成分名 |
アジルサルタン |
適応症状 |
高血圧 |
簡易説明 |
アジルサルタンは武田薬品工業株式会社で開発された高血圧治療薬(アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬(ARB)です。国内ではアジルサルタンを製剤化した薬(アジルバ、以下、本剤)で臨床開発を進めました。一方、海外では体内で代謝されてアジルサルタンとなるアジルサルタン メドキソミルで臨床開発を進めました。
アジルバは2012年に製造承認を取得(10mgは2014年)しました。その後小児に対する使用が追加承認され、それに合わせて開発した細粒1%の製造承認を2021年に取得しました。 |
処方可能な診療科目 |
内科/循環器内科など |
健康保険の適応 |
高血圧症 |
病院で処方してもらう時の費用目安 |
診察料などの目安:約4,200円(20㎎×30日)
※小児の場合は年齢、体重、症状等により投与量が異なるため、成人の一般的投与量で算出しています。患者さんの年齢、症状等によっては10mg、40mg等、異なる用量で処方されることもあります。
薬代1錠あたりの目安:10mg 93.80円/20mg 140.20円/40mg 210.20円/細粒1% 73.30円(g)
薬代後発品1錠の目安:後発品なし
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。 |
厚生労働省による認可、または発売年月日 |
発売年月日:2012年5月28日 |
国内のジェネリック認可 |
現在ジェネリック医薬品の製造はありません。
※アジルサルタンとアムロジピンの合剤(ザクラス配合錠)はジェネリック医薬品が製造されています。アジルサルタン単剤(アジルバ錠)のジェネリック医薬品は2023年6月に発売開始との情報があります。 |
関連製品(先発薬) |
アジルバ(錠10mg、20mg、40mg、顆粒1%)【製薬メーカー:武田薬品工業株式会社】 |
関連製品(ジェネリック) |
現在ジェネリック医薬品の製造はありません。 |
海外での使用実績 |
海外では使用されていません。
※海外ではアジルサルタン メドキソミル(服用後、体内でアジルサルタンになる化合物)が開発され、アメリカ、ヨーロッパなどで使用されています(2021年7月現在)。 |
効果・作用 |
血圧は様々なメカニズムによってコントロールされていますが、アンジオテンシンⅡも血圧コントロールに関与しています。詳細については割愛しますが、アンジオテンシンⅡがアンジオテンシンⅡ受容体に結合すると、血圧を上昇させるホルモン(アルドステロン)が分泌されます。本剤のようなARBはアンジオテンシンⅡが受容体に結合するのを妨げることで、降圧作用を発揮します。
本剤の薬理作用ははアンジオテンシンⅡを投与した人でおこる血圧上昇を抑える試験などで確認されています。また、臨床効果については、カンデサルタンという武田薬品工業株式会社が開発した従前のARB)との比較試験で、血圧降下作用、24時間にわたる効果の持続、血圧の日内変動の是正等が確認されました。
【本剤の臨床試験(国内第Ⅲ相二試験:CCT-005)】
※本剤とカンデサルタン(CC)との16週投与後の比較(症例数:622例)
※2週間ごとに増量(本剤 20mg→40mg、CC 8mg→12mg)
本剤群:拡張期血圧 -12.4±9.87 収縮期血圧 -21.8±15.30
CC群:拡張期血圧 -9.8±8.50 収縮期血圧 -17.5±12.69
本剤群はCC群に比べ、血圧降下量が有意に大きかった(p<0.05) |
新型コロナウイルス感染症予防・治療に関して |
新型コロナウイルスの予防接種や治療を受ける場合は、必ず医師、薬剤師に相談してください。 |
使用方法 |
成人の場合は1日1回20mgを飲みます。
年齢・症状などによって投与量は変わりますが、1日の最大投与量は40mgです。
6歳以上の小児で、体重50kg未満の場合は1日1回2.5mg(1日最大投与量:20mg)、50kg以上の場合は1日1回5mg(1日最大投与量:40mg)から開始します。 |
副作用 |
主な副作用
副作用発現率:成人:10.4%(134/930)、小児:44.4%(12/27)
めまい、頭痛、下痢、血中カリウム上昇、血中尿酸値上昇、ALT・ASTの上昇、BUN・クレアチニンの上昇、血中CK上昇
重大な副作用
・血管浮腫:顔などが急に腫れる、のどが詰まる感じ、息苦しい、声が出にくい
・ショック:冷や汗が出る、めまい、顔面蒼白、手足が冷たくなる、意識の消失
・失神:短時間、意識を失い倒れる
・意識消失:意識の消失
・急性腎障害:尿量が減る、むくみ、体がだるい
・高カリウム血症:体のしびれ、力が入らない、吐き気、嘔吐、下痢、お腹が張る
・肝機能障害:疲れやすい、体がだるい、力が入らない、吐き気、食欲不振
・横紋筋融解症:手足のこわばり・しびれ、脱力感、筋肉痛、尿が赤褐色になる
※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。 |
使用に注意が必要な方 使用出来ない方 |
使用が出来ない方 ■妊婦または妊娠している可能性のある女性の方
妊娠中期、末期に同系統の薬を飲んだ方の胎児に悪影響があらわれたと報告されています。
■アリスキレンフマル酸塩を飲んでいる糖尿病の方
本剤とアリスキレンフマル酸塩を併用した臨床試験の結果から、脳卒中、腎合併症、高カリウム血症、低血圧のリスクが高まる可能性が考えられています。
■アジルサルタンを配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方、アジルバはアレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。
▼アジルバの有効成分
アジルサルタン
▼アジルバの添加物
・剤型共通の添加物
乳糖水和物、トウモロコシデンプン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒプロメロース、酸化チタン
・錠剤共通の添加物
低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、マクロゴール6000、ステアリン酸マグネシウム、
・錠10mg、錠20mgの添加物
三二酸化鉄
・錠10mg、錠40mgの添加物
黄色三二酸化鉄
・錠20mg、錠40mgの添加物
結晶セルロース
・顆粒1%の添加物
スクラロース、タルク、エリスリトール、軽質無水ケイ酸
使用に注意が必要な方 ・腎動脈に狭窄のある方:腎機能を悪化させるおそれがあります。
・高カリウム血症の方:高カリウム血症を悪化させるおそれがあります。
・脳血管障害のある方:病態を悪化させるおそれがあります。
・減塩療法中の方:急激な血圧低下をおこすおそれがあります。
・重篤な腎機能障害のある方:腎機能を悪化させるおそれがあります。本剤の血中濃度が上がります。
・血液透析中の方:急激な血圧低下をおこすおそれがあります。
・肝機能障害の方:血中濃度が上がると報告されています。また高度な肝機能障害の方の臨床試験は行っていません。
・授乳婦:動物実験で胎児への悪影響が確認されています。
・小児:腎機能異常を伴うことが多く、腎機能や血清カリウム値を確認しながら使用します。なお、6歳未満の小児、透析を受けている等、重篤な腎機能低下のある方の臨床試験は行っていません。
・高齢者:一般に過度の降圧は好ましくないとされています。脳梗塞等がおこるおそれがあります。
※麻酔等による高度な血圧低下を起こす可能性があるため、手術前24時間は投与しないことが望ましいとされています。
※めまい、ふらつき等があらわれることがあるので、危険を伴う機械の操作(自動車運転等)をする場合は、注意が必要です。
上記にあてはまる方は、アジルサルタンを使用する事が出来ない可能性があります。 アジルサルタンを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。 |
併用禁忌薬 |
併用注意薬 ・カリウム保持性利尿薬:血清カリウム値が上昇することがあります。
・利尿降圧剤:降圧作用が強くなるおそれがあります。
・アリスキレンフマル酸塩(糖尿病以外の方)、アンジオテンシン変換酵素阻害剤:腎機能障害、高カリウム血症、低血圧をおこすおそれがあります。
・リチウム:リチウム中毒をおこすおそれがあります。
・非ステロイド性消炎鎮痛剤:降圧作用が弱まることがあります。また腎機能障害のある方では、腎機能がさらに悪化するおそれがあります。
上記を使用している方は、アジルサルタンを使用する事が出来ない可能性があります。 アジルサルタンを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。
併用禁忌薬 アリスキレンフマル酸塩:【使用出来ない方】参照
上記の併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です 現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。 |
よくある質問 |
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