成分名 |
ベロトラルスタット塩酸塩 |
適応症状 |
遺伝性血管性浮腫の急性発作の発症抑制 |
簡易説明 |
ベロトラルスタット塩酸塩は、遺伝性血管性浮腫(HAE)を抑制する成分です。
遺伝性血管性浮腫は、顔面や四肢の皮膚粘膜、腸管、気道、生殖器などの粘膜に浮腫発作を繰り返す疾患で、約5万人に1人が発症すると言われる希少疾病です。
身体のあらゆる箇所に起こる腫れやむくみの急性発作を抑制します。
2021年1月22日に鳥居薬品(株)から販売されています。
遺伝性血管性浮腫(HAE)は稀な疾患なため、治療選択肢が限られていました。2018年に自己注射可能なフィラジルという薬剤の承認がされましたが、治療薬の少ない疾患として知られていました。ベロトラルスタット塩酸塩を主成分とした初の経口薬が承認され、HAE患者の長期的な発作管理のための本邦初となる保険収載薬となります。 |
処方可能な診療科目 |
皮膚科など |
健康保険の適応 |
健康保険適応あり |
病院で処方してもらう時の費用目安 |
診察料などの目安 :約1000円~3000円
薬代1カプセルあたりの目安:150mg約74円
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。 |
厚生労働省による認可、または発売年月日 |
オラデオカプセル発売年月日:2021年4月23日 |
国内のジェネリック認可 |
現在ジェネリック医薬品の製造はありません。 |
関連製品(先発薬) |
オラデオカプセル150mg【製薬メーカー:鳥居薬品株式会社】 |
関連製品(ジェネリック) |
現在ジェネリック医薬品の製造はありません。 |
効果・作用 |
遺伝性血管性浮腫(HAE)に対し用いられる薬剤です。遺伝性血管性浮腫(HAE)の急性発作の発症を抑制する効果があります。
血漿カリクレインと呼ばれる物質を競合的に阻害し、高分子キニノーゲンの開裂及びブラジキニン生成を抑制することで、過剰な血管透過性を抑制し、浮腫発作の発現を抑制する薬剤です。
遺伝性血管性浮腫(HAE)に対する薬剤では、本邦で初の経口治療薬となることから、経口投与が可能な血漿カリクレイン阻害剤とも呼ばれています。
遺伝性血管性浮腫とは身体の様々な部位に腫れやむくみが突然起こる症状を言い、急性発作の発症を抑えます。
これまでは、遺伝性血管性浮腫(HAE)発作の長期抑制に対し、C1-INH製剤、アンドロゲン製剤、トラネキサム酸などの薬剤が用いられていました。しかし、これらの薬剤は保険適応ではありませんでした。
ベロトラルスタット塩酸塩は本邦初の保険収載薬でもあり、患者にとって有用な治療選択肢になる薬剤です。
遺伝性血管性浮腫(HAE)I型またはII型患者を対象とした第Ⅲ相臨床試験において、1日1回ベロトラルスタット塩酸塩150mgを経口投与することにより、浮腫発作の頻度が低下したと認められています。 |
使用方法 |
通常、成人及び12歳以上の小児には、1日1回ベロトラルスタット150 mg(1カプセル)を経口投与する。
※ベロトラルスタット塩酸塩は、急性発作が起こった時のために服用するものではありません。
飲み忘れに気づいた場合は、1回分を服用してください。
ただし、次に通常服用する時間が近い場合は、服用せずに次の服用時間から1回分を飲んでください。一度に2回分を服用してはいけません。
誤って多く飲んだ場合は必ず医師または薬剤師に相談してください。 |
副作用 |
主な副作用
ベロトラルスタット塩酸塩には、副作用が起こる可能性があります。
ベロトラルスタット塩酸塩を服用した場合、どのような副作用が起こるか知っておきましょう。
・腹痛・下痢・鼓腸・上腹部痛
・胃食道逆流性疾患
・嘔吐
・発疹
・ALT上昇
・AST上昇
・γ-GTP上昇・QT延長
重大な副作用
・QT延長・肝機能障害
用法や用量を間違えると命に危険を及ぼすような、重篤な副作用が発生する恐れもあります。
異変を感じた場合は、直ぐに医師の診察を受け指示に従いましょう。
※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。 |
使用に注意が必要な方 使用出来ない方 |
使用が出来ない方 ・本剤成分又は含有成分で過敏症の既往歴がある方
使用に注意が必要な方 ・合併症又は既往歴がのある患者
・QT延長又はその既往歴のある患者、QT延長を起こしやすい患者(不整脈、虚血性心疾患、低カリウム血症等の患者)
・肝機能障害患者(中等度及び重度の肝機能障害(Child-Pugh分類B、C)のある患者
・妊婦又妊娠している可能性のある方
→妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
・授乳中の方
→治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること
・12歳未満の小児
→低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児を対象とした臨床試験は実施されていない。
■重要な基本的注意
・患者又はその家族に以下の内容を十分に説明し、理解を得た上で使用すること。
1.急性発作の治療を目的に本剤を服用しないこと。
2.本剤にはQT延長を含めた安全性の懸念があること。
・QT延長が現れる可能性があるため、ベロトラルスタット塩酸塩の投与前及び投与中は、心電図検査を行うなど患者の状態を十分に確認すること。また、QT延長を起こしやすい患者や、ベロトラルスタット塩酸塩の血中濃度が上昇する可能性のある患者では、QT延長等の副作用が現れやすくなるので特に注意すること。
・PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発する場合があるため。
上記にあてはまる方は、ベロトラルスタット塩酸塩を使用する事が出来ない可能性があります。 ベロトラルスタット塩酸塩を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。 |
併用禁忌薬 |
併用注意薬 ・シクロスポリン
→ベロトラルスタット塩酸塩の血中濃度が上昇する恐れがあるため。
・CYP3A4で代謝される薬剤ミダゾラム、アムロジピン等
→血中濃度が上昇する恐れがあるため。
・CYP2D6で代謝される薬剤デキストロメトルファン等
→血中濃度が上昇する恐れがあるため。
・ジゴキシン
→血中濃度が上昇
・QT延長を起こすことが知られている薬剤
→QT延長を起こす恐れがあるため。
上記を使用している方は、ベロトラルスタット塩酸塩を使用する事が出来ない可能性があります。 ベロトラルスタット塩酸塩を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。
併用禁忌薬 現在ジェネリック医薬品の製造はありません。
併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です 現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。 |
よくある質問 |
|
サイト利用に関する注意事項 | 医薬品を使用する場合、必ず医師や薬剤師の指示に従って下さい。 医薬品を使用し、体調不良が現れた場合、我慢せずに直ちに医師の診察を受け、指示に従って下さい。 |