ナドロール

成分名

ナドロール

適応症状

本態性高血圧症(但しその中でも軽症から中等症に限られます)、並びに狭心症、そして頻脈性不整脈に対して適応症を持ちます。

簡易説明

ナドロールは交感神経β受容体遮断作用を持つ長時間作用型の高血圧・狭心症・不整脈治療剤として発売されました。β受容体を遮断する事によって心臓の刺激伝統系の過剰な興奮を抑制し、心仕事量や心筋酸素消費量を低下させる作用を持ちます。そして何より長時間作用型の為1日1回の経口投与で安定した効果が得られるという特徴を持ちます。しかしナドロールはβ1受容体非選択性であり、且つISA(-)の医薬品でありβ2受容体も遮断する事から気管支喘息を持つ患者への投与は禁忌に設定されております。

処方可能な診療科目

内科/外科/整形外科/小児科/産婦人科/心臓内科/泌尿器科 など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安  :約2,000円~5,000円
薬代1錠あたりの目安:30mg約50円/60mg約70円
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になります。

厚生労働省による認可、または発売年月日

1985年8月22日製造販売承認
1985年12月17日薬価基準収載
1986年3月3日発売

国内のジェネリック認可

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

関連製品(先発薬)

ナディック錠30mg/60mg【製薬メーカー:住友ファーマ株式会社】

関連製品(ジェネリック)

日本において現在ジェネリック医薬品の製造はありません。
アポナドロール【製薬メーカー:APTEX NZ LTD】

海外での使用実績

米国においてUS WorldMeds, LLC(会社名)がCORGARD(販売名)を1979年12月(承認年月)にされ発売しております。
英国においてSANOFI(会社名)がCorgard(販売名)を1995年11月(承認年月)にされ発売しております。

効果・作用

ナドロールは本態性高血圧症(但しその中でも軽症から中等症に限られます)、並びに狭心症、そして頻脈性不整脈にたいして効果のある医薬品になります。
その作用機序は、β受容体遮断作用、抗高血圧作用、および抗狭心症及び抗不整脈作用がある。β受容体遮断作用では、シナプス前及び後膜におけるアドレナリン作動性β受容体にて、カテコールアミンと特異的に拮抗する事により、その作用を遮断します。この作用は負荷試験において頻脈を強力に抑制し、その作用は長時間持続しました。また抗高血圧作用においてはβ遮断作用に基づく交感神経系の抑制、心拍出量の減少作用、そしてレニン分泌抑制作用だと考えられております。そして抗狭心症及び抗不整脈作用として、直接的に心筋の収縮力を減弱させる事無く心臓において刺激伝導系の過剰な興奮を抑制し、心仕事量や心膜酸素消費量を低下させることによると考えられております。
ナドロールはβ1受容体非選択性であり、内因性の交感神経刺激作用もありません。従ってβ2受容体遮断作用も有する事から気管支に作用する事で喘息等の症状を悪化させてしまう為使用できません。しかし1日1回の投与で安定した効果が得られるため服薬が規則正しく行われていない患者に対して十分な治療効果が期待されます。

使用方法

通常、成人においてはナドロールとして1回30~60mgを1日1回経口から投与する事とされております。なお、患者の年齢や症状によって適宜増減する事が認められております。

使用上の注意として①褐色細胞腫の患者においては、ナドロールを単剤投与する事により、急激に血圧が上昇する事がある為、α受容体遮断剤を投与する事により初期治療を行った後にナドロールを投与し、常にα受容体遮断剤を併用する事。②腎障害のある患者においては血中濃度が高い値になることがある為、クレアチニンクリアランスの値が50mL/分、糸球体ろ過量の値が50mL/分以下の場合には、投与間隔を延長するなど慎重に投与する事とされております。

副作用

重大な副作用
1)心不全(0.1%未満)
また類薬による重大な副作用として洞房ブロック、洞不全症候群の報告があります。
いづれの場合のいてもこのような症状が認められた場合には、減量または投与を中止するなど適切な処置を行う事とされております。

その他の副作用
過敏症、循環器、精神神経系、呼吸器、消化器、眼、肝臓、その他の副作用が挙げられます。
発生頻度は以下の通りです。
1)過敏症
発疹、掻痒感(0.1%未満)
2)循環器
徐脈、動機、心胸比増大、血圧低下・起立性低血圧(0.1~5%未満)
房室ブロック、四肢の冷感、胸部圧迫感(0.1%未満)
3)精神神経系
眩暈・立ち眩み・フラツキ、頭痛・頭重感、眠気(0.1~5%未満)
不眠、痺れ感(0.1%未満)
4)呼吸器
息切れ・息苦しさ、咳嗽・喀痰(0.1~5%未満)
喘息発作の誘発(0.1%未満)
5)消化器
嘔気、下痢(0.1~5%未満)
胃部不快感・胃重感、腹部膨満感、食欲不振、腹痛、胃痛、便秘、口渇(0.1%未満)
6)眼
涙液分泌減少(0.1%未満)
霧視(頻度不明)
7)肝臓
AST(GOT)、ALT(GPT)の上昇(0.1~5%未満)
ALPの上昇(0.1%未満)
8)その他
倦怠感、疲労感、浮腫、トリグリセリドの上昇(0.1~5%未満)
鼻閉、血糖値の上昇、BUNの上昇、脱力感、悪寒(0.1%未満)
CK(CPK)の上昇(頻度不明)

特に、過敏症の症状や眼における副作用の症状が現れた場合には速やかに投与を中止し主治医への相談を仰ぐようにしましょう。

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
1)気管支喘息、気管支痙攣、慢性閉そく性肺疾患の恐れのある患者
気管支筋を収縮させ、喘息症状の誘発及び症状の悪化を招く恐れがあります。
2)糖尿病性ケトアシドーシス、代謝性アシドーシスのある患者
心筋収縮力の抑制が増強される恐れがある為服用できません。
3)高度の徐脈(著しい洞性徐脈)、房室ブロック(Ⅱ、Ⅲ度)、洞房ブロック、洞不全症候群のある患者
心刺激伝導の抑制により、症状の悪化を来すため服用できません。
4)心原性ショックの患者
心拍出量を抑制する事により、循環不全が悪化する恐れがある為服用できません。
5)肺高血圧における右心不全のある患者
心拍出量を抑制する事により、症状の悪化を来す恐れがある為服用できません。
6)うっ血性心不全のある患者
心収縮力を抑制する事により、症状の悪化を来す恐れがある為服用できません。
7)異形狭心症の患者
8)未治療の褐色細胞腫の患者
9)妊婦又は妊娠している可能性のある婦人

使用に注意が必要な方
1)うっ血性心不全の恐れのある患者
心収縮力抑制作用により、心不全症候群を誘発する恐れがある為使用には注意が必要です。
2)低血糖症、コントロール不十分な糖尿病、長期間絶食状態の患者
低血糖症状を起こしやすく、かつ低血糖の前駆症状をマスクしやすい為、血糖値には注意が必要です。
3)重篤な肝障害のある患者
肝障害を悪化させる恐れがある為使用には注意が必要です。
4)腎障害のある患者
5)徐脈、房室ブロック(Ⅰ度)のある患者
心刺激伝導の抑制により、症状の悪化を来す恐れがある為使用には注意が必要です。
6)末梢循環障害のある患者(間欠性跛行症、レイノー症候群等)
末梢血管の拡張を抑制し、症状の悪化を来す恐れがある為使用には注意が必要です。
7)甲状腺中毒症の患者
頻脈等の甲状腺中毒症状をマスクする事がある為使用には注意が必要です。
8)高齢者
9)小児等

上記にあてはまる方は、ナドロールを使用する事が出来ない可能性があります。
ナドロールを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用注意薬
1)ジソピラミド、プロカインアミド、アジマリン等のクラスⅠ抗不整脈剤、アミオダロン、及びソタソール
過度の心機能抑制が現れる事がある為併用には注意が必要です。
2)強心配糖体(ジゴキシン、ジギトキシン、プロスシラリジン等)
心刺激電動障害が現れる事がある為併用には注意が必要です。
3)ベラパミルやジルチアゼム等のカルシウム拮抗剤
過度の血圧低下や、心機能抑制、及び心刺激電動障害が現れる事がある為併用には注意が必要です。
4)レセルピン等の交感神経系に対し抑制的に作用する他の薬剤
併用する事によって過度の交感神経抑制を来すことがある為注意が必要です。
5)エーテルなどの麻酔剤
併用する事によって過度の血圧低下及び心機能抑制が現れる恐れがある為注意が必要です。
6)フィンゴリモド(イムセラカプセル、ジレニアカプセル)
投与開始時に併用する事で、徐脈が増強されることがある為併用には注意が必要です。
7)クロニジン
クロニジンの投与中止後のリバウンド現象を増強する可能性がある為併用には注意が必要です。
8)アドレナリン製剤
併用する事により血圧上昇、徐脈等が起こる恐れがある為注意が必要です。
9)インスリンヤクロルプロパミド及びトルブタミド等の血糖降下剤
血糖降下作用を増強したり、低血糖症状をマスクする事がある為併用には注意が必要です。
10)リドカイン
リドカインの血中濃度が上昇する事がある為併用には注意が必要です。
11)エルゴタミン等の麦角アルカロイド
併用する事によって末梢血流量が低下し、四肢の疼痛、冷感、チアノーゼ等が起こる恐れがある為注意が必要です。
12)インドメタシン等の非ステロイド性消炎鎮痛剤
本剤の降圧作用が減弱する事がある為併用には注意が必要です。
13)降圧作用を有する他の薬剤
降圧剤、亜硝酸・硝酸剤等を併用する事によって相互に降圧作用を増強する恐れがある為注意が必要です。

上記を使用している方は、ナドロールを使用する事が出来ない可能性があります。
ナドロールを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬
現在併用禁忌薬に該当する医薬品はありません。

併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

よくある質問
車の運転はしても問題ないか?

ナドロール服薬により眩暈やフラツキ等の副作用が現れる事がある為自動車の運転など危険を伴う機械の作用には注意が必要です。これらは特に投与初期に起こりやすく注意が必要とされております。
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飲み忘れたときはどうしたらよいか?

ナドロールは1日1回服薬の長時間作用型の医薬品になります。飲み忘れたときは気づいた時点で速やかに服用してかまいませんが次の服薬時間が近い様であれば飛ばして次回分より開始するようにしましょう。
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食事の影響は受けますか?

食事の影響は受けませんので1日1回主治医の指示に従って服用継続するようにしましょう。
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飲んだらすぐに効果が出ますか?

服用後の最高血中濃度が4時間後と報告されております。血圧の薬は一般的に継続して服薬する事が大切になります。血圧が下がったからと言って自己判断で休薬する事は避けるようにしましょう。
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飲んだらすぐに効果が出ますか?

服用後の最高血中濃度が4時間後と報告されております。血圧の薬は一般的に継続して服薬する事が大切になります。血圧が下がったからと言って自己判断で休薬する事は避けるようにしましょう。
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薬は水以外の飲み物で飲んでも良いか?

服用後の最高血中濃度が4時間後と報告されております。血圧の薬は一般的に継続して服薬する事が大切になります。血圧が下がったからと言って自己判断で休薬する事は避けるようにしましょう。
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医薬品を使用し、体調不良が現れた場合、我慢せずに直ちに医師の診察を受け、指示に従って下さい。