバウンド現象を増強し、血圧が上昇する可能性がある為併用には注意が必要です。
5)ジソピラミド、プロカインアミド、アジマリン等のクラスⅠ抗不整脈剤、ソタロール、アミオダロン
心機能抑制作用が相加的に増強する事によって、過度の心機能抑制があらわれることがある為併用には注意が必要です。
6)ジギタリス製剤
心刺激伝導抑制作用が相加的に増強する事で、徐脈、房室ブロック等の心刺激電動障害があらわれることがある為併用には注意が必要です。
7)フィンゴリモド
フィンゴリモドの投与開始時に併用して使用する事で、副作用である徐脈が増強することがある為併用には注意が必要です。
8)非ステロイド性抗炎症剤
本剤の降圧作用が減弱する事がある為併用には注意が必要です。
9)降圧作用を有する薬剤
降圧作用が増強することがある為併用には注意が必要です。
上記を使用している方は、アロチノロール塩酸塩を使用する事が出来ない可能性があります。 アロチノロール塩酸塩を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。
併用禁忌薬 現在併用禁忌薬に該当する医薬品はありません。
併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です 現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。 |
よくある質問 |
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