成分名 |
ベバントロール塩酸塩 |
適応症状 |
高血圧症 |
簡易説明 |
ベバントロール塩酸塩はCa拮抗作用を併せ持つα1β1受容体遮断薬になります。Ca拮抗作用をならびに、α1受容体遮断作用によって過度に心抑制作用を来すことがなく安定した抗高血圧作用を示します。またβ1受容体遮断薬として選択的に受容体へ作用し、循環動態、脂質・糖代謝に影響を及ぼすことなく効果を発揮します。ベバントロール塩酸塩は軽・中等症の本態性高血圧症のみならず、重症高血圧症及び腎障害を伴う高血圧症にもその効果が認められております。 |
処方可能な診療科目 |
内科/外科/整形外科/産婦人科/泌尿器科/脳神経外科内科など |
健康保険の適応 |
健康保険適応 |
病院で処方してもらう時の費用目安 |
診察料などの目安 :約2,000円~5,000円
薬代1錠あたりの目安:25mg約20円/50mg約35円/100mg約55円
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になります。 |
厚生労働省による認可、または発売年月日 |
1995年3月31日製造販売承認
1995年5月26日薬価基準収載
1994年6月1日発売 |
国内のジェネリック認可 |
現在ジェネリック医薬品の製造はありません。 |
関連製品(先発薬) |
カルバン錠25/50/100【製薬メーカー:日本ケミファ株式会社】 |
関連製品(ジェネリック) |
現在ジェネリック医薬品の製造はありません。 |
海外での使用実績 | ベバントロール塩酸塩は韓国のLG化学株式会社(会社名)にてCalvanという販売名で発売されております。 |
効果・作用 |
ベバントロール塩酸塩は高血圧症にたいして効果のある医薬品になります。高血圧薬ガイドラインにおいて第一選択薬からははずれておりますが、ベバントロール塩酸塩は併用して使用する事でさらに高い効果を発揮します。
作用部位についてですが、交感神経β1受容体、末梢血管におけるα1受容体及びカルシウムチャネルへ作用します。作用機序を簡単に説明すると、β1遮断作用による心拍数の低下、α1遮断作用及びカルシウム拮抗作用による末梢における血管拡張作用により降圧作用を示します。
詳細についてですが①アドレナリンβ受容体に作用し、徐脈作用に伴う心拍出量の低下やノルエピネフリン遊離抑制、交感神経抑制作用、レニン分泌抑制作用を介することで降圧作用を示します。②カルシウム拮抗作用では心臓および血管平滑筋に分布しているL型カルシウムチャネルを遮断し、カルシウムイオンの細胞内への流入を抑制する事で血管収縮を抑制し、末梢血管抵抗を減弱して降圧作用を発揮します。③α1受容体は血管に分布しています。α1受容体を遮断する事によってノルアドレナリンとα1受容体への結合が阻害される事で交感神経刺激が末梢血管に伝わるのを抑制して降圧作用を示します。
β受容体は心臓にも気管支にも存在します。ベバントロール塩酸塩はβ1受容体に作用しますがまれに気管支に存在するβ2へ影響をもち望まない副作用が出る可能性もあります。 |
使用方法 |
通常、成人においてはベバントロール塩酸塩として1日100mgを1日2回に分けて経口投与し、効果が不十分な場合には1日200mgまで増量する事ができます。なお、年齢や患者の症状によって適宜増減する事が出来ます。 |
副作用 |
主な副作用
心臓や気管支への副作用が挙げられます。発生頻度は以下の通りです。
1)心不全(0.1%未満)、房室ブロック(1%未満)、洞機能不全(頻度不明)
2)喘息発作、呼吸困難(頻度不明)
その他の副作用
精神神経系、腎臓、肝臓、循環器、呼吸器、消化器、過敏症状、眼、泌尿器、その他の副作用が挙げられます。
発生頻度は以下の通りです。
1)精神神経系
めまい、頭痛、頭重感、眠気、不眠(0.1~1%未満)
眩暈、不安感(0.1%未満)
2)腎臓
BUN上昇、クレアチニン上昇(0.1~1%未満)
3)肝臓
ALT(GPT)上昇、 AST(GOT)上昇(0.1~1%未満)
4)循環器
徐脈、洞性徐脈、動悸、心胸郭比の増大、血圧低下(0.1~1%未満)
胸痛、失神(0.1%未満)
5)呼吸器
咳、息切れ(0.1~1%未満)
喘鳴(0.1%未満)
6)消化器
嘔気、下痢、便秘、口渇(0.1~1%未満)
悪心、腹部膨満感、食欲不振、腹部不快感、嘔吐、胃重圧感、口内刺激(0.1%未満)
7)過敏症状
発疹(0.1~1%未満)
湿疹、掻痒感(0.1%未満)
8)眼
光眼症様症状(0.1%未満)
9)泌尿器
排尿困難、頻尿(0.1%未満)
10)その他
尿酸上昇、総コレステロール上昇、浮腫、倦怠感、CK(CPK)上昇、カリウム上昇(0.1~1%未満)
易疲労感、下肢脱力感、顔のほてり(0.1%未満)
β遮断薬の投与により涙液分泌減少症等が現れたとの報告がございますこkのような症状が認められた場合は速やかに投与を中止し主治医への相談を仰ぐようにしましょう。
※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。 |
使用に注意が必要な方 使用出来ない方 |
使用が出来ない方 1)糖尿病性ケトアシドーシス、代謝性アシドーシスのある患者
アシドーシスによる心収縮力低下、末梢動脈拡張、血圧低下等の発現を助長するおそれがある為使用できません。
2)心原性ショックの患者
3)うっ血性心不全のある患者
4)肺高血圧による右心不全のある患者
5)高度の徐脈(著しい洞性徐脈)、房室ブロック(Ⅱ、Ⅲ度)、洞房ブロックのある患者
2)3)4)5)に関してはいずれの場合も本剤の心機能抑制作用が症状を悪化させるおそれがある為使用できません。
6)妊婦又は妊娠している可能性のある婦人
動物実験(ラット)で胎児の体重減少が報告されている為使用できません。
7)未治療の褐色細胞腫の患者
褐色細胞腫の患者では、単剤投与により急激に血圧が症状する恐れがあり使用できません。
使用に注意が必要な方 1)うっ血性心不全のおそれのある患者
症状を誘発するおそれがあるので併用に注意が必要です。
2)気管支喘息、気管支痙攣のおそれのある患者
本剤にはβ2遮断作用も確認されていることから、症状を誘発するおそれがある為併用には注意が必要です。
3)特発性低血糖症、コントロール不十分な糖尿病、長期間絶食状態の患者
低血糖を起こしやすく、かつ頻脈等の低血糖徴候をマスクしやすいので併用には注意が必要です。
4)重篤な腎機能障害のある患者
本剤の血中濃度が上昇することがあるので併用には注意が必要です。
5)重篤な肝機能障害のある患者
薬物代謝の低下により作用等が増強されるおそれがある為併用には注意が必要です。
6)高齢者
一般に高齢者では、生理機能が低下していることが多い為併用には注意が必要です。
7)小児
使用経験がなく、安全性は確立していません。
上記にあてはまる方は、ベバントロール塩酸塩を使用する事が出来ない可能性があります。 ベバントロール塩酸塩を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。 |
併用禁忌薬 |
併用注意薬 1)交感神経系に対し抑制的に作用する他の薬剤(レセルピン等)
相互に交感神経抑制作用を増強させる可能性があります。過度の交感神経抑制作用によって、徐脈、血圧低下等が現れる事がある為併用に注意が必要になります。
2)血糖降下薬(インスリン製剤、トルプタミド等)
β遮断作用による低血糖からの回復遅延、そして低血糖に伴う交感神経系の症状をマスクする事がある為、過度の血圧低下、心機能抑制が現れる事がある事から併用には注意が必要になります。
3)カルシウム拮抗薬(ベラパミル塩酸塩等)
相互に陰性変時作用、降圧作用を増強させると考えられます。過度の血圧低下、心機能抑制が現れる事がある為併用に注意が必要になります。
4)クロニジン
クロニジンの中止により、血中ノルアドレナリンが上昇する事があります。β遮断薬との併用でβ作用(血管拡張)が遮断され、α作用(血管収縮)が強くなり、急激な血圧上昇を起こすと考えられる為、中止の際には、あらかじめベバントロール塩酸塩を一時休止しておくなど注意が必要になります。
5)抗不整脈薬(ジソピラミド、プロカインアミド、アジマリン等)
相互に心機能抑制作用を増強させる可能性があります。過度の心機能抑制が現れる事があるので併用には注意が必要になります。
ベバントロール塩酸塩自身がカルシウム拮抗作用、β1遮断作用、α1遮断作用を持つため同効薬の使用には注意が必要になります。特に単剤の使用で効果不十分の際には多剤併用が見られます。その際併用は慎重に投与する事が大切です。
上記を使用している方は、ベバントロール塩酸塩を使用する事が出来ない可能性があります。 ベバントロール塩酸塩を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。
併用禁忌薬 なし
併用禁忌薬がないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です 現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。 |
よくある質問 |
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