成分名 |
リナグリプチン |
適応症状 |
2型糖尿病 など |
簡易説明 |
「リナグリプチン」は、体内でインスリン分泌を促す物質の作用を強めて、血糖値を下げる薬で、2型糖尿病の治療に用いられます。
日本では、日本ベーリンガーインゲルハイムがトラゼンタの商品名で販売しています。
「リナグリプチン」は血糖を下げる血糖降下薬で、好ましい特性として、血糖値を適時、適度に下げる点があり、血糖値が高いときにインスリンを分泌させ、血糖をほどよく下げてくれます。
日々の血糖値を適切に保つことは、将来起こるかもしれないさまざまな合併症の予防につながります。 |
処方可能な診療科目 |
内科/循環器科/糖尿病・代謝内科 など |
健康保険の適応 |
健康保険適応 |
病院で処方してもらう時の費用目安 |
診察料などの目安 :約2,000円~10,000円
トラゼンタ錠5mg 131.8円/錠 (薬価)
*病院によって差が有ります。初診料・診察料・検査料などが必要になります。 |
厚生労働省による認可、または発売年月日 |
2011年9月認可 |
国内のジェネリック認可 |
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関連製品(先発薬) |
トラゼンタ錠5mg 【製薬メーカー:日本ベーリンガーインゲルハイム】 |
関連製品(ジェネリック) |
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効果・作用 |
「リナグリプチン」は、体内でインスリン分泌を促す物質の作用を強め、血糖値を下げる薬です。
糖尿病は血液中の血糖(ブドウ糖/グルコース)が適正な量を超えて増えてしまった状態で、血液中のブドウ糖濃度(血糖値)が高い状態が続くと様々な合併症がおこります。
インスリンは血糖値を下げるホルモンであり、膵臓から分泌されます。
体内に食物が入った後にインスリン分泌を促すインクレチン(GLP-1などの消化管ホルモンの総称)があり、GLP-1はインクレチンの一つで、体内でDPP-4(dipeptidyl peptidase-4)という酵素によって分解されるため、DPP-4を阻害すればGLP-1の作用の減弱を抑えることができます。
「リナグリプチン」は、DPP-4を阻害することによってGLP-1の働きを高めて、血糖が高い時にインスリン分泌を促進することなどによって血糖値を下げる作用をあらわします。 |
使用方法 |
▼用法用量
・成人にはリナグリプチンとして5mgを1日1回経口投与します。
▼重要な基本的注意
・本剤の使用にあたっては、患者に対し低血糖症状及びその対処方法について十分説明してください。
・急性膵炎があらわれることがあります。持続的な激しい腹痛、嘔吐等の初期症状があらわれた場合には、速やかに医師の診察を受けるよう患者に指導してください。
・本剤投与中は、血糖を定期的に検査するとともに、経過を十分に観察して、常に投与継続の必要性について注意を払ってください。本剤を3ヵ月投与しても食後血糖に対する効果が不十分な場合は、より適切と考えられる治療への変更を考慮してください。
・低血糖症状を起こすことがあります。高所作業、自動車の運転等に従事している患者に投与するときには注意してください。
・本剤とGLP-1受容体作動薬はいずれもGLP-1受容体を介した血糖降下作用を有しています。両剤を併用した際の臨床試験成績はなく、有効性及び安全性は確認されていません。
▼薬剤交付時の注意
・PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導してください。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されています。 |
副作用 |
重大な副作用
▼低血糖(2.1%)
低血糖があらわれることがあり、特にスルホニルウレア剤又はインスリン製剤と併用する場合は、低血糖のリスクが増加します。スルホニルウレア剤との併用で重篤な低血糖があらわれて、意識消失を来たす例も報告されていることから、低血糖症状が認められた場合には、糖質を含む食品を摂取するなど適切な処置を行ってください。α-グルコシダーゼ阻害剤との併用により低血糖症状が認められた場合にはショ糖ではなくブドウ糖を投与してください。
▼腸閉塞(頻度不明)
高度の便秘、腹部膨満、持続する腹痛、嘔吐等の異常が認められた場合には投与を中止して、適切な処置を行ってください。
▼肝機能障害(頻度不明)
AST、ALTの上昇等を伴う肝機能障害があらわれることがあります。観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行ってください。
▼類天疱瘡(頻度不明)
水疱、びらん等があらわれた場合には、皮膚科医と相談し、投与を中止するなど適切な処置を行ってください。
▼間質性肺炎(頻度不明)
咳嗽、呼吸困難、発熱、肺音の異常(捻髪音)等が認められた場合には、速やかに胸部X線、胸部CT、血清マーカー等の検査を実施すること。間質性肺炎が疑われた場合には投与を中止して、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行ってください。
▼急性膵炎(頻度不明)
持続的な激しい腹痛、嘔吐等の異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行ってください。
その他の副作用
・じん麻疹、血管浮腫、気管支収縮
・高トリグリセリド血症、高脂血症
・浮動性めまい
・鼻咽頭炎
・咳嗽
・腹部膨満、便秘、鼓腸、胃腸炎
・口内炎
・発疹
・浮腫
・体重増加、膵酵素(血中アミラーゼ、リパーゼ)増加、肝酵素(AST、ALT)上昇
※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。 |
使用に注意が必要な方 使用出来ない方 |
使用が出来ない方 ■本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者には投与しないでください。
■糖尿病性ケトアシドーシス、糖尿病性昏睡又は前昏睡、1型糖尿病の患者
糖尿病性ケトアシドーシス、糖尿病性昏睡又は前昏睡、1型糖尿病の患者は、輸液及びインスリンによる速やかな高血糖の是正が必須となるので、本剤を投与しないでください。
■重症感染症、手術前後、重篤な外傷のある患者
重症感染症、手術前後、重篤な外傷のある患者は、インスリン注射による血糖管理が望まれるので本剤の投与は適しません。投与しないでください。
使用に注意が必要な方 ■脳下垂体機能不全又は副腎機能不全の患者
脳下垂体機能不全又は副腎機能不全の患者は、低血糖を起こすおそれがあります。このような症状があらわれた場合には、投与を中止することが望ましいですが、やむを得ず投与を続ける必要がある場合には、慎重に投与してください。
■栄養不良状態、飢餓状態、不規則な食事摂取、食事摂取量の不足又は衰弱状態の患者
栄養不良状態、飢餓状態、不規則な食事摂取、食事摂取量の不足又は衰弱状態の患者は、低血糖を起こすおそれがあります。このような症状があらわれた場合には、投与を中止することが望ましいですが、やむを得ず投与を続ける必要がある場合には、慎重に投与してください。
■激しい筋肉運動後の状態
激しい筋肉運動後の状態では低血糖を起こすおそれがあります。このような症状があらわれた場合には、投与を中止することが望ましいですが、やむを得ず投与を続ける必要がある場合には、慎重に投与してください。
■過度のアルコール摂取者
過度のアルコール摂取者は低血糖を起こすおそれがあります。このような症状があらわれた場合には、投与を中止することが望ましいですが、やむを得ず投与を続ける必要がある場合には、慎重に投与してください。
■腹部手術の既往又は腸閉塞の既往のある患者
腹部手術の既往又は腸閉塞の既往のある患者は、腸閉塞を起こすおそれがあります。このような症状があらわれた場合には、投与を中止することが望ましいですが、やむを得ず投与を続ける必要がある場合には、慎重に投与してください。
■妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断された場合にのみ投与を考慮してください。動物実験(ラット及びウサギ)で、胎児への移行が報告されています。
■授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討してください。動物実験(ラット)で、乳汁中への移行が報告されています。
■小児等
小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していません。
■高齢者
高齢者は副作用発現に留意して、経過を十分観察しながら慎重に投与してください。
上記にあてはまる方は、リナグリプチンを使用する事が出来ない可能性があります。 リナグリプチンを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。 |
併用禁忌薬 |
併用注意薬 ・糖尿病用薬
スルホニルアミド系薬剤
スルホニルウレア剤
ビグアナイド系薬剤
インスリン製剤
チアゾリジン系薬剤
α-グルコシダーゼ阻害剤
速効型インスリン分泌促進薬
GLP-1受容体作動薬
SGLT2阻害剤 等
・血糖降下作用を増強する薬剤
サリチル酸剤
モノアミン酸化酵素阻害剤
リトナビル 等
・血糖降下作用を減弱する薬剤
アドレナリン
副腎皮質ホルモン
甲状腺ホルモン
リファンピシン 等
上記を使用している方は、リナグリプチンを使用する事が出来ない可能性があります。 リナグリプチンを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。
併用禁忌薬 報告なし
併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です 現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。 |
よくある質問 |
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