エキセナチド

成分名

エキセナチド

適応症状

2型糖尿病

簡易説明

エキセナチドは、2型糖尿病に対して使用される薬剤であり、食後のインスリンの分泌を促進するホルモンである「GLP-1」に作用する世界初のGLP-1受容体作動薬です。
膵臓からインスリンの分泌を促進することで、血糖値を下げる効果が見込めます。
エキセナチドは、インスリンの分泌促進作用のほか、高血糖時にグルカゴン分泌を抑制する作用や胃内容物排出遅延作用など、多様な効果で2型糖尿病患者の血糖値をコントロールします。

処方可能な診療科目

内科/糖尿病内科 など

健康保険の適応

健康保険適応あり

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安 :約2,000円~10,000円

皮下注用2mgペン 1キットの目安 :3234円(薬価)
皮下注用2mg 1キット:3586円(薬価)
皮下注5μgペン300 1キット:8792円(薬価)

※病院によって差が有り。薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。

厚生労働省による認可、または発売年月日

販売開始年月:2010年12月

国内のジェネリック認可

ジェネリックなし

関連製品(先発薬)

ビデュリオン皮下注用2mgペン【製薬メーカー:アストラゼネカ】
ビデュリオン皮下注用2mg【製薬メーカー:アストラゼネカ】
バイエッタ皮下注5μgペン300【製薬メーカー:アストラゼネカ】
バイエッタ皮下注10μgペン300【製薬メーカー:アストラゼネカ】

関連製品(ジェネリック)

ジェネリックなし

効果・作用

エキセナチドは、2型糖尿病の疾患に対して用いられ、食事療法や運動療法、スルホニルウレア薬を使用した場合でも十分に効果が見られない場合にのみ用いられます。

そもそも2型糖尿病は、血液内の糖が正常より多くなる疾患です。初期状態の場合は、自覚症状がないことで知られていますが、血糖値を高いまま放置してしまった場合、全身の神経や血管に麻痺などの障害が起こり、様々な合併症を引き起こす可能性が高いと言われています。

2型糖尿病は、高カロリーな食事や高脂肪な食事、運動不足などが主な原因と言われており、遺伝的な原因で発症する可能性もあります。これらの原因からインスリンの分泌量やインスリンの効き具合が低下することで、血糖値が上昇します。インスリンは膵臓から生成され、血糖値を下げる働きがあるため、インスリンの働きが低下することは、血液中に糖があふれてしまう状態になり、糖尿病の発症に至ります。

エキセナチドは、膵臓から分泌されるインスリンの分泌を促進し、血液中の血糖値を下げる効果が見込める薬剤です。
GLP-1受容体作動薬としては、世界初の薬剤となり、インスリンの分泌に直接関係するGLP-1というホルモンに作用することで、インスリンの分泌が促進されます。

使用方法

1回5μgを1日2回朝夕食前に皮下注射する。投与開始から1ヵ月以上の経過観察後、患者の状態に応じて1回10μg、1日2回投与に増量できる。

副作用

主な副作用
エキセナチドには、副作用が起こる可能性があります。
エキセナチドを服用した場合、どのような副作用が起こるか知っておきましょう。

・悪心
・嘔吐
・下痢
・便秘
・腹部膨満
・食欲減退
・腹部不快感
・血糖値低下
・浮動性めまい
・味覚異常
・消化不良
・上腹部痛
・胃炎
・十二指腸炎
・逆流性食道炎
・鼓腸
・おくび
・下腹部痛
・肝機能異常
・血中クレアチニン増加
・体重減少
・発疹
・じん麻疹
・注射部位紅斑
・注射部位そう痒感
・注射部位不快感
・注射部位疼痛
・注射部位発疹
・注射部位湿疹
・倦怠感
・冷感
・胸部不快感
・CK上昇
・脱水
・傾眠
・胃排出遅延
・代謝異常
・多汗症
・全身性そう痒症
・斑状皮疹
・丘疹
・脱毛症
・注射部位出血
・注射部位腫脹
・神経過敏
・神経緊張

重大な副作用
極めて稀な副作用ですが、重度の副作用にご注意下さい。

・低血糖
・低血糖症状
・脱力感
・高度空腹感
・冷汗
・顔面蒼白
・動悸
・振戦
・頭痛
・めまい
・嘔気
・知覚異常
・急性膵炎
・嘔吐を伴う持続的な激しい腹痛
・重篤な低血糖症状
・意識消失
・腎不全
・急性腎障害
・慢性腎不全悪化
・クレアチニン上昇
・腎機能障害
・透析を必要
・膵炎
・壊死性膵炎
・出血性膵炎
・致命的経過
・アナフィラキシー反応
・血管浮腫
・腸閉塞
・高度便秘
・継続的な腹痛

重篤な副作用の発生率は低いですが、用法や用量を間違えると命に危険を及ぼすような、重篤な副作用が発生する恐れもあります。
異変を感じた場合は、直ぐに医師の診察を受け指示に従いましょう。

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
・過敏症の患者
・重症感染症の患者
・術中、手術の予定がある方
・糖尿病性前昏睡の患者
・糖尿病性ケトアシドーシスの患者
・糖尿病性昏睡の患者
・透析を受けている方
・1型糖尿病の患者
・重度腎機能障害の患者
・クレアチニンクリアランス[CLCR]が30mL/min未満の方

使用に注意が必要な方
・栄養不良状態の方
・過度のアルコール摂取者
・肝機能障害の患者
・肝障害の患者
・飢餓状態の方
・膵炎の患者
・腸閉塞の患者
・低血糖の方
・脳下垂体機能不全の患者
・激しい筋肉運動をした方
・食事摂取が不規則な方
・副腎機能不全の患者
・軽度腎機能障害の患者
・重度肝機能障害の患者
・食事摂取量不足の方
・中等度腎機能障害の方
・腹部手術を行う患者
・糖尿病胃不全麻痺の患者
・インスリン依存状態の方
・重度胃腸障害の方
・ALTが基準値上限の2.5倍以上の方
・ASTが基準値上限の2.5倍以上の方
・CLCR=30~50mL/minの方
・CLCR=50~80mL/minの方

上記にあてはまる方は、エキセナチドを使用する事が出来ない可能性があります。
エキセナチドを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用注意薬
・糖尿病用薬
・ビグアナイド系薬剤
・スルホニルウレア剤
・速効型インスリン分泌促進剤
・α-グルコシダーゼ阻害剤
・チアゾリジン系薬剤
・ジぺプチジルペプチダーゼ-4 阻害剤
・インスリン製剤
・SGLT2 阻害剤

上記を使用している方は、エキセナチドを使用する事が出来ない可能性があります。
エキセナチドを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬
併用禁忌薬該当なし

併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

よくある質問
ダイエット目的で週に1回インスリン注射を検討しています。安全な方法と言えますでしょうか?

エキセナチドは保険適用がない薬剤のため、服用した際に重篤な副作用が現れてしまった場合でも副作用被害救済制度を受けることができません。医師に相談した上で服用するようにしてください。

肥満治療でGLP-1の注射を行う自費診療があると聞きました。GLP-1注射を打って効果はあるのでしょうか?

GLP1受容体作動薬は、肥満の治療薬ではなく、2型糖尿病のみに効果が示されている薬剤です。肥満改善目的では使用できません。

サイト利用に関する注意事項

医薬品を使用する場合、必ず医師や薬剤師の指示に従って下さい。
医薬品を使用し、体調不良が現れた場合、我慢せずに直ちに医師の診察を受け、指示に従って下さい。