カンレノ酸カリウム

成分名

カンレノ酸カリウム

適応症状

経口抗アルドステロン薬の服用困難な下記症状(高アルドステロン症によると考えられる)の改善/原発性アルドステロン症/心性浮腫(うっ血性心不全)/肝性浮腫/開心術及び開腹術時における水分・電解質代謝異常など

簡易説明

カンレノ酸カリウムはスピロノラクトンと同様、アルドステロン受容体拮抗阻害効果を示すカリウム保持性利尿薬になります。
腎臓の働きを良くさせ、尿を増やして体内に蓄積されてしまっている水分の排出を促します。
錠剤ではなく主に注射剤として使用されています。

処方可能な診療科目

泌尿器科/腎臓内科/内科など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安   :約1,000円~5,000円
薬代1管あたりの目安 :100㎎約250円/200mg約397円(薬価)
薬代後発薬1瓶の目安 :100㎎約119円/200㎎約189円(薬価)
病院によって差が有り。薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。

厚生労働省による認可、または発売年月日

1981年 1月発売開始【ソルダクトン静注用100mg・200mg】

国内のジェネリック認可

ジェネリック有り

関連製品(先発薬)

ソルダクトン静注用100mg 【製薬メーカー:ファイザー】
ソルダクトン静注用200mg 【製薬メーカー:ファイザー】

関連製品(ジェネリック)

カンレノ酸カリウム静注用100mg「サワイ」/カンレノ酸カリウム静注用200mg「サワイ」

効果・作用

カンレノ酸カリウムは「カリウム保持性利尿薬」に分類されます。
主な効果は腎臓の働きを促し、尿を増やし体内に蓄積された余分な水分を排出させる効果があります。
浮腫みの原因の1つには、体内の水分が上手く排出されずに過剰に貯まってしまう(水分貯留)ことが挙げられます。
血液中にも水分が含まれているため、体内の水分が上手く排出されないと血圧が悪化する原因になってしまいます。
アルドステロン(副腎皮質ホルモン)という物質は、身体の中で水分やナトリウムイオンの調整に大きく関わってくる物質になります。
このアルドステロンは尿の中に含まれている水分やナトリウムイオンを血液中へ戻してしまう働きがあるため、このアルドステロンの作用を抑制することで水分の再吸収を抑え水分やナトリウムイオンを尿として排出させる効果があります。
結果、体内に貯留してしまった水分を排出させることによりむくみや血圧の改善へとつながります。
基本的には、経口抗アルドステロン薬の服用が難しい場合や他の治療法で十分に治療効果が期待できない場合にのみ使用されます。

使用方法

通常成人1回100~200mgを1日1~2回、日局ブドウ糖注射液、生理食塩液又は注射用水10~20mLに溶解して、ゆっくりと静脈内注射して下さい。 症状により適宜増減するが、1日投与量として600mgを超えないようにして下さい。 ※本剤は経口抗アルドステロン薬の服用が困難な場合に使用する。 ※投与期間は原則として2週間を超えないように行って下さい。 ※本剤は静脈内注射にのみ使用して下さい。

副作用

過敏症/白血球増加/貧血/白血球減少/BUN上昇/血清クレアチニン値上昇/AST上昇/ALT上昇/吐き気/嘔吐/下痢/口渇/食欲不振/頭痛/妄想/女性型乳房/性欲減退/多毛/声の低音化/月経異常/乳房痛/発熱/全身倦怠感/心悸亢進/胸部不快感/顔面潮紅など

カンレノ酸カリウムには、副作用が起こる可能性があります。
カンレノ酸カリウムを服用した場合、どのような副作用が起こるか知っておきましょう。

■カンレノ酸カリウム副作用(重度)
極めて稀な副作用ですが、重度の副作用にご注意下さい。
▼アナフィラキシーショック
悪心、悪寒・冷汗、発疹、呼吸困難、手足のしびれ、眩暈、血圧低下など
▼電解質異常
高カリウム血症、低ナトリウム血症、低クロール血症、高ナトリウム血症、高クロール血症など


重篤な副作用の発生率は低いですが、用法や用量を間違えると命に危険を及ぼすような、重篤な副作用が発生する恐れもあります。

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
・小児の方
・無尿の方
・腎不全の方
・腎機能の進行性悪化状態の方
・高カリウム血症の方
・エプレレノン又はタクロリムスを投与中の方
・アジソン病の方
・てんかん等の痙攣性素因のある方
・本剤に対しアレルギーをお持ちの方など

使用に注意が必要な方
・心疾患のある高齢者の方
・重篤な冠硬化症又は脳動脈硬化症のある方
・肝機能障害のある方
・腎機能障害のある方
・減塩療法をしている方
・妊娠中の方
・授乳中の方など

上記にあてはまる方は、カンレノ酸カリウムを使用する事が出来ない可能性があります。
カンレノ酸カリウムを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用注意薬
ACE阻害剤/カルシウム拮抗剤/β-遮断剤等/チアジド系利尿剤/ループ利尿剤/スピロノラクトン/トリアムテレン/カプトプリル/エナラプリル/リシノプリル/ロサルタンカリウム/カンデサルタンシレキセチル/バルサルタン/アリスキレン/シクロスポリン/ドロスピレノン/炭酸リチウム/インドメタシン/乳酸ナトリウム/コレスチラミンなど

上記にあてはまる方は、カンレノ酸カリウムを使用する事が出来ない可能性があります。
カンレノ酸カリウムを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬 エプレレノン(セララ)/タクロリムス(プログラフ)

上記の併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

よくある質問
カンレノ酸カリウムは経口薬と併用はできますか?

カンレノ酸カリウムは基本的に、経口薬で十分な治療効果が見られなかった場合にのみ使用できるものなので併用は避けるように下さい

カンレノ酸カリウムを男性が使用すると乳房などが女性化するのは本当ですか?

カンレノ酸カリウムは副作用として抗男性ホルモン作用を示すことが欠点とされています。
女性化乳房などの副作用の発現率は少ないですが100%起きないとは言い切れません。

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医薬品を使用し、体調不良が現れた場合、我慢せずに直ちに医師の診察を受け、指示に従って下さい。